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107話 焦燥
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全速力で森の中を駆け抜ける。
全身に闇魔力を纏い身体能力を強化したことにより森を駆け抜けるその速さは人の域をとうに超えていた。それにアラクネの演奏スキルによる強化も加わり、異次元の身体能力を発揮する。
″あと5秒で接敵します″
「了解」
聞きなれた少女の声に短く頷く。
眼前に立ち並ぶ木々を躱すか斬り伏せて驀進していると開けた場所に出る。
視界に先程アラクネが言っていた洞窟とその入口を守っている複数の見覚えのあるローブ集団が移り、目的地に着いたことを確認する。
そのまま足を止めることなくローブ集団に突っ込む。
3……4……5……丁度だな。
入口を守るローブの人数を確認して、銃剣を構える。
「な、なんだっ!?」
「敵襲だ!!」
恐らく下っ端であろうローブの男たちは突然の来訪者に狼狽えている様子だが、こいつらに立ち止まって「こんにちは」と挨拶する必要は無い。
もう簡単に止めることの出来ない勢いに身を任せ、ローブの集団が認識する前に奴らの間を通り過ぎ洞窟の中へと侵入する。
通り過ぎる間際、何もしないのは何だか失礼だと思ったので気持ち程度に奴らの体に銃剣を撫でるよう当てる。
「なん……だっ………!!」
「風……ッ!!!」
「「「うぐあっ!!?」」」
背後からそんなお決まりの呻き声が聞こえてくる。
「傷は浅い、もうちょっとで他の人が来るからそいつらに助けてもらえ……」
不意の斬撃に意識を刈り取られ、もうこちらの声は聞こえないその場に倒れ込んだ下っ端共にそう吐き捨て奥へ進む。
「さて、アイツの居場所は……」
洞窟に入ると直ぐに俺は結界の範囲を洞窟内だけに絞り、中の詳細な構造を探知、把握する。
″かなり入り組んでいますね″
感覚を共有しているアニスも瞬時に洞窟の構造を把握する。
薄暗い中を照らす松明の光を頼りにして、少し進んだところで足を止める。
分かれ道だ。数は5……6……7……。
「多いなこりゃ……」
結界を応用した探知によって洞窟の構造は把握したが実際、目の前に複数の分かれ道が現れると謎の拒否反応を起こしてしまう。
どうして分かれ道とはこうも人の探索意欲を削り取ってくるのだろうか?
考えたところでその答えは出ない。
洞窟内は少し進むと無数の分かれ道があり、それぞれどの分かれ道を進んだ後もさらに複数の分かれ道が存在し、どんどん奥に進むにつれて枝分かれ方式に道を増やしている。一定区間に全ての分かれ道と繋がる核の道が存在しているが初見でこの洞窟に入れば迷うことは間違いなし。この構造を見た瞬間に「よくもまあこんな面倒臭い構造を作ったもんだ」と感心してしまうほどだ。
その面倒臭い道を進んで見事最奥の道に辿り着くと一際大きな空間が存在している。
「……まあ全部見えてるしアイツの居場所も魔力反応で分かってるからこんな分かれ道、意味が無いんだけどな」
″そうですね″
そこに道化師とリュミールがいる。
洞窟内の把握を完全に終えて、体に魔力をさらに纏う、特に眼を重点的に。
気持ち程度に洞窟の壁には等間隔に松明が刺してあり、光源を確保しているようだが中を何不自由なく移動するのならばそれだけでは不十分な明るさだ。
魔力で眼球を強化して夜目を聞かせた方がこの場合はいいだろう。
「よし、これでいいな──」
視界の洞窟内が眩しいくらいに明るくなる。と同時に急速に後ろから殺気を感じ取る。
「──って、随分とバレるのが早いな……」
直ぐ様その殺気の方に振り向き、息を殺して俺の首を刈り取りに来た刃を銃剣で難なく受け止め押し返す。
「な……っ!!」
ローブに身を包んだ男の驚いた声と刃の弾けた音が洞窟内に反響する。
ローブを深くまで被りよく顔の見えない男は俺の事を完全に仕留めたつもりでいたのだろう。思わぬ俺の防御に悔しそうに歯軋りをする。
「ってか、また俺の探知をギリギリまで掻い潜って攻撃してきたな……一体どんなスキルを使ってるんだよ?」
悔しがる道化師の下っ端ローブを無視して、次々とこっちに近づいてくる盗賊たちの反応を感じて考える。
まだここに着いてから数分も経っていない。だと言うのにこの反応からして直ぐに俺が襲撃したことを察知して、この洞窟内にいる仲間に伝達、行動と手際が良すぎる。それに反応があるというのにいざ接敵してみれば気配が完全に消える。
前にアラドラが言っていた『拡張スキル』と言うのが何か関係してるのは間違いないが、イマイチ仕組みが分からない。
「……まあ考えても仕方ないか。一直線に行くぞアニス」
分からないことを今考えても仕方が無いので思考を切り替えて気を取り直す。
"はいマスター、準備はとっくにできています。久しぶりに私も暴れたい気分です、ガンガン行きましょう!"
