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リアード王国
間者
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「ここは…ダンジョンですか?」
「はい。私達はダンジョンに孤児院を建てて孤児達を保護しています。」
「凄い……。」
エルさんもレミさんもただただ驚いていた。
『お帰り~!』
フィオレさんが飛んで来てくれたので、2人を紹介して、暫くここで暮らしてもらう事になったと伝えて、後はお任せする。
『任せておいて!2人とも、案内するからついて来て~!』
「ミナさん、ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
「いえ、リアード王国の件が片付いたら迎えに来ますね。」
「「よろしくお願いします。」」
(ミナ、さっきの話なんだけど…。)
リオさんから、念話…?
(あー、キュリオとサナトスを中継して念話してる。)
(そんな事もできるんですね。)
(うん、やってみたらできた。それで、さっきの話の続きね。ミナはウェスターとメリルを鑑定してみた?)
(え、してませんよ。鑑定されると嫌な視線を感じたりしますよね?なので失礼かなと思ってやらない様にしてます。)
(それはレベルの低い鑑定の場合だけよ。私達はカンストしてるから相手に気づかれる様な事は無いわ。)
そうだったんだ…。
(話を戻すけどウェスターの所持品の中にアフターギフト因子核があるのよ。)
(それって…ウェスターさんがリアード王国と繋がってるという事でしょうか?)
(いや、それが偽物って書いてあったのよね。)
(えぇ…それはどういう事でしょう…?)
(誰かに依頼されて運んでいるんじゃないかしら?)
本人も偽物を運んでいるって知らないのかも知れない。いや、そもそも因子核を運んでいる事すら知らない可能性もある。
(ミナには帰ってきたらオーバーブースト鑑定をメリルにやってほしいのよ。)
(メリルさんに何かあるんですか?)
(彼女はアイテムボックス持ちだから、手荷物は全部アイテムボックスの中なの。ミナのオーバーブースト鑑定ならアイテムボックスの中も見れないかなぁって思ってさ。念の為にやってみてよ。)
(分かりました。戻ったらやってみますね。)
念話を終えて転移で王都アルスティルトに戻る。
「おかえりなさい。お二人は大丈夫でした?」
「うん。大丈夫そうだったよ。フィオレさんにお願いしてきた。」
ユキさんと話をしながらオーバーブーストを作動させてメリルさんを鑑定してみる。
アイテムボックスの中は表示されるかな?
……見えた。
アフターギフト因子…87。
ヘルプさんを使って3人と2匹に伝える。
(クロだったか~。)
(問い詰めてみますか?)
(まだよ。やるならウェスターから聞きましょう。その方が効率がいい。)
(分かりました。)
(始めるならこのスラムの中でやった方がいい。人がいないから戦闘になっても被害が出ない。)
ソラちゃん言う通りだ。町の中だと逃げられる可能性もあるし、戦闘になったら被害が出るかもしれない。
「エルさんとレミさんの件はとりあえず大丈夫なので、町の方に行ってみましょう。」
建物から出るとウェスターさんがタバコを吸いながら待っていた。
「終わったかい?」
「はい。安全な所に送り届けてきました。」
「ウェスター、あなたに聞きたいことがあるんだけど。」
「お?なんだ?恋人ならいないぜ。」
「真面目な話。あなた、アフターギフトの因子を持っているでしょう?」
リオさんの問いかけに少し間を置いて、タバコを踏み消しながら溜め息を吐く。
「どうなの?」
「ああ、持ってるぜ。」
「誰に頼まれたの?」
「言わないと駄目か?」
「痛い思いをしたくなければ、ね。」
「分かった分かった…。ユーシアだよ。」
「ギルドマスターもグルという事ですか。」
「まあ、そうなるな。だがちょっと待ってくれ。俺はユーシアから依頼として請負っただけだ。詳しい事は知らねぇよ。」
「本当ですか?」
「嘘は言わねぇよ。」
「その因子が偽物というのは聞いていますか?」
「は?」
ウェスターさんの表情を見る限り知らされていなかったみたいだ。
「ちょ、ちょっとまってくれ!俺が運んでいたブツは偽物なのか?」
「詳しい事情は本物を運んでいる人に聞いてみましょう。ねぇ、メリル?」
メリルさんの表情が強張っている。
すぐ側にはユキさんとソラちゃんがいて逃げ出す事も武器を抜く事も出来ない。
「何の事?」
「アイテムボックスの中、あるでしょ?因子核が87個。」
「何を言っているか分からないわ。」
とぼけても無駄なんだけど、一つ試してみたい事がある。
…やってみよう。
オーバーブーストスティールを使用!
