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特別編3:異世界
休暇
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私達はヌスクァムに戻ってきてセラさんの屋敷でのんびりと2日間過ごさせてもらった。
で、今日はヌスクァムにある温泉に連れて行ってもらう事になった。
行くのはアスティアのみんなとほのかさん、アニエスさん、アンネさん、レフィさん。
他の《ピクシーハンズ》の人達は別の所にいくらしい。
エリザベートさんの船に乗せてもらい数時間で着いたけど、大陸をいくつも越えてきた。近くには無かったのかな?
「折角だから良い温泉に入って貰いたいそうだ。それから《ピクシーハンズ》の連中が全員来ると入りきらないから奴らはギルドの風呂を使うそうだ」
「何だか申し訳ないですね」
「ギルドの風呂と言ってもあそこも温泉らしいからな。気にするな」
エリザベートさんが教えてくれた。
温泉付きのギルド…羨ましいね。
「エリストにもあるといいのにね。温泉」
「日本と違ってどこを掘っても出る訳じゃないから仕方ないわよ」
ソラちゃんとリオさんの話していた事を聞いたけど、日本って何処を掘っても温泉が出るの?
「それは少し言い過ぎですけど、かなりの確率で出ると聞いた事がありますよ」
ユキさんが教えてくれた。
そうなんだね。
やって来たのは山間にある静かな村。
温泉と思しき施設の近くに平地があるのでそこに着陸する。ほぼ横付けなんだけど大丈夫なのかな?
「ああ、気にするな。ここは駐機場なんだ。私達もよく使う」
エリザベートさんは笑いながら言っていた。
「この温泉の施設はセラちゃんが出資してるのですよ。元々は自然の中に湧いているだけの所だったのですが、建物を作って利用しやすい様に整備したらお客さんが沢山来る様になって、ちょっとした村みたいになりました」
アニエスさんが説明してくれた。
因みにこの辺りに大きな街は無いらしく何処から情報を得たのか、いつの間にか湯治客がやってくる様になったのだとか。
「セラちゃんって商売上手?」
「いえー、セラちゃんは設備の改修やここの店員に給金を出しているだけで利益を受け取っていないんですよ~」
「それじゃマイナスじゃない」
「セラちゃん的には『たまに温泉を使わせてもらえればこれくらい必要経費』だそうです~」
ソラちゃんの質問にレフィさんが答えてリオさんが驚いていた。
セラさんって本当にお金持ちなんだね…。
「海洋超大国の英雄の資産を全て相続しただけの事はある」
「でも相続した国宝級の装備は全てオードに返還していましたよ」
やっぱりスゴい人なんだ…。
船から降りて温泉に入る。
中は老舗の温泉旅館の様な造りでかなり広い。エリザベートさんが店員さんに話をしてくれて男女に分かれて浴室へ。
脱衣所も広くて結構な大人数だけど全然余裕だ。
温泉は半分室内みたいな造りで大きなお風呂が一つ。
洗い場もあって私達のよく知っている温泉みたいだった。
「どことなく日本の浴場っぽくて安心するわね」
「ですね。男女が分かれていた時点で思っていましたが」
リオさんとユキさんが話しているのを聞いて驚く。
「え?もしかして海外だと混浴が当たり前なの?」
「ええ、もちろん水着着用よ?」
「で、ですよね~」
ビックリした…流石に裸な訳ないよね。
「水着着用でも混浴だったらテュケが喜ぶ」
身体を洗い終えて浴槽に飛び込むソラちゃん。マナー悪いよ?
「テュケ君はそんな子じゃないよ」
「どーだろーねー」
「ソラ、他のお客さんもいるんだから泳ぐのはダメよ」
「あーいー」
リオさんに怒られて泳ぐのはやめて浮いているソラちゃん。それもダメじゃない?
「ハトゥールなら喜びそう…」
「ウェスターも喜ぶな…」
そう呟いたのはレミさんとハナちゃんだった。
みんなで浸かりながらのんびり過ごす。
ほのかさんは私の横で「気持ちいーねー」と伸びをしながら言っている。
少しは淋しくなくなったかな?
