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特別編1:ドゥーム・セントラルコア決戦

サブコア

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ランディアの所に転移で戻ってきて、サブコアに向かって移動を開始する。転移阻害が効いているので戦場までは飛んで行かなくてはならなかった。

残るサブコアは二つ。両方とも月とほぼ同サイズ。今は手分けして攻撃を加えているけどセントラルコア側の増援もやって来ていて周囲は混沌としていた。

どちらでも良いので早く破壊して攻撃を一箇所に集中させよう。

向かったのはランディアから見て左側。こちらの方が激しい戦闘をしている様だったから。

近くに行ってみると味方が見えてくる。
後方ではネネさんが魔法を発射していた。

「ミナ、援護に来てくれたのね。助かるわ」
「はい。私達は前に出ます。リオさんは後方で援護射撃ですね?」
「ええ。ユキ、ソラ、ミナがやらかさない様にしっかり見ておいてね」
「はい」「見てるだけなら」

何か酷くない?
そしてソラちゃん、見てるだけって…。

「では行ってきます!」

気を取り直して前進だ!力み過ぎない様に気を付けて、でも効率よく、出来るだけ早く…。
サブコアを守っているのはマスターコアだった。鑑定では【マスターコア・エルルード】と出た。
どうやらこのマスターコアが2つのサブコアを守りに来た事で苦戦しているらしい。

最前線ではハナちゃん、テュケ君、ウェスターさん、ウルちゃん、オル君に駆けつけたマサキさんが一緒に戦っているそうだ。

「ねぇ、あれなんだろう?」

見えてきたのは味方陣営に浮いている青白い光を放つ巨大なドレス。

「味方のウルトでしょうか?」
「巨大ロボ?」

それにしては何か…もしかしてドゥーム同士で融合しているのかな?

近付いてみたら何かわかった。

「ハナちゃん…?」
「ミナか。援護助かるよ」

巨大な青白いドレスの頭の所にいたのはハナちゃんだった。

「よく分からないがこんなものを装備させられてしまったんだ」

少し動きにくそうに身体を捩っている。

なんか…あれだね。
年末の歌番組でよく見たよ。演歌歌手の人みたい。

「ラスボスっぽい」
「ラスボス?」
「ん。すごく強そうって事」
「そ、そうか…」

ハナちゃんにはラスボスって言ってもなんの事か分からないよね。ソラちゃんが説明してるけど、その説明でいいのかな。

ところで何でハナちゃんだけ?

「多分これを最大限に使う為だろうな。」

ハナちゃんは右腕を動かすと遠くから巨大な剣が飛んで来た。ドゥームで出来た赤い光を放つ直剣だ。

「これはまさか?」
「私の《ソードコントロール》で操ってるんだ。これならウルトでも船でも一撃だ」

なるほど。それでハナちゃんもそんな大きなものを装備させられてるんだね。

「でもハナちゃんにそれを着せなくても動かせるんじゃない?」
「これで近接戦闘をしろって事なんだろうな」

目の前で動きを止めている剣を手に取るハナちゃん。
確かに直接振り回すには大きくないと無理だからね。

因みに今も同時に20本の剣を操って敵を攻撃しているそう。

「敵の守りが強固でなかなか突破できないでいる。ミナ、ユキ、ソラ、手伝ってくれ」
「うん。勿論だよ」
「行きましょう!」
「分かった。でもハナは気を付けた方がいい。大型機体は死亡フラグ」
「死亡フラグ?」
「この戦いが終わったら説明するよ」

ソラちゃんはハナちゃんに言っていた。

私達も敵部隊と戦う。

前に出るとテュケ君、ウェスターさんがウルトと戦っていた。

苦戦はしていないけどサイズが違い過ぎて倒すのに時間がかかっている様だった。よく見ると2人は纏っていたドゥームをかなり剥がされている。

私はディエスヘレスブリンガーを抜いて加勢する。

「ねーちゃん!」
「お待たせ!手伝うよ!」

私は挨拶がわりにウルトの胴体を横に斬り裂く。
2つに分かれて反撃してくるだろうと思ったけど、傷口が大きく拡がっていってバラバラに砕け散った。

凄い威力、ウルトが一撃だ。

「流石ミナちゃんだ。助かったぜ」
「2人とも一度後退して下さい。私達が替わります」
「ありがとうねーちゃん。そうさせてもらうよ」

テュケ君とウェスターさんはランディアの所まで下がってもらった。

「ミナ、敵前衛の大半はウルとオルが食い破ってくれた。サブコアの近くに布陣している部隊を抜いて一気に攻め込むぞ!」
「うん!」

ハナちゃんは《ソードコントロール》で飛ばしていた剣たちを正面の部隊に集中させる。
敵艦隊をバターでも切るかの様に次々と斬り裂いていった。

別方向からウルトが10体近付いてきて両手からエネルギーを放ってくる。

「私が防ぎます!」

ユキさんが《遮断》で防いでくれるけどハナちゃんの方へ飛んできた砲撃は防ぎきれなかった。

ハナちゃんは手にした剣でエネルギーを斬り払ってかき消してした。

「伊達に大きい訳ではないからな!」

ハナちゃんはそのまま突進してウルトの胸の真ん中に剣を突き立てて粉々に吹き飛ばした。

「おー!ハナカッコいい!」

ソラちゃんはハナちゃんを見て大喜びだ。
ソラちゃんもウルトをハルバードをスイングさせて引き裂いて倒していく。

魔法を使わなくても倒せるなら消耗も少ないし何とかなりそうだね。

でも敵の数が多いから時間が掛かってしまう。
後方からネネさんとリオさんの魔法が艦隊に直撃して一帯の船やウルトを纏めて消滅させた。

あそこから突破しよう!

「みんな、私に掴まってくれ。最大加速で突き抜ける」

3人でハナちゃんのドレスに取り付くと一気に加速して艦隊を突き抜けた。

「このドレス凄いね。みんなこれを装備したらいいのに」
「維持するのに魔力を使っているからな。それも結構消費が激しいんだ。攻撃力も防御力もかなり上がるが剣の運用以外では効率が悪いと思う」
「そうなんだ」

サブコアまであと少し。もう直線上に敵はいない。

「ミナ、やれるか?」
「うん。魔法を撃つよ!」

ハナちゃんから離れてトリプルブーストを掛けて《ルインブレイザー》を発射する。
前は貫通する程の穴を空ける事が出来た。今度はどうかな?

黒い球体がサブコアに近付くとどんどん大きくなっていってサブコアを飲み込んだ。

おお!凄い威力が上がってる!

「ミナさん…これはマズいです」
「退避するぞ!全員振り落とされるなよ!」

ハナちゃんが私を掴んで全力で後退する。サブコアを飲み込んだ《ルインブレザー》が縮退と爆発を起こして衝撃波がこちらに迫ってくる!

「やっぱりやらかしたね。私達に止める事は出来ないよ」

ソラちゃんは笑いながら言っていた。
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