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48話 登山開始
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魔界領、名もなき森の中、人、精霊、悪魔、ホブゴブリンと言う異色のパーティーで魔王城の裏にある山へと鉱石を採るために歩いていた。
「ねーねー、今更だけど自己紹介しようよ!昨日の敵は今日の友って言うじゃない、仲良くしましょ」
「いいですねそれ!!」
何が楽しいのか少女とゴブリンは興奮気味にそんな提案をする。
「はいそれじゃあ、トシミツから!!」
ビシッと勢いよく少女はゴブリンを指名する。
「かしこまりました。……おほん。私の名前はトシミツ、見ての通りホブゴブリンだ、かれこれ20年ほどヤジマ様の元で仕えている。まあ色々とあったがよろしく頼む」
「ハイ、はくしゅー!」
意外ときっちりした挨拶に感心してしまう。
パチパチと疎らな拍手にホブゴブリンのトシミツは照れくさそうな顔をする。
「はーい、じゃあ次は私ね。私の名前はネメア、えっと魔王様の武器でーす。よろしくお願いね!」
いや、雑過ぎない?
「質問してもいいか?」
なんとなく挙手をしてネメアの方も見る。
「はい、どうぞ!」
あっさりとお許しがでたので質問をする。
「その、魔王の武器ってことはネメアは魔装機ってことでいいのか?」
「んーと、魔装機って言えばそうなんだけど、少し違うかな。少し長くなるけどいい?」
「構わない」
「魔王様は自分が使う武器を作るためにたくさんの武器を作ってきた。その過程の中で武器に命を吹き込んで、成長する武器を作るっていう実験的なことも始めだした、それが魔装機の始まり。その実験にどんどんのめり込んで一時期魔装機ばっかり作ってたの、でも魔装機が完成しても魔王様が納得する一振は完成しなかった。最初はそのイラつきから魔装機を色んな場所に捨てていた、それがあなた達が今使っている魔装機。私は数ある魔装機の中でも魔王様が完成系と認めた魔装機、魔王様は魔刄機と読んでる武器、前も見せたけど型は大鎌ね」
説明を終えてネメアは一息つく。
「魔装機と魔刄機の違いはなんなんだ?」
間髪入れずに直ぐに次の質問をする。
「はい私の番は1回おしまい!そんな事いいから自己紹介の続き!はい精霊ちゃんどうぞ!!」
ネメアはそう言ってリュミールの方を指さす。
「え、私かい?」
いきなり話を振られて珍しく焦った様子だ。
「お、おほん。私の名前はリュミール、光の精霊だ。今はそこにいるレイルと契約を交わして一緒に旅をしている。どうぞよろしく」
直ぐに落ち着きを取り戻し、当たり障りのない自己紹介をする。
「はくしゅー。じゃあ最後にあなた!!」
再びパチパチと疎らな拍手が起きて、最後に俺の番となる。
「……」
いざ自分の番になってみると気恥ずかしく、何をはしていいのかわからなくなる。
「何をそんなに固くなっているんだい、小さい子供じゃあるましい」
横にいるリュミールに小突かれる。
「うるさい……」
少しカンに障ったのでここで素晴らしい自己紹介を見せて見返してやろう。
「……俺の名前はレイル……です、えっと人間です……そこにいるリュミールと一緒にアニスを治してもらうためにこの魔界領に来ました……はい……」
なんて息巻いてた自分が恥ずかしくなるような、とてもとても素晴らしく酷い自己紹介をかます。
我ながら本当に酷い自己紹介だ。
なんとも微妙な空気がその場に流れる。
「は、はい、はくしゅー……」
ネメアは気まづそうに引き攣った笑顔を見せる。
トシミツは拍手をしないでそっぽを向き、リュミールは隣で大爆笑する。
……クソ。
自分でも顔が赤くなっているのがわかるくらい、顔が熱を帯びる。
「さ、さあ、一通り挨拶も済んだところで、さっきのレイルの質問に答えてあげよかな!!」
この微妙な空気を一刻も早く脱したいのだろう、ネメアはさっき答えてくれなかった質問に答えてくれるようだ。
「あ、ああ、頼むよ」
俺も誤魔化すようにネメアに乗っかる。
隣ではまだあはははははははは、と大爆笑を精霊は続けている。
こればかりはしょうがない、今回は受け入れよう。