ここ数日、回復に専念していたアニスも全快して元気が有り余っているのか随分と血気盛んだ。
「はぁあッ!!」
下っ端ローブの方に視線を戻すと趣味の悪いギラギラと宝石の装飾がなされた短剣を構えて再び攻撃を仕掛けてくる。
「気配を隠さなかったら意味無いでしょうに……」
どうして得意分野を捨てて、考え無しの突進で俺を殺せると思ったのか甚だ疑問だ。気配を消すのが得意ならそれを生かした奇襲系の攻撃で攻めてくるべきだろう。
物騒な得物を突き立て、それなりの速さで突っ込んでくる下っ端ローブを軽く横に飛んで躱す。
「──邪魔だ、退け」
下っ端ローブは攻撃を躱され、間抜けな顔をしながら突っ込んできた勢いのまま俺の横を通り過ぎる。
「アガ……っ!!」
そのすれ違いざまに軽く一振、下っ端の意識を刈り取る。
無抵抗に人間が地面に倒れ落ちる鈍い音がするが、その様に目線を送ることなく無数にある分かれ道のうちの一つに迷いなく進む。
至る所の土が盛り上がり、お世辞にも歩きやすいとは言えない狭い道を難なく駆け抜けると開けた場所に出る。
「来た!」
「侵入者だ殺れ!!」
視界には再び分岐となる無数の分かれ道と、草臥れた茶色いローブを身にまとった男二人。男二人の顔はフードを被っていてよく見えない。
何奴も此奴もフードで自分の顔を隠しているがそうすることがこの盗賊団の決まりなの?それがカッコイイと思ってるの?前見ずらくない?
なんて疑問が浮かぶがどうでもいいことか……。
下っ端ローブ二人は俺の姿を見るなり、血相を変えて手に持っていた武器を構え脳死で殺しにかかってくる。
「なんとも芸のない……」
そのさっきの下っ端と全く同じ単調な動きに呆れてしまう。
本当にこいつらには脳みそが詰まっているのか?
数が増えただけで動き出しや最終的な攻撃の仕方なんて全く同じだ。得意の気配遮断をまたも使わないし、無駄死にしたいのかこいつらは?
こんなのにいちいち変に身構えて相手をしていたら時間の無駄でしかない。時短で行こう。
謎の気配遮断スキルがなければコイツらには何も警戒する要素はない。
無謀にも突っ込んでくる下っ端ローブ二人を適当に切り伏せてどんどんと先に進む。
「死ねおらァ!! ……グハッ!」
「その首貰った!! ……うぐあッ!」
「ここでアニキに認めて貰うんだ! ……あばッ!!」
分かれ道を選んで進み開けた場所に出る、再び分かれ道を選んで進み開けた場所に出る。何度かそれを繰り返したところで俺の苛立ちは最高沸点をとうに越えようとしていた。
"マスター、落ち着いてください。これ自体が罠かもしれません!"
