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竜の国
名付けと紹介
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シグルーンに名前を付ける事になった。
「そう言えばあなたは男の子なの?」
『我は雌だな』
「そう……」
女の子らしい名前を付けるべきか。
皆と同じ様に神話から名前を貰いたい所だが、私の知識では良い竜の名前が思い浮かばない。
そうなると彼女の特性から名前を付けるべきだろう。
不滅の竜……死しても再びシグルーンとして生まれてくる……
不滅、永遠、悠久……
「クオンはどうかしら?私の生まれた世界で時が無窮である事を意味しているわ。名前をクオン、姓をシグルーンにすれば響きが良い気がするのだけど」
『クオン……クオン・シグルーンか。良いな、気に入った!我はこれよりクオンと名乗ろう!』
シグルーン改めクオンは頭を持ち上げて嬉しそうに天に向かって吼えた。
「クオン、早速だけど家族や森の仲間達にあなたを紹介するわ」
『うむ、ハルの家族に会うのが楽しみだ』
カクカミ、ヤト、精霊達にはそれぞれの仕事に戻ってもらい、トコヤミとクオンと共にスプリングフィールドに向かう。
「そう言えばクオンは人の姿に変身できるの?」
『ふむ……他の生物に姿を変える事は出来なくはないが、もしやハルの眷属は皆変身が出来るのか?』
『我は出来ますぞクオン殿』
『素晴らしい。形態を安定させるのはとても難しい筈だが、トコヤミ殿はそれが出来るのか』
クオンに褒められて上機嫌になるトコヤミ。
『自力で編み出せれば自慢出来ましょうが、残念ながらこの術はメリーゼハーヴ殿から教えていただいたものです』
『それでも素晴らしい事だよ。我の生きた時代には人化変身の術など存在しなかった。さぞ複雑な術式であろうに』
『我などまだまだです。ハル様は竜のみが人に変身する術を他の者でも使える様に改良して下さったのです』
『なんと!ハルは魔法に詳しいのだな』
「私だけの力ではないのよ。娘の芽依のひらめきがあったから完成したの」
二人に褒められてくすぐったい。早く紹介したいわ。
街に入る前にクオンが『トコヤミ殿の使う術を是非教えてほしい』言うので、森の中で試してみることにした。
『では我がやってみますので、真似してみてください』
『うむ。頼む』
トコヤミは人の姿に変身する。もうすっかり慣れたものだ。
『なるほど……少し複雑だが、何とかできるかも知れん』
そう言ってトコヤミのやった通りに術を使用する。
「どうだろうか?」
「ええ、成功よ」
クオンは二十歳位の美女になっていた。白に近い長い金髪がとても美しい。
『流石ですな』
「ありがとうトコヤミ殿」
私はクオン用の衣服と腕輪を生成して彼女に着せる。
「手間をかけさせてしまってすまない」
「いいのよ。いずれ覚えてもらおうと思っていたのだから」
これでクオンの紹介を屋敷の中ですることが出来る。
人の姿になったのが初めてなので歩くのも覚束無いので、手を引きながら歩いて徐々に身体を慣らしていく。一時間程散策していたらコツを掴んだ様で、普通に歩ける様になったのでそのまま街に歩いていく。
「ここがこの国の首都となる街か。自然と一体となった良い場所だな……」
クオンは街の入口で周りを見渡しながら感嘆の声をあげていた。
「この街の住まいへ案内するわね」
屋敷へと向かう私達。途中、この街に住む者や取引に来ている他種族達と挨拶を交わす。
「素晴らしい共生の形を築いているのだな」
「ええ。みんなで協力し合って生きているわ」
屋敷に着くと中庭で芽依とセロが試合をしていた。
黙って様子を見ていようと思ったが、二人ともすぐに私達に気付いて中断した。
「お母さんおかえり!」
「おかえりハルさん。そちらの方は?」
「紹介するわね。クオンよ」
「お初にお目にかかる。我はクオンと言う名をハルに貰った。元はシグルーンという名のドラゴンだ」
