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「いや、お礼を言われるようなことは……。他の人のリクエストが、おいしい酒、焼き鳥、面白い店だったから……で」
よかった。ほかの人のリクエストも考慮した結果だったのですね。
「ああ、この店は確かに面白いですし、お酒の種類も豊富でおいしそうですよね。あと焼き鳥の缶詰も置いてある……最高じゃないですか!」
「いや、でも、丸山の言う通り、女性のことももうちょっと考えるべきだったよね。ちょっと煙草の煙が髪や服についちゃうかな……」
頭を横に振る。
「大丈夫ですよ。私も菜々さんも初夏ちゃんも、みんな楽しんでます。あ、一つお願いしてもいいですか?」
なぜ、ここまで低姿勢なのでしょう?丸山さんによっぽどこっぴどく言われたのでしょうか?
本当に別に気にしていませんし、、お店選びを任せたからには、文句なんて言う立場ではないのです。
「お願い?」
「眼鏡がないので、缶詰の文字が読めなくて、どんな缶詰があるのか教えてもらってもいいですか?」
「もちろん。サンマの味噌煮、サンマの塩焼き、サンマの水煮」
定番だけれど。水煮?そのまま食べるんでしょうか?
「サンマの蒲焼、醤油煮、味噌カレー」
「カレーですか?しかも、味噌?」
私の声に、和臣さんは棚から味噌カレーを取ってくれました。
顔の前に近づけて缶を見ます。20センチの距離まで持ってくれば文字も読むことができるのです。
「そういえば、この前もメニューをそうやって見ていたね。本当に見えてないんだ」
「そうなんですよ。眼鏡なしだと0.1ないので。まるで雨に濡れたガラス越しの景色を見ているみたいにぼんやりして見えます」
気になるので、サンマの味噌カレーをとりあえずキープしてみます。
「さんまと柚子胡椒、焼きサンマと大根おろし、さんまとレンコン炊き合わせ、ショウガ入りさんま、サンマオイル漬け、さんまと粒マスタード、サンマのトマト煮、さんまの昆布巻き、さんまの」
「あー、和臣さん、ちょっと待ってください、サンマの缶詰だけで、そんなにも種類があるんですか?どうしよう、いろいろと気になります」
思ってた以上にすごいようです。
どうしましょう……。
「全部食べる?」
「何言ってるんですか!全部食べてみたいけれど、サンマ以外も食べたいので、えっと、とりあえず、カレー煮と、味が想像できなかった粒マスタードにします。和臣さんはどうしますか?」
隣の棚を眺めだした和臣さんの隣に並ぶ。
目の高さに並んでいる缶詰なら顔を近づければ見ることができます。
「うわぁ、タコ焼きにおでんにラーメン、うどんにパンに……このあたりは小麦粉系ですか。ラーメンも醤油に味噌に豚骨、すごいですね……缶詰ってどれだけの種類があるんでしょう。一生かけても食べきれないですよね」
「タコ焼きを食べてみる?」
「いえ、味が想像できるものは今日はやめときます。せっかくなので、味が想像しにくいものにします。和臣さんは?」
「結梨絵ちゃんが魚だから、僕は魚以外のものにしようかな?豆系なんてどうだろう」
豆系?
煮豆?枝豆?
「好きなのを選んでください。豆の缶詰は食べたことがなくて楽しみです」
「あ、ナッツ系もあるね」
和臣さんが選んでいる間に、しゃがみこんで棚の下のほうの缶詰を眺めます。
蜂の子、イナゴ……このあたりは虫系ですか。
すごいなぁ。缶詰を眺めてこれだけわくわくしたことはありませんでした。
よかった。ほかの人のリクエストも考慮した結果だったのですね。
「ああ、この店は確かに面白いですし、お酒の種類も豊富でおいしそうですよね。あと焼き鳥の缶詰も置いてある……最高じゃないですか!」
「いや、でも、丸山の言う通り、女性のことももうちょっと考えるべきだったよね。ちょっと煙草の煙が髪や服についちゃうかな……」
頭を横に振る。
「大丈夫ですよ。私も菜々さんも初夏ちゃんも、みんな楽しんでます。あ、一つお願いしてもいいですか?」
なぜ、ここまで低姿勢なのでしょう?丸山さんによっぽどこっぴどく言われたのでしょうか?
本当に別に気にしていませんし、、お店選びを任せたからには、文句なんて言う立場ではないのです。
「お願い?」
「眼鏡がないので、缶詰の文字が読めなくて、どんな缶詰があるのか教えてもらってもいいですか?」
「もちろん。サンマの味噌煮、サンマの塩焼き、サンマの水煮」
定番だけれど。水煮?そのまま食べるんでしょうか?
「サンマの蒲焼、醤油煮、味噌カレー」
「カレーですか?しかも、味噌?」
私の声に、和臣さんは棚から味噌カレーを取ってくれました。
顔の前に近づけて缶を見ます。20センチの距離まで持ってくれば文字も読むことができるのです。
「そういえば、この前もメニューをそうやって見ていたね。本当に見えてないんだ」
「そうなんですよ。眼鏡なしだと0.1ないので。まるで雨に濡れたガラス越しの景色を見ているみたいにぼんやりして見えます」
気になるので、サンマの味噌カレーをとりあえずキープしてみます。
「さんまと柚子胡椒、焼きサンマと大根おろし、さんまとレンコン炊き合わせ、ショウガ入りさんま、サンマオイル漬け、さんまと粒マスタード、サンマのトマト煮、さんまの昆布巻き、さんまの」
「あー、和臣さん、ちょっと待ってください、サンマの缶詰だけで、そんなにも種類があるんですか?どうしよう、いろいろと気になります」
思ってた以上にすごいようです。
どうしましょう……。
「全部食べる?」
「何言ってるんですか!全部食べてみたいけれど、サンマ以外も食べたいので、えっと、とりあえず、カレー煮と、味が想像できなかった粒マスタードにします。和臣さんはどうしますか?」
隣の棚を眺めだした和臣さんの隣に並ぶ。
目の高さに並んでいる缶詰なら顔を近づければ見ることができます。
「うわぁ、タコ焼きにおでんにラーメン、うどんにパンに……このあたりは小麦粉系ですか。ラーメンも醤油に味噌に豚骨、すごいですね……缶詰ってどれだけの種類があるんでしょう。一生かけても食べきれないですよね」
「タコ焼きを食べてみる?」
「いえ、味が想像できるものは今日はやめときます。せっかくなので、味が想像しにくいものにします。和臣さんは?」
「結梨絵ちゃんが魚だから、僕は魚以外のものにしようかな?豆系なんてどうだろう」
豆系?
煮豆?枝豆?
「好きなのを選んでください。豆の缶詰は食べたことがなくて楽しみです」
「あ、ナッツ系もあるね」
和臣さんが選んでいる間に、しゃがみこんで棚の下のほうの缶詰を眺めます。
蜂の子、イナゴ……このあたりは虫系ですか。
すごいなぁ。缶詰を眺めてこれだけわくわくしたことはありませんでした。
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