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学園入学編
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「入学おめでとう。体は大丈夫か?」
翌日は無事に熱が下がり、車椅子の操縦の一切を櫂斗もしくは他の人にしてもらうと言う条件で登校をもぎ取った。
今日は校舎見学で、説明会の時に担当してくれた久木が時雨につく。櫂斗の方は生徒会長である長松が担当らしく、「面倒くせぇから月見里と一緒に周れ」と言われ今も一緒に後ろにいる。
「ありがとうございます。病み上がりなもので、車椅子ですが気にしないで下さい。紹介しますね、僕の番の来栖櫂斗です。カイ、こちらは2年生の久木朧先輩。」
「よろしくお願いします。久木先輩。」
「ああ、よろしく。じゃあ行こうか。このまま3階から降りて行って、昼時になったらそのまま食堂で一緒に食事を摂るまでが一連なんだ。その順番でいいか?」
「はい。大丈夫です。」
校舎はコの字型でありA棟と呼ばれる片方は教室ばかりであるため、廊下を挟んだB棟を主に見学する。
4階は一般生徒が使う事はないらしく、3階からだ。
3階には理科室や化学室、調理室などの実験系の教室が、2階にはPC室や技術室のようなコンピュータ・工業系でまとめられている。また、離れた場所であったが、美術室や音楽室も2階にあり時雨はテンションがあがる。
「中に入るか?普段は施錠されているんだが、中に今日は教員がいるから入れるぞ。」
「ぜひ!!」
無類の読書好きの時雨だったが、アメリカでは母さんに習いピアノも体調の良い日は弾いていた為、たまに弾きたくなるのだ。
久木先輩が軽くノックをして失礼しますと中に入る。
ドキドキしながら中を見ると、真っ黒のフルコンサートグランドピアノが鎮座していた。
世界的にも有名なブランドのもので滅多に御目にかかる事はないだろう。
「凄い…。カイ、この学校来てよかった…」「あはは…。良かったな。」
目をキラキラさせて見ていると、櫂斗からは苦笑される。
「先生が弾いてみても良いと言っているが、弾くか?」
「えぇ⁉︎いいんですか⁈…その先生はどちらに…?」
「ああ、天城先生は重度の人見知りで人前には出たがらないから陰でそっと見てらっしゃるから心配しなくていい。」
それなら、と何処にいるかわからない為空間に向かって「ありがとうございます。」と一言言って、車椅子でギリギリまで椅子に近づきゆっくりと移動した。
蓋を開けるとそこには美しい鍵盤が並んでいる。
恐る恐る手を伸ばし、ポロンっと最初の和音を奏でる。
ピアニストでも何でもない時雨にも分かるくらい、音の響きが格別だ。
「シグ、何か弾いてみてくれ。」
「いいよ。何がいい?」
「何が弾けるんだ?」
「んー、聴けば大抵何でも?」
「は?」
「分からない譜面でも、一回聴けばある程度は弾けるよ?パパもそうだったし、普通だよね?」
その瞬間、櫂斗も久木も、見えない先生も固まる。
「シ、シグ?それは当たり前じゃないからな…。」
「絶対音感があるかもしれないが、それでも弾くのは別だろ。」
ウンウンと2人して唸っている。
「じゃあ、これ弾けるか?」
最近発売されたばかりのJ-POPのアップテンポな曲をサビだけ久木がスマートフォンで流す。
30秒程で聴き終わると、ふむ、と一呼吸置いたかと思うと、次の瞬間にはそのメロディがピアノで奏でられていた。
「…凄いな。表現力もプロ並みだ。」
「ですね。俺もシグがピアノ弾けるのは知ってましたが、ここまでとは思っていませんでした。」
最後の1音まで奏で終えると、本人はニコニコと「やっぱりこのピアノは綺麗な音が出るなぁ」と指慣らしを始め出した。
見学であることを完璧に忘れている…
まぁ、暫くは良いかと2人ともが音に耳を傾け目を瞑り美しい音色に暫く酔いしれていたところで、「ヒッ」と時雨の悲鳴がした。
「シグ⁈」
ハッと開けると、見知らぬブロンドヘアのロン毛の人物が時雨に迫っていた。
櫂斗は急いでその人物を時雨から離し、時雨を守る様に抱き締める。
「シグ、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。カ、カイ、多分その人…」
櫂斗に投げ捨てられた人物はイタタタと腰を摩りながらノッソリと起き上がる。
「大丈夫ですか、天城先生。」
久木がその人物に駆け寄る。
「だ、だいじょーぶじゃ、ないですぅ~」
怖かった!!ただ近くに寄っただけなのにぃ~とワンワンと泣いている。
「はぁ…。そりゃ運命の番ですからね。突然知らない人が相手に迫っていたらこうなりますよ…。」
呆れた様に久木が言うも、久木の後ろに隠れて出てこなくなってしまった。
「あ…カイが申し訳ありません…。ピアノ弾かせて頂いてありがとうございました。1年の月見里です。また、機会があれば弾かせて下さい。」