先に進む毎に気が荒くなっていく俺に少女の声が響く。
この森についてから速くリュミールを助けたくて急いでいると言うのに尽く分かれ道を抜けた場所には顔隠しローブが居てしょうもない太刀筋で俺の邪魔を一瞬でもしてきやがる。
こんなことで気が乱れてる時点で未熟だということはわかっているが、今はそんな自己分析ができるほど冷静を保っていられない。
もうすぐそこまで精霊の気配は近づいているのだ。
「……だと言うのに、また大勢で俺の前に立ちはだかりやがって……」
あと一つ、この部屋を抜ければ目的の道化師がいる部屋だと言うのにそこへ繋がる道がローブ集団によって塞がれている。
数にして十数人。そのどいつもフードを被っていて表情を読み取る事が出来ないのはもう慣れつつある。しかしそのローブ集団の中で唯一フードを被っていない男がいる。
「そんな怖い顔をしなさんな。俺たちと楽しく遊ぼうぜ?」
男は後ろに大勢の仲間を引連れて、おどけたように肩を竦める。
どこかで見たことがある。
初めて顔を見るはずなのにそのフードを被っていない男に既視感を覚え、記憶を探ると直ぐにその答えは出た。
「邪魔だ髭面。俺は今すごく虫の居所が悪いんだ、次は手加減なんてできないぞ」
幸の薄そうな、見るからに気苦労が耐えなさそうな平凡な顔立ちに雑に生え揃った青髭。その既視感のある男はヘンデルの森で対峙した無精髭の男だった。たしかあの道化師は『ガル』とか『副団長』とか言っていたはずだ。
「ははは、気を使ってもらったようでどうもありがとう……でもあの時よりはお前を楽しませてやるさ。生憎、夜じゃないがここは俺たちの縄張りだ、それにこれだけ手数を増やせばきっといい勝負になるぜ?」
俺の皮肉に髭面は全く気にした様子もなく笑い飛ばす。
……他の下っ端ローブと比べればそれなりの実力があるというのは分かる。だがそれはほんの誤差だ、この男も他の下っ端と対して変わりはない。その謎の自信はどこから来るんだ?ハッタリだとしてももう少しマシな言い方があるだろう。
「数が多けりゃ勝てると思ってるのか? 随分と矮小な考え方だな、そんな考えで勝てるなら今頃俺はここにいないはずだな」
そこで思考を切って、銃剣の剣先を髭面に向ける。
考えるだけ時間の無駄だ、どうせ格は知れている。目的地は目と鼻の先なのだ、立ち止まって問答する必要もなかった。
「その安直が関係大アリなんだなぁ~。単純明快。俺らの強さはアイツと場所次第なんだよ」
俺が武器を構えたと同時に髭面の後ろにいた下っ端ローブ達が飛び出してくる。
一瞬で俺の四方を囲むと、直線的な動きで下っ端達は各々の得物で殺しに来る。
動きは本当に少しだけマシになったがそれでも話にならない。やはり髭面の自信はハッタリだった。
その何度も見た光景にそう判断する。
「斬るのも面倒だ──」
構えを解いて無防備に、取り囲む様に向かってくる下っ端を見る。
何もしなければあと数秒で奴らの剣先は俺の首元に届くだろう。
……本当に邪魔だ。鬱陶しい。
「──『止マレ』」
一言。
その場から一歩も動くことなく、たったの一言でそいつらの動きを拘束する。
「な……ッ!!」
「あッ……」
「ウッ……!」
情けない声を上げて突然空中で動きを止めた下っ端達が次々と地面に平伏す。
「『そのまま寝てろ』」
再び一言。俺に襲いかかってきた下っ端全員が地面に平伏すのを確認して、奴らの意識を潰す。
スキル『威圧』。
魔力を帯びた声で敵の動きを制限させることの出来るスキル。
発動条件としては自分よりも数段格の劣る相手にしかこのスキルは効かない。こういった多勢の敵を相手する時に便利なスキルだ。
難点としてはこの『威圧』思った以上に疲労が溜まりやすいということ、考え無しに使いすぎると直ぐにバテてしまう。それと雑魚にしか効かないし、射程範囲も広くない。
アニスがガリスの森にいた魔猪に使っていたのもこの『威圧』で魔界領の修行で習得したスキルの一つだ。
これでほぼ全て片付いた。
残るは髭面だけ──。
意識を下っ端からスキルの対象に入らなかった髭面に移そうとした瞬間、真横から短剣が俺の頭蓋を突き刺そうと迫ってくる。
「──へぇ……」
それを体を仰け反らし、紙一重で躱し感嘆する。
『威圧』の対象に入らなかったこともそうだが、他の雑魚どもとは一線を画すその気配遮断スキルによる奇襲に俺は少し驚いた。
他の雑魚どもを目眩しに使って、その隙に気配を消して奇襲を仕掛けてくる。
至って単純な戦術だが、その単純さ故の高度な攻撃を可能にする髭面の洗練された動き。ギリギリまで気配が分からなかった。その気配遮断スキルはあと数年、怠ることなく鍛錬を積めばあの道化師と同じ域に達する程だろう。
それほどまでに今の一撃は研ぎ澄まされていた。
「チッ……」
必殺の思いで放った一撃が難なく躱された事に髭面は舌を打ち忌々しげに睨んでくる。
「ふっ……!」
その隙を許さず俺は即座に銃剣を横に薙ぎ、反撃をするが銃剣は虚しく空を斬る。
……消えた?
