668 / 763
特別編3:異世界
巨大な目
しおりを挟む
セラさんが魔法を巧みに操って地面を切り取っていく。
地中を進んで行かなければならないのかと思っていたけど、何十メートルか魔法で地面を削ったら下に空洞が現れた。
全員でその空洞に飛び込む。アウラさんが次の掘削位置を指示してくれるので更に下に向かって魔法を撃ち込む。
セラさんの魔法操作は物凄く丁寧で正確だ。魔法ってそんな精密な制御が出来るんだね。
「もしかしてヌスクァムの魔法使いの人ってみんなセラさんみたいに出来たりします?」
「流石にセラ程の制御が出来るのはリファナくらいだよ。あとは三大魔法使いくらいじゃないかな」
「そうなんですね…」
シルヴァさんも制御はそこそこ自信があるとは言っているけど、セラさん程ではないらしい。
「制御って何かコツとかありますか?」
「特にはないけど強いて言うなら練習かな」
帰ったらリオさんに教えてもらおうかな。
セラさんにオーバーブーストを掛けて、アウラさんのナビゲーションで順調に進んでいく。
〈何か変ですね〉
どうしたのレナトゥス?
〈掘削可能範囲に作為的なものを感じます。誘導されているのでは?〉
[不規則に見えますが、確かに違和感を感じます]
2人がそう言うなら罠の可能性が高い。
「さてどうしたものか…深部に行くにはこの方法しかないのだろう?」
[はい]
シルヴァさんがアウラさんに尋ねている。
「それなら罠でも飛び込むしかないんじゃないか?」
「つまり俺達に選択肢は無いって事だな。」
レイナスさんとヒサメさんがそう言うと他の皆さんも頷いていた。
「最悪、破壊非推奨箇所を破壊すれば脱出できそう」
「そうだな、最後の手段だ。その時はミナに脱出路を作ってもらおうか」
「分かりました」
アンネさんの意見に同意するシルヴァさん。
周囲を警戒しつつ深部を目指す。
ある程度進んだ時、これまでよりも大きな空間に出た。
「奥に何かいるな」
マティアスさんがそう言った瞬間、キラリと何かが光った。
[注意、魔力反応増大]
私が防御魔法を貼るのは間に合わない。
奥で光ったのは《レイブラスター》の何十倍もの大きさの光線だった。
「任せろ」
マティアスさんが2本の剣を構えて前に出る。
え、まさか……
剣を交差させて構え、光線が到達する瞬間に思い切り振り抜いた。光線は四つに分断され上下左右にバラバラに飛んでいき、内壁にぶつかって大爆発を起こしている。
あれを斬っちゃうんだ…スゴい。
「不意打ちで殲滅するつもりだった様だな」
マティアスさんは剣を軽く振りながら奥を睨む。奥は暗くて何がいるのか分からない。
[解析完了。視覚に簡易表示します]
アウラさんが敵の正体を教えてくれる。
壁に張り付いた巨大な目玉。
そこから光線が撃たれたみたいだった。
「反撃します」
セラさんが《ルインブレイザー》を放つ。
「魔法攻撃を開始する。その間に斬り込んでくれ。ヒサメとミナ前衛に加わってくれ」
「了解」「はい!」
シルヴァさんの指示で私とヒサメさんは前衛に合流。
「行くぞ!」
「はい!」
セラさんとシルヴァさんが魔法を撃ってくれているけどダメージが無い。
〈どうやら人間界のドゥームと同じ性質を持っている様です〉
それだとヴォイド系じゃないとダメージを与えられないって事だよね。
全員に《ヴォイドダーヴァム》を掛けて能力を付与する。
「ミナはそんな事までできるのか」
「はい。虚空の覇者さんに教えてもらいました」
聞いてきたマティアスさんは自分で能力が使えるのは知っているけど、少しでも負担が減らせるかも知れないから私が付与する事にした。
「これで攻撃が通るんだな?あとは接近するだけだ!」
全員速度を上げて目玉に向かうけど、また魔力が集まっている。
「マティアスさん、さっきのでまた防ぎますか?」
「いや、後方にセラ達がいるから切れ端が当たるかも知れない」
「それなら今度は私がやります」
確認をしてから前に出る。
目玉が撃ってきたのは今度も光線。
私はオーバーブーストを掛けてから《ヴェンデッタ》を発動。光線を跳ね返す。
あれが無敵の存在なら跳ね返した光線に当たってもノーダメージだよね。だから私がやっても大丈夫!