「そうだな、まずは何から説明しようか……」
顎を可愛らしく抑えてネメアは思案する。
「ゲェヘヘ、こんな所に人間がいるなんて珍しい、それに光の精霊に元魔王軍の悪魔までいるじゃないか!!」
すると茂みから見るからに噛ませ犬のような言葉を吐く、二本の角と蝙蝠のような羽が背中に着いた典型的な魔物、デーモンが現れる。
「元……?」
「ああ、ちょうどいいのが出てきた」
奴の言葉に違和感を覚えているとデーモンの発言がカンに触ったのだろう、かなりご立腹の様子でネメアは目の前の悪魔を睨みつける。
隣から感じる物凄い魔力の量に少し相手が可哀想に思えてくる。
「ハッハッハッ!!!俺はついている、こいつらの首を魔王様の下まで持っていけば一気に出世街道まっしぐらだぜ!!……おっと一応報告をしとこう」
デーモンはネメアの魔力に全く気づく様子もなく呑気にお花畑な妄想をしている。
それを見てネメアは青筋を立ててさらに怒りを露わにする。
「そうだな、まず魔装機との大きな違いは私達はマスターがいなくても単独行動ができて、おのが身一つで戦うことができるってこと。私と戦った時に見たよね?私達魔刄機は自分の武器の姿を複製して扱うことができる。もちろん力は本来の時と比べると弱くなるけどそれでもこんな雑魚ぐらいなら十分に戦える」
淡々と説明しながら空からネメアの身長を超える大きな鎌が現れる。
「ハハ!!なんだまずはお前から死にたいのかなぁ!?」
本当にこいつはデーモンなのだろうか?目の前のデーモンより、いつの間にか後ろの安全な木の影に隠れているゴブリンのトシミツの方が賢く思える。
「それから他に違うところと言えば……特にないかな、あとは魔法や能力向上とかは魔装機の上位互換だと思ってくれて構わないよ」
青筋の数がさらに多くなり、ネメアはすぐにでもデーモンに斬りかかりたいみたいだ。
「あ、ありがとう……」
あまりの殺気に声出すのもためらわれる。
「それじゃあ実践ね」
「八つ裂きにして………」
デーモンが何か言い終わる前にネメアは一瞬でデーモンの元まで近づいてい、片手で軽々と構えていた大鎌で頭からスパンと真っ二つに斬り裂く。
「………え?」
そんな間抜けた声を最後にデーモンは黒い血のような液体を大量に流して何も話さなくなる。
「ま、こんな感じだよ」
ネメアは完全燃焼とはいかず不満そうな顔をしながら俺たちの元まで戻ってくる。
……概要は何となくわかってたけど、実践は全然参考にならなかった。
デーモンも十分に強い魔物なのは分かっているのだがなんとも呆気なさすぎる。
「流石でございます、ネメア様!!」
トシミツが小躍りしながら喜ぶ。
「どう?これで私の強さが少しはわかったかな?」
「なんというか、君は化け物だな……」
リュミールは額に冷や汗を見せながら驚いた様子だ。
「お褒めの言葉ありがとう。……それにしても、ここまで奴らが来ているとはね……」
「はい、何たる屈辱でしょう……」
デーモンの死体を見て複雑な顔をする。
あのデーモンは気になることを言っていた、ネメアとトシミツのことを「元」魔王軍と、言っていた。これは魔王ヤジマが魔王城を離れられないのと何か関係しているのだろう。魔界領では何が起こっているのか……。
「はあ、デーモンのせいでちょっと面倒の種が増えたけど、気を取り直して目的地へと行こうか」
心做しかネメアの笑顔はぎこちなかった。
「ねーねー、今更だけど自己紹介しようよ!昨日の敵は今日の友って言うじゃない、仲良くしましょ」
「いいですねそれ!!」
何が楽しいのか少女とゴブリンは興奮気味にそんな提案をする。
「はいそれじゃあ、トシミツから!!」
ビシッと勢いよく少女はゴブリンを指名する。
「かしこまりました。……おほん。私の名前はトシミツ、見ての通りホブゴブリンだ、かれこれ20年ほどヤジマ様の元で仕えている。まあ色々とあったがよろしく頼む」
「ハイ、はくしゅー!」
意外ときっちりした挨拶に感心してしまう。
パチパチと疎らな拍手にホブゴブリンのトシミツは照れくさそうな顔をする。
「はーい、じゃあ次は私ね。私の名前はネメア、えっと魔王様の武器でーす。よろしくお願いね!」
いや、雑過ぎない?
