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神様の人形
吹雪の巨人
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「一度周囲の敵を薙ぎ払います!《獄炎陣》!」
エルさんの術が発動して周囲に炎が吹き荒れる。私達に飛び掛かろうとしていたキンビアバラフィが炎に巻き込まれて溶け始める。
流石に氷の塊なだけに炎はよく効いている。
「《マナエクスジベイト》、《クリムゾンフレア》!」
リオさんも広範囲を炎で焼く。
密着距離で戦闘している狼以外は今の一撃で溶かすことができた。
「よし!追加はリオが全部焼いてくれるぞ!押し返せ!」
「ええ!新しく来るのは私が全部焼き払ってあげるわ!」
マサキさんが声を張り上げるとリオさんも呼応する。全員の士気が上がった気がする。
まだ戦闘中なのは6体のみ。それぞれ2人で当たっていて苦戦もなさそう。
更に18体がこちらに向かってくる。
今度は私が…!
「私がやります!」
「ダメ!」「やめて!」「よせ!」
ほぼ全員に止められた…。
信用ないなぁ…。
「ミナは加減を知らないからやめておきなさい。進行不能になったら困るから。《マナエクスジベイト》、《ヴレイヴハウル》!」
リオさんが魔法を放つ。
「獄炎の魔神が本領発揮?」
「なんだミナ、そんな風に呼ばれてるのか?」
マサキさんが目の前の狼を砕いて聞いてくる。
「違います!獄炎の魔神はリオさんです!」
「煩いわね!私は救世の女神って言ってるでしょ!」
「ミナ様は聖国一帯に水害をもたらしていた巨大な雨雲を魔法の一撃で焼き尽くされた功績からその地の民から獄炎の魔神の再来と言われているのです。」
「オル君詳しく説明しなくていいからね!?」
「加えて言うなら首狩り少女という二つ名をお持ちです。」
「やめてーー!!」
オル君もウルちゃんも誇らしげに言わないで欲しいんだけど!
「ミナ、君も私達と同じ苦労を背負うことになったのかい。」
「心から同情する。」
ミルドさんとクロウさんに同情された…。
魔法においては信用されてないのでオリハルコンショートソードを抜いて残ったキンビアバラフィに斬りかかる。オーバーブースト付きで。
八つ当たりじゃないからね!
左右真っ二つに斬り裂いて倒す事ができた。
「魔法が天災級で剣も凄いとか…。」
「何なんミナちゃん…本当に人間?」
ハナちゃんとハトゥールさんに呆れられている。
もう好きに言ってください。
リオさんが3度目のクリムゾンフレアを放つとそれ以上狼が現れる事はなかった。
倒したキンビアバラフィは73体。
ノーマルドロップは収納袋大が69個。レアドロップは分身を出す腕輪。名前はクリエイトアバターリング。
なんか面白そう。
「ミナが増えるとかダンジョンマスター涙目。」
「完全に同じ存在が出てきて自立起動されたら止められないかも知れない。」
ソラちゃんもルーティアさんもヒドイ。
「一人くださいとか言える空気じゃないねぇ。」
ハトゥールさん、貰ってどうする気ですか…。
…この階層に来てからずっと弄られてる。
いい思い出にもなりそうにないし早くこの階層を突破してしまおう。
「正面、吹雪が来ます。」
ユキさんの声に全員が前方を見る。
まるで生き物のように渦巻きながら吹雪が迫って来ていた。
索敵で様子を見てみたけど、巨大なモンスターが吹雪の中心にいる。
「すごく大きな人型モンスターが吹雪の中にいます。」
「どれくらいのサイズだい?」
「大きさで言うなら竜の姿のウルちゃんの2倍…3倍以上です!」
「マジかよ…そんなのにどうやって勝つんだよ?」
「ミナ、《ルインブレイザー》の詠唱にはどれくらいかかる?」
「はい、1分位だと思います。」
「今から唱える術式を意識せずに聞きなさい。」
「はい。え?」
リオさんが詠唱を始める。いつもと違うのは、とんでもない早さで術を構築している所だ。既に別の言語に聞こえてくる。
「今のが高速言語というスキルよ。あなたなら今の一瞬で覚えたでしょ?それで《ルインブレイザー》を使いなさい。ブースト付きで。」
「分かりました!」
「全員一箇所に。余波に巻き込まれたら死ぬどころか何も残らないかも知れない。ユキ、無茶を承知でお願いするわ…みんなを守って。」
「はい!」
「ソラはユキが防ぎ損ねたエネルギーを貯留石で防ぐ準備を。私もやれるだけやってみる。」
「ん。」
鑑定が届いたので見てみたらべンディスカギガースという名前の巨人?だった。
吹雪を纏いながらこちらにやってくる。
オーバーブーストを掛けて高速言語で《ルインブレイザー》を詠唱する。
あっという間に完成しちゃった。
「いきます!《ルインブレイザー》!!」
全力の攻撃魔法を吹雪の巨人に放つ。
私の気合いとは真逆に、手の前で色とりどりの光たちが溶け合って一つの球が出来上がる。ソフトボールくらいの真っ黒な球がゆっくりと加速して吹雪の方へ飛んでいく。段々と加速するにつれ球体は大きくなっていって、吹雪にぶつかる時にはそれと同じくらいのサイズになっていた。
「ヤバイ…まさかこんなに強力なんて…!ミナ、まさかオーバーブーストかけたの?」
「へ?はい。」
「あああ…失敗した…私はブーストって言ったのに…何よアレ…私が過去の世界で撃った時の比じゃないわ…。」
リオさんが頭を抱えながら呟いている。
それって一撃で大陸を焦土に変えた時の事…?
