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竜の国
防衛能力
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瞬間移動を繰り返しスプリングフィールドの屋敷に戻る。
街がどれほどの被害を受けているか不安だったが、目の前の光景は普段通りの長閑なものだった。
「ハル様!」
私を見つけて駆け寄ってきたのはラティーシアだった。
「ラティーシアさん、襲撃があったと聞きましたがどうなりましたか?」
「はい。かなりの規模の攻撃でしたが全軍の速やかな迎撃行動により損害は皆無です。怪我人は多数出ましたが死者はありません」
ラティーシアは用意されていたかの様に淡々と戦闘の様子を説明してくれる。
始めに攻撃があったのは泉だったそうで、竜族十体による急襲だったがトコヤミが迎撃。全て塵も残らず焼き殺してくれた。
その後、街に対して竜化ドラコニアンの大群による空からの攻撃があったがエルフ、ダークエルフの精鋭による対空攻撃で大打撃を与えて街への侵入を許さず、撤退するドラコニアン達はメトとマカミで全員を討ち取る事に成功。
「他に侵入者は無かった?」
「はい。ソータ様とカナエ様が森に侵入していた部隊を撃破したとたった今報告をもらいました。場所は──」
颯太達はまだそこにいるそうなので《瞬間移動》でその場に向かう。
「母さんおかえり。早かったね」
「ただいま颯太。迎撃ご苦労様。こんな所から侵入だなんて、颯太が仕組んだの?」
「泉と街への直接攻撃は読めていたからね。本命が来やすいように隙を作っておいたんだ」
ここはトコヤミが住処にしている北の山の西部、ここを南下すればヤトが住んでいる渓谷に出る。この辺りには亜人も住んでおらず、野生の動物達が住んでいるだけだ。普段ならトコヤミとヤトのテリトリーが重複しており敵にとっては侵入を避けなければならない地点だが、ヤトは私と共に別の地に出ていたしトコヤミは泉の守備に着いていたので不在。
本来ならばここには代わりの守備を充てるのが妥当だが、敢えて配置を行わず敵の侵入を誘ったのだそう。
「敵は人間だったのかしら?転生者がいたと思うのだけど」
「人間とドラコニアンの混成部隊だったよ。中心者の人間は魔法使いだったらしいけど、何もさせずに殺してしまったから」
颯太の見る先には侵入者の亡骸が転がっていた。魔法ではなく剣による刺突で絶命したらしい。彼がピスケスの主人だったのだろうか。
他の者はカナエが魔法で撃破してくれて、森林が一部破壊されただけでほぼ被害はなかった。
「ハル様!シグルーン聖泉国はほぼ無傷です!」
「カナエもご苦労様ね。ありがとう」
残敵掃討をしていたカナエが戻って来て誇らしげに報告してくる。肩に留まったので労いの言葉を掛けながら頭を撫でてやると嬉しそうにしていた。
「母さんの方はどうだったの?」
私は颯太とカナエに収容所で起こった事を説明した。
「なるほど……つまりこの男がピスケスのマスターだったかも知れないんだね」
颯太は男の亡骸を調べ始める。
「幾つか魔法の道具を持っているね。一応押収しておくよ」
「そうね。遺体は全て埋葬しておきましょう」
埋めておけば森の再生に一役買ってくれるだろう。
遺品を私に手渡してくる颯太。
確認してみたが魔力の増幅に使われる腕輪が二つとペンダント。
ペンダントにはやたらギラギラと光る赤い石が付いていた。
嫌な予感がしたので泉の水を出して石に垂らすと粉々に砕け散った。
「今のは凶石だったのかい?」
「ええ。増幅器に擬態していたみたいだけど泉の水に弱いのは変わりないみたいね」
彼が融合せずにこれを持っていたのは何故かは気になったが本人に聞く事は出来ない。ピスケスに聞けば分かるだろうか。
その他の国には攻撃が無かった様なので、シグルーン聖泉国は颯太達に任せて私は収容所の方に戻る。
