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特別編3:異世界
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アンネさんが7人倒していたので残りは27人。調べてみたら拠点はあと一つ。残念ながら夜が明けてしまったので拠点の山賊達も活動を始めるだろう。
「よし、残りは今晩だな。全員ご苦労だった。夜まで身体を休めてくれ」
グラッドがそう言うと全員が安堵のため息を漏らし解散していく。
「ミナのおかげで一晩で殆ど終わっちまったな。用意した食料が大量に余そうだぜ」
「私が片付けるよ?」
「いや、無理して食わんでいいぞ」
「無理じゃないよ」
詰め寄るアンネさんにたじろぐグラッドさん。
やっぱり言動がソラちゃんに似てるね。気が合いそうだったし、戻ったら良い友達になれそうだね。
私達も身体を休める事にしよう。
その前に山賊さん達に聞いておく事がある。
「聞きたい事があるんですけど」
「はっ!答えてやるとでも思うのか?どうせ俺達は縛り首だろ?」
「うーん、どうなんでしょう?」
「そこは嘘でも『減刑を取り計います』って言えよ」
「あー、そうですよね。じゃあそれで」
「言うわけないだろ!」
…交渉にはならなかった。
「今すぐ埋めちゃう?牢屋ごと」
ほのかさんが後ろから聞いてくる。
「そんな事を勝手にしたら怒られちゃいますよ」
「大丈夫だよ。私達の仕事は退治なんだから。生かしておく必要はないよ」
「ちょっ!?待ってくれ!何でも話すから、やめさせてくれ!」
慌てて言ってくる山賊さん。ここに連れて来られる前に生き埋めにされた事が堪えているみたい。
「じゃあお聞きしますけど、皆さんは同じグループですか?」
「ちげーよ。ここにいるのは俺達の仲間だけじゃねえ」
確認したら拠点ごとで違うグループだった。因みに残りの拠点も別のグループらしい。
「アイツらも必ず捕らえろよな。俺達だけ捕まったんじゃ不公平だ」
「まあ、逃がすつもりはありませんけど。私達は全ての山賊の討伐が仕事なので」
「あと1拠点27人だったね?楽勝だよ」
「は?お前ら何処のことを言ってんだよ?少なくとも50人は居るはずだぞ」
山賊さんが呆れ声で言ってくる。
いやいや、表示では27人しか居ないよ。
地図を持ってきて聞いてみる。
「この辺りを縄張りにしているグループの事ですよ?」
「俺が言ってるのはそこよりももっと南西の方に居る奴らだ。知らねえのか?」
どういうこと?
「ミナちゃんに見つけられない山賊がいるって事かな?」
「おかしいですね。そんな筈は…」
「アイツらは海賊だぞ」
えぇ…まさか…?
海賊で調べたら67人ヒットした。
いやいやいや。ここは山だよ?海賊だったからって山で略奪したら山賊でしょ。
「丘に上がっても海賊魂は捨てないとか?」
「ややこしいから一纏めに山賊になっててくださいよ…」
この調子だと「俺達は山賊じゃねえ!傭兵だ!」なんて人達も居そう。
…いるし。
その数なんと86人。
これは一度グラッドさんに報告した方が良さそうだ。
「なに?山脈には海賊と傭兵がいる?そいつらは山賊じゃないのか?」
「行為自体は山賊だけど、どうも自己申告みたいで…」
私は何言ってるんだろう?
「そいつらはどちらも一つの拠点に居るんだな?」
「はい」
「そうなると俺達だけでやれるか…?」
海賊さん達はこちらより数が多いし傭兵さん達は2倍もいる。
《テレポート》での襲撃だと間違いなくこちらに被害が出る。
有効な手段って何だろう?
