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竜人族の島

音波砲

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漁法について手がかりを見つけたので試してみる事に。

取り敢えず近くの海で試すので水着に着替えて港にやってきた。みんなも付き合ってくれて水着姿だ。

「石打漁の遠隔版?」
「どちらかというとダイナマイト漁じゃないか?」

リオさんとマサキさんが何やら話をしている。そんな漁法があるんだね。

全員で種族変換の腕輪を装備して海へ潜る。

確かこうだったよね…。

「ーー・・ー・ーー!」

どうかな?

周囲を鑑定で調べてみると色々な種類の魚が【気絶】表示で浮き上がってきた。

おお!成功!

「ビックリした…」
「何かスゴい浮いてきてない?」

やばっ…やり過ぎたかも。

「お魚いっぱい~」

ソラちゃんは浮いてくる魚を捕まえ始める。
そうだ、今のうちに集めないと。

私とユキさんとソラちゃんでインベントリに魚を入れていこう。

あ、気絶だとインベントリに入らないんだ…。

「おーい!」

ガランさん達が小舟を漕いで来てくれた。

「凄いな…これはどうやったんだ?」
「レッサーセイノールの漁法を教わったんです。魚を舟に揚げてもいいですか?」
「おう、俺達も手伝うぞ!」

という訳で全員で魚を捕まえては小舟に揚げるのを繰り返していた。
暫くやっていたら浮いていた魚達がジタバタと動き始めて泳いで逃げ始めた。

時間切れみたい。
時間はおおよそ30分くらいかな。

「結構長い間気絶させられるのね」
「私が加減出来なかったので凄い範囲の魚を気絶させちゃったみたいです」

ムニエルちゃんと同じだね。

「この方法なら網がなくても獲れるけど、種族変換の腕輪を竜人族ドラゴニュートに渡すの?」
「ダメでしょうか?」
「まあ…大丈夫なんじゃない?」

色々話し合った結果、網が手配できるまでの間の漁法として使ってもらう事になった。

レアさん達にも試してもらいたいので水着を作ってしまおう。

レアさんとリサさんはあの採寸法でいいけどマサルさんとナオトさんはダメって言われるよね。

そういえば、この前リオさんがカンストの鑑定でわからない事はないって言ってたっけ。

アウラさんに鑑定結果を基に水着の作成を支援してもらったら簡単に出来てしまった。

インベントリから取り出した水着を4人に渡したら目を点にしていた。

「あの…これって…?」
「インベントリの中で作っちゃいました。サイズは合ってる筈ですよ」
「つまり…その…」

恥ずかしそうにしているレアさん。

「えいっ」
「あたっ…」

後ろからリオさんにチョップされた…。

「そういう事は先に断ってからやりなさいって。ミナだって人にスリーサイズとか知られたくないでしょ?」
「そうですね…ごめんなさい」
「い、いえいえ!いいんです。そんな事が出来るなんて知らなかったので」

4人にも着替えてもらった種族変換の腕輪を使って試してもらった。

「かなりコツが要りますね。でも使いこなせたら便利そうです」

レアさんからも好評だったので正式に採用という事で決まった。

「ねえ…何かこっちに向かって来てない?」

海面で話をしていたらリオさんが声をかけてきた。沖の方を見ると島の様なものがこちらに向かってきている。

「なにあれ、島?動く島とかあるの?」
「ひょうたん島か?」
「あなたいくつよ…?」

話し合っていたら島はどんどん迫ってくる。

「魔物の可能性が高いです。ミナさん、鑑定を」
「そうですね…」

レアさんに言われて鑑定してみたらアスピドケロンという魔物だった。見えている島の様な部分だけでも野球かサッカーが出来そうなくらい大きい。

「魔物みたいです」
「全員警戒を!一度陸に退避しましょう!」

急いで全員が避難を始める。武器を持ってきてないからね。

「ミナさん、早く」

ユキさんが近くに来る。
私はアスピドケロンの方を見ていた。
何か襲い掛かってくる様な感じじゃないんだよね。

そうだ、確か動物と会話できるマジックアイテムがあったよね。
インベントリに入っていた動物会話のチョーカーを取り出して付けてみる。
《グリード》の効果で2つになっていたので近くにいたユキさんにも渡しておく。

さて、話に応じてくれるかな?

「あの!ここから先は竜人族ドラゴニュートの港があります!止まってください!!」

サイズがサイズだけに聞こえるか分からない。声を張り上げて呼び掛けてみる。

海面が大きく波打ち何かが出てきた。
波で流されない様に泳ぎながら警戒する。

現れたのは巨大な亀の頭だった。そのサイズは竜の姿のウルちゃんよりも更に大きい。

『んあー?にんげんがしゃべってるー』

ゆっくりとした喋りで答えてくれた。

「あなたは何でここに来たんですか?」
『あー綺麗な声が聞こえたのー』

…嫌な予感がする。それって…

「ミナさんのアレじゃないですか?」
「うん…多分そうだね。」

「あの、驚かせてごめんなさい!魚を捕まえるの為に私の出した声だと思います!」
『大好きなのー』

そう言って頭をこちらに近付けてくる。

「ミナさん、危ない!」

ユキさんが私を抱き留めて庇ってくれる。
支えの無い海面で大きな波に揺さぶられてかなり苦しい。

『ミナ様!ユキ様!』

ウルちゃんが竜の姿で飛んできてくれた。
目の前に着水してくれたので翼の端に何とかよじ登る。

「ありがとうウルちゃん」

私達が背中に移ったのを確認したウルちゃんはすぐに飛び上がる。

『何をするのだ馬鹿者!』
『あー…』

怒鳴りつけるウルちゃんを残念そうに見上げるアスピドケロン。
うーん、何だろう…この違和感は。

[どうやらこのアスピドケロンはミナの音波を求愛の鳴き声と間違えた様です]

は…?え?アウラさん今何て??

[アスピドケロンはミナに好意を持っています]

…へぇー。でもあの魔物って…。

「ミナ!大丈夫?」

リオさん達が飛行魔法を掛けてやって来た。それぞれ武器を手にしている。

「はい。えと…あの魔物は敵じゃないみたいなんです」
「どういう事?」

アウラさんの教えてくれた事を全員に説明した。

「つまりその、ミナに会いに来たって事?」
「そうみたいです」

みんなが固まっている。

「ミリアに続いてめでたい事ね?」
「愛があれば以下略」
「いやいやいや!そこは否定するか突っ込んで下さいよ!」

リオさんとソラちゃんは笑いを堪えながら言ってくる。

「それに、あの子女の子ですから!」
「おおー異種族百合婚とはマニアックだなー」

マサキさん、本当に怒りますよ?
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