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竜の国
卒業
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その日私はミードという蜂蜜から作られたお酒を試しに飲んでみたが、結果は前と同じだった。
私は相当酒に弱いらしい。
ベッドの上で頭を押さえながら考える。時刻は分からないが既に深夜。隣では芽依が寝息を立てていた。
飲酒については泉にいる時に少しずつ慣らしていけば良いだろう。外で酒を飲むのは断れば良い。不意にアルコールを取り込んでしまった時の事が心配だ。戦わざるを得ない者の中には私の弱点を突いてくる者もいるかもしれない。今度は即時に泉の水で中和できないか試してみるか。
次の日、朝食の時に私が倒れた後の事を聞いてみた。というのは皆にもお酒を飲んでもらってどの程度酔うのかを試してもらう様に頼んでいた。
その為に初日と同じ様にトウヤ親子とマサ達にも来てもらった。
颯太は全く酔わず、精霊達は普通に酔ったそうだ。個人差があり、強い者順ならカグツチ、サヅチ、ミツハ、ククノチ、シナツ、シラヒ、ワダツミ、イヒカ、ミカヅチ。
精霊達の中でミカヅチが一番弱いが、それでも酔い潰れたりはしなかったらしい。
精霊が酒に弱い訳ではなさそうね。
流石にアクアには飲ませられなかった。因みにカナエも飲んだが軽く酔っただけだったらしい。
意外な事に芽依は全然酔いが回らなかったそうだ。『美味しい!』と次々と飲んでいくので流石にセロが止めたらしいが。
セロ、リン、ミラは程よく酔う程度。
エルは『私、お酒強いんですよ~』と言っていたが、二杯でギブアップ。マイは颯太同様全く酔わず、ライブラはそもそも酔うという現象が起こらない。
リタには飲ませられないが、トウヤは生前と同じくらいの酒量だと話していて、マサとナナも同じだと言っていた。
トウヤ達の言っている『生前と同じ』が正しければ私が酒に弱いのにも納得だ。
ただ前世では酒量を増やそうと努力した事はないので改善出来るかは分からない。
情報も得られたので皆に感謝を言いつつ朝食を片付けてネーロの所に向かう。
今日も同じ様に料理を習い、次の日も同様だった。残りの2日はアレンジ料理とデザートに当たるものを教えてもらった。
「今日で最後だな」
「はい。丁寧なご指導ありがとうございました」
「いやいや、生徒の出来が良いから教え甲斐があったよ」
ネーロは笑顔でそう言ってくれた。
「私はネーロさんは一流の料理人だと思います。その腕を振るうのに相応しい所で働いてみませんか?」
報酬を渡す時に私はネーロに提案する。
「いや、折角の申し出だが、俺は好きな所で料理を作りたいんだ。仕事先は自分で探すよ」
「分かりました。報酬とは別にこちらも受け取ってください」
手渡したのは小型の樽に入った泉の水だ。
「それを飲めば大抵の毒や病気を治せます。ネーロさんの好きに使ってくださって結構です」
「ありがとうな」
「お世話になりました」
別れの挨拶を交わして家を出る。
新しい料理を覚える事が出来て充実した五日間だった。これで颯太に料理を教えられるし、冒険者として旅をしている間の食事も華やぐだろう。
帰りに食材を大量に買い込んで指輪にしまうと、私は王城へと向かった。
入り口では止められる事もなく、そのまま通される。
「国王陛下がお待ちです」
「ありがとう」
警備の兵に礼を言って奥へと進む。
途中で騎士がやって来て案内をしてくれた。通されたのは会議室、中にはラムドとエリオットとフランシス、ファディア国王エルンストとメリーゼハーヴが居た。
「精霊殿よ。大会に出るというのは誠か?」
入るなり聞いてきたのはメリーゼハーヴ。
「私は出ないわ。出るのは私の家族とパーティのメンバーよ」
「なんじゃそうか……妾もエントリーしようかと思うておったのに」
残念そうにしているが、私と戦いたかったのだろうか?
「メリーゼハーヴ殿が出場したら大会になりませんよ」
フランシスはそう言って笑っていたが、芽依なら勝てるかもしれないわよ?
