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竜の国
耐性
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次の日も料理を教えてもらう。
昨日と同じ様に、手際良くそして丁寧に料理を完成させていく。
「よし、今日はここまでだ。メシにするか」
「はい。ありがとうございました」
テーブルを囲んで食事をする。今日はワインは並んでいなかった。
「ネーロさんが飲みたければ飲んで構いませんよ?」
「いや、飲むならハルが帰ってから飲むよ」
気を遣わせてしまっている様で申し訳ない。
「ネーロさんは初めてお酒を飲んだ時、どんな感じでしたか?」
「そうだな……直ぐに酔い潰れちまったな」
「元々強い訳ではなかったのですね」
「飲んでいれば慣れてくるんだよ。でもハルにはまだ早いからな?」
昨日の一件依頼完全に子供扱いだ。
「兄貴にもこっ酷く叱られたんだ。『あんなお嬢さんを酔わせてどうする気だ!』ってな」
「それは、ごめんなさい」
「いや悪いのは俺だからな」
地球でも酒は飲んで強くなるものだと言われているし、私も飲み続ければある程度平気になるかもしれない。
自分から飲むことはないと思うが、出来るだけ弱点は無くしておきたい。
「買って帰ろうかしら」
「駄目だぞ」
「家族へのお土産なら良いでしょう?」
「そりゃあまあ……この前一緒に来た姉ちゃんなら飲ませても良いが」
芽依の方こそ子供なのだけど……
食事を済ませて報酬を支払い、街でお酒を買う事にする。
私の事を知っている人も居て、驚く人や足早に逃げて行く人、中には私に向かって祈り出す人までいた。
現代では酒と言えば酒屋だが、酒のみを扱っている店というのは無い。卸売り業者が居ないというか、商人がそれを請け負っている為、生産者から買い付けた商品は直接酒場や食堂といった店に売り渡す。なので酒を買うなら取り扱っている飲食店に行くのが一番なのだ。
時間は昼下がり。食堂はまだ開いているので適当な店に入る。
「らっしゃい!」
「お酒を買いたいのですが」
「父ちゃんのお使いか?偉いな!」
店主の中年男性は私の顔を知らない様で、お使いにきた子供だと思われてしまった。
手に入るなら何でも良いわ。
「何を買って来いって言われたんだい?」
「ワインを5本、それとワインより弱いお酒と強いお酒を同じ数だけ欲しいのだけど、ありますか?」
「そうだな……このハーブミードならワインより弱いし、このエールもいいぞ。強いのだと、これだな」
説明しながら次々とカウンターに置いて行く。どれも小型の樽で、最後に置かれたのはウイスキーだそうだ。
「どれがいい?」
「よく分からないので全部ください」
「全部って……今日は宴会でもあるのかい?」
「そんなところです。お幾らですか?」
「全部で八千エルズだ」
お金を渡してカウンターに並べられた小型の酒樽を指輪に収納していく。
「お嬢ちゃん……何者だ?」
「私は泉の精霊のハルです。良い取引をしていただきありがとうございました」
「精霊……様?」
驚き固まっている店主に頭を下げ店をあとにする。
店を出たら転移で泉へ。
今日は早く帰って来られたわ。
畔ではワダツミ達精霊が全員揃って待っていた。
「お母様おかえりなさい!」
「はい、ただいま。もしかして待っていてくれたの?」
「はい。何かあったらすぐに駆けつけられる様に待機していました」
「そうなの。気を遣わせてしまったわね」
皆私の身を案じてくれていた。
夕食の支度をしていたら芽依達が帰ってくる。
みんなで食事をとりながらお酒について話をする。
「基本的には勧められても断るつもりだけど、飲んだ途端に倒れるのは流石に良くないので少しずつ慣らしてみようと思うの」
「そうだね。慣れておいた方が良いと思うよ」
セロが賛成してくれる。
「私達も少しずつ慣れたもんね」
「初めはミード一杯で朝までグッスリでしたね」