先程まで真横にいたはずの髭面の姿が再び消える。それどころか綺麗に気配までも奴は消して潜伏状態となる。
変な感覚だ。
姿が見えたと思ったら瞬きのうちにまた姿と気配を完全に消して居なくなる。この部屋の中にいるのは分かっているがその確実な位置は分からない。
あの道化師と対峙した時に似ている感覚だ。
気配が分かるようで分からない。そんな気持ち悪い感覚に苛ついていると再び俺の頭蓋を穿ちに短剣の刺突が今度は後ろから飛んでくる。
「チッ……!」
咄嗟に感じ取ったその音のない殺気を横に飛んで躱し距離をとる。
気配のした方を見遣るがそこに髭面の姿はなく再び気配が消える。
「面倒だな……」
掴みきれない気配に思考が鈍る。
これがアイツの謎の自信の理由か。
確かにこれだけ高度な……あの道化師と同等の事ができるのならば納得だ。一筋縄では行かない……。
「──」
先程までの怒りを沈め、精神を統一させていく。
「すぅ……はぁ……」
深く息を吸って、吐いて、鈍った思考を研ぎ澄ます。
深く、没入する。
少し落ち着けは済むことだ。
焦り。すぐそこまで見えていた目的に目が眩んでしまった。
″落ち着いて行きましょうマスター。焦らなければまどうということはありません″
ああ、本当にアニスの言う通りだ。
目の前の敵に集中できないというのは騎士としては三流以下だ。
「……………」
ほんの少し、微弱な空気の揺れさえ逃すな。
「……………」
どうということは無い。
道化師と同等の気配遮断と言えど、所詮はホンモノには到底及ばない。
「…………ッ!!」
瞬間、構えた銃剣を横に一閃。
一見何も無い虚空を斬る。
しかし手応えはしっかりとある。
完全に姿を消していた髭面の男は突如として目の前に現れる。
「……グハッ! な、なぜ……?」
呻き声を上げながら男は疑問を抱く。
それは誰がどう見ても完璧な隠密であった。
男はどうしてその完璧が破られたのか幾ら考えても分からなかったのだろう。
故の疑問。故のその呆けた面だ。
「ただの勘だ」
理由などない。
直感だった。
「そこにいると思ったから斬った」ただそれだけの事だ。
強いて言うのならば他のことに思考を割きすぎていただけ。それだけの事。
今の俺には確実に『落ち着き』『冷静さ』が欠けていた。
「……」
髭面の男は何も答えず、力無く地面に倒れる。
″見事な一撃でしたマスター″
それを見て少女が賞賛の言葉をくれる。
「ありがとう。アニスのお陰だよ」
"いえ、私は何も……!"
俺の言葉に少女は謙遜する。
彼女はそういう子だ。例え素直にその言葉を受け取って貰えなくても俺は彼女に感謝する。
最初からアニスは俺に教えてくれていた。
「落ち着いてください」と。
「本当にアニスが居ないと何も出来ないな……」
改めて自身の無力さを実感するが、今はのんびりと悲観している暇はない。
"マスター?"