「おいおいおい…」
「死ぬわアイツってやつか?」
「死ぬのは俺達じゃないですかね?」
ハトゥールさんの呟きにマサキさんが反応してウェスターさんがそれに答えている。
いやいや、ソラちゃんみたいな事言ってる場合じゃないんですよ!
「リオさんどうしましょう…?」
「最大出力で《ディストーションバリア》を張りなさい!」
言う通りにオーバーブーストで《ディストーションバリア》を展開する。
「これで防げますか?あとは?」
「祈りなさい。」
「は?」
「ダンジョンが崩壊して私達ごと消滅しない事を祈りなさい!」
「は、はいぃ!」
吹雪を《ルインブレイザー》の球体が飲み込んで更に大きくなっていく。
中にいた巨人も飲み込まれていく。
「凄まじい威力だ…。」
「違うわ。」
「なに?」
「これからが本番よ。今からエネルギーが放出されて全てを飲み込む。」
「はぁ…!?」
「だから…!今の状態は前動作なのよ!これから今の何百倍のエネルギーが爆発的に膨れ上がる。」
黒い塊の内側から光が溢れ出して、周囲は白に包まれた。
エルさんの術が発動して周囲に炎が吹き荒れる。私達に飛び掛かろうとしていたキンビアバラフィが炎に巻き込まれて溶け始める。
流石に氷の塊なだけに炎はよく効いている。
「《マナエクスジベイト》、《クリムゾンフレア》!」
リオさんも広範囲を炎で焼く。
密着距離で戦闘している狼以外は今の一撃で溶かすことができた。
「よし!追加はリオが全部焼いてくれるぞ!押し返せ!」
「ええ!新しく来るのは私が全部焼き払ってあげるわ!」
マサキさんが声を張り上げるとリオさんも呼応する。全員の士気が上がった気がする。
まだ戦闘中なのは6体のみ。それぞれ2人で当たっていて苦戦もなさそう。
更に18体がこちらに向かってくる。
今度は私が…!
「私がやります!」
「ダメ!」「やめて!」「よせ!」
ほぼ全員に止められた…。
信用ないなぁ…。
「ミナは加減を知らないからやめておきなさい。進行不能になったら困るから。《マナエクスジベイト》、《ヴレイヴハウル》!」
リオさんが魔法を放つ。
「獄炎の魔神が本領発揮?」
「なんだミナ、そんな風に呼ばれてるのか?」
マサキさんが目の前の狼を砕いて聞いてくる。
「違います!獄炎の魔神はリオさんです!」
「煩いわね!私は救世の女神って言ってるでしょ!」
「ミナ様は聖国一帯に水害をもたらしていた巨大な雨雲を魔法の一撃で焼き尽くされた功績からその地の民から獄炎の魔神の再来と言われているのです。」
「オル君詳しく説明しなくていいからね!?」
「加えて言うなら首狩り少女という二つ名をお持ちです。」
「やめてーー!!」
オル君もウルちゃんも誇らしげに言わないで欲しいんだけど!
「ミナ、君も私達と同じ苦労を背負うことになったのかい。」
「心から同情する。」
ミルドさんとクロウさんに同情された…。
魔法においては信用されてないのでオリハルコンショートソードを抜いて残ったキンビアバラフィに斬りかかる。オーバーブースト付きで。
八つ当たりじゃないからね!