リンとミラも飲めるらしい。
私もミードから試してみようか。
昨日と同じ様に、手際良くそして丁寧に料理を完成させていく。
「よし、今日はここまでだ。メシにするか」
「はい。ありがとうございました」
テーブルを囲んで食事をする。今日はワインは並んでいなかった。
「ネーロさんが飲みたければ飲んで構いませんよ?」
「いや、飲むならハルが帰ってから飲むよ」
気を遣わせてしまっている様で申し訳ない。
「ネーロさんは初めてお酒を飲んだ時、どんな感じでしたか?」
「そうだな……直ぐに酔い潰れちまったな」
「元々強い訳ではなかったのですね」
「飲んでいれば慣れてくるんだよ。でもハルにはまだ早いからな?」
昨日の一件依頼完全に子供扱いだ。
「兄貴にもこっ酷く叱られたんだ。『あんなお嬢さんを酔わせてどうする気だ!』ってな」
「それは、ごめんなさい」
「いや悪いのは俺だからな」
地球でも酒は飲んで強くなるものだと言われているし、私も飲み続ければある程度平気になるかもしれない。
自分から飲むことはないと思うが、出来るだけ弱点は無くしておきたい。
「買って帰ろうかしら」
「駄目だぞ」
「家族へのお土産なら良いでしょう?」
「そりゃあまあ……この前一緒に来た姉ちゃんなら飲ませても良いが」
芽依の方こそ子供なのだけど……
食事を済ませて報酬を支払い、街でお酒を買う事にする。
私の事を知っている人も居て、驚く人や足早に逃げて行く人、中には私に向かって祈り出す人までいた。
現代では酒と言えば酒屋だが、酒のみを扱っている店というのは無い。卸売り業者が居ないというか、商人がそれを請け負っている為、生産者から買い付けた商品は直接酒場や食堂といった店に売り渡す。なので酒を買うなら取り扱っている飲食店に行くのが一番なのだ。
時間は昼下がり。食堂はまだ開いているので適当な店に入る。
「らっしゃい!」
「お酒を買いたいのですが」
「父ちゃんのお使いか?偉いな!」
店主の中年男性は私の顔を知らない様で、お使いにきた子供だと思われてしまった。
手に入るなら何でも良いわ。
「何を買って来いって言われたんだい?」
「ワインを5本、それとワインより弱いお酒と強いお酒を同じ数だけ欲しいのだけど、ありますか?」
「そうだな……このハーブミードならワインより弱いし、このエールもいいぞ。強いのだと、これだな」
説明しながら次々とカウンターに置いて行く。どれも小型の樽で、最後に置かれたのはウイスキーだそうだ。
「どれがいい?」
「よく分からないので全部ください」
「全部って……今日は宴会でもあるのかい?」
「そんなところです。お幾らですか?」
「全部で八千エルズだ」
お金を渡してカウンターに並べられた小型の酒樽を指輪に収納していく。
「お嬢ちゃん……何者だ?」
「私は泉の精霊のハルです。良い取引をしていただきありがとうございました」
「精霊……様?」
驚き固まっている店主に頭を下げ店をあとにする。
店を出たら転移で泉へ。
今日は早く帰って来られたわ。
畔ではワダツミ達精霊が全員揃って待っていた。
「お母様おかえりなさい!」
「はい、ただいま。もしかして待っていてくれたの?」
「はい。何かあったらすぐに駆けつけられる様に待機していました」
「そうなの。気を遣わせてしまったわね」
皆私の身を案じてくれていた。
夕食の支度をしていたら芽依達が帰ってくる。
みんなで食事をとりながらお酒について話をする。
「基本的には勧められても断るつもりだけど、飲んだ途端に倒れるのは流石に良くないので少しずつ慣らしてみようと思うの」
「そうだね。慣れておいた方が良いと思うよ」
セロが賛成してくれる。
「私達も少しずつ慣れたもんね」
「初めはミード一杯で朝までグッスリでしたね」
リンとミラも飲めるらしい。
私もミードから試してみようか。
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