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勇者
水の精霊
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悩んだ末に名前をつける事にした。
この小さな精霊は私の泉の水から生まれたのだらあと推測した。それならばこの子は私の子供も同然だ。名前を付ける事で眷属になるだろうが問題ないと思う。
「そうね……それではあなたはワダツミでどうかしら?」
「ワダツミ?」
「ええ。私が元居た所では海の神様なのだけど、同じ水だし良いと思うわ」
「うん!ありがとう!わたしはワダツミ!よろしくお母さん!」
この子も私の事を母と言ってくれるのね。
優しい水色の光は輝きを増していき人の形へと変わっていった。
「改めまして、ワダツミです。よろしくお願いします」
そう言って笑顔を向けてくる少女。
私と同じ長い水色の髪をした十七、八歳の女の子だった。服は白のワンピースのみ。
「あら、女の子だったのね。ごめんなさい、女の子らしい名前を付けてあげれば良かったわ」
「いいえ、お母さんが付けてくれ名前だもの。私は気に入ってますよ」
そう言って照れているワダツミ。
「ところであなたはいつからここにいるの?」
「よく分かりません。気が付いたらここにいて、お母さんが来てくれたから……」
記憶が曖昧の様だ。生まれたばかりなのかもしれない。
「私は水のある所なら何処にでも行くことができます。いつもお母さんと一緒ですよ」
「ふふ、嬉しいわ。そうだ、みんなにも紹介しなくちゃね」
ところで水がある所と言ったけど、どれくらいの水があれば良いのだろう?
「器に一掬いあれば充分だと思いますよ」
ワダツミがそう言うので試しに指輪からカップを取り出して池の水を掬ってみる。
「それを誰かが持っていてくれれば私は存在できます」
「水がなくなってしまったらあなたはどうなってしまうの?」
「分かりません」
まさか死んでしまったりしないだろうか?
そんな事になったら悲しすぎるので今ここで検証してみる事にした。
水の入ったカップを持ってそれを地面にひっくり返して苦しむ様な事があればすぐに池に戻す。
最新の注意を払って検証してみたが、どうやら必ずこの池に帰ってくる様だ。
試しに手の中に泉の水を生成して《眷属召喚》を行ったら目の前に実体で現れた。
「お母さんは水を出せるんですね!それならいつでもお母さんのそばにいられます!」
「ええ。でも無理しないでね。苦しかったりしたらすぐにここに帰りなさい。私はワダツミが苦しむ姿を見たくないもの」
「分かりました!」
ニコニコ顔で返事をするワダツミ。
それから更に検証してワダツミは水を操れる事もわかった。
手元にある水の量で能力が決まるらしく、カップ一杯の水では能力は殆ど使えなかった。
「あなたに服を作ってあげたいけど、服はどうなるかしらね」
そう言いながら服とサンダルを作って着替えてもらい、《眷属召喚》などで移動させてみたが、着替えた服はそのままだった。
「あ母さんは服も作れるのですね!凄いです!」
「気に入ってくれたみたいで良かったわ」
人懐っこい笑顔を向けながら服を摘んでクルクル回って見せてくれるワダツミ。
検証もある程度終わったし、ワダツミを皆に紹介しよう。
カクカミに二人で乗って泉に帰ると皆、畔に居たのでワダツミと出会った経緯を説明して紹介する。
「君は精霊なんだね。僕と母さん以外で精霊を初めてみたよ」
「よろしくお願いします。ソータお兄さん」
「うん。よろしくね」
そのやり取り見て不満そうな顔をしていたのは芽依。
あらあら、颯太を取られてしまったと思ったのかしら?
「メイお姉さん、よろしくお願いします!私、何も分からないのでお姉さんが教えてくれると嬉しいです」
「お姉さん……うん!分かったよワダツミちゃん。何でも聞いてね!」
芽依はお姉ちゃんと言われるのが好きみたいね。マイの時も同じ反応だったわ。
この小さな精霊は私の泉の水から生まれたのだらあと推測した。それならばこの子は私の子供も同然だ。名前を付ける事で眷属になるだろうが問題ないと思う。
「そうね……それではあなたはワダツミでどうかしら?」
「ワダツミ?」
「ええ。私が元居た所では海の神様なのだけど、同じ水だし良いと思うわ」
「うん!ありがとう!わたしはワダツミ!よろしくお母さん!」
この子も私の事を母と言ってくれるのね。
優しい水色の光は輝きを増していき人の形へと変わっていった。
「改めまして、ワダツミです。よろしくお願いします」
そう言って笑顔を向けてくる少女。
私と同じ長い水色の髪をした十七、八歳の女の子だった。服は白のワンピースのみ。
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「いいえ、お母さんが付けてくれ名前だもの。私は気に入ってますよ」
そう言って照れているワダツミ。
「ところであなたはいつからここにいるの?」
「よく分かりません。気が付いたらここにいて、お母さんが来てくれたから……」
記憶が曖昧の様だ。生まれたばかりなのかもしれない。
「私は水のある所なら何処にでも行くことができます。いつもお母さんと一緒ですよ」
「ふふ、嬉しいわ。そうだ、みんなにも紹介しなくちゃね」
ところで水がある所と言ったけど、どれくらいの水があれば良いのだろう?
「器に一掬いあれば充分だと思いますよ」
ワダツミがそう言うので試しに指輪からカップを取り出して池の水を掬ってみる。
「それを誰かが持っていてくれれば私は存在できます」
「水がなくなってしまったらあなたはどうなってしまうの?」
「分かりません」
まさか死んでしまったりしないだろうか?
そんな事になったら悲しすぎるので今ここで検証してみる事にした。
水の入ったカップを持ってそれを地面にひっくり返して苦しむ様な事があればすぐに池に戻す。
最新の注意を払って検証してみたが、どうやら必ずこの池に帰ってくる様だ。
試しに手の中に泉の水を生成して《眷属召喚》を行ったら目の前に実体で現れた。
「お母さんは水を出せるんですね!それならいつでもお母さんのそばにいられます!」
「ええ。でも無理しないでね。苦しかったりしたらすぐにここに帰りなさい。私はワダツミが苦しむ姿を見たくないもの」
「分かりました!」
ニコニコ顔で返事をするワダツミ。
それから更に検証してワダツミは水を操れる事もわかった。
手元にある水の量で能力が決まるらしく、カップ一杯の水では能力は殆ど使えなかった。
「あなたに服を作ってあげたいけど、服はどうなるかしらね」
そう言いながら服とサンダルを作って着替えてもらい、《眷属召喚》などで移動させてみたが、着替えた服はそのままだった。
「あ母さんは服も作れるのですね!凄いです!」
「気に入ってくれたみたいで良かったわ」
人懐っこい笑顔を向けながら服を摘んでクルクル回って見せてくれるワダツミ。
検証もある程度終わったし、ワダツミを皆に紹介しよう。
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「うん。よろしくね」
そのやり取り見て不満そうな顔をしていたのは芽依。
あらあら、颯太を取られてしまったと思ったのかしら?
「メイお姉さん、よろしくお願いします!私、何も分からないのでお姉さんが教えてくれると嬉しいです」
「お姉さん……うん!分かったよワダツミちゃん。何でも聞いてね!」
芽依はお姉ちゃんと言われるのが好きみたいね。マイの時も同じ反応だったわ。
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