左右真っ二つに斬り裂いて倒す事ができた。
「魔法が天災級で剣も凄いとか…。」
「何なんミナちゃん…本当に人間?」
ハナちゃんとハトゥールさんに呆れられている。
もう好きに言ってください。
リオさんが3度目のクリムゾンフレアを放つとそれ以上狼が現れる事はなかった。
倒したキンビアバラフィは73体。
ノーマルドロップは収納袋大が69個。レアドロップは分身を出す腕輪。名前はクリエイトアバターリング。
なんか面白そう。
「ミナが増えるとかダンジョンマスター涙目。」
「完全に同じ存在が出てきて自立起動されたら止められないかも知れない。」
ソラちゃんもルーティアさんもヒドイ。
「一人くださいとか言える空気じゃないねぇ。」
ハトゥールさん、貰ってどうする気ですか…。
…この階層に来てからずっと弄られてる。
いい思い出にもなりそうにないし早くこの階層を突破してしまおう。
「正面、吹雪が来ます。」
ユキさんの声に全員が前方を見る。
まるで生き物のように渦巻きながら吹雪が迫って来ていた。
索敵で様子を見てみたけど、巨大なモンスターが吹雪の中心にいる。
「すごく大きな人型モンスターが吹雪の中にいます。」
「どれくらいのサイズだい?」
「大きさで言うなら竜の姿のウルちゃんの2倍…3倍以上です!」
「マジかよ…そんなのにどうやって勝つんだよ?」
「ミナ、《ルインブレイザー》の詠唱にはどれくらいかかる?」
「はい、1分位だと思います。」
「今から唱える術式を意識せずに聞きなさい。」
「はい。え?」
リオさんが詠唱を始める。いつもと違うのは、とんでもない早さで術を構築している所だ。既に別の言語に聞こえてくる。
「今のが高速言語というスキルよ。あなたなら今の一瞬で覚えたでしょ?それで《ルインブレイザー》を使いなさい。ブースト付きで。」
「分かりました!」
「全員一箇所に。余波に巻き込まれたら死ぬどころか何も残らないかも知れない。ユキ、無茶を承知でお願いするわ…みんなを守って。」
「はい!」
「ソラはユキが防ぎ損ねたエネルギーを貯留石で防ぐ準備を。私もやれるだけやってみる。」
「ん。」
鑑定が届いたので見てみたらべンディスカギガースという名前の巨人?だった。
吹雪を纏いながらこちらにやってくる。
オーバーブーストを掛けて高速言語で《ルインブレイザー》を詠唱する。
あっという間に完成しちゃった。
「いきます!《ルインブレイザー》!!」
全力の攻撃魔法を吹雪の巨人に放つ。
私の気合いとは真逆に、手の前で色とりどりの光たちが溶け合って一つの球が出来上がる。ソフトボールくらいの真っ黒な球がゆっくりと加速して吹雪の方へ飛んでいく。段々と加速するにつれ球体は大きくなっていって、吹雪にぶつかる時にはそれと同じくらいのサイズになっていた。
「ヤバイ…まさかこんなに強力なんて…!ミナ、まさかオーバーブーストかけたの?」
「へ?はい。」
「あああ…失敗した…私はブーストって言ったのに…何よアレ…私が過去の世界で撃った時の比じゃないわ…。」
リオさんが頭を抱えながら呟いている。
それって一撃で大陸を焦土に変えた時の事…?
「おいおいおい…」
「死ぬわアイツってやつか?」
「死ぬのは俺達じゃないですかね?」
ハトゥールさんの呟きにマサキさんが反応してウェスターさんがそれに答えている。
いやいや、ソラちゃんみたいな事言ってる場合じゃないんですよ!
「リオさんどうしましょう…?」
「最大出力で《ディストーションバリア》を張りなさい!」
言う通りにオーバーブーストで《ディストーションバリア》を展開する。
「これで防げますか?あとは?」
「祈りなさい。」
「は?」
「ダンジョンが崩壊して私達ごと消滅しない事を祈りなさい!」
「は、はいぃ!」
吹雪を《ルインブレイザー》の球体が飲み込んで更に大きくなっていく。
中にいた巨人も飲み込まれていく。
「凄まじい威力だ…。」
「違うわ。」
「なに?」
「これからが本番よ。今からエネルギーが放出されて全てを飲み込む。」
「はぁ…!?」
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