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勇者
神からの情報
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「ま、まあボクは主神だし、ある程度人間らしい思考を持っておいた方がいいかなーって思うんだ」
今のアルシファーナは適当な事を言っているわね。まだ何か隠している事があるのだろうか?
私がじっと見つめているとアルシファーナは冷や汗をかき始める。
「もー分かったよ!降参!」
両手を上げてそう言った。
「ボクとマイちゃんは同じ神様じゃないんだ。ボクや今回転生者を呼び込んでいる神達は元々の神なんだ。マイちゃんはボクが創った神。つまりボクがマイちゃんのお母さんになるんだよ」
「主神様がお母さん……?」
「そうだよー」
困惑するマイ。
「それならば尚更あんな命令しては駄目でしょう」
「はい、そうでした」
本当にちゃんと考えているのかしら?
「主神様が……お母さん。お父さんじゃなくて?」
「今問題にしたいのはそこじゃないんだよなぁ……」
マイの反応に大袈裟にズッコケながら言うアルシファーナ。どうやらマイはアルシファーナを男神だと思っていた様だ。
「マイちゃん達、地上に干渉する神様はボク達が創ったんだ。理由は二つ、一つ目は世界が滅んだ時に世界を直す為に多くの神様が消滅したからなんだ」
破壊され尽くした世界を再び生命が生まれてくる様にするには神々の魂を捧げる必要があったそうだ。
「二つ目は、ボク達が新たな生命になるべく干渉しない様にする為」
世界が滅ぶ前、それを止めようとした神々もいたのだが人々に対して呼び掛けても、話を聞くどころか地上に降りた神を捕らえて殺す者まで現れてしまった。
その様な事が二度と無い様に世界を守る神々は地上の生命に深く関わる事をやめたそうだ。
「ボク達からしたら転生者や既存の人達に裏切られた気分だったよ」
「それは大変だったわね」
神を殺すなんて簡単に出来る事ではない筈だ。
しかし私が地上に降り立つ前に栄えていた文明ならば可能だったのだろう。
それを警戒しての行動ならば仕方がないかも知れないが、マイの様に酷い命令を受けている神がいるとしたらそれは許せない。
「そんな怖い顔しないでよハルさん。もう充分反省したから」
「それならマイに力を戻してあげなさい」
「それは出来ないんだよ。ボク達が創った神は力の総量が初めから決まっていて増やしてあげる事はできないんだ」
申し訳なさそうに言うアルシファーナ。
「ハル様、力が戻らなくてごめんなさい……」
マイは私が神の力を当てにしていたのだと思ったのだろう。期待に応えられなかった事を謝っている様だ。
「違うのよマイ。私はあなたの神の力を必要としているわけではないの。マイがこのままだと辛いかと思ったから主神様に言ったのよ」
「大丈夫です。みんなが一緒に居てくれるから」
「そう。マイは偉いわね」
強がりではない。この子は私達と居られる事が本当に嬉しい様だ。私もこの子の為に何かしてあげたい。
「そろそろ時間だね。ハルさん、マイちゃん、転生者はトンデモ能力を持っているから気を付けて。危険な相手だと判断したら迷わず倒してしまって構わないからね。それから勇者召喚の儀は一つの国につき一回だけだから安心して。精霊達の事、お願いね」
別れの時間が近付いてきて、慌てて色々と説明してくるアルシファーナ。
「ありがとう。可能な限り穏便に済ませます」
そう返事をするとアルシファーナはニコリと微笑み手を振っていた。
気が付くと泉の畔でマカミにもたれ掛かって眠っていた。空が白んできている。まもなく夜が明けるのだろう。
マカミのフワフワの毛が暖かく、少しいい匂いがした。
『ハル様、お目覚めになられましたか?』
「おはようマカミ。あなたのお陰でゆっくり出来たわ」
『よかったです。カクカミ様達に言われまして、エルフ達に香料の入ったセッケンというもので隅々まで洗われてしまったのです。匂いがキツくてハル様にご迷惑がかからないかと心配していました』
そんな事まで気を遣ってくれていたのね。
今のアルシファーナは適当な事を言っているわね。まだ何か隠している事があるのだろうか?
私がじっと見つめているとアルシファーナは冷や汗をかき始める。
「もー分かったよ!降参!」
両手を上げてそう言った。
「ボクとマイちゃんは同じ神様じゃないんだ。ボクや今回転生者を呼び込んでいる神達は元々の神なんだ。マイちゃんはボクが創った神。つまりボクがマイちゃんのお母さんになるんだよ」
「主神様がお母さん……?」
「そうだよー」
困惑するマイ。
「それならば尚更あんな命令しては駄目でしょう」
「はい、そうでした」
本当にちゃんと考えているのかしら?
「主神様が……お母さん。お父さんじゃなくて?」
「今問題にしたいのはそこじゃないんだよなぁ……」
マイの反応に大袈裟にズッコケながら言うアルシファーナ。どうやらマイはアルシファーナを男神だと思っていた様だ。
「マイちゃん達、地上に干渉する神様はボク達が創ったんだ。理由は二つ、一つ目は世界が滅んだ時に世界を直す為に多くの神様が消滅したからなんだ」
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その様な事が二度と無い様に世界を守る神々は地上の生命に深く関わる事をやめたそうだ。
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「それは大変だったわね」
神を殺すなんて簡単に出来る事ではない筈だ。
しかし私が地上に降り立つ前に栄えていた文明ならば可能だったのだろう。
それを警戒しての行動ならば仕方がないかも知れないが、マイの様に酷い命令を受けている神がいるとしたらそれは許せない。
「そんな怖い顔しないでよハルさん。もう充分反省したから」
「それならマイに力を戻してあげなさい」
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マイは私が神の力を当てにしていたのだと思ったのだろう。期待に応えられなかった事を謝っている様だ。
「違うのよマイ。私はあなたの神の力を必要としているわけではないの。マイがこのままだと辛いかと思ったから主神様に言ったのよ」
「大丈夫です。みんなが一緒に居てくれるから」
「そう。マイは偉いわね」
強がりではない。この子は私達と居られる事が本当に嬉しい様だ。私もこの子の為に何かしてあげたい。
「そろそろ時間だね。ハルさん、マイちゃん、転生者はトンデモ能力を持っているから気を付けて。危険な相手だと判断したら迷わず倒してしまって構わないからね。それから勇者召喚の儀は一つの国につき一回だけだから安心して。精霊達の事、お願いね」
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