「やだなー。ミナちゃんがいれば淋しくなんてないよー?」
そう言って頭を撫でてくるほのかさん。
元気そうで良かった。
「しかし本当に広いな。以前ミナ達の故郷の宿で入った温泉より広いんじゃないか?」
「そだねー。あそこはタッキュウとかあって面白かったねー」
ルーティアさんとアリソンさんはゆったりと浴槽に浸かりながら話をしている。
「あっちの方スゴーく深いです~」
「足が全然つかねーですよ~」
兎人族4姉妹は大はしゃぎ。
「そっちは身体の大きい人用なのですよ」
「大きい人?」
「はい。竜人族とか悪魔族の方ですね」
アニエスさんが4姉妹に説明しているけど、悪魔族っていう種族も普通にいるんだね。
「《ピクシーハンズ》には2名在籍していますよ。今回のルトシカ戦には参加していませんけど」
「こっちの世界は面白いわね」
悪魔族は竜人族と同じくらいの体型をしているらしく、頭は牡羊の角が生えていたりと一目で分かるくらい悪魔な容姿をしているそう。
「あと変わった種族っている?」
「以前アヴァロンの街の中を案内した時に話した種族…ヴァンパイア、レギオン、ドミニオン、セラフィム以外なら、セイノール、ドラゴンハーフ、半魔族くらいですかね~」
リオさんに聞かれて指折り数えながら種族名を並べていくレフィさん。
「ドラゴンハーフ?」
「はい~。リコッタさんとメレさんがそうですよ~」
容姿は人間よりも小柄で細身、大きな特徴は竜の尻尾がある事らしい。
「リコッタちゃん達には尻尾は無かった様な…」
「あれは《イリュージョンリング》だ尻尾を隠しているだけですよ~」
レフィさんが言うにはリコッタちゃんが尻尾を隠しているのはコンプレックスがあるからだとか。メレ君は双子なのでリコッタちゃんに付き合わされているだけらしい。
そうだったんだ…全然気付かなかったよ。
「半魔族は?」
「それはそのまま魔族の血が半分流れている人の事ですね~。アスティアにも魔族はいるんですか~?」
「いるぞ。私は前世が魔族だ」
話に答えたのはハナちゃん。うんうん、そうだったね。レフィさんは容姿などを詳しく聞いていた。
「成る程~こっちの世界の魔族とはちょっと違うみたいですね~」
何でもヌスクァムの魔族はかろうじて人型なくらいでもっと恐ろしい造形をしているらしい。
「で、その魔族の中の王、青魔王の息子に一目惚れされて贈り物までされたのがそこにいるアニエスさんです」
「そうなんですか?」
「は、はい…」
事実らしい。
「しかも送られてきたのはレースとリボンのガーターリングなんですよ~」
「それは…何だか危ういわね」
「ん、変態的」
うーん…。
で、今日はヌスクァムにある温泉に連れて行ってもらう事になった。
行くのはアスティアのみんなとほのかさん、アニエスさん、アンネさん、レフィさん。
他の《ピクシーハンズ》の人達は別の所にいくらしい。
エリザベートさんの船に乗せてもらい数時間で着いたけど、大陸をいくつも越えてきた。近くには無かったのかな?
「折角だから良い温泉に入って貰いたいそうだ。それから《ピクシーハンズ》の連中が全員来ると入りきらないから奴らはギルドの風呂を使うそうだ」
「何だか申し訳ないですね」
「ギルドの風呂と言ってもあそこも温泉らしいからな。気にするな」
エリザベートさんが教えてくれた。
温泉付きのギルド…羨ましいね。
「エリストにもあるといいのにね。温泉」
「日本と違ってどこを掘っても出る訳じゃないから仕方ないわよ」
ソラちゃんとリオさんの話していた事を聞いたけど、日本って何処を掘っても温泉が出るの?
「それは少し言い過ぎですけど、かなりの確率で出ると聞いた事がありますよ」
ユキさんが教えてくれた。
そうなんだね。
やって来たのは山間にある静かな村。
温泉と思しき施設の近くに平地があるのでそこに着陸する。ほぼ横付けなんだけど大丈夫なのかな?