かぶりを振って考えるのを止める
「……いや、何でもない。この先にリュミールがいる。行こうアニス」
開けた視界の先にある道に向かって走り出す。
やっと助けに来ることができた。
全身に闇魔力を纏い身体能力を強化したことにより森を駆け抜けるその速さは人の域をとうに超えていた。それにアラクネの演奏スキルによる強化も加わり、異次元の身体能力を発揮する。
″あと5秒で接敵します″
「了解」
聞きなれた少女の声に短く頷く。
眼前に立ち並ぶ木々を躱すか斬り伏せて驀進していると開けた場所に出る。
視界に先程アラクネが言っていた洞窟とその入口を守っている複数の見覚えのあるローブ集団が移り、目的地に着いたことを確認する。
そのまま足を止めることなくローブ集団に突っ込む。
3……4……5……丁度だな。
入口を守るローブの人数を確認して、銃剣を構える。
「な、なんだっ!?」
「敵襲だ!!」
恐らく下っ端であろうローブの男たちは突然の来訪者に狼狽えている様子だが、こいつらに立ち止まって「こんにちは」と挨拶する必要は無い。
もう簡単に止めることの出来ない勢いに身を任せ、ローブの集団が認識する前に奴らの間を通り過ぎ洞窟の中へと侵入する。
通り過ぎる間際、何もしないのは何だか失礼だと思ったので気持ち程度に奴らの体に銃剣を撫でるよう当てる。
「なん……だっ………!!」
「風……ッ!!!」
「「「うぐあっ!!?」」」
背後からそんなお決まりの呻き声が聞こえてくる。
「傷は浅い、もうちょっとで他の人が来るからそいつらに助けてもらえ……」
不意の斬撃に意識を刈り取られ、もうこちらの声は聞こえないその場に倒れ込んだ下っ端共にそう吐き捨て奥へ進む。
「さて、アイツの居場所は……」
洞窟に入ると直ぐに俺は結界の範囲を洞窟内だけに絞り、中の詳細な構造を探知、把握する。
″かなり入り組んでいますね″
感覚を共有しているアニスも瞬時に洞窟の構造を把握する。
薄暗い中を照らす松明の光を頼りにして、少し進んだところで足を止める。
分かれ道だ。数は5……6……7……。
「多いなこりゃ……」
結界を応用した探知によって洞窟の構造は把握したが実際、目の前に複数の分かれ道が現れると謎の拒否反応を起こしてしまう。
どうして分かれ道とはこうも人の探索意欲を削り取ってくるのだろうか?
考えたところでその答えは出ない。
洞窟内は少し進むと無数の分かれ道があり、それぞれどの分かれ道を進んだ後もさらに複数の分かれ道が存在し、どんどん奥に進むにつれて枝分かれ方式に道を増やしている。一定区間に全ての分かれ道と繋がる核の道が存在しているが初見でこの洞窟に入れば迷うことは間違いなし。この構造を見た瞬間に「よくもまあこんな面倒臭い構造を作ったもんだ」と感心してしまうほどだ。
その面倒臭い道を進んで見事最奥の道に辿り着くと一際大きな空間が存在している。
「……まあ全部見えてるしアイツの居場所も魔力反応で分かってるからこんな分かれ道、意味が無いんだけどな」
″そうですね″
そこに道化師とリュミールがいる。
洞窟内の把握を完全に終えて、体に魔力をさらに纏う、特に眼を重点的に。
気持ち程度に洞窟の壁には等間隔に松明が刺してあり、光源を確保しているようだが中を何不自由なく移動するのならばそれだけでは不十分な明るさだ。
魔力で眼球を強化して夜目を聞かせた方がこの場合はいいだろう。
「よし、これでいいな──」
視界の洞窟内が眩しいくらいに明るくなる。と同時に急速に後ろから殺気を感じ取る。
「──って、随分とバレるのが早いな……」
直ぐ様その殺気の方に振り向き、息を殺して俺の首を刈り取りに来た刃を銃剣で難なく受け止め押し返す。
「な……っ!!」
ローブに身を包んだ男の驚いた声と刃の弾けた音が洞窟内に反響する。
ローブを深くまで被りよく顔の見えない男は俺の事を完全に仕留めたつもりでいたのだろう。思わぬ俺の防御に悔しそうに歯軋りをする。
「ってか、また俺の探知をギリギリまで掻い潜って攻撃してきたな……一体どんなスキルを使ってるんだよ?」
悔しがる道化師の下っ端ローブを無視して、次々とこっちに近づいてくる盗賊たちの反応を感じて考える。
まだここに着いてから数分も経っていない。だと言うのにこの反応からして直ぐに俺が襲撃したことを察知して、この洞窟内にいる仲間に伝達、行動と手際が良すぎる。それに反応があるというのにいざ接敵してみれば気配が完全に消える。
前にアラドラが言っていた『拡張スキル』と言うのが何か関係してるのは間違いないが、イマイチ仕組みが分からない。
「……まあ考えても仕方ないか。一直線に行くぞアニス」
分からないことを今考えても仕方が無いので思考を切り替えて気を取り直す。
"はいマスター、準備はとっくにできています。久しぶりに私も暴れたい気分です、ガンガン行きましょう!"
