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10 Fクラスの実力は?

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 ……次の日。
 クラス分け発表。
 うん、Fクラスでした。
 さすがに最後の方の10点はよくなかったか。
 遠い目。
 ええ。遠い目をしております。
 現実を直視したくない。
 赤毛、お前、昨日問題が簡単だと言っておりましたね?
 なのになぜにFクラスにいる。
 私の隣になぜ座っている。
「ぐあーーーーっ、そんなバカなっ!」
 赤毛が、紙を取り出し、何やらガリガリとかきだしてこちらに向けた。
「なぁ、おい、これ昨日のテストの答え、これで合ってるだろう?」
 は?覚えてるの?
「なぁ、なぁ、間違ってないよな?」
 赤毛がぐいぐいと紙を見せてくる。
「えーっと、ごめん、その僕……これとこれとこれと、5,6問しか解けなくて……」
 えへっと笑いながら、解いた問題の答えを見る。
「そうか、Fクラスの人間にきいてもそうだよな、でも、教えてくれっ、その5,6問、合ってるだろ?」
 必死な形相に、思わず答えを思い出す。
「うん、僕が答えられたのはこれと、これと、ここらへんだけど、歴史は全部正解してると思うよ」
 ペンを取り出し、1,5,10,15,19,20問目に〇をつける。
 ……あれ?赤毛、本当にテストできてるのかな。っまぁ、すんごく簡単だと思ったから当たり前か。
 それから、算数問題。
「これは僕の答えと違うみたい」
 最期のの答えに×をつけ、数字を直す。
「はぁー?合ってるだろ?っていうか、お前が間違ってるんじゃねぇの?4,5問しか解けなかったんだろ?」
 5,6問だって言っただろう。
 なに勝手に4,5問に減らしてるんだよ……。
「なぁ、お前は?お前はこれ、解けたか?」
 赤毛が私の前に座っている銀髪の少年に声をかけた。
 イケメンが振り返った。
 ……ああああ、幻じゃない。
 正面から顔を見てしまえば、間違いない……。この銀髪……第二王子(発狂死)だったよ。
「なんで、お前がここにいるんだよぉぉぉぉぉっ!」
 っと、声を大にして叫びたいのをぐっとこらえる。
「なぁ、この問題、合ってるだろ?」
 第二王子が赤毛の持つ紙を見る。
「書き直してある数字が正解」
「うおー、まじか!まさか、これ1問間違ったせいで、Fクラスになっちまったっていうのかぁぁぁっ!」
 え?
 平均点そんなに高いの?
 ぱこーん。
 うん、いい音。
 教室に入ってきた25歳くらいの女性が手に持っていた木の板で赤毛を叩いた。グラビアクイーンになれそうなスタイル抜群美女だ。
「うるさいですよ、マージ君。さぁ席に戻って」
 赤毛はマージというらしい。っていうか、先生、生徒の名前と顔覚えてるの?いい先生の予感!
「さて、私はFクラス担任のソフィアです」
 ソフィア先生が教室を隅から隅まで眺める。
「なぜ自分がFクラスなのか納得していない者もいるようですから、点数と順位を発表しましょうか?クラスでの立ち位置も分かるでしょうから。自己紹介は点数順でどうですか?」
 ソフィア先生の言葉に反対の声は上がらなかった。
 うん、私も平均点とか全然わかんなかったからありがたい。
「では、まずはサーシャさんから。歴史数学は満点でしたが、マナーと体力テストが10点ずつで、合計220点でEクラスです」
 ぱっと見、黒目黒髪。光の加減で髪の毛は茶色っぽくも見える。眼鏡をかけて三つ編みをしているところまでが……日本人っぽい顔で和む。イケメン美女ぞろいのこの世界では割と平凡な顔だけど、日本基準で言えばアイドル総選挙で40位くらいになれそうな感じ。十分かわいい。おっと、自己紹介聞き逃したまぁいいか。
 そうして、順に名前が呼ばれていく。
 次に呼ばれたのは貴族でなくて平民。歴史数学が50点、マナーが20点、体力が95点だそうだ。ほうほう。11歳にして立派な筋肉ついてますね。
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