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~第2章~
II度a
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「待て待て待て待て!!違う!言い間違えたんだ!!〈カッケェ〉って言おうとしたんだよ!!」
いけるか?
「どう間違えたらそうなる!!」
ダメかー。
「すぐに剣を人に向けるな!!」
と言うか剣ならまだしも、そのノコギリ(みたいな見た目)じゃ恐怖じゃなくて、狂気を感じるわ!!
「さー楽にしてください?ちょ~っとギコギコしますよ?」
「注射みたいに言うな!!」
怖いわ!!
おっと、現状況を教えてなかったな。
今はシオンの振ったノコギリ剣を糸鋸で防御している。
使用人は度肝を抜かれた様子でこちらを見ているが、襲っているのがシオンということもあってか、手を出せずにいた。
「フッ…。」
笑った?
シオンが笑うと糸鋸を持つ両手がサウナのように暑くなった。
違う!!暑いじゃなくてこれは…熱い!!
動きを警戒するためにシオンだけを見ていたが、熱さの正体を見るために首元まで押し付けられた糸鋸に目を移すと、刃が赤くなりノコギリ剣がめり込んでいた。
「溶けてる!?」
ノコギリ剣からは煙が立ち、さらに糸鋸の刃が溶けていた。
「ア、アチチチチチ!手があっつい!!」
これはマズイ!
刃を溶け切られてフレームまでノコギリ剣が来たら、触れていないとはいえ周囲の熱で火傷は間違いない!しかもII度aレベル…。
俺は糸鋸を離して、ノコギリ剣の間合いの外に出る。
「まぁた異世界クオリティかよ!!まさか炎の剣なんて言わないだろうな!!」
シオンのノコギリ剣を地面に突き立てると、突き立てた周囲の草が黒く焼け焦げた。
言うんですね…。
「てかカッケェなそれ。」
その見た目じゃなければだが…。
「その剣俺にくれよ。」
するとシオンはノコギリ剣を俺に投げて来た。
あ、普通に怖い。
とは思いつつも、飛んでくるノコギリ剣の持ち手を掴んだ。
「あれ?普通のノコギリ?」
すると、手に持ったノコギリ剣は突然発熱した。耐えられないほどの熱で。
「ッチィ!!」
ノコギリ剣を投げ捨てると、シオンはその剣を当たり前のように拾う。
「これの剣には意思がある。持ち主を害する者は排除し、持ち主に利益を与える者を呼び寄せる。そして1度持ち主と認めればその者が死ぬまで力を貸し続ける。」
ふむなるほど…なら。
「俺がシオンを殺せばその剣は俺のものに…。」
すると俺の後ろに立つ使用人が、後ろで小さな声をあげた。
きっと焦りとか不安とか言うものなんだろう。
「冗談だよ。」
と後ろに立つ使用人に振り返って、やれやれとお手上げの動きをしたが、なぜか不安な表情のまま額に汗を浮かべ。
シオンが「心配するなと」笑みを浮かべると使用人は安心したように小さく笑みを浮かべた。
まあまあ酷いよね…俺王なのに。
「私の保有する剣の中には意志を持つ剣がまだある。」
そう言う剣が2つ以上あったら、剣同士で喧嘩したりしねぇのかな?
「中には持ち主が殺されれば、殺したものを殺す剣もある。」
なるほどね。それが死んでもいいなんて思う原因の1つか…。
痛みと恐怖を忘れれば自分も死ぬが魔王を殺せる。
そして死んだ後に勇者に…ってことね。
これは………想像以上に高レベルのクエストだなぁ。
…ん?
「俺が壊した剣の中にそんな剣あったっけ?」
拷問部屋と勝負の時に壊した剣の中にノコギリ剣がなかったことを思い出した。
「この剣はレベルSの剣、高レベルの魔獣や古竜の皮膚、臓器を高レベルの職人、時には神が作った神具と呼ばれる武器だ。力が強力すぎて人間に向かって振れるものじゃない。」
「振ってるよね?俺人間だよね!?」
「お前など人間ではない」と、魔王のことを知っているシオンに突き放された俺は、言葉のインパクトの強さに、地面に〈の〉の字を書くことになった。
◆◆◆
「危ない!」と使用人の声で、俺はやっと解放された。
しょげている俺を誰も心配してくれず、結果引くに引けないまま5分くらい地面に〈の〉の字を書き続けていた。
やっとか。
立ち上がり振り返ると、俺の膝ぐらいの高さで光り輝く巨大な剣が横から俺に向かっていた。
「うえぇぇぇぇぇ!!?」
お約束に沿って驚きの声をあげた後、俺は飛び上がって剣を避けた。
その剣はシオンが振ったもので、使用人達は地面に伏せて剣を避けていた。
「あぶねぇなぁ!!何してんの!?」
シオンは5メートルくらいある剣を、体の後ろに通していくと、剣は消えていす。
物理学全否定してね?
「木を切っただけだ、決して『ついでに人類の敵を殺そう』などとは思っていない。」
するとシオンを中心に半径5メートル内の木が次々と倒れていった。
使用人達は死にものぐるいで倒れてくる木を避けていたが、俺はそれよりも大切な仕事を続ける。
「言ってるよね!?俺の事殺そうとしたって言ってるよね!?」
そう、〈ツッコミ〉という仕事だ。
最近は俺がボケてばかりだったからな。
「さて、もってきてくれ。」
そう言ってシオンは城の方へと歩いて行った。
まさか、切った木の事を言ってるんじゃないだろうな。
すると使用人達は木の切り口を持って、なんとか引きずろうとしていた。
言ってるんですね。
いけるか?