こんな時ルーティアさんかレアさんかリオさんが居てくれたら…。
こういう事ってみんなに頼り切りだったって思い知らされるなぁ。
今はここにいる人で何とかしなくちゃいけないよね。
「じゃあ大火力で殲滅だね」
ほのかさんがいつもの調子で言ってくる。
「そんな事が出来るのか?」
「出来なくは無いですけど、何も残りませんよ?山も削れますし火事になるかも…」
「この際それも仕方ないか…」
グラッドさんはそれでも良いと言うけど私は嫌だな。
「私達だけでやればいいじゃない」
アンネさんが来て言ってくる。
「何を言ってるんだ?数が足らないと言ってるんだぞ」
「だから、被害が出るなら足手纏いは置いて行けばいい。私とホノカとミナでやってくる」
アンネさんもサラッと他の冒険者を足手纏いとか言っちゃうし。
「おいおい誰が足手纏いだって?」
「聞き捨てならねえなあ!」
近くで休んでいた冒険者の人達がこちらにやって来る。数は6人、確かベテランの冒険者さん達だ。
早く謝った方がいいよね。
「事実だから」
気怠そうに冒険者の皆さんの方を見ながら言うアンネさん。
「なんだと?可愛いからって何を言っても許されると思うんじゃねぇぞ?」
「私が超絶美少女なのは関係ない」
「そこまでは言ってねぇよ…」
「じゃああなた達が強いって今すぐ証明して?」
「いいぜ。泣いても許してやらねえからな!」
アンネさんに向かって拳を構える冒険者の人。武器は使わないんだね。
「ミナちゃんやってみて?」
「私ですか?別にいいですけど」
「舐められたもんだな。魔法使いの嬢ちゃんが相手かよ」
《テレポート》を見せた事で私は魔法使いだと思われているらしい。
「私に負けたら強さの証明にはなりませんよ。武器を使って全員でどうぞ」
広い所に移動しながら声を掛けると全員が顔を赤くして怒っていた。
「おいおい、いくら何でもそりゃ舐め過ぎだろ。お前のお陰で山賊を殆ど捕まえられたのは認めるが、俺達より剣の腕がたつとでも言うのかよ?」
「いえ、私は素手でやりますよ。魔法も使わないので全力でどうぞ」
私が言い返したら冒険者さん達は一斉に剣を抜いて襲いかかって来た。
一言余計だったかな?完全に怒らせちゃった。
でも、そのせいで動きが単純になってるよ。
始めに斬り込んできた1人は左に躱して腕を掴んで関節を極めながら投げる。
2人同時に左右から斬り込んできた人達は数歩下がってタイミングをずらしながら下段の回し蹴りで左の人を、そのまま回転して上段の回し蹴りで右の人を蹴り飛ばした。
1人が鋭い突きを放って来たので上体を後ろに逸らして攻撃を躱しながら腕を膝で蹴り上げて剣を落とさせて、それを素早く右手で掴むと身体を起こしながら柄頭で右頬を殴りつけて倒す。
残りの2人は慎重に剣を構えながら距離を詰めて来るのでこちらから素早く距離を詰めて攻撃を誘い、1人は懐に潜り込んで鳩尾に一撃。もう1人は背後に回り込んで腕の関節を極めて地面に倒した。
「ま、参った!」
「感情に任せて動き過ぎですし連携が全然ですよ?もっと仲間を意識してください」
手を離して立ち上がりながら言わせてもらう。
「スゴいミナちゃん、達人みたいだね」
ほのかさんが私の動きを見て褒めていた。
「よし、残りは今晩だな。全員ご苦労だった。夜まで身体を休めてくれ」
グラッドがそう言うと全員が安堵のため息を漏らし解散していく。
「ミナのおかげで一晩で殆ど終わっちまったな。用意した食料が大量に余そうだぜ」
「私が片付けるよ?」
「いや、無理して食わんでいいぞ」
「無理じゃないよ」
詰め寄るアンネさんにたじろぐグラッドさん。
やっぱり言動がソラちゃんに似てるね。気が合いそうだったし、戻ったら良い友達になれそうだね。
私達も身体を休める事にしよう。
その前に山賊さん達に聞いておく事がある。
「聞きたい事があるんですけど」
「はっ!答えてやるとでも思うのか?どうせ俺達は縛り首だろ?」
「うーん、どうなんでしょう?」
「そこは嘘でも『減刑を取り計います』って言えよ」
「あー、そうですよね。じゃあそれで」
「言うわけないだろ!」
…交渉にはならなかった。
「今すぐ埋めちゃう?牢屋ごと」
ほのかさんが後ろから聞いてくる。
「そんな事を勝手にしたら怒られちゃいますよ」
「大丈夫だよ。私達の仕事は退治なんだから。生かしておく必要はないよ」
「ちょっ!?待ってくれ!何でも話すから、やめさせてくれ!」
慌てて言ってくる山賊さん。ここに連れて来られる前に生き埋めにされた事が堪えているみたい。
「じゃあお聞きしますけど、皆さんは同じグループですか?」
「ちげーよ。ここにいるのは俺達の仲間だけじゃねえ」
確認したら拠点ごとで違うグループだった。因みに残りの拠点も別のグループらしい。
「アイツらも必ず捕らえろよな。俺達だけ捕まったんじゃ不公平だ」
「まあ、逃がすつもりはありませんけど。私達は全ての山賊の討伐が仕事なので」
「あと1拠点27人だったね?楽勝だよ」
「は?お前ら何処のことを言ってんだよ?少なくとも50人は居るはずだぞ」
山賊さんが呆れ声で言ってくる。
いやいや、表示では27人しか居ないよ。
地図を持ってきて聞いてみる。
「この辺りを縄張りにしているグループの事ですよ?」
「俺が言ってるのはそこよりももっと南西の方に居る奴らだ。知らねえのか?」
どういうこと?