ここ数日、回復に専念していたアニスも全快して元気が有り余っているのか随分と血気盛んだ。
「はぁあッ!!」
下っ端ローブの方に視線を戻すと趣味の悪いギラギラと宝石の装飾がなされた短剣を構えて再び攻撃を仕掛けてくる。
「気配を隠さなかったら意味無いでしょうに……」
どうして得意分野を捨てて、考え無しの突進で俺を殺せると思ったのか甚だ疑問だ。気配を消すのが得意ならそれを生かした奇襲系の攻撃で攻めてくるべきだろう。
物騒な得物を突き立て、それなりの速さで突っ込んでくる下っ端ローブを軽く横に飛んで躱す。
「──邪魔だ、退け」
下っ端ローブは攻撃を躱され、間抜けな顔をしながら突っ込んできた勢いのまま俺の横を通り過ぎる。
「アガ……っ!!」
そのすれ違いざまに軽く一振、下っ端の意識を刈り取る。
無抵抗に人間が地面に倒れ落ちる鈍い音がするが、その様に目線を送ることなく無数にある分かれ道のうちの一つに迷いなく進む。
至る所の土が盛り上がり、お世辞にも歩きやすいとは言えない狭い道を難なく駆け抜けると開けた場所に出る。
「来た!」
「侵入者だ殺れ!!」
視界には再び分岐となる無数の分かれ道と、草臥れた茶色いローブを身にまとった男二人。男二人の顔はフードを被っていてよく見えない。
何奴も此奴もフードで自分の顔を隠しているがそうすることがこの盗賊団の決まりなの?それがカッコイイと思ってるの?前見ずらくない?
なんて疑問が浮かぶがどうでもいいことか……。
下っ端ローブ二人は俺の姿を見るなり、血相を変えて手に持っていた武器を構え脳死で殺しにかかってくる。
「なんとも芸のない……」
そのさっきの下っ端と全く同じ単調な動きに呆れてしまう。
本当にこいつらには脳みそが詰まっているのか?
数が増えただけで動き出しや最終的な攻撃の仕方なんて全く同じだ。得意の気配遮断をまたも使わないし、無駄死にしたいのかこいつらは?
こんなのにいちいち変に身構えて相手をしていたら時間の無駄でしかない。時短で行こう。
謎の気配遮断スキルがなければコイツらには何も警戒する要素はない。
無謀にも突っ込んでくる下っ端ローブ二人を適当に切り伏せてどんどんと先に進む。
「死ねおらァ!! ……グハッ!」
「その首貰った!! ……うぐあッ!」
「ここでアニキに認めて貰うんだ! ……あばッ!!」
分かれ道を選んで進み開けた場所に出る、再び分かれ道を選んで進み開けた場所に出る。何度かそれを繰り返したところで俺の苛立ちは最高沸点をとうに越えようとしていた。
"マスター、落ち着いてください。これ自体が罠かもしれません!"