アイテムボックス内の因子核を盗み出す!
…できた。
「これの事ですけど。」
袋をメリルさんに見せる。
「え!?ウソ!無い!?」
アイテムボックスの中にある筈の因子核が無くなっていて慌てている。
「メリルもギルマスに頼まれたの?」
「……そうよ。でもこっちはついでだけどね。」
「本当の目的は何?」
「あなた達をリアードに取り込む事よ。」
メリルさんはリアード王国側の人間って事か…。
「で、誰の命令で動いているの?」
「言うと思う?」
「言ってもらった方が互いの為になると思いますよ。」
ユキさんが言った『互いの為』とは暴力に訴えるという意味で使った訳じゃないんだと思う。
「……現リアード国王よ。」
「あなた、国王の密偵なの?」
「ええ。」
「あなた達に隠しても無駄だろうから正直に話すわ。」
メリルさんはリアード王国内に入って暫くしたら、私達の内の誰かを人質にしてでも国王の元に連れて行く予定だったらしい。
「リオは初めから私達の事を警戒していたし、ユキも隙がない。ソラも何となく私の事を見ているし、ミナだけは警戒心がなさそうだったから狙い目だと思ったんだけど、あの戦闘力を見せられた後じゃあ私には無理だったわ。」
「ちょっと待って、ウェスターの偽の因子核は何だったの?」
「それを話すにはリアード王国の内情を話さないといけないわね。まず、アフターギフトはリアードの技術ではないわ。」
「じゃあどこから…?」
「ディルロード帝国よ。」
「はい。私達はダンジョンに孤児院を建てて孤児達を保護しています。」
「凄い……。」
エルさんもレミさんもただただ驚いていた。
『お帰り~!』
フィオレさんが飛んで来てくれたので、2人を紹介して、暫くここで暮らしてもらう事になったと伝えて、後はお任せする。
『任せておいて!2人とも、案内するからついて来て~!』
「ミナさん、ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
「いえ、リアード王国の件が片付いたら迎えに来ますね。」
「「よろしくお願いします。」」
(ミナ、さっきの話なんだけど…。)
リオさんから、念話…?
(あー、キュリオとサナトスを中継して念話してる。)
(そんな事もできるんですね。)
(うん、やってみたらできた。それで、さっきの話の続きね。ミナはウェスターとメリルを鑑定してみた?)
(え、してませんよ。鑑定されると嫌な視線を感じたりしますよね?なので失礼かなと思ってやらない様にしてます。)
(それはレベルの低い鑑定の場合だけよ。私達はカンストしてるから相手に気づかれる様な事は無いわ。)
そうだったんだ…。
(話を戻すけどウェスターの所持品の中にアフターギフト因子核があるのよ。)
(それって…ウェスターさんがリアード王国と繋がってるという事でしょうか?)
(いや、それが偽物って書いてあったのよね。)
(えぇ…それはどういう事でしょう…?)
(誰かに依頼されて運んでいるんじゃないかしら?)
本人も偽物を運んでいるって知らないのかも知れない。いや、そもそも因子核を運んでいる事すら知らない可能性もある。
(ミナには帰ってきたらオーバーブースト鑑定をメリルにやってほしいのよ。)
(メリルさんに何かあるんですか?)