「質問してもいいか?」
なんとなく挙手をしてネメアの方も見る。
「はい、どうぞ!」
あっさりとお許しがでたので質問をする。
「その、魔王の武器ってことはネメアは魔装機ってことでいいのか?」
「んーと、魔装機って言えばそうなんだけど、少し違うかな。少し長くなるけどいい?」
「構わない」
「魔王様は自分が使う武器を作るためにたくさんの武器を作ってきた。その過程の中で武器に命を吹き込んで、成長する武器を作るっていう実験的なことも始めだした、それが魔装機の始まり。その実験にどんどんのめり込んで一時期魔装機ばっかり作ってたの、でも魔装機が完成しても魔王様が納得する一振は完成しなかった。最初はそのイラつきから魔装機を色んな場所に捨てていた、それがあなた達が今使っている魔装機。私は数ある魔装機の中でも魔王様が完成系と認めた魔装機、魔王様は魔刄機と読んでる武器、前も見せたけど型は大鎌ね」
説明を終えてネメアは一息つく。
「魔装機と魔刄機の違いはなんなんだ?」
間髪入れずに直ぐに次の質問をする。
「はい私の番は1回おしまい!そんな事いいから自己紹介の続き!はい精霊ちゃんどうぞ!!」
ネメアはそう言ってリュミールの方を指さす。
「え、私かい?」
いきなり話を振られて珍しく焦った様子だ。
「お、おほん。私の名前はリュミール、光の精霊だ。今はそこにいるレイルと契約を交わして一緒に旅をしている。どうぞよろしく」
直ぐに落ち着きを取り戻し、当たり障りのない自己紹介をする。
「はくしゅー。じゃあ最後にあなた!!」
再びパチパチと疎らな拍手が起きて、最後に俺の番となる。
「……」
いざ自分の番になってみると気恥ずかしく、何をはしていいのかわからなくなる。
「何をそんなに固くなっているんだい、小さい子供じゃあるましい」
横にいるリュミールに小突かれる。
「うるさい……」
少しカンに障ったのでここで素晴らしい自己紹介を見せて見返してやろう。
「……俺の名前はレイル……です、えっと人間です……そこにいるリュミールと一緒にアニスを治してもらうためにこの魔界領に来ました……はい……」
なんて息巻いてた自分が恥ずかしくなるような、とてもとても素晴らしく酷い自己紹介をかます。
我ながら本当に酷い自己紹介だ。
なんとも微妙な空気がその場に流れる。
「は、はい、はくしゅー……」
ネメアは気まづそうに引き攣った笑顔を見せる。
トシミツは拍手をしないでそっぽを向き、リュミールは隣で大爆笑する。
……クソ。
自分でも顔が赤くなっているのがわかるくらい、顔が熱を帯びる。
「さ、さあ、一通り挨拶も済んだところで、さっきのレイルの質問に答えてあげよかな!!」
この微妙な空気を一刻も早く脱したいのだろう、ネメアはさっき答えてくれなかった質問に答えてくれるようだ。
「あ、ああ、頼むよ」
俺も誤魔化すようにネメアに乗っかる。
隣ではまだあはははははははは、と大爆笑を精霊は続けている。
こればかりはしょうがない、今回は受け入れよう。
「そうだな、まずは何から説明しようか……」
顎を可愛らしく抑えてネメアは思案する。
「ゲェヘヘ、こんな所に人間がいるなんて珍しい、それに光の精霊に元魔王軍の悪魔までいるじゃないか!!」
