上 下
88 / 229
第二章 運命の出会いと砂漠の陰謀

〈81〉砂漠の王子14

しおりを挟む


「レオナ、頼みがある。……婚約者になってくれ」
 
 ゼルのとんでもない頼みに即座に反応したのは、ヒューゴーだ。
「ああっ!?」
 と、テーブルを蹴る勢いで立ち上がった。

「ヒューゴー、落ち着いて」
「っ、しかし」
「理由を聞いても良いかしら?」
 今度こそ、身体を離して居住まいを正したレオナは、ゼルに身体ごと向けて尋ねた。
 
「……恐らく周りの女子学生達が騒ぎ出すだろう」
「そうね」
 ただでさえ学院は『婚活市場』なのだ。
「先に婚約者がいると言えば、その面倒は避けられると」
「ゼル、残念だけどそれはできないわ」
 レオナは、息をゆっくりと吸い込む。
「なぜだ? フリだけで良いのだぞ」
「氷の宰相に、氷の貴公子、麗しの蒼弓そうきゅう
「うぐ」
「そして、最強の騎士見習いと幼なじみ」
 レオナはニッコリ笑った。
「……無理だな。分かった。じゃあ」
 ゼルはニヤリとした。
だけ頼む」


 ――やられた。
 最初にハードルの高い条件を出して断らせて、妥協したと思わせといてそっちが本命のやつー!
 

「……どのくらいの範囲か分からないけれど」
 レオナは溜息とともに返事をした。
「できる限りで、ね」
「よし。分かったかヒューゴー」

 最強の騎士見習いは、仁王立ちで
「あくまで、対処が必要な時だけだ!」
 と言い放った。
「あと、フィリ様にはお前が言え! 俺は助けない!」
「げえっ! 助けろよ」
「だが断る!」
 

 
 あっ、伝統のやつー!


 
 レオナはまた笑った。


 ゆっくりお茶を飲んで身体も落ち着いた頃、カミロがシャルリーヌとともに研究室に戻ってきた。どうやら、カミロとヒューゴーにはレオナに何かあった場合、研究室を使うという暗黙の了解があったようだ。


 ――また贔屓ひいきとか言われないと良いけど……


 レオナは心配になりつつも、カミロの配慮に感謝する。
 
「レオナ! 大丈夫!?」
 不安そうなシャルリーヌに
「もう大丈夫よ、ありがとう。心配かけてごめんね」
 レオナは申し訳なさでいっぱいである。
「謝らないで!」
 と言いつつシャルリーヌは、レオナの前に立って顔色をうかがうと
「……辛そうよ? 今日はもう休んだら?」
 さらに気遣う。
 どうしようかとレオナが悩んでいると
「魔力暴走の片鱗がありましたので、勝手に結界を発動しました。初めてですし負担も重いでしょう」
 カミロの助け舟だ。
「早退しても構いませんよ」
「ありがたく存じますわ。でも私は、ゼルを助けたいと存じます」
「……そうですか。ただし体調が悪そうなことは、今日の講師の方々にお伝えしますからね。くれぐれも無理はしないように」
 カミロの優しさが身に染みるレオナであるが
「ゼルを助けるってどういう意味? なんか悪い予感しかしないんだけど?」
 腰に手を当てて仁王立ちの侯爵令嬢が、恐ろしく冷酷な顔をして問い詰めてきたので、再び身震いをした。

「……えっとあの、あのね……」
 ちらりとカミロを見ると
「大丈夫。講師にも通達がありましたよ」
 微笑んでくれる。
「左様でしたか……ありがたく存じます。シャル、あのね、ゼルが」
「婚約者になってくれと頼んだ」
 あまりにもズバッとゼルが言うので、シャルリーヌは口を開けたまま固まってしまった。
「……ゼル君、それはどういう?」
 シャルリーヌが動けなくなったので、代わりにカミロが問う。
 