「どう間違えたらそうなる!!」
ダメかー。
「すぐに剣を人に向けるな!!」
と言うか剣ならまだしも、そのノコギリ(みたいな見た目)じゃ恐怖じゃなくて、狂気を感じるわ!!
「さー楽にしてください?ちょ~っとギコギコしますよ?」
「注射みたいに言うな!!」
怖いわ!!
おっと、現状況を教えてなかったな。
今はシオンの振ったノコギリ剣を糸鋸で防御している。
使用人は度肝を抜かれた様子でこちらを見ているが、襲っているのがシオンということもあってか、手を出せずにいた。
「フッ…。」
笑った?
シオンが笑うと糸鋸を持つ両手がサウナのように暑くなった。
違う!!暑いじゃなくてこれは…熱い!!
動きを警戒するためにシオンだけを見ていたが、熱さの正体を見るために首元まで押し付けられた糸鋸に目を移すと、刃が赤くなりノコギリ剣がめり込んでいた。
「溶けてる!?」
ノコギリ剣からは煙が立ち、さらに糸鋸の刃が溶けていた。
「ア、アチチチチチ!手があっつい!!」
これはマズイ!
刃を溶け切られてフレームまでノコギリ剣が来たら、触れていないとはいえ周囲の熱で火傷は間違いない!しかもII度aレベル…。
俺は糸鋸を離して、ノコギリ剣の間合いの外に出る。
「まぁた異世界クオリティかよ!!まさか炎の剣なんて言わないだろうな!!」
シオンのノコギリ剣を地面に突き立てると、突き立てた周囲の草が黒く焼け焦げた。
言うんですね…。
「てかカッケェなそれ。」
その見た目じゃなければだが…。
「その剣俺にくれよ。」
するとシオンはノコギリ剣を俺に投げて来た。
あ、普通に怖い。
とは思いつつも、飛んでくるノコギリ剣の持ち手を掴んだ。
「あれ?普通のノコギリ?」
すると、手に持ったノコギリ剣は突然発熱した。耐えられないほどの熱で。
「ッチィ!!」
ノコギリ剣を投げ捨てると、シオンはその剣を当たり前のように拾う。
「これの剣には意思がある。持ち主を害する者は排除し、持ち主に利益を与える者を呼び寄せる。そして1度持ち主と認めればその者が死ぬまで力を貸し続ける。」
ふむなるほど…なら。
「俺がシオンを殺せばその剣は俺のものに…。」
すると俺の後ろに立つ使用人が、後ろで小さな声をあげた。
きっと焦りとか不安とか言うものなんだろう。
「冗談だよ。」
と後ろに立つ使用人に振り返って、やれやれとお手上げの動きをしたが、なぜか不安な表情のまま額に汗を浮かべ。
シオンが「心配するなと」笑みを浮かべると使用人は安心したように小さく笑みを浮かべた。
まあまあ酷いよね…俺王なのに。
「私の保有する剣の中には意志を持つ剣がまだある。」
そう言う剣が2つ以上あったら、剣同士で喧嘩したりしねぇのかな?
「中には持ち主が殺されれば、殺したものを殺す剣もある。」
なるほどね。それが死んでもいいなんて思う原因の1つか…。
痛みと恐怖を忘れれば自分も死ぬが魔王を殺せる。
そして死んだ後に勇者に…ってことね。
これは………想像以上に高レベルのクエストだなぁ。
…ん?
「俺が壊した剣の中にそんな剣あったっけ?」
拷問部屋と勝負の時に壊した剣の中にノコギリ剣がなかったことを思い出した。
「この剣はレベルSの剣、高レベルの魔獣や古竜の皮膚、臓器を高レベルの職人、時には神が作った神具と呼ばれる武器だ。力が強力すぎて人間に向かって振れるものじゃない。」
「振ってるよね?俺人間だよね!?」
「お前など人間ではない」と、魔王のことを知っているシオンに突き放された俺は、言葉のインパクトの強さに、地面に〈の〉の字を書くことになった。
◆◆◆
「危ない!」と使用人の声で、俺はやっと解放された。
しょげている俺を誰も心配してくれず、結果引くに引けないまま5分くらい地面に〈の〉の字を書き続けていた。
やっとか。
立ち上がり振り返ると、俺の膝ぐらいの高さで光り輝く巨大な剣が横から俺に向かっていた。
「うえぇぇぇぇぇ!!?」
お約束に沿って驚きの声をあげた後、俺は飛び上がって剣を避けた。
その剣はシオンが振ったもので、使用人達は地面に伏せて剣を避けていた。
「あぶねぇなぁ!!何してんの!?」
シオンは5メートルくらいある剣を、体の後ろに通していくと、剣は消えていす。
物理学全否定してね?
「木を切っただけだ、決して『ついでに人類の敵を殺そう』などとは思っていない。」
するとシオンを中心に半径5メートル内の木が次々と倒れていった。
使用人達は死にものぐるいで倒れてくる木を避けていたが、俺はそれよりも大切な仕事を続ける。
「言ってるよね!?俺の事殺そうとしたって言ってるよね!?」
そう、〈ツッコミ〉という仕事だ。
最近は俺がボケてばかりだったからな。
「さて、もってきてくれ。」
そう言ってシオンは城の方へと歩いて行った。
まさか、切った木の事を言ってるんじゃないだろうな。
すると使用人達は木の切り口を持って、なんとか引きずろうとしていた。
言ってるんですね。
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