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事情2

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「それが、10年ほど前からパタッと打診が無くなった。流石にどうしたものかと気になって尋ねたことがあるんだが……」
 ちょ、お父様、なんでせっかくこちらにとっていい状況なのに尋ねたんですか!寝た子を起こしかねませんよ?押してダメなら引いてみな作戦だった場合、まんまとつられているじゃないですか!
「うちのかわいい娘に何か問題でもありましたか?と」
 ある。
「美少女で、勉強熱心で賢い。我儘でも浪費家でもありません、こんなに素晴らしい私の天使の何が不満なのかと」
 あああああ。親ばか、親ばかが発動してます、お父様!
「もし、母親が亡くなって、女性としての教育が行き届いていないだろうと言われるようなことがあれば、仕事をやめて領地でリリーと一緒にのんびり暮らそうと思ったんだよ」
「お父様……」
 お母様を亡くした私のことを思って……。
 そうですよね。きっと学園にも通いませんでしたし、私に問題があると思われても仕方がありません。
 いえ、問題はあるんですよ。世継ぎが産めないという、最大の問題が。
「返事は意外なものだったよ。皇太子殿下は、王位を継ぐ気はないとおっしゃっているそうだ。第二王子に皇太子の地位を譲りたいと主張していると」
 第二王子が生まれたのがたしか12年ほど前。なるほど。第二王子がすくすくと育ってきた当たりで、自分が皇太子じゃなくても弟がいるから問題ないと言い始めたということかな。
「資質に問題はないんだよ。今20歳とまだ若いけれど、いくつかの政策の改善点をすでに提案して、それにより税収が増えたり、農民の生活レベルが向上したりしている」
 それは聞いたことがある。この先も安泰安泰と、お父様が皇太子殿下を褒めていた。
「問題があるどころか、皇太子の地位を無くすには惜しい才覚を持っている。だからこそ陛下も第二王子にという皇太子の言葉を突っぱねてはいる。だが、一方で、この先どうなるか分からないと思っておいでのようで……」
 なぜ皇太子は弟に王位を継いでもらいたいんだろう。
 人の上に立ちたくないとか?
 そういえば恋愛小説なんかだと、皇太子の立場の王子がその重責に苦悩して、ヒロインの言葉に救われ恋に落ちるとかありましたね。
 重責に苦悩してる?逃げ出したいと思っている?でも、すでにいくつも成果を残しているのに?逆に成果を残して期待されすぎて嫌になった?
「だからな、もし、将来王妃になると覚悟して婚約し、長く王妃教育も受けてもらったのに、皇太子が位を弟に譲ってしまったりしたら、迷惑をかけるだろうとリリーへの打診はやめたそうだ」
 なるほど。



================

エミリーは優秀。

そして、陛下の言い訳も、優秀www

本当は……公爵家にも言えない秘密を抱え、直るかもしれないという望みを……げふんげふん。

おはようございます。本日もよろしくお願いします。

侍女の名前ですが、皆様のご意見を見るに、はやり2~3文字。濁点のある名前よりもない感じ。あと小さい文字はなし。しゃとかきゃとかりょとか。それが基本ですかね。
ロッテンマイヤーさんという案も出ておりますが、
私の小説では「侍女頭」の名前は「ロッテン」で統一しております。(-ω-)/
侍女じゃなくて、侍女頭なのです……。だって、ロッテンだよ?ロッテン……。
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