「エドガーの暴露で、恐らく近づいてくる女性が増えるだろう? 先に婚約者がいると言えば」
「ああなるほど。でもね、ゼル君。君は亡命扱いになっただろう? コンラート伯の養子というのは形骸化けいがいかしてしまって、実質王子に返り咲いている状態でもあるんだ。つまり、婚約者にするためには、アザリーの手順も踏まなければならないんだよ。抑止よくし力にするだけというのはどうかな」
 やけに詳しいカミロの説明に、少し違和感を感じたレオナであったが
「先生、ローゼンの許可が取れないということで、お断りしておりますの」
 と伝えた。
「……そうかい。ふう。それなら安心した。僕もフィリベルトには殺されたくないからね」

 
 冗談だけど、冗談にならないこと言った!


「でも助ける、ってどういうこと?」
 シャルリーヌが、ずずいっと顔を近づけてくるので
「あ、えっとね、その」
 タジタジなレオナである。
「親しいフリをするんだと」
 今度はへそを曲げた侍従が言い放つ。
「は?」


 シャルさーん!
 青筋、青筋!
 あなた、侯爵令嬢でしょうよ~


「ゼル?」

 
 あなた本気? って言わなくても通じるの凄いねー


「本気だ」


 ゼルにも通じてるぅ~


「私は、大反対」
「なぜだ?」


 ッカーン!
 いや、ゴングの音なんか聞こえるはずがないよね!?


「ゼル。あなたね! 貴族の女性にとって、殿方と親しくするその意味を、分かって言っているの?」
「……別に同じ学生なのだし、具体的に何かする気は」
「当たり前でしょう! バカッ!!」
 ゼルがビクッとする。
 シャルリーヌは大きく息を吸い込み、そしてゼルの鼻に人差し指を差して畳み掛ける。
「いい!? 良く聞きなさい! マーカム王国の貴族女性は常に品性を保ち貞淑ていしゅくであれ、よ! 婚約者以外の殿方と親しくして、一度でもふしだらな女なんて烙印を押されたら人生お終いなの!」
「そうなったら俺が責任を」
「大馬鹿者っ!!」
 うぐ、とゼルは二の句をたちまち封じられた。
「命の危険があって、コンラート伯の後ろ盾がなければ生きていけない貴方が、何の責任を取れるって言うのよ!」
「ぐ……」
「レオナもレオナよ!」
「はうっ」

 
 大砲がこっち向いたぁー!


「助けたいって気持ちは大事だし良い事ですけどね! 自己犠牲もいい加減にしないと怒るわよ!」


 既に怒ってますよ、シャルさあん……


「はい。そこまで。そろそろ戻らないと」
 ぱん、と軽く手を叩いてカミロが促してくれた。
「シャルリーヌ嬢の言うことは正論。私も学院講師として反対したいところだけど、今は結論を出さずに、まずは状況を見ましょう。では、戻りなさい」
 ゼルとレオナは、ノロノロと立ち上がった。
 シャルリーヌは元々立っていたので、扉を開けに先に動いてくれる。
 ヒューゴーは
「これ片付けてから戻ります」
 と部屋に留まるようだ。――そういえば次はマナーの講義だったな、とレオナはヒューゴーがまた自主休講することを悟る。
「分かったわ。後でね」
「はい」
 レオナとゼルはすごすごと、シャルリーヌはプリプリと、ハイクラスルームに戻った。


 ※ ※ ※
 

「カミロ先生、大変助かりました」
 ヒューゴーが深深と頭を下げる。
「いや、間に合って良かった。第三者が任意に発動できるようにしてしまうと、それはそれで危険な結界だから、レオナ嬢以外は私とフィリベルトしか発動できない仕様にしたんだ。まあ、これで次はレオナ嬢も自分で対処できるようになるだろう」
「はい……」
「私としても良い経験になったよ。いつもならあの手のものは、使用者と事前に動作確認をするんだが」
「魔力を暴走させろ、とは言えないですもんね」
「ああ。そうなんだ。もしあまりにも負担が大きいようなら、再調整するので言って欲しい」
「承知致しました」
「フィリベルトはその後変わりはないかい?」
「フィリ様は、公爵家に篭っている分には安心ですから。ゼルのための結界の魔道具もお借りできて、大変助かっております」
「お礼はラザールに。たくさん魔石を支給してくれたからね」
「畏まりました」

