一番のたからもの
若くして姉を病気で亡くし、まだ6歳の姪である美姫を引き取ることになった高広。
「大切な宝物だから」と無理やり押し付けられた美姫は、昔から高広を見ると大泣きしていた。
そんな美姫を高広は良く思っておらず、二人暮らしの初日から怒鳴り付けてしまうが、姉の親友であり、馴染みのあるコンビニでバイトをする桜井さんの手助けの甲斐あり、美姫と高広は少しずつ心を開いていく。
美姫が小学生に上がり、初めての授業参観。内容は子どもたちによる作文の朗読だった。
そのタイトルは「家族」。
偽物の父親と、偽物の娘。姉を通じて巡り会った、父と娘の物語。
「大切な宝物だから」と無理やり押し付けられた美姫は、昔から高広を見ると大泣きしていた。
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作品の情報
一番のたからもの
| お気に入り | 6 |
|---|---|
| 初回公開日時 | 2020.07.31 00:11 |
| 更新日時 | 2020.07.31 00:11 |
| 初回完結日時 | 2020.07.31 00:11 |
| 文字数 | 12,883 |
| 24h.ポイント | 0 pt (190,791位) |
| 週間ポイント | 0 pt (190,791位) |
| 月間ポイント | 49 pt (74,651位) |
| 年間ポイント | 1,082 pt (75,574位) |
| 累計ポイント | 22,215 pt (55,588位) |
投稿小説
冒頭から波乱に満ちて溺れそうなスタートながら、主人公の高広の中で渦巻く葛藤を上手く描いていると思います。１～２話で降り続く雨は、彼と同居する亡くなった姉の娘、美姫の間にも暗い影を落としている気がするものの、やがて雨は止むものです。
高広と美姫は、それぞれ叔父と姪の関係にあたります。いちおう生まれたときから接点があるとはいえ、直接の親子関係がない人間とすぐに打ち解けられるほど、6歳児は器用ではありません。ましてや母親が亡くなった後となれば、その痛みは自然と高広との距離を遠ざけることでしょう。そして彼もまた、姉を亡くした痛みに苦しんでいるのです。
もしかしたら、実際に高広たちのような家族と出会う機会はないのかもしれません。ですが世界には良い可能性と同じくらい、悪いものも存在します。そもそも家族の在り様は1つではなく、彼らのように傘が必要な家族もいることでしょう。
本作が家族とは何か、誰かを思いやるとは何かを考える、ささやかな標となることを願っています。
ご感想ありがとうございます！！雨について触れて頂けたこと、とても嬉しいです笑
本当に、感謝の言葉しかなく、うまく返信ができないのですが……もし拙作が家族について考えるきっかけとなったなら幸いです！
最後に、本当に感想嬉しかったです！！！笑
先ず、文章力がとてもしっかりしています。○○は～○○した、という短絡的な文章にせず、常に一文描写を足しながら紡がれる文字の連なり。素晴らしいです。
僅か一万二千文字の中に、桜井さんの人柄。姉の弟を思う気持ち。実直で純粋な美姫と、彼女を当初疎ましく感じつつも、次第に変化していく主人公の心情が丁寧な筆致で落としこまれ、ぐいぐい物語に引きこまれていきました。
作文のタイトル。最高でしたね。思わずふっと笑みが零れてしまいました。そして、引っ張りに引っ張った上で紡がれた「秘密の合言葉」
予測はできていたのに、涙が溢れました。
本当の父親の描写あったかな？ という点だけ気になりましたが、まあ、野暮な突っ込みか。総評として、最高でした。素敵な物語を、ありがとうございました。
感想ありがとうございます！！！初めての感想にとても喜んでおります笑
本当の父親の掘り下げもしようと考えたのですが、うまく纏まらず……それでも最高だと言ってもらえて、凄く嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！
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