先に進む毎に気が荒くなっていく俺に少女の声が響く。
この森についてから速くリュミールを助けたくて急いでいると言うのに尽く分かれ道を抜けた場所には顔隠しローブが居てしょうもない太刀筋で俺の邪魔を一瞬でもしてきやがる。
こんなことで気が乱れてる時点で未熟だということはわかっているが、今はそんな自己分析ができるほど冷静を保っていられない。
もうすぐそこまで精霊の気配は近づいているのだ。
「……だと言うのに、また大勢で俺の前に立ちはだかりやがって……」
あと一つ、この部屋を抜ければ目的の道化師がいる部屋だと言うのにそこへ繋がる道がローブ集団によって塞がれている。
数にして十数人。そのどいつもフードを被っていて表情を読み取る事が出来ないのはもう慣れつつある。しかしそのローブ集団の中で唯一フードを被っていない男がいる。
「そんな怖い顔をしなさんな。俺たちと楽しく遊ぼうぜ?」
男は後ろに大勢の仲間を引連れて、おどけたように肩を竦める。
どこかで見たことがある。
初めて顔を見るはずなのにそのフードを被っていない男に既視感を覚え、記憶を探ると直ぐにその答えは出た。
「邪魔だ髭面。俺は今すごく虫の居所が悪いんだ、次は手加減なんてできないぞ」
幸の薄そうな、見るからに気苦労が耐えなさそうな平凡な顔立ちに雑に生え揃った青髭。その既視感のある男はヘンデルの森で対峙した無精髭の男だった。たしかあの道化師は『ガル』とか『副団長』とか言っていたはずだ。
「ははは、気を使ってもらったようでどうもありがとう……でもあの時よりはお前を楽しませてやるさ。生憎、夜じゃないがここは俺たちの縄張りだ、それにこれだけ手数を増やせばきっといい勝負になるぜ?」
俺の皮肉に髭面は全く気にした様子もなく笑い飛ばす。
……他の下っ端ローブと比べればそれなりの実力があるというのは分かる。だがそれはほんの誤差だ、この男も他の下っ端と対して変わりはない。その謎の自信はどこから来るんだ?ハッタリだとしてももう少しマシな言い方があるだろう。
「数が多けりゃ勝てると思ってるのか? 随分と矮小な考え方だな、そんな考えで勝てるなら今頃俺はここにいないはずだな」
そこで思考を切って、銃剣の剣先を髭面に向ける。
考えるだけ時間の無駄だ、どうせ格は知れている。目的地は目と鼻の先なのだ、立ち止まって問答する必要もなかった。
「その安直が関係大アリなんだなぁ~。単純明快。俺らの強さはアイツと場所次第なんだよ」
俺が武器を構えたと同時に髭面の後ろにいた下っ端ローブ達が飛び出してくる。
一瞬で俺の四方を囲むと、直線的な動きで下っ端達は各々の得物で殺しに来る。
動きは本当に少しだけマシになったがそれでも話にならない。やはり髭面の自信はハッタリだった。
その何度も見た光景にそう判断する。
「斬るのも面倒だ──」
構えを解いて無防備に、取り囲む様に向かってくる下っ端を見る。
何もしなければあと数秒で奴らの剣先は俺の首元に届くだろう。
……本当に邪魔だ。鬱陶しい。
「──『止マレ』」
一言。
その場から一歩も動くことなく、たったの一言でそいつらの動きを拘束する。
「な……ッ!!」
「あッ……」
「ウッ……!」
情けない声を上げて突然空中で動きを止めた下っ端達が次々と地面に平伏す。
「『そのまま寝てろ』」
再び一言。俺に襲いかかってきた下っ端全員が地面に平伏すのを確認して、奴らの意識を潰す。
スキル『威圧』。
魔力を帯びた声で敵の動きを制限させることの出来るスキル。
発動条件としては自分よりも数段格の劣る相手にしかこのスキルは効かない。こういった多勢の敵を相手する時に便利なスキルだ。
難点としてはこの『威圧』思った以上に疲労が溜まりやすいということ、考え無しに使いすぎると直ぐにバテてしまう。それと雑魚にしか効かないし、射程範囲も広くない。
アニスがガリスの森にいた魔猪に使っていたのもこの『威圧』で魔界領の修行で習得したスキルの一つだ。
これでほぼ全て片付いた。
残るは髭面だけ──。
意識を下っ端からスキルの対象に入らなかった髭面に移そうとした瞬間、真横から短剣が俺の頭蓋を突き刺そうと迫ってくる。
「──へぇ……」
それを体を仰け反らし、紙一重で躱し感嘆する。
『威圧』の対象に入らなかったこともそうだが、他の雑魚どもとは一線を画すその気配遮断スキルによる奇襲に俺は少し驚いた。
他の雑魚どもを目眩しに使って、その隙に気配を消して奇襲を仕掛けてくる。
至って単純な戦術だが、その単純さ故の高度な攻撃を可能にする髭面の洗練された動き。ギリギリまで気配が分からなかった。その気配遮断スキルはあと数年、怠ることなく鍛錬を積めばあの道化師と同じ域に達する程だろう。
それほどまでに今の一撃は研ぎ澄まされていた。
「チッ……」
必殺の思いで放った一撃が難なく躱された事に髭面は舌を打ち忌々しげに睨んでくる。
「ふっ……!」
その隙を許さず俺は即座に銃剣を横に薙ぎ、反撃をするが銃剣は虚しく空を斬る。
……消えた?