 ヒューゴーが茶器を片付けていると胸ポケットから『リンリン』と微かな音が鳴った。
「っ、緊急通信!?」
「フィリベルトの部屋を使うと良い」
 カミロが素早く、フィリベルトの部屋の扉を開けてくれる。
 飛び込むとパタンと閉めてくれたので、即座に防音結界が作動したのを目で確認しながら、通信魔道具を起動させた。
 
「はい」
『ヒューゴー、フィリベルトだ。今話せるか?』
「はっ、ちょうど研究室にいました。結界内です」
『それなら良かった。――父上が行方不明になった』
「なっ!」
『王宮で拘留こうりゅうが決まった途端にだ。それから、もう一つ悪いしらせがある』
「……なんでしょうか」
『ミレイユ王女の一団が、国境付近で襲撃を受けた』
「は!?」
 にわかに信じ難い報せだった。
『幸いジョエルが対応して大事には至っていないようだが、再度父上の関与を疑われている』
「どういうことですか」
『通信魔法ではここまでが限界だ。すぐ戻れ』
「レオナ様は」
『……とりあえずヒューゴーだけだ。後で迎えを頼む』
「はっ!」
 走った方が速いな、と頭で考えながら扉を開け、カミロに緊急事態のため早退することを告げ、了承を得た。

 ジャケットのボタンを外しタイを乱暴に崩しながら、ヒューゴーは走り出した。


 ※ ※ ※


 ――数時間前、ガルアダとマーカムの国境付近。


「しーごとーは地味ー、じーみじみー♪」
 馬上のジョエルは、割と大きな鼻歌を披露していたが
「副団長、気ぃ抜けるんでやめてもらっていいすか」
 ブロルに冷たくあしらわれていた。
「えー、いーじゃーん。セレスの分まで働かなくちゃだしー」
「うぐっ、ほんとその節は……」
「だーから目立つ動きすんなって普段から言ってるでしょーがっ。ほんっと、バカなんだからぁ」
 
 正義感が強く、学院でレオナに接して情の厚かったアルヴァーとブロルが、派手に動き過ぎた。セレスタンも脇が甘かった。それゆえ付け込まれての、一時降格処分。セレスタンには自業自得だと説教し、カトリーヌにはうまく説明して騎士団本部への殴り込みは阻止しておいたが。
「いやほんと申し訳が」
「ま、それもブロルの良いとこだけどねーん」


 ――けどあのゲルゴリラ、この後どうなっちゃうかは全然考えてないよねえ~


 警備強化すべき公爵家をないがしろにした、という事実が、高位貴族の間で噂として広まっているその重大さに、全く気づいていない。貴族の矜恃は、何よりも優先しなければならないこの国においてそれは、致命的である。


 ――自分で自分のお尻に、火ぃ付けちゃったねえ。


 とはいえ、まだ



 ――もう少し、傀儡かいらいでいて欲しいなぁ。



 鼻歌を続けながら、ジョエルは王都に思いを馳せる。
 しばらく会えていない、レオナとシャルリーヌのことが心配だった。
 
 ローゼン家の馬車襲撃事件とフィリベルトののことは、報告書で見た以上に、影からの報告を受けている。レオナのことだから、思い詰めて魔力暴走を起こさないと良いが、などと考えていると。

 何かが臭った。
 
「マヌケだな~、風上で何かたくらんでいやがるってかぁー。アルヴァー! 索敵さくてき!」
「はっ!」
「ブロルは殿下の馬車頼むねえ!」
「はっ!」
「総員。警戒態勢っ!」
「はっ!」