……そう思っていたんだけど、目玉は光線で中心に大きな穴を空けていた。
「…貫通しているが?」
ヒサメさんが穴を見ながら言ってくる。
目玉の後ろの壁も破壊して大きな穴になっていた。
「ええと…なんで??」
もしかして《ヴェンデッタ》に《ヴォイドダーヴァム》が付与されたの?
[それは有り得ません。解析中……分かりました。クリティカルした様です]
えぇ…。
「幸運のせいで余計なダメージが入ってしまいました…」
ど、どうしよう…ファルシュングにどんな影響があるか…。
「まあ、やっちまったもんはしょうがないよな。気にすんな」
レイナスさんはそう言って笑いかけてくれる。
「影響については調べてもらうとして、俺達は深部に行くのが最優先だ」
「そうそう。ミナちゃんならこれくらいはするって分かってた」
シルヴァさんとアンネさんがフォロー?してくれた。
目玉は活動を止めて、ゆっくりと崩れているので倒せたみたい。
「ミナさんの空けた穴の先に空洞がありますね」
[そこから案内を再開します]
あとはセラさんとアウラさんに任せよう…。
地中を進んで行かなければならないのかと思っていたけど、何十メートルか魔法で地面を削ったら下に空洞が現れた。
全員でその空洞に飛び込む。アウラさんが次の掘削位置を指示してくれるので更に下に向かって魔法を撃ち込む。
セラさんの魔法操作は物凄く丁寧で正確だ。魔法ってそんな精密な制御が出来るんだね。
「もしかしてヌスクァムの魔法使いの人ってみんなセラさんみたいに出来たりします?」
「流石にセラ程の制御が出来るのはリファナくらいだよ。あとは三大魔法使いくらいじゃないかな」
「そうなんですね…」
シルヴァさんも制御はそこそこ自信があるとは言っているけど、セラさん程ではないらしい。
「制御って何かコツとかありますか?」
「特にはないけど強いて言うなら練習かな」
帰ったらリオさんに教えてもらおうかな。
セラさんにオーバーブーストを掛けて、アウラさんのナビゲーションで順調に進んでいく。
〈何か変ですね〉
どうしたのレナトゥス?
〈掘削可能範囲に作為的なものを感じます。誘導されているのでは?〉
[不規則に見えますが、確かに違和感を感じます]
2人がそう言うなら罠の可能性が高い。
「さてどうしたものか…深部に行くにはこの方法しかないのだろう?」
[はい]
シルヴァさんがアウラさんに尋ねている。
「それなら罠でも飛び込むしかないんじゃないか?」
「つまり俺達に選択肢は無いって事だな。」
レイナスさんとヒサメさんがそう言うと他の皆さんも頷いていた。
「最悪、破壊非推奨箇所を破壊すれば脱出できそう」
「そうだな、最後の手段だ。その時はミナに脱出路を作ってもらおうか」
「分かりました」
アンネさんの意見に同意するシルヴァさん。
周囲を警戒しつつ深部を目指す。
ある程度進んだ時、これまでよりも大きな空間に出た。
「奥に何かいるな」
マティアスさんがそう言った瞬間、キラリと何かが光った。
[注意、魔力反応増大]
私が防御魔法を貼るのは間に合わない。
奥で光ったのは《レイブラスター》の何十倍もの大きさの光線だった。
「任せろ」
マティアスさんが2本の剣を構えて前に出る。
え、まさか……
剣を交差させて構え、光線が到達する瞬間に思い切り振り抜いた。光線は四つに分断され上下左右にバラバラに飛んでいき、内壁にぶつかって大爆発を起こしている。
あれを斬っちゃうんだ…スゴい。
「不意打ちで殲滅するつもりだった様だな」
マティアスさんは剣を軽く振りながら奥を睨む。奥は暗くて何がいるのか分からない。
[解析完了。視覚に簡易表示します]
アウラさんが敵の正体を教えてくれる。
壁に張り付いた巨大な目玉。
そこから光線が撃たれたみたいだった。
「反撃します」
セラさんが《ルインブレイザー》を放つ。
「魔法攻撃を開始する。その間に斬り込んでくれ。ヒサメとミナ前衛に加わってくれ」
「了解」「はい!」
シルヴァさんの指示で私とヒサメさんは前衛に合流。
「行くぞ!」
「はい!」
セラさんとシルヴァさんが魔法を撃ってくれているけどダメージが無い。