「ああ、気にするな。ここは駐機場なんだ。私達もよく使う」
エリザベートさんは笑いながら言っていた。
「この温泉の施設はセラちゃんが出資してるのですよ。元々は自然の中に湧いているだけの所だったのですが、建物を作って利用しやすい様に整備したらお客さんが沢山来る様になって、ちょっとした村みたいになりました」
アニエスさんが説明してくれた。
因みにこの辺りに大きな街は無いらしく何処から情報を得たのか、いつの間にか湯治客がやってくる様になったのだとか。
「セラちゃんって商売上手?」
「いえー、セラちゃんは設備の改修やここの店員に給金を出しているだけで利益を受け取っていないんですよ~」
「それじゃマイナスじゃない」
「セラちゃん的には『たまに温泉を使わせてもらえればこれくらい必要経費』だそうです~」
ソラちゃんの質問にレフィさんが答えてリオさんが驚いていた。
セラさんって本当にお金持ちなんだね…。
「海洋超大国の英雄の資産を全て相続しただけの事はある」
「でも相続した国宝級の装備は全てオードに返還していましたよ」
やっぱりスゴい人なんだ…。
船から降りて温泉に入る。
中は老舗の温泉旅館の様な造りでかなり広い。エリザベートさんが店員さんに話をしてくれて男女に分かれて浴室へ。
脱衣所も広くて結構な大人数だけど全然余裕だ。
温泉は半分室内みたいな造りで大きなお風呂が一つ。
洗い場もあって私達のよく知っている温泉みたいだった。
「どことなく日本の浴場っぽくて安心するわね」
「ですね。男女が分かれていた時点で思っていましたが」
リオさんとユキさんが話しているのを聞いて驚く。
「え?もしかして海外だと混浴が当たり前なの?」
「ええ、もちろん水着着用よ?」
「で、ですよね~」
ビックリした…流石に裸な訳ないよね。
「水着着用でも混浴だったらテュケが喜ぶ」
身体を洗い終えて浴槽に飛び込むソラちゃん。マナー悪いよ?
「テュケ君はそんな子じゃないよ」
「どーだろーねー」
「ソラ、他のお客さんもいるんだから泳ぐのはダメよ」
「あーいー」
リオさんに怒られて泳ぐのはやめて浮いているソラちゃん。それもダメじゃない?
「ハトゥールなら喜びそう…」
「ウェスターも喜ぶな…」
そう呟いたのはレミさんとハナちゃんだった。
みんなで浸かりながらのんびり過ごす。
ほのかさんは私の横で「気持ちいーねー」と伸びをしながら言っている。
少しは淋しくなくなったかな?
「やだなー。ミナちゃんがいれば淋しくなんてないよー?」
そう言って頭を撫でてくるほのかさん。
元気そうで良かった。
「しかし本当に広いな。以前ミナ達の故郷の宿で入った温泉より広いんじゃないか?」
「そだねー。あそこはタッキュウとかあって面白かったねー」
ルーティアさんとアリソンさんはゆったりと浴槽に浸かりながら話をしている。
「あっちの方スゴーく深いです~」
「足が全然つかねーですよ~」
兎人族4姉妹は大はしゃぎ。
「そっちは身体の大きい人用なのですよ」
「大きい人?」
「はい。竜人族とか悪魔族の方ですね」
アニエスさんが4姉妹に説明しているけど、悪魔族っていう種族も普通にいるんだね。
「《ピクシーハンズ》には2名在籍していますよ。今回のルトシカ戦には参加していませんけど」
「こっちの世界は面白いわね」
悪魔族は竜人族と同じくらいの体型をしているらしく、頭は牡羊の角が生えていたりと一目で分かるくらい悪魔な容姿をしているそう。
「あと変わった種族っている?」
「以前アヴァロンの街の中を案内した時に話した種族…ヴァンパイア、レギオン、ドミニオン、セラフィム以外なら、セイノール、ドラゴンハーフ、半魔族くらいですかね~」
リオさんに聞かれて指折り数えながら種族名を並べていくレフィさん。
「ドラゴンハーフ?」
「はい~。リコッタさんとメレさんがそうですよ~」
容姿は人間よりも小柄で細身、大きな特徴は竜の尻尾がある事らしい。
「リコッタちゃん達には尻尾は無かった様な…」
「あれは《イリュージョンリング》だ尻尾を隠しているだけですよ~」
レフィさんが言うにはリコッタちゃんが尻尾を隠しているのはコンプレックスがあるからだとか。メレ君は双子なのでリコッタちゃんに付き合わされているだけらしい。
そうだったんだ…全然気付かなかったよ。
「半魔族は?」
「それはそのまま魔族の血が半分流れている人の事ですね~。アスティアにも魔族はいるんですか~?」
「いるぞ。私は前世が魔族だ」
話に答えたのはハナちゃん。うんうん、そうだったね。レフィさんは容姿などを詳しく聞いていた。
「成る程~こっちの世界の魔族とはちょっと違うみたいですね~」
何でもヌスクァムの魔族はかろうじて人型なくらいでもっと恐ろしい造形をしているらしい。
「で、その魔族の中の王、青魔王の息子に一目惚れされて贈り物までされたのがそこにいるアニエスさんです」
「そうなんですか?」
「は、はい…」
事実らしい。
「しかも送られてきたのはレースとリボンのガーターリングなんですよ~」
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