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特別編3:異世界

冒険者登録

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門に着いたので入場手続きをする。

「久しぶりだな嬢ちゃん。元気か?」
「はい!元気一杯です」

門衛のおじさんが声を掛けてくれたので挨拶。転移で何回も来てるけど最近は門を通ってない。
何だか申し訳なくなってしまう。

私達が身元を保証したのでみんなすぐに仮証を受け取って入る事ができた。

「綺麗な街ね!」
「素晴らしいな!」

マユミさんとコウさんは街を見渡して大喜びだ。

「お二人はどんな仕事をするんですか?」
「冒険者だ!」「ええ!」
「私も冒険者になるよ」

初めから決めていたみたい。
3人ともこちらでの一般的な服装で、コウさんのインベントリの中には革の軽鎧が3組と長剣と小剣が一本ずつ入っている。留め金に非破壊属性付与、所有者固定化、自動調整などなど私が初期にもらったものとほぼ同じ効果が付与されていた。

装備は大丈夫みたいなので早速冒険者ギルドに向かう。時刻はまだ朝の10時位。ギルドホールが賑わってる時間だ。

「おはようミナ!」
「ユキちゃんおはよう!」

ホールに入るとみんなに声を掛けられる。

笑顔で挨拶をして受付に。

「ミナさんおはよう。今日のご用件は?」
「おはようございますイクスさん。今日は冒険者登録をお願いしにきました」

イクスさんがいつもの爽やかな笑顔で迎えてくれた。
コウさん達3人を紹介する。

「ミナさんの紹介なら問題ないね。手続きの書類を書いて下さい」
「はい」

イクスさんにお任せして私達は受付から少し離れた所で待つ事に。

「いいなぁ……私もこっちで暮らしてみたい」
「矢島が寂しがるよ?」
「勿論一緒にだよ」

ソラちゃんと美咲お姉さんは近くの椅子に腰掛けて話をしていた。

「おいテュケ、模擬戦しようぜ!勝ったらお前の代わりに俺がミナちゃんのパーティに入るからな!」
「まだ言ってるのかそれ…。しょうがない、相手をしてやるよ」

テュケ君と仲の良い少年冒険者が話し掛けて来た。

「余裕じゃないかテュケ」
「そりゃあ俺だって強くなってるからな」
「怪我には気を付けろよ」
「おう!」

ハナちゃんと話をして訓練場へと向かっていくテュケ君。ハナちゃんが言った怪我については、「怪我をさせない様に」という意味だと思うけどテュケ君分かってるかな?

コウさん達の方に視線を戻すと、ステータスの確認をやっている所だった。

イクスさんはギフトを見て驚いた顔をしていたけど軽く咳払いをして「はい、終了です」と確認を済ませていた。

「それでは3人の冒険者証を作りますので少し待っていてください」
「はーい」

待っている間に訓練場の方へ行ってみる。

「くっそ!…もう一度だ!」
「あまり熱くなるなよ。怪我するぞ」

テュケ君とさっきの少年が戦っていた。
テュケ君は少年の攻撃を確実に受け止めて軽く反撃を繰り返しているだけ。でも普通の冒険者には反応し切れないみたいだった。

「俺達も訓練しなくちゃな」
「ええ。早く魔法が覚えたいわ」
「私はどうしようかなー」

3人はテュケ君達の戦いを見て興奮していた。

「それで、レベル上げどうするの?エスペランサのダンジョンでパワーレベリングする?」

ソラちゃんが聞いてくる。

「パワーレベリング?」
「強い人が引率して強い敵を狩ってレベル上げをする方法だよ」

それをやればすぐに強くなれるかもしれないけど実戦での勘は育たない気がするよ。

「地道にやってみようと思うのだけど、いいかな?」
「勿論です」

コウさんは自分達の力で頑張りたいと言ってくる。

それが一番だよ。

「魔法は自力じゃ覚えられないから私がコーチするわ」
「ありがとう。よろしくお願いします」

ネネさんがマユミさんに指導してくれる事に。

「なら俺は剣術を教えるよ。前世じゃ剣なんて持った事ないだろ」
「助かるよ」

マサキさんがコウさんを教えてくれるんだね。

その場で剣を使っての指導が始まる。
少し離れた所ではマユミさんに魔法についてのレクチャーが始まっていた。

私達はそれを遠くから見ていたけど、他の冒険者達が周りに集まってきた。

「ミナさん、是非剣の手解きを!」
「え、私?」
「格闘術をお願いします!」

この前ナターシャさんが指導していた人達だ。

「分かりました。一人ずつ順番に見ていきますね」
「格闘術なら教えられる。私がやろう」
「私も防御に関してならお教えできます」

ソラちゃんとユキさんが何人かを指導してくれる。

「それなら私達も手伝いますよ」

アニエスさんは剣術を、アンネさんは格闘術を受け持ってくれるそう。レフィさんは希望者と模擬戦をするらしい。

「おや?帰ってたんですかい?」

訓練場にやって来たのはウェスターさん。今日ここに来たのは若手の育成の為らしい。

「オッサンより女の子に指導してもらった方がやる気が出る」
「ひでぇ言い様だな…ま、その意見には同意しますがね」

若手の一人が言った事に笑って答えるウェスターさん。

「ところでリオちゃん、この前の話は覚えてる?」
「覚えてるわよ。ウェスターこそ他の人と仲良くしてて忘れてたんじゃない?」
「まさか。俺がリオちゃんとの約束を忘れたりするわけがない」

約束?

「前に応援に来てもらった時に今度デートするって話をしてたよ」

ソラちゃんが教えてくれた。
ああ、そう言えばそんな話をしていたね。

「私はいつでもいいわよ」
「じゃ、明日でも」
「いいかしら?ミナ」
「はい。大丈夫です」

これはウェスターさんとリオさんの距離が近くなるチャンス!
応援してますウェスターさん!

「ミナ、余計な事を考えてない?」
「い、いえいえ!そんな事はないですよ!」

…顔に出てたかな。
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