私が着いた頃には魔物の掃討は全て完了しており、収容されていた者達への治療と食事の提供の準備が始まっていた。
私もそれを手伝う事にした。
街がどれほどの被害を受けているか不安だったが、目の前の光景は普段通りの長閑なものだった。
「ハル様!」
私を見つけて駆け寄ってきたのはラティーシアだった。
「ラティーシアさん、襲撃があったと聞きましたがどうなりましたか?」
「はい。かなりの規模の攻撃でしたが全軍の速やかな迎撃行動により損害は皆無です。怪我人は多数出ましたが死者はありません」
ラティーシアは用意されていたかの様に淡々と戦闘の様子を説明してくれる。
始めに攻撃があったのは泉だったそうで、竜族十体による急襲だったがトコヤミが迎撃。全て塵も残らず焼き殺してくれた。
その後、街に対して竜化ドラコニアンの大群による空からの攻撃があったがエルフ、ダークエルフの精鋭による対空攻撃で大打撃を与えて街への侵入を許さず、撤退するドラコニアン達はメトとマカミで全員を討ち取る事に成功。
「他に侵入者は無かった?」
「はい。ソータ様とカナエ様が森に侵入していた部隊を撃破したとたった今報告をもらいました。場所は──」
颯太達はまだそこにいるそうなので《瞬間移動》でその場に向かう。
「母さんおかえり。早かったね」
「ただいま颯太。迎撃ご苦労様。こんな所から侵入だなんて、颯太が仕組んだの?」
「泉と街への直接攻撃は読めていたからね。本命が来やすいように隙を作っておいたんだ」
ここはトコヤミが住処にしている北の山の西部、ここを南下すればヤトが住んでいる渓谷に出る。この辺りには亜人も住んでおらず、野生の動物達が住んでいるだけだ。普段ならトコヤミとヤトのテリトリーが重複しており敵にとっては侵入を避けなければならない地点だが、ヤトは私と共に別の地に出ていたしトコヤミは泉の守備に着いていたので不在。
本来ならばここには代わりの守備を充てるのが妥当だが、敢えて配置を行わず敵の侵入を誘ったのだそう。
「敵は人間だったのかしら?転生者がいたと思うのだけど」
「人間とドラコニアンの混成部隊だったよ。中心者の人間は魔法使いだったらしいけど、何もさせずに殺してしまったから」
颯太の見る先には侵入者の亡骸が転がっていた。魔法ではなく剣による刺突で絶命したらしい。彼がピスケスの主人だったのだろうか。
他の者はカナエが魔法で撃破してくれて、森林が一部破壊されただけでほぼ被害はなかった。
「ハル様!シグルーン聖泉国はほぼ無傷です!」
「カナエもご苦労様ね。ありがとう」
残敵掃討をしていたカナエが戻って来て誇らしげに報告してくる。肩に留まったので労いの言葉を掛けながら頭を撫でてやると嬉しそうにしていた。
「母さんの方はどうだったの?」
私は颯太とカナエに収容所で起こった事を説明した。
「なるほど……つまりこの男がピスケスのマスターだったかも知れないんだね」
颯太は男の亡骸を調べ始める。
「幾つか魔法の道具を持っているね。一応押収しておくよ」
「そうね。遺体は全て埋葬しておきましょう」
埋めておけば森の再生に一役買ってくれるだろう。
遺品を私に手渡してくる颯太。
確認してみたが魔力の増幅に使われる腕輪が二つとペンダント。
ペンダントにはやたらギラギラと光る赤い石が付いていた。
嫌な予感がしたので泉の水を出して石に垂らすと粉々に砕け散った。
「今のは凶石だったのかい?」
「ええ。増幅器に擬態していたみたいだけど泉の水に弱いのは変わりないみたいね」
彼が融合せずにこれを持っていたのは何故かは気になったが本人に聞く事は出来ない。ピスケスに聞けば分かるだろうか。
その他の国には攻撃が無かった様なので、シグルーン聖泉国は颯太達に任せて私は収容所の方に戻る。
私が着いた頃には魔物の掃討は全て完了しており、収容されていた者達への治療と食事の提供の準備が始まっていた。
私もそれを手伝う事にした。
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