転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編1:ドゥーム・セントラルコア決戦

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エリストの自宅に帰ってきたら真夜中だったので、今日はみんなに泊まってもらった。
私も疲れていたので自室に戻って装備を外したらすぐに寝てしまった。

目を覚ましたらもう外は明るい。今何時かな?

「おはようございますミナ様」
「おはようございます」
「おはようウルちゃん、オル君」

私の両隣には猫の姿のウルちゃんと犬の姿のオル君がいた。
2人が一緒なのは随分と久しぶりな気がするよ。

「今何時か分かる?」
「はい。14時を回った所です」

えぇ…メチャクチャ寝坊してる!
まあでも…何かすぐにやらなくちゃいけない事がある訳じゃないし、今日ぐらいはいいかな。

で、気付いたんだけど、いつの間にか首にペンダントが掛かっていた。
青白い雫型の石に金のチェーン。こんなのかけた覚えがないのだけど。

〈ミナさん、私です〉

レナトゥス…?

〈ミナさんに残留していた私のかけらを集めてこの形に変えました。御恩のあるあなたのお手伝い出来ないかと思いまして…宜しければこれからも共にある事をお許しいただけないでしょうか?〉

それは別にいいけど…あなたの本体は大丈夫なの?

〈私の本体はほぼ消失して今私を構成しているのは、これとインベントリ内にあるディエスヘレスブリンガーを強化している物質のみです〉

ああ…インベントリ内のものは操作出来ないんだね。

〈ディエスヘレスブリンガーの方はインテリジェントコアとして活用してくださればと思います〉

じゃあ使わせてもらうね。

[ミナには私が居ますのでサポートは不要ですが、ミナが共にある事を許すのなら私からは何も言う事はありません]

アウラさん怒ってる?

[そんな事はありません]

それならいいけど。

〈これから宜しくお願いします。アウラさん〉
[はい。共にミナをサポートしましょう]

何か頭の中が賑やかになったね。

そういえば結構長い事ご飯を食べてない気がする。
そろそろ起きていかないとご飯が無くなっちゃうかも。

着替えて部屋を出るとメイドのサナちゃんがいた。

「おはようございます!お食事になさいますか?」
「うん。ゴメンねこんな時間まで寝てて。まだご飯あるかな?」
「勿論です!ご案内いたします」

そう言って先を歩くサナちゃん。
朝から私が起きるのをずっと待ってたんじゃないよね…?

食堂に近付くと中から賑やかな声が聞こえてきた。みんな食堂にいるみたいだ。

「ミナ様がお目覚めになられました!」

扉を開けてサナちゃんがそう言うと、中の喧騒が静まり返る。

「おはようございまーす…」

中は丸いテーブルがあちこちにあってそれを囲んでお酒や食べ物が並んでいる。

私が入り口に立つとみんなが動きを止めてこっちを見ていた。

えぇ…何か怖い…。
私何かやっちゃった?

「ミナさんおはようございます!」
「ミナおはよー!」
「やっと起きたわね!さあこっちに来なさい」

ユキさんとソラちゃんがやって来て私をテーブルまで引っ張っていく。

「我らの主神、ミナ・アドラステアが目覚めたぞ!さあ野郎ども乾杯だー!」

立ち上がって杯を掲げるルーティアさん。みんなも立ち上がって杯を掲げて中の液体を飲み干している。そしてまた騒ぎ出す。

ミナ・アドラステア?なんかフルネームっぽくなってるけど…まあいいか。

そしてみんなすっかり出来上がってるんだけど。

「お昼前にみんな起きて来てミナさんを待ってたんですけど、待ち切れなくて始めてしまったんです」
「ん、お腹空いて死にそうだった。ミナを起こすのは悪いと思ったから先に食べる事にした」
「ユキは起きるまでミナの部屋に居るって聞かなかったんだけど、サナに代わってもらってこっちに連れて来たのよ」

そうだったんだね。

「サナちゃん、ありがとうね」
「い、いえいえ!私はメイドとして当然と事をしただけですので…」

慌てた様子で返事をするサナちゃんだけど何だか嬉しそう。

「ミナ、これ美味しいよ。はい!」
「ありがとう」

ソラちゃんが料理を取り分けてくれた。
こんがりと焼かれたお肉だ。

「うん!ホント美味しいね!」
「こちらもどうぞ」

ユキさんが持って来たのはシチューだった。お礼を言いながら一口…あっこれ穴熊亭のシチューだ!

「調理担当が足らないって言うから応援に来てもらってるのよ」

リオさんが教えてくれた。宿屋の方は奥さんとティターニアの子達に任せてこっちに来てくれたそう。

厨房の方からおじさんが顔を出して軽く手を振ってくれる。
凄く久し振りな気がして涙が出そうだよ。

「ミナさんお疲れ様でした!」
「リーシャさん、助けに来てくれてありがとうございました」

やって来たのはクロウさんと妹のリーシャさん。ダキアさんとアリソンさんも一緒だ。みんなお酒を飲んでいたみたいで顔が赤い。

「無事に帰って来てくれて安心した」

クロウさんは一番先にランディアに戻されてしまったからか、私が戻って来ないのではないかと心配していたらしい。
ドゥームを纏わずに《アルスアドラステア》も無い状態で再出撃しようとしてアリソンさんに止められていたそう。

「何も無かったら私達ってあの真っ暗な世界じゃ呼吸も出来ないんでしょー?」
「そうですね」
「全く俺より無茶な野郎だぜ」
「お前に任せたと言ったが戻って来て後悔した。あの時ダキアを盾にして俺が残った方が良かったのではないかと」
「何だと!?」

まあまあ…落ち着いて下さいね。

「ダキアさんは最後の最後で私を助けてくれました。クロウさんが身代わりになってくれたお陰ですよ」
「そうか…」
「ああ、見事なつっかえ棒だったな!まさかあそこでダキアの筋肉が役に立つとは思わなかったぞ」

ルーティアさんもやって来た。

「ミナも飲むかい?」
「いえ、私はいいです。まだ飲める歳ではないので」

あー…アスティアではお酒の年齢制限って無いんだっけ。
でもまあ、日本で育って来たから抵抗がある。二十歳まで飲まないでおこう。

「そうだな!あまり早くから酒を飲むと、何処かのチンチクリンみたいに育たなくなるかも知れないからな!」
「言ったなダキア!」
「さっきのお返しだ!」

ダキアさんとルーティアさんの喧嘩も久し振りだね。
みんな無事に帰って来れて良かったよ。

「笑ってないで、止めないと屋敷が壊れるわよ」

リオさんに言われて現実に戻ってくる。
うん。そうだね。
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