ピクリと時雨の言葉に反応し、ソロソロと顔を覗かせる。
「…月見里って…、樹雨さんと時季さんの息子…ですか…。」
「両親をご存知なんですか?」
「…ぼ、僕も、グズっ、ここの、卒業生なんです。お2人の一個下の、後輩でした…」
「そうなんですね。」
「時季さんと、グスン、音色が似ていたので…つい…。私も突然、ズズッ申し訳ありませんでした…」
「僕は気にしてないので大丈夫ですよ。ほら、カイも謝って。」
「…突き飛ばしてしまい、すみませんでした…。」
「グズッ…いえ。当たり前の反応です…。
また、弾きに来て、下さいね。」
「はい。ありがとうございます。」
音楽室を出ると、久木がポツリとつぶやいた。
「あの人があのピアノをまた弾いて良いって言うところを初めて聴いた。
天城先生は、国際コンクールでも入賞するくらいの実力者なんだが、いかんせんあの性格でな。滅多に人前にも出ないから今日は吃驚だ。」
「あの先生、最初端で丸まってたな。天才は繊細と言うが難儀なものだな…。」
「あはは…。」
「さぁ、気を取り直して、一階と外に行こう。」
そう言ってエレベーターに向かいまた案内が再開される。
別の建物として孤立している図書室や温室、サロンなども案内され、一通り見終わった。
「他に気になるところはあるか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました。」
「そうか。生活していてわからなくなったり、気になる事があればいつでも来ると良い。2年S組だ。ああ、連絡先も交換しておこう。来栖も、いいか?」
櫂斗も了承し、3人で連絡先を交換する。
時間はお昼であり、良い感じに久木のお腹が鳴った。苦笑しながら、
「昼時だな。食堂に行こう。午後の部活紹介は体育館であるから体育館まで一緒に。」
今日は櫂斗が準備したお弁当(1/3人前ほど)を何とか8割方食べたが、やはり食の細さに久木にも驚かれた。
このままだと保護者がどんどん増えていきそうだ。
学校生活をしっかり送るためにも、食事を取る事は今1番の目標だな、と時雨自身も流石に思う。
食べながら、学校生活や部活動の事を聞いたり、雑談をしながら和気藹々と過ごし、体育館へと移動した。
中途半端ですが、2021年の更新はこの話で終わりになります。
ノロノロ更新ですが、いつもご覧頂きありがとうございます。
年明けは1月5日から更新させて頂く予定です。(出来たら3日にUPします。)
皆様にとって良い年末年始を迎えられます様に…
来年もよろしくお願い致します☺️
翌日は無事に熱が下がり、車椅子の操縦の一切を櫂斗もしくは他の人にしてもらうと言う条件で登校をもぎ取った。
今日は校舎見学で、説明会の時に担当してくれた久木が時雨につく。櫂斗の方は生徒会長である長松が担当らしく、「面倒くせぇから月見里と一緒に周れ」と言われ今も一緒に後ろにいる。
「ありがとうございます。病み上がりなもので、車椅子ですが気にしないで下さい。紹介しますね、僕の番の来栖櫂斗です。カイ、こちらは2年生の久木朧先輩。」
「よろしくお願いします。久木先輩。」
「ああ、よろしく。じゃあ行こうか。このまま3階から降りて行って、昼時になったらそのまま食堂で一緒に食事を摂るまでが一連なんだ。その順番でいいか?」
「はい。大丈夫です。」
校舎はコの字型でありA棟と呼ばれる片方は教室ばかりであるため、廊下を挟んだB棟を主に見学する。
4階は一般生徒が使う事はないらしく、3階からだ。
3階には理科室や化学室、調理室などの実験系の教室が、2階にはPC室や技術室のようなコンピュータ・工業系でまとめられている。また、離れた場所であったが、美術室や音楽室も2階にあり時雨はテンションがあがる。
「中に入るか?普段は施錠されているんだが、中に今日は教員がいるから入れるぞ。」
「ぜひ!!」
無類の読書好きの時雨だったが、アメリカでは母さんに習いピアノも体調の良い日は弾いていた為、たまに弾きたくなるのだ。
久木先輩が軽くノックをして失礼しますと中に入る。
ドキドキしながら中を見ると、真っ黒のフルコンサートグランドピアノが鎮座していた。
世界的にも有名なブランドのもので滅多に御目にかかる事はないだろう。
「凄い…。カイ、この学校来てよかった…」「あはは…。良かったな。」
目をキラキラさせて見ていると、櫂斗からは苦笑される。
「先生が弾いてみても良いと言っているが、弾くか?」
「えぇ⁉︎いいんですか⁈…その先生はどちらに…?」
「ああ、天城先生は重度の人見知りで人前には出たがらないから陰でそっと見てらっしゃるから心配しなくていい。」
それなら、と何処にいるかわからない為空間に向かって「ありがとうございます。」と一言言って、車椅子でギリギリまで椅子に近づきゆっくりと移動した。