「ミナちゃんに見つけられない山賊がいるって事かな?」
「おかしいですね。そんな筈は…」
「アイツらは海賊だぞ」
えぇ…まさか…?
海賊で調べたら67人ヒットした。
いやいやいや。ここは山だよ?海賊だったからって山で略奪したら山賊でしょ。
「丘に上がっても海賊魂は捨てないとか?」
「ややこしいから一纏めに山賊になっててくださいよ…」
この調子だと「俺達は山賊じゃねえ!傭兵だ!」なんて人達も居そう。
…いるし。
その数なんと86人。
これは一度グラッドさんに報告した方が良さそうだ。
「なに?山脈には海賊と傭兵がいる?そいつらは山賊じゃないのか?」
「行為自体は山賊だけど、どうも自己申告みたいで…」
私は何言ってるんだろう?
「そいつらはどちらも一つの拠点に居るんだな?」
「はい」
「そうなると俺達だけでやれるか…?」
海賊さん達はこちらより数が多いし傭兵さん達は2倍もいる。
《テレポート》での襲撃だと間違いなくこちらに被害が出る。
有効な手段って何だろう?
こんな時ルーティアさんかレアさんかリオさんが居てくれたら…。
こういう事ってみんなに頼り切りだったって思い知らされるなぁ。
今はここにいる人で何とかしなくちゃいけないよね。
「じゃあ大火力で殲滅だね」
ほのかさんがいつもの調子で言ってくる。
「そんな事が出来るのか?」
「出来なくは無いですけど、何も残りませんよ?山も削れますし火事になるかも…」
「この際それも仕方ないか…」
グラッドさんはそれでも良いと言うけど私は嫌だな。
「私達だけでやればいいじゃない」
アンネさんが来て言ってくる。
「何を言ってるんだ?数が足らないと言ってるんだぞ」
「だから、被害が出るなら足手纏いは置いて行けばいい。私とホノカとミナでやってくる」
アンネさんもサラッと他の冒険者を足手纏いとか言っちゃうし。
「おいおい誰が足手纏いだって?」
「聞き捨てならねえなあ!」
近くで休んでいた冒険者の人達がこちらにやって来る。数は6人、確かベテランの冒険者さん達だ。
早く謝った方がいいよね。
「事実だから」
気怠そうに冒険者の皆さんの方を見ながら言うアンネさん。
「なんだと?可愛いからって何を言っても許されると思うんじゃねぇぞ?」
「私が超絶美少女なのは関係ない」
「そこまでは言ってねぇよ…」
「じゃああなた達が強いって今すぐ証明して?」
「いいぜ。泣いても許してやらねえからな!」
アンネさんに向かって拳を構える冒険者の人。武器は使わないんだね。
「ミナちゃんやってみて?」
「私ですか?別にいいですけど」
「舐められたもんだな。魔法使いの嬢ちゃんが相手かよ」
《テレポート》を見せた事で私は魔法使いだと思われているらしい。
「私に負けたら強さの証明にはなりませんよ。武器を使って全員でどうぞ」
広い所に移動しながら声を掛けると全員が顔を赤くして怒っていた。
「おいおい、いくら何でもそりゃ舐め過ぎだろ。お前のお陰で山賊を殆ど捕まえられたのは認めるが、俺達より剣の腕がたつとでも言うのかよ?」
「いえ、私は素手でやりますよ。魔法も使わないので全力でどうぞ」
私が言い返したら冒険者さん達は一斉に剣を抜いて襲いかかって来た。
一言余計だったかな?完全に怒らせちゃった。
でも、そのせいで動きが単純になってるよ。
始めに斬り込んできた1人は左に躱して腕を掴んで関節を極めながら投げる。
2人同時に左右から斬り込んできた人達は数歩下がってタイミングをずらしながら下段の回し蹴りで左の人を、そのまま回転して上段の回し蹴りで右の人を蹴り飛ばした。
1人が鋭い突きを放って来たので上体を後ろに逸らして攻撃を躱しながら腕を膝で蹴り上げて剣を落とさせて、それを素早く右手で掴むと身体を起こしながら柄頭で右頬を殴りつけて倒す。
残りの2人は慎重に剣を構えながら距離を詰めて来るのでこちらから素早く距離を詰めて攻撃を誘い、1人は懐に潜り込んで鳩尾に一撃。もう1人は背後に回り込んで腕の関節を極めて地面に倒した。
「ま、参った!」
「感情に任せて動き過ぎですし連携が全然ですよ?もっと仲間を意識してください」
手を離して立ち上がりながら言わせてもらう。
「スゴいミナちゃん、達人みたいだね」
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