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17 夕日に向かって走るとか、おまえら何部だよっ
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苦しそうな息遣いは、サーシャだったのか。先生が他の人は続けてと言っているのが聞こえる。
……そういえば、体力テストはサーシャは10点とかだったんだよな。それなのに、本当に倒れるまで木刀を振り続けるなんて、すごい根性あるなぁ。
って、何人くらいリタイアしたのかな。今、何回くらい?
あんまり目立ちたくないし、選手に選ばれたくないから、適当なところでやめるつもりだけど。適当ってどれくらいだっけ?
左右にいるマージもフレッドも、全然苦しそうな息遣いになっていないし、ペースも落ちてない。
よし、どっちかのペースが乱れてきたらやめよう。乱れた後も、マージなら根性で100回くらいは楽勝だろう。
とかなんとか思って淡々と木刀を振り続けている。
「はい、時間です。終わって、終わって。限界まで付き合っていたら夜になっちゃうわ!」
先生に素振りを止められた。
あはは、やだなぁ。私、さすがに夜まで素振りなんて無理だから。って、私のことじゃなくて、フレッドとかマージのことかな?
どうせ、汗一つかかず涼しい顔して素振りしてるんでしょう。それとも他の生徒かなー。
目隠しをはずす。
おや?
屍累々……じゃないけど、草原に座り込んだり横たわったりして、はーはー、ぜーぜーしてる子供たち。あ、同級生だけど。
かろうじて立っている人一人。木刀を杖代わりに体支えてる……女子。うん、女子なのにスゲーな。
ぶっちゃけ、夜になって女の体になると、体力四分の一以下になるよ。男の体スゲーって思うもん。
女の体んときは鍛えてないからそうなのかと思って腕立て伏せとかやってみたけど……筋肉がなかなかつかないんだよ。もう、なんていうか、男の体のときとどうしても比較しちゃって、努力が無駄みたいな気持ちになってあきらめた……。
で、あと立っているのは……。
私ですね。ええ、汗かいてますが、息は乱れてません。
それからマージ。
「おい、お前ら体力なさすぎねーか?明日から授業の前に走り込みでもするか?」
とか、物騒な提案をし始めてる。いやいや、何言ってんの、こいつ。
「そうですねぇ。30分ほど走ると目が覚めて学業にも身が入るかもしれませんね」
フレッドが、額に浮かんだ汗をどこから取り出したのかハンカチで拭いてにこりと笑う。これがほんとのハンカチ王子……。
……いくら立場は関係ないとはいえ、王子の言葉に逆らえる子供がいようか?
否!
普通に育てばいくら子供でも11歳にもなれば、王家に逆らっちゃなんねぇだと学んでいるのである。
小さく頷く生徒たち。
「ああ、そうか、学業、勉強も頑張んなくちゃならないなら朝に体力使っちゃだめか。身が入るどころか、30分走ったら授業も聞かずに倒れそうなやつもいるぞ?」
……逆らった。王子に。
マージ……お前……。
自分の意見に賛同してくれた王子の言葉に逆らうとか、どういうつもりだよっ。
「そうですね。では、授業後みんなで走りますか?」
「夕日に向かってか!なんかかっこいいな!」
かっこよくなんかない!っていうか、夕日?
夕日ぃ?
陽が沈むと、まずい。やばい。無理。
「ぼ、ボクは、早く家に帰らないといけないから、無理ですっ」
「なんだよ、付き合いわりぃな」
マージが肩を組んでくる。うるせー。事情があるんだよっ。
……そういえば、体力テストはサーシャは10点とかだったんだよな。それなのに、本当に倒れるまで木刀を振り続けるなんて、すごい根性あるなぁ。
って、何人くらいリタイアしたのかな。今、何回くらい?
あんまり目立ちたくないし、選手に選ばれたくないから、適当なところでやめるつもりだけど。適当ってどれくらいだっけ?
左右にいるマージもフレッドも、全然苦しそうな息遣いになっていないし、ペースも落ちてない。
よし、どっちかのペースが乱れてきたらやめよう。乱れた後も、マージなら根性で100回くらいは楽勝だろう。
とかなんとか思って淡々と木刀を振り続けている。
「はい、時間です。終わって、終わって。限界まで付き合っていたら夜になっちゃうわ!」
先生に素振りを止められた。
あはは、やだなぁ。私、さすがに夜まで素振りなんて無理だから。って、私のことじゃなくて、フレッドとかマージのことかな?
どうせ、汗一つかかず涼しい顔して素振りしてるんでしょう。それとも他の生徒かなー。
目隠しをはずす。
おや?
屍累々……じゃないけど、草原に座り込んだり横たわったりして、はーはー、ぜーぜーしてる子供たち。あ、同級生だけど。
かろうじて立っている人一人。木刀を杖代わりに体支えてる……女子。うん、女子なのにスゲーな。
ぶっちゃけ、夜になって女の体になると、体力四分の一以下になるよ。男の体スゲーって思うもん。
女の体んときは鍛えてないからそうなのかと思って腕立て伏せとかやってみたけど……筋肉がなかなかつかないんだよ。もう、なんていうか、男の体のときとどうしても比較しちゃって、努力が無駄みたいな気持ちになってあきらめた……。
で、あと立っているのは……。
私ですね。ええ、汗かいてますが、息は乱れてません。
それからマージ。
「おい、お前ら体力なさすぎねーか?明日から授業の前に走り込みでもするか?」
とか、物騒な提案をし始めてる。いやいや、何言ってんの、こいつ。
「そうですねぇ。30分ほど走ると目が覚めて学業にも身が入るかもしれませんね」
フレッドが、額に浮かんだ汗をどこから取り出したのかハンカチで拭いてにこりと笑う。これがほんとのハンカチ王子……。
……いくら立場は関係ないとはいえ、王子の言葉に逆らえる子供がいようか?
否!
普通に育てばいくら子供でも11歳にもなれば、王家に逆らっちゃなんねぇだと学んでいるのである。
小さく頷く生徒たち。
「ああ、そうか、学業、勉強も頑張んなくちゃならないなら朝に体力使っちゃだめか。身が入るどころか、30分走ったら授業も聞かずに倒れそうなやつもいるぞ?」
……逆らった。王子に。
マージ……お前……。
自分の意見に賛同してくれた王子の言葉に逆らうとか、どういうつもりだよっ。
「そうですね。では、授業後みんなで走りますか?」
「夕日に向かってか!なんかかっこいいな!」
かっこよくなんかない!っていうか、夕日?
夕日ぃ?
陽が沈むと、まずい。やばい。無理。
「ぼ、ボクは、早く家に帰らないといけないから、無理ですっ」
「なんだよ、付き合いわりぃな」
マージが肩を組んでくる。うるせー。事情があるんだよっ。
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