蓋を開けるとそこには美しい鍵盤が並んでいる。
恐る恐る手を伸ばし、ポロンっと最初の和音を奏でる。
ピアニストでも何でもない時雨にも分かるくらい、音の響きが格別だ。
「シグ、何か弾いてみてくれ。」
「いいよ。何がいい?」
「何が弾けるんだ?」
「んー、聴けば大抵何でも?」
「は?」
「分からない譜面でも、一回聴けばある程度は弾けるよ?パパもそうだったし、普通だよね?」
その瞬間、櫂斗も久木も、見えない先生も固まる。
「シ、シグ?それは当たり前じゃないからな…。」
「絶対音感があるかもしれないが、それでも弾くのは別だろ。」
ウンウンと2人して唸っている。
「じゃあ、これ弾けるか?」
最近発売されたばかりのJ-POPのアップテンポな曲をサビだけ久木がスマートフォンで流す。
30秒程で聴き終わると、ふむ、と一呼吸置いたかと思うと、次の瞬間にはそのメロディがピアノで奏でられていた。
「…凄いな。表現力もプロ並みだ。」
「ですね。俺もシグがピアノ弾けるのは知ってましたが、ここまでとは思っていませんでした。」
最後の1音まで奏で終えると、本人はニコニコと「やっぱりこのピアノは綺麗な音が出るなぁ」と指慣らしを始め出した。
見学であることを完璧に忘れている…
まぁ、暫くは良いかと2人ともが音に耳を傾け目を瞑り美しい音色に暫く酔いしれていたところで、「ヒッ」と時雨の悲鳴がした。
「シグ⁈」
ハッと開けると、見知らぬブロンドヘアのロン毛の人物が時雨に迫っていた。
櫂斗は急いでその人物を時雨から離し、時雨を守る様に抱き締める。
「シグ、大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫。カ、カイ、多分その人…」
櫂斗に投げ捨てられた人物はイタタタと腰を摩りながらノッソリと起き上がる。
「大丈夫ですか、天城先生。」
久木がその人物に駆け寄る。
「だ、だいじょーぶじゃ、ないですぅ~」
怖かった!!ただ近くに寄っただけなのにぃ~とワンワンと泣いている。
「はぁ…。そりゃ運命の番ですからね。突然知らない人が相手に迫っていたらこうなりますよ…。」
呆れた様に久木が言うも、久木の後ろに隠れて出てこなくなってしまった。
「あ…カイが申し訳ありません…。ピアノ弾かせて頂いてありがとうございました。1年の月見里です。また、機会があれば弾かせて下さい。」
ピクリと時雨の言葉に反応し、ソロソロと顔を覗かせる。
「…月見里って…、樹雨さんと時季さんの息子…ですか…。」
「両親をご存知なんですか?」
「…ぼ、僕も、グズっ、ここの、卒業生なんです。お2人の一個下の、後輩でした…」
「そうなんですね。」
「時季さんと、グスン、音色が似ていたので…つい…。私も突然、ズズッ申し訳ありませんでした…」
「僕は気にしてないので大丈夫ですよ。ほら、カイも謝って。」
「…突き飛ばしてしまい、すみませんでした…。」
「グズッ…いえ。当たり前の反応です…。
また、弾きに来て、下さいね。」
「はい。ありがとうございます。」
音楽室を出ると、久木がポツリとつぶやいた。
「あの人があのピアノをまた弾いて良いって言うところを初めて聴いた。
天城先生は、国際コンクールでも入賞するくらいの実力者なんだが、いかんせんあの性格でな。滅多に人前にも出ないから今日は吃驚だ。」
「あの先生、最初端で丸まってたな。天才は繊細と言うが難儀なものだな…。」
「あはは…。」
「さぁ、気を取り直して、一階と外に行こう。」
そう言ってエレベーターに向かいまた案内が再開される。
別の建物として孤立している図書室や温室、サロンなども案内され、一通り見終わった。
「他に気になるところはあるか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました。」
「そうか。生活していてわからなくなったり、気になる事があればいつでも来ると良い。2年S組だ。ああ、連絡先も交換しておこう。来栖も、いいか?」
櫂斗も了承し、3人で連絡先を交換する。
時間はお昼であり、良い感じに久木のお腹が鳴った。苦笑しながら、
「昼時だな。食堂に行こう。午後の部活紹介は体育館であるから体育館まで一緒に。」
今日は櫂斗が準備したお弁当(1/3人前ほど)を何とか8割方食べたが、やはり食の細さに久木にも驚かれた。
このままだと保護者がどんどん増えていきそうだ。
学校生活をしっかり送るためにも、食事を取る事は今1番の目標だな、と時雨自身も流石に思う。
食べながら、学校生活や部活動の事を聞いたり、雑談をしながら和気藹々と過ごし、体育館へと移動した。
中途半端ですが、2021年の更新はこの話で終わりになります。
ノロノロ更新ですが、いつもご覧頂きありがとうございます。
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