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特別編2:神様はじめました

異世界大戦

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「さあ、始めましょうか」

リヴェルティア様が右手を一振りすると物凄い数のファクティスが現れる。

それを見てレアさんが全員に指示を出す。

私も《エスカシャイターン》を纏って、全員に《ヴィサスエスカシャイターン》を付与する。

みんなそれぞれの相手の所に散っていく。
私、ユキさん、リオさん、ソラちゃん、テュケ君でリヴェルティア様を攻撃だ。

あちこちで戦闘が始まり、私達は隙間を縫ってリヴェルティア様との距離を詰める。

他の邪魔が入る事なく目の前に辿り着いた。
リヴェルティア様の左右には10歳位の男の子と女の子がいた。

[あれは神ではなくリヴェルティアの眷属でしょう]

私とテュケ君みたいな関係かな?
それなら相当強いに違いない。

「想像通りに来てくれて安心したわ。あぁ…この日をどれだけ待ち望んだ事か。50年も掛かるなんて…」

50年…アスティアじゃまだ一ヶ月も経ってないし地球でも半年だよ。
ライオアールはそんなに時間の流れが早いんだ…。

「ただの逆恨みでここまでするなんて、呆れるを通り越して讃えたくなるわね」
「讃えてもらって構いませんよ。ただそれで生かしてあげる事はありませんがね」

リオさんが話しているうちに2人を鑑定しておく。

男の子はキール、女の子はシェーラという名前で、茶色の短めの髪の方がキール、銀色の長い髪の方がシェーラ。

…二人ともユキさん達よりも存在力が段違いに高い。リヴェルティア様も私の倍近くある。

「むぅ、存在力の大きさが戦力の決定的な差でない事を教えてやる」
「そう?やれるものならやってみなさい」

キールとシェーラは何も言わず、表情も変えずに私達目掛けて飛んでくる。

両手両足には剣状にしたエネルギーの塊を纏っていた。

2人の攻撃をユキさんが《大防御》で受け止める。
それに合わせてオーバーブーストを付与する。

2人は息の合った連携で、左右から両手の剣を振り下ろしていた。
ユキさんは何とかそれを防ぐけど、ダメージを受けている。

オーバーブーストを抜いてユキさんにダメージを与えるなんて。
まともに受けたら即死なんじゃ…。

「ユキ、下がっていいよ」
「俺達がやってやる!」

テュケ君がキールに、ソラちゃんがシェーラにそれぞれ全力の攻撃を放つ。
それに合わせてオーバーブーストを付与…しようと思ったけど《オーバードスピード》を掛けて移動しながら《ルインブレイザー》を4発放つ。それを両手をかざして結界を作って防ぐリヴェルティア様。

私がさっきまでいた所に黒い球体が現れてすぐに消えた。

今のは魔法?

[接触すると存在力を奪われます。注意を]

アウラさんが解析して教えてくれた。

こちらの武器も存在力を奪う力があるけど、まさか向こうも同じ力を持っているなんて。

「流石に勘が良いですね。しかしいつまで続きますか?」

[リヴェルティアは例の球体を転移で飛ばしてきています。回避はほぼ不可能]

私は多分幸運で防げる。でも他の人を狙われたら多分避けきれないだろう。

『ミナお姉さん、皆さんの回避は私が指示するよ!』

ティナちゃん!

(見えるの?)
『大丈夫みたいです!』
(任せるよ!)
『はい!』

ティナちゃんがサポートしてくれるなら安心だ。でも、リヴェルティア様に攻撃の隙を与えなければいいんだ。一気に行くよ!

ジールディアスレイヤーを構えてリヴェルティア様に斬り込む。
それを見て私に向かって《レイブラスター》の様な巨大な光線を放ってくる。

ユキさんが前に出て盾で弾いてくれた。
リオさんが2つのデバイスと同時に《レイブラスター》を撃ち返す。

リヴェルティア様は結界を張って防いだので攻撃も出来ずにその場に留まっている。

今がチャンスだ!

出力を最大まで上げて結界に向かって突きを放つ。
オーバーブーストを掛けて剣に《フェアレーター》も付与した渾身の一撃だ。

結界を貫通してリヴェルティア様に届くはずだった。

「捕まえた」

結界は破壊する事ができた。でも私の剣はリヴェルティア様に掴まれて胸元で止まっていた。

[警告、今すぐリヴェルティアから離れてください]

仕方ない。
剣を手放して後退しようとするけど身体が動かない。

〈リヴェルティアの組成に含まれているファクティスに侵食を受けています。抵抗し切れません〉

レナトゥスでも跳ね返せないの…?

「あなたさえ押さえてしまえば他の者など取るに足らないでしょう」

私を抱き寄せる様にして拘束するリヴェルティア様。

「ミナさん!今助けます!」

ユキさんとリオさんが来てくれたけど、結界を張られて遮られてしまう。

「まずは皆に掛けている特殊な力を解除してみましょうか」

《ヴィサスエスカシャイターン》を解除された!私の《エスカシャイターン》もだ。

数人がかりで何とか互角の状況だったのが、圧倒的に不利になっていく。
攻撃は全く効かず、相手の攻撃は防御どころか避ける事もままならない。

「よく見ておきなさい。あなたの大切な仲間達が死んでいく様を」

みんなの方に私を向けて後ろから囁きかけてくる。

何とかしないと…!

「そうそう、一人だけは特別な子がいましたね」

誰の事…?まさか…。

「レア。私が初めて駒として使った人間。小賢しくも私に抗い、かつての私が滅びる原因になった娘…」

レアさんは後方で指揮をとっているけど、そこにライオアールのドラゴンが4体やって来て取り囲む。

「皆で仲良く分けなさい。手の先、足の先から少しずつ頂くのですよ」
「や、やめて…」
「あなたに言われて止めるわけがないでしょう?むしろもっと苦しむ方法を探したくなってしまいます」

勝ち誇るリヴェルティア様。私は微かに声をあげる事しか出来ない。
みんな一箇所に固まって防御態勢を取っているけど、付与がない今の状態ではどうしようもない。

こんなに簡単に…負けるなんて。

「諦めては駄目よ美奈!」

凛とした声が響き渡る。

直後、霧の様な白いものが辺りを包み込む。
これは…雪?いや、氷だ。
氷なのに何故か暖かい。心地よい…。

身体が動く様になった。

「な、何…!?そんな馬鹿な……!」

結界が解除され、リヴェルティア様が私を離して後退する。

私の背中には白い翼が生えていた。

これは…《アルスアドラステア》?

「間に合ったみたいだね」

声の先にいたのは人間側の私と──
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