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パンにシチュー

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注*前の話に引き続き例の生き物出て来るよ

「あ……じゃぁ、絞めるから、血だけ飲んで……」
 うひぃーっ、そうだよね。貴重なエイヨウゲンだもんね。血も無駄にしないですよね。
 ……だが、断る!今はまだその時ではない。そう、どうにもならない食料事情になるその時まで……血を飲むのは勘弁してください。現代日本人にはちょっとハードルが高いんで……。
「こ、このまま持って行こう?ほら、これ、収納鞄、中に入れると時間が止まるらしいから、えっと、新鮮なまま持って帰れる、ほら、入れて、入れて!」
 がしっとネウス君の腕をつかんで砂ネズミを収納鞄の中に入れることに成功。
 はー。怖かった。怖かった。
 収納鞄からパンとシチューと水の魔石を取り出して軽食。
「え?こんなご馳走……」
 たかがパンとシチューという感覚なんだけれど、そうだよね。砂ネズミとサボテンの生活からしたらご馳走だろう。
「村のみんなにも食べさせたい……」
 優しい子だなぁ。
「村のみんなにも食べさせてあげよう。シチューならまだあるから」
 ネウス君が喜んだ顔を見せたのは一瞬で、すぐに顔を曇らせた。
「俺、ユキのためにならなんだってしてやりたいのに、してもらってばかりだ……」
 ぐっと悔しそうにこぶしを握り締めるネウス君。
「すっ、砂ネズミは私、食べたことがないから楽しみよ。村に帰ったら、一番おいしい食べ方教えてね。一緒に食べようね。それからサボテンの汁も美味しかった。また見つけてね」
 ネウス君を励ますように慌てて口を開く……これで、砂ネズミを食べることが決定しました。……しました……。
 せめて、料理したらあの姿がなくなりますように。丸焼きは勘弁してください……。そう、回避するのことはもう一つあった。
「あと、血は栄養が足りない人にあげて。私は街を追い出されたばかりでまだ元気だからね?」
 血が飲みたくないというのもあるけれど、実際私よりも目の前のネウス君、それから村の人たちの方が必要だろう。ネウス君は優しい。村の人たちに虐待されてこんなにやせ細っているわけじゃないと思う。とすれば、村人全体が食べる物が少なくて大変な生活をしているということだ。
「あ、ありがとう……あの」
 まだ、ネウス君が申し訳なさそうな顔をしている。
「ねぇ、村にはどれくらいの人がいるの?」
「あ、うん、えーっとコレだけ」
 ネウス君が手を開いて見せた。パーの形だ。
 5人?……5という数字は分からないのかな?さっき3か月と言っていたから、分かるよね?いや、3より大きくなると分からない?
 もしそうでも、仕方がない。食べるものに事欠く生活してるのに、教育だけ行き届いているはずがない。
 しかし、たった5人の村?


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ご覧いただきありがとうございます。
楽しんでいただけていれば嬉しいです。
ざまぁのための準備に入ります。
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