〈どうやら人間界のドゥームと同じ性質を持っている様です〉
それだとヴォイド系じゃないとダメージを与えられないって事だよね。
全員に《ヴォイドダーヴァム》を掛けて能力を付与する。
「ミナはそんな事までできるのか」
「はい。虚空の覇者さんに教えてもらいました」
聞いてきたマティアスさんは自分で能力が使えるのは知っているけど、少しでも負担が減らせるかも知れないから私が付与する事にした。
「これで攻撃が通るんだな?あとは接近するだけだ!」
全員速度を上げて目玉に向かうけど、また魔力が集まっている。
「マティアスさん、さっきのでまた防ぎますか?」
「いや、後方にセラ達がいるから切れ端が当たるかも知れない」
「それなら今度は私がやります」
確認をしてから前に出る。
目玉が撃ってきたのは今度も光線。
私はオーバーブーストを掛けてから《ヴェンデッタ》を発動。光線を跳ね返す。
あれが無敵の存在なら跳ね返した光線に当たってもノーダメージだよね。だから私がやっても大丈夫!
……そう思っていたんだけど、目玉は光線で中心に大きな穴を空けていた。
「…貫通しているが?」
ヒサメさんが穴を見ながら言ってくる。
目玉の後ろの壁も破壊して大きな穴になっていた。
「ええと…なんで??」
もしかして《ヴェンデッタ》に《ヴォイドダーヴァム》が付与されたの?
[それは有り得ません。解析中……分かりました。クリティカルした様です]
えぇ…。
「幸運のせいで余計なダメージが入ってしまいました…」
ど、どうしよう…ファルシュングにどんな影響があるか…。
「まあ、やっちまったもんはしょうがないよな。気にすんな」
レイナスさんはそう言って笑いかけてくれる。
「影響については調べてもらうとして、俺達は深部に行くのが最優先だ」
「そうそう。ミナちゃんならこれくらいはするって分かってた」
シルヴァさんとアンネさんがフォロー?してくれた。
目玉は活動を止めて、ゆっくりと崩れているので倒せたみたい。
「ミナさんの空けた穴の先に空洞がありますね」
[そこから案内を再開します]
あとはセラさんとアウラさんに任せよう…。
0
お気に入りに追加
3,741
あなたにおすすめの小説
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
地味薬師令嬢はもう契約更新いたしません。~ざまぁ? 没落? 私には関係ないことです~
鏑木 うりこ
恋愛
旧題:地味薬師令嬢はもう契約更新致しません。先に破ったのはそちらです、ざまぁ?没落?私には関係ない事です。
家族の中で一人だけはしばみ色の髪と緑の瞳の冴えない色合いで地味なマーガレッタは婚約者であったはずの王子に婚約破棄されてしまう。
「お前は地味な上に姉で聖女のロゼラインに嫌がらせばかりして、もう我慢ならん」
「もうこの国から出て行って!」
姉や兄、そして実の両親にまで冷たくあしらわれ、マーガレッタは泣く泣く国を離れることになる。しかし、マーガレッタと結んでいた契約が切れ、彼女を冷遇していた者達は思い出すのだった。
そしてマーガレッタは隣国で暮らし始める。
★隣国ヘーラクレール編
アーサーの兄であるイグリス王太子が体調を崩した。
「私が母上の大好物のシュー・ア・ラ・クレームを食べてしまったから……シューの呪いを受けている」
そんな訳の分からない妄言まで出るようになってしまい心配するマーガレッタとアーサー。しかしどうやらその理由は「みなさま」が知っているらしいーー。
ちょっぴり強くなったマーガレッタを見ていただけると嬉しいです!
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
異世界を満喫します~愛し子は最強の幼女
かなかな
ファンタジー
異世界に突然やって来たんだけど…私これからどうなるの〜〜!?
もふもふに妖精に…神まで!?
しかも、愛し子‼︎
これは異世界に突然やってきた幼女の話
ゆっくりやってきますー
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。