私は相当酒に弱いらしい。
ベッドの上で頭を押さえながら考える。時刻は分からないが既に深夜。隣では芽依が寝息を立てていた。
飲酒については泉にいる時に少しずつ慣らしていけば良いだろう。外で酒を飲むのは断れば良い。不意にアルコールを取り込んでしまった時の事が心配だ。戦わざるを得ない者の中には私の弱点を突いてくる者もいるかもしれない。今度は即時に泉の水で中和できないか試してみるか。
次の日、朝食の時に私が倒れた後の事を聞いてみた。というのは皆にもお酒を飲んでもらってどの程度酔うのかを試してもらう様に頼んでいた。
その為に初日と同じ様にトウヤ親子とマサ達にも来てもらった。
颯太は全く酔わず、精霊達は普通に酔ったそうだ。個人差があり、強い者順ならカグツチ、サヅチ、ミツハ、ククノチ、シナツ、シラヒ、ワダツミ、イヒカ、ミカヅチ。
精霊達の中でミカヅチが一番弱いが、それでも酔い潰れたりはしなかったらしい。
精霊が酒に弱い訳ではなさそうね。
流石にアクアには飲ませられなかった。因みにカナエも飲んだが軽く酔っただけだったらしい。
意外な事に芽依は全然酔いが回らなかったそうだ。『美味しい!』と次々と飲んでいくので流石にセロが止めたらしいが。
セロ、リン、ミラは程よく酔う程度。
エルは『私、お酒強いんですよ~』と言っていたが、二杯でギブアップ。マイは颯太同様全く酔わず、ライブラはそもそも酔うという現象が起こらない。
リタには飲ませられないが、トウヤは生前と同じくらいの酒量だと話していて、マサとナナも同じだと言っていた。
トウヤ達の言っている『生前と同じ』が正しければ私が酒に弱いのにも納得だ。
ただ前世では酒量を増やそうと努力した事はないので改善出来るかは分からない。
情報も得られたので皆に感謝を言いつつ朝食を片付けてネーロの所に向かう。
今日も同じ様に料理を習い、次の日も同様だった。残りの2日はアレンジ料理とデザートに当たるものを教えてもらった。
「今日で最後だな」
「はい。丁寧なご指導ありがとうございました」
「いやいや、生徒の出来が良いから教え甲斐があったよ」
ネーロは笑顔でそう言ってくれた。
「私はネーロさんは一流の料理人だと思います。その腕を振るうのに相応しい所で働いてみませんか?」
報酬を渡す時に私はネーロに提案する。
「いや、折角の申し出だが、俺は好きな所で料理を作りたいんだ。仕事先は自分で探すよ」
「分かりました。報酬とは別にこちらも受け取ってください」
手渡したのは小型の樽に入った泉の水だ。
「それを飲めば大抵の毒や病気を治せます。ネーロさんの好きに使ってくださって結構です」
「ありがとうな」
「お世話になりました」
別れの挨拶を交わして家を出る。
新しい料理を覚える事が出来て充実した五日間だった。これで颯太に料理を教えられるし、冒険者として旅をしている間の食事も華やぐだろう。
帰りに食材を大量に買い込んで指輪にしまうと、私は王城へと向かった。
入り口では止められる事もなく、そのまま通される。
「国王陛下がお待ちです」
「ありがとう」
警備の兵に礼を言って奥へと進む。
途中で騎士がやって来て案内をしてくれた。通されたのは会議室、中にはラムドとエリオットとフランシス、ファディア国王エルンストとメリーゼハーヴが居た。
「精霊殿よ。大会に出るというのは誠か?」
入るなり聞いてきたのはメリーゼハーヴ。
「私は出ないわ。出るのは私の家族とパーティのメンバーよ」
「なんじゃそうか……妾もエントリーしようかと思うておったのに」
残念そうにしているが、私と戦いたかったのだろうか?
「メリーゼハーヴ殿が出場したら大会になりませんよ」
フランシスはそう言って笑っていたが、芽依なら勝てるかもしれないわよ?
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