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40 4年生の騎馬戦みたいなのがはじまったぞ

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 反対側には2年のDクラスがいる。
「かわいそうに。Fクラスになったということがどういうことなのかわかっていないんだ」
「3か月もすれば嫌でも理解するだろう?」
「せめて今だけでも楽しめばいい」
「しかし、今年の1Fはいつもに比べてあほそうだな」
「恥ずかしげもなくあんな布おそろいでつけて。みっともない」
 ったく、どいつもこいつも。
 Fクラスを馬鹿にしてるけど、所詮クラス分けテスト1回だけの結果なんだよ?すべての能力を知っているわけじゃないでしょう?
 だいたいクラス分けテストの内容だって、数学、歴史、マナー、体力しかないんだよ?剣術が得意な人がFクラスになる可能性もあるじゃん。剣術大会ですごい成績出す可能性もあるじゃん。知りもしないうちからFクラスというタグだけで判断するなんて、あほなのはどっちだよ。たぶん、マージとかフレッドとか結構剣は強いんじゃないかな。素振りの時、いい音させてたもん。まぁ、今回はトーナメント戦の代表は私だから実力のほどは分からないけどさ。
「第一競技は、4年生団体戦」
 ふおーう、そうかぁ!無学年生トーナメント以外は、学年別の競技か!まじ、運動会だよっ!
 というわけで、4年生が模擬剣を手に出てくる。選手は各クラス10名ずつ。で、7クラス全部出てきたよ。
 で、騎馬戦に近い。相手の帽子取ったら勝ちみたいなのだけど、帽子じゃなくて剣術だけあって、相手に「まいった」させて模擬剣を渡させるそうだ。
 って、クラスメイトが説明してくれてます。
 詳しいな。
 ってかむしろ、この学校の卒業生である兄が5人、現役2人いる私が、なぜ一番知らないのだろう。……うん、団体戦とか兄たちたぶん出場してない。
「ほら、見てごらん。選手は出てきた10名だけじゃない。あそこにいる1人と、その下に4人いるのも団体戦の選手だ」
 へー。
 一人は、司令塔らしい。設置された少し高い場所に立っている。なるほど。戦況を見極めるわけだ。
「開始っ!」
 開始の合図とともに、70名の選手がコートの中になだれ込む。
 司令塔はあらかじめ作戦通りに選手が動いているか、他のチームが想像通りなのか。イレギュラーが起きれば作戦を変え、下に控えている伝令に伝える。
 伝令は、笛だとか太鼓だとか、時には戦場となっているコートの周りを駆け回り選手たちに指示を伝えていく。
 きっと、兄2はあの司令塔とかの選手だったんだろうなぁ。と、戦術に関しては天才的な兄2を思い出す。
 すでに、将軍補佐官として働いてるくらいだからなぁ。普通は、隊長補佐だとか騎士隊長補佐だとか、もう少し小さな団体の補佐として戦略を組み立てていって、戦果を挙げて出世していくんだけど。……まぁ、公爵令息だからある程度忖度はあったのかもしれないけど……。能力が認められているのは間違いない……はず。まぁ、補佐官一人じゃないからね。修行がてらって意味合いもあるんだろうけど。
 おっと、なんか考え事をしてる間に、選手が減り始めてる。
 ん?
 なんか、動きがおかしい?
 Bクラスの選手に戦いを挑まれるFクラスの選手。
 あっさり背中を見せ、逃げ出す。
 え、逃げる?あ、うん、まぁ、それも戦略なのかもしれない。
 で、逃げた先にはSクラスの選手がいる。Sクラスの選手はマントをつけているので分かりやすい。
 Fクラスの選手は、Sクラスの選手に剣を向けられると、模擬剣を地面に置いてコートを出ていった。
 これ、一見すると、Sクラスの選手に勝ち目はないから降参してるように見える。
 ……でも、おかしいよね?
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