 怒鳴りながらジョエルはわざと隊列から離れる。
 蒼弓の射程距離は長い。かつ魔眼で戦場を広く把握するのもジョエルの役目だ。
 
 ミレイユ・ガルアダ王女を護る、マーカム王国騎士団とガルアダ傭兵団の合同二個小隊。指揮はマーカム王国の誇る麗しの蒼弓こと副団長のジョエル。喧嘩を売る方がどうかしている、という布陣だが、相手には関係なかったようだ。

 ぞわり。

 ジョエルの肌が粟立った。
 うぞうぞとうごめく、黒い大きな影を魔眼が捉えた。

「魔獣だっ! デカい群れだぞっ!」

 ジョエルが叫ぶと、ブロルが王女の馬車を回避の方向へ導く。その他の団員はアルヴァーの指揮のもと横一列に散開し、一匹ももれなく討ち取る態勢に移った。傭兵団は王女の馬車を取り囲み防御態勢を取る、攻守分かれた布陣。緊張感が現場に迸る。


 ――あの臭いは獣粉かっ


 復興祭で、ブルザーク皇帝からもたらされた情報で判明した、意図的に魔獣を呼び寄せる粉。ブルザーク帝国の冒険者ギルドでは安価で取り扱っている、素材集めに使用する消耗品。ギルドに登録されている冒険者であれば、誰でも買える。
 
「あの挙動不審野郎に、在庫確認してもらわないとなー!」
 
 ブルザークの外交官サシャはいつもオドオドしていて、会話がなかなか成り立たないので、ジョエルは苦手だった。だがその頭の中身は極めて優秀なので話さざるを得ない。しかもジョエルに対しては、いつもぽっと染まった顔で
『そそその、前髪上げたごご尊顔を是非ぜひじゅるる』
 なんて言われて寒気がしたのを思い出した。
 とはいえ、ラザールのことは苦手なようで
『はうっ、つつつ冷たい目線っ!』
 と言いながらピャッと逃げていた。

「よし、ラジに丸投げしよー!」
「……なんの話です?」
 いつの間にか隣に並んでいたブロルが、苦笑している。
 
 王女の馬車はガルアダ傭兵団が取り囲み、安全な場所に退避していた。念のため次の指示をもらいに来たのだろう。猪突猛進だが優秀な部下である。
「こっちの話~。いやぁ、さすがうちの部隊強いねえ」
 獣粉で呼び寄せられる魔獣など、所詮は雑魚ざこなのだ(だからこそ流通している)。一般民には脅威きょういかもしれないが、鍛え抜かれた騎士団にとってはなんの障害にもならない。
 
 だからこの襲撃には、別の意図があるに違いない。
「量が多いだけですからね」
 とはいえブロルも渋い顔だ。
「一体何がしたいんでしょうね……」
「考えんのは、別の奴らの仕事ー。僕達は、無事王都まで送り届けるだけだよー。あと三日、気を引き締めようねー」
「そうですね! 皆にも伝えます!」
 カカッ、とブロルは馬首を返し主戦場(とはいえほぼ殲滅せんめつ済)に向かっていった。
 
 
「ほんと、なーにがしたいのかなー?」
 晴れた空に、副団長の大きな独り言が霧散むさんしていった。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と

鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。 令嬢から。子息から。婚約者の王子から。 それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。 そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。 「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」 その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。 「ああ、気持ち悪い」 「お黙りなさい! この泥棒猫が!」 「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」 飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。 謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。 ――出てくる令嬢、全員悪人。 ※小説家になろう様でも掲載しております。

婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。 だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。 そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。 全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。 気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。 そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。 すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。

帰らなければ良かった

jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。 傷付いたシシリーと傷付けたブライアン… 何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。 *性被害、レイプなどの言葉が出てきます。 気になる方はお避け下さい。 ・8/1 長編に変更しました。 ・8/16 本編完結しました。

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

処理中です...