先程まで真横にいたはずの髭面の姿が再び消える。それどころか綺麗に気配までも奴は消して潜伏状態となる。
変な感覚だ。
姿が見えたと思ったら瞬きのうちにまた姿と気配を完全に消して居なくなる。この部屋の中にいるのは分かっているがその確実な位置は分からない。
あの道化師と対峙した時に似ている感覚だ。
気配が分かるようで分からない。そんな気持ち悪い感覚に苛ついていると再び俺の頭蓋を穿ちに短剣の刺突が今度は後ろから飛んでくる。
「チッ……!」
咄嗟に感じ取ったその音のない殺気を横に飛んで躱し距離をとる。
気配のした方を見遣るがそこに髭面の姿はなく再び気配が消える。
「面倒だな……」
掴みきれない気配に思考が鈍る。
これがアイツの謎の自信の理由か。
確かにこれだけ高度な……あの道化師と同等の事ができるのならば納得だ。一筋縄では行かない……。
「──」
先程までの怒りを沈め、精神を統一させていく。
「すぅ……はぁ……」
深く息を吸って、吐いて、鈍った思考を研ぎ澄ます。
深く、没入する。
少し落ち着けは済むことだ。
焦り。すぐそこまで見えていた目的に目が眩んでしまった。
″落ち着いて行きましょうマスター。焦らなければまどうということはありません″
ああ、本当にアニスの言う通りだ。
目の前の敵に集中できないというのは騎士としては三流以下だ。
「……………」
ほんの少し、微弱な空気の揺れさえ逃すな。
「……………」
どうということは無い。
道化師と同等の気配遮断と言えど、所詮はホンモノには到底及ばない。
「…………ッ!!」
瞬間、構えた銃剣を横に一閃。
一見何も無い虚空を斬る。
しかし手応えはしっかりとある。
完全に姿を消していた髭面の男は突如として目の前に現れる。
「……グハッ! な、なぜ……?」
呻き声を上げながら男は疑問を抱く。
それは誰がどう見ても完璧な隠密であった。
男はどうしてその完璧が破られたのか幾ら考えても分からなかったのだろう。
故の疑問。故のその呆けた面だ。
「ただの勘だ」
理由などない。
直感だった。
「そこにいると思ったから斬った」ただそれだけの事だ。
強いて言うのならば他のことに思考を割きすぎていただけ。それだけの事。
今の俺には確実に『落ち着き』『冷静さ』が欠けていた。
「……」
髭面の男は何も答えず、力無く地面に倒れる。
″見事な一撃でしたマスター″
それを見て少女が賞賛の言葉をくれる。
「ありがとう。アニスのお陰だよ」
"いえ、私は何も……!"
俺の言葉に少女は謙遜する。
彼女はそういう子だ。例え素直にその言葉を受け取って貰えなくても俺は彼女に感謝する。
最初からアニスは俺に教えてくれていた。
「落ち着いてください」と。
「本当にアニスが居ないと何も出来ないな……」
改めて自身の無力さを実感するが、今はのんびりと悲観している暇はない。
"マスター?"
かぶりを振って考えるのを止める
「……いや、何でもない。この先にリュミールがいる。行こうアニス」
開けた視界の先にある道に向かって走り出す。
やっと助けに来ることができた。
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