すると茂みから見るからに噛ませ犬のような言葉を吐く、二本の角と蝙蝠のような羽が背中に着いた典型的な魔物、デーモンが現れる。
「元……?」
「ああ、ちょうどいいのが出てきた」
奴の言葉に違和感を覚えているとデーモンの発言がカンに触ったのだろう、かなりご立腹の様子でネメアは目の前の悪魔を睨みつける。
隣から感じる物凄い魔力の量に少し相手が可哀想に思えてくる。
「ハッハッハッ!!!俺はついている、こいつらの首を魔王様の下まで持っていけば一気に出世街道まっしぐらだぜ!!……おっと一応報告をしとこう」
デーモンはネメアの魔力に全く気づく様子もなく呑気にお花畑な妄想をしている。
それを見てネメアは青筋を立ててさらに怒りを露わにする。
「そうだな、まず魔装機との大きな違いは私達はマスターがいなくても単独行動ができて、おのが身一つで戦うことができるってこと。私と戦った時に見たよね?私達魔刄機は自分の武器の姿を複製して扱うことができる。もちろん力は本来の時と比べると弱くなるけどそれでもこんな雑魚ぐらいなら十分に戦える」
淡々と説明しながら空からネメアの身長を超える大きな鎌が現れる。
「ハハ!!なんだまずはお前から死にたいのかなぁ!?」
本当にこいつはデーモンなのだろうか?目の前のデーモンより、いつの間にか後ろの安全な木の影に隠れているゴブリンのトシミツの方が賢く思える。
「それから他に違うところと言えば……特にないかな、あとは魔法や能力向上とかは魔装機の上位互換だと思ってくれて構わないよ」
青筋の数がさらに多くなり、ネメアはすぐにでもデーモンに斬りかかりたいみたいだ。
「あ、ありがとう……」
あまりの殺気に声出すのもためらわれる。
「それじゃあ実践ね」
「八つ裂きにして………」
デーモンが何か言い終わる前にネメアは一瞬でデーモンの元まで近づいてい、片手で軽々と構えていた大鎌で頭からスパンと真っ二つに斬り裂く。
「………え?」
そんな間抜けた声を最後にデーモンは黒い血のような液体を大量に流して何も話さなくなる。
「ま、こんな感じだよ」
ネメアは完全燃焼とはいかず不満そうな顔をしながら俺たちの元まで戻ってくる。
……概要は何となくわかってたけど、実践は全然参考にならなかった。
デーモンも十分に強い魔物なのは分かっているのだがなんとも呆気なさすぎる。
「流石でございます、ネメア様!!」
トシミツが小躍りしながら喜ぶ。
「どう?これで私の強さが少しはわかったかな?」
「なんというか、君は化け物だな……」
リュミールは額に冷や汗を見せながら驚いた様子だ。
「お褒めの言葉ありがとう。……それにしても、ここまで奴らが来ているとはね……」
「はい、何たる屈辱でしょう……」
デーモンの死体を見て複雑な顔をする。
あのデーモンは気になることを言っていた、ネメアとトシミツのことを「元」魔王軍と、言っていた。これは魔王ヤジマが魔王城を離れられないのと何か関係しているのだろう。魔界領では何が起こっているのか……。
「はあ、デーモンのせいでちょっと面倒の種が増えたけど、気を取り直して目的地へと行こうか」
心做しかネメアの笑顔はぎこちなかった。
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