二人とも首を傾げていたので私が補足で説明すると、芽依は喜びセロは口を大きく開けて驚いていた。
「そう言えばあなたは男の子なの?」
『我は雌だな』
「そう……」
女の子らしい名前を付けるべきか。
皆と同じ様に神話から名前を貰いたい所だが、私の知識では良い竜の名前が思い浮かばない。
そうなると彼女の特性から名前を付けるべきだろう。
不滅の竜……死しても再びシグルーンとして生まれてくる……
不滅、永遠、悠久……
「クオンはどうかしら?私の生まれた世界で時が無窮である事を意味しているわ。名前をクオン、姓をシグルーンにすれば響きが良い気がするのだけど」
『クオン……クオン・シグルーンか。良いな、気に入った!我はこれよりクオンと名乗ろう!』
シグルーン改めクオンは頭を持ち上げて嬉しそうに天に向かって吼えた。
「クオン、早速だけど家族や森の仲間達にあなたを紹介するわ」
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カクカミ、ヤト、精霊達にはそれぞれの仕事に戻ってもらい、トコヤミとクオンと共にスプリングフィールドに向かう。
「そう言えばクオンは人の姿に変身できるの?」
『ふむ……他の生物に姿を変える事は出来なくはないが、もしやハルの眷属は皆変身が出来るのか?』
『我は出来ますぞクオン殿』
『素晴らしい。形態を安定させるのはとても難しい筈だが、トコヤミ殿はそれが出来るのか』
クオンに褒められて上機嫌になるトコヤミ。
『自力で編み出せれば自慢出来ましょうが、残念ながらこの術はメリーゼハーヴ殿から教えていただいたものです』
『それでも素晴らしい事だよ。我の生きた時代には人化変身の術など存在しなかった。さぞ複雑な術式であろうに』
『我などまだまだです。ハル様は竜のみが人に変身する術を他の者でも使える様に改良して下さったのです』
『なんと!ハルは魔法に詳しいのだな』
「私だけの力ではないのよ。娘の芽依のひらめきがあったから完成したの」
二人に褒められてくすぐったい。早く紹介したいわ。
街に入る前にクオンが『トコヤミ殿の使う術を是非教えてほしい』言うので、森の中で試してみることにした。
『では我がやってみますので、真似してみてください』
『うむ。頼む』
トコヤミは人の姿に変身する。もうすっかり慣れたものだ。
『なるほど……少し複雑だが、何とかできるかも知れん』
そう言ってトコヤミのやった通りに術を使用する。
「どうだろうか?」
「ええ、成功よ」
クオンは二十歳位の美女になっていた。白に近い長い金髪がとても美しい。
『流石ですな』
「ありがとうトコヤミ殿」
私はクオン用の衣服と腕輪を生成して彼女に着せる。
「手間をかけさせてしまってすまない」
「いいのよ。いずれ覚えてもらおうと思っていたのだから」
これでクオンの紹介を屋敷の中ですることが出来る。
人の姿になったのが初めてなので歩くのも覚束無いので、手を引きながら歩いて徐々に身体を慣らしていく。一時間程散策していたらコツを掴んだ様で、普通に歩ける様になったのでそのまま街に歩いていく。
「ここがこの国の首都となる街か。自然と一体となった良い場所だな……」
クオンは街の入口で周りを見渡しながら感嘆の声をあげていた。
「この街の住まいへ案内するわね」
屋敷へと向かう私達。途中、この街に住む者や取引に来ている他種族達と挨拶を交わす。
「素晴らしい共生の形を築いているのだな」
「ええ。みんなで協力し合って生きているわ」
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「紹介するわね。クオンよ」
「お初にお目にかかる。我はクオンと言う名をハルに貰った。元はシグルーンという名のドラゴンだ」
二人とも首を傾げていたので私が補足で説明すると、芽依は喜びセロは口を大きく開けて驚いていた。
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