(彼女はアイテムボックス持ちだから、手荷物は全部アイテムボックスの中なの。ミナのオーバーブースト鑑定ならアイテムボックスの中も見れないかなぁって思ってさ。念の為にやってみてよ。)
(分かりました。戻ったらやってみますね。)
念話を終えて転移で王都アルスティルトに戻る。
「おかえりなさい。お二人は大丈夫でした?」
「うん。大丈夫そうだったよ。フィオレさんにお願いしてきた。」
ユキさんと話をしながらオーバーブーストを作動させてメリルさんを鑑定してみる。
アイテムボックスの中は表示されるかな?
……見えた。
アフターギフト因子…87。
ヘルプさんを使って3人と2匹に伝える。
(クロだったか~。)
(問い詰めてみますか?)
(まだよ。やるならウェスターから聞きましょう。その方が効率がいい。)
(分かりました。)
(始めるならこのスラムの中でやった方がいい。人がいないから戦闘になっても被害が出ない。)
ソラちゃん言う通りだ。町の中だと逃げられる可能性もあるし、戦闘になったら被害が出るかもしれない。
「エルさんとレミさんの件はとりあえず大丈夫なので、町の方に行ってみましょう。」
建物から出るとウェスターさんがタバコを吸いながら待っていた。
「終わったかい?」
「はい。安全な所に送り届けてきました。」
「ウェスター、あなたに聞きたいことがあるんだけど。」
「お?なんだ?恋人ならいないぜ。」
「真面目な話。あなた、アフターギフトの因子を持っているでしょう?」
リオさんの問いかけに少し間を置いて、タバコを踏み消しながら溜め息を吐く。
「どうなの?」
「ああ、持ってるぜ。」
「誰に頼まれたの?」
「言わないと駄目か?」
「痛い思いをしたくなければ、ね。」
「分かった分かった…。ユーシアだよ。」
「ギルドマスターもグルという事ですか。」
「まあ、そうなるな。だがちょっと待ってくれ。俺はユーシアから依頼として請負っただけだ。詳しい事は知らねぇよ。」
「本当ですか?」
「嘘は言わねぇよ。」
「その因子が偽物というのは聞いていますか?」
「は?」
ウェスターさんの表情を見る限り知らされていなかったみたいだ。
「ちょ、ちょっとまってくれ!俺が運んでいたブツは偽物なのか?」
「詳しい事情は本物を運んでいる人に聞いてみましょう。ねぇ、メリル?」
メリルさんの表情が強張っている。
すぐ側にはユキさんとソラちゃんがいて逃げ出す事も武器を抜く事も出来ない。
「何の事?」
「アイテムボックスの中、あるでしょ?因子核が87個。」
「何を言っているか分からないわ。」
とぼけても無駄なんだけど、一つ試してみたい事がある。
…やってみよう。
オーバーブーストスティールを使用!
アイテムボックス内の因子核を盗み出す!
…できた。
「これの事ですけど。」
袋をメリルさんに見せる。
「え!?ウソ!無い!?」
アイテムボックスの中にある筈の因子核が無くなっていて慌てている。
「メリルもギルマスに頼まれたの?」
「……そうよ。でもこっちはついでだけどね。」
「本当の目的は何?」
「あなた達をリアードに取り込む事よ。」
メリルさんはリアード王国側の人間って事か…。
「で、誰の命令で動いているの?」
「言うと思う?」
「言ってもらった方が互いの為になると思いますよ。」
ユキさんが言った『互いの為』とは暴力に訴えるという意味で使った訳じゃないんだと思う。
「……現リアード国王よ。」
「あなた、国王の密偵なの?」
「ええ。」
「あなた達に隠しても無駄だろうから正直に話すわ。」
メリルさんはリアード王国内に入って暫くしたら、私達の内の誰かを人質にしてでも国王の元に連れて行く予定だったらしい。
「リオは初めから私達の事を警戒していたし、ユキも隙がない。ソラも何となく私の事を見ているし、ミナだけは警戒心がなさそうだったから狙い目だと思ったんだけど、あの戦闘力を見せられた後じゃあ私には無理だったわ。」
「ちょっと待って、ウェスターの偽の因子核は何だったの?」
「それを話すにはリアード王国の内情を話さないといけないわね。まず、アフターギフトはリアードの技術ではないわ。」
「じゃあどこから…?」
「ディルロード帝国よ。」
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