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勇者
プレゼント
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芽依は納得していなかった様だがロイドに褒められて笑顔になった。
「そろそろ小剣じゃなくて長剣でもいいんじゃないか?」
「うーん、この間合いに慣れちゃってるからなぁ」
小剣二刀流なのは手数を増やしたいからだと以前聞いた事がある。長剣は重くて扱えないとも。今なら長剣二刀流でもいけるかも知れないが、芽依はリーチが変わる事で立ち回りが変わる事を気にしている様だ。
「何も二本とも長剣にする必要はないんだぜ。なんだったら片方は短剣でもいい。そうだ、コイツをやろう」
そう言って指輪を翳すと目の前に鞘に収まった長剣と短剣が現れた。
ロイドも《ストレージ》の指輪を持っているのね。
長剣と短剣を受け取る芽依。鞘に入っているが長剣はやたらと細く、短剣は太く見える。
「メイなら上手く扱えるかも知れない。抜いてみろ」
芽依は長剣をゆっくりと抜いてみる。
普通の長剣の半分程の幅の青白い刀身を持つ剣だ。
「キレイ……スゴく軽いけど折れないの?」
「ミスリル製の刀身を魔法で強化しているらしいから問題ない。俺には軽すぎて合わなかったがな」
短剣も抜いて見る芽依。
鍔の部分が大きくなっており、刀身の片方が櫛の様にギザギザになっている変わった作りだ。
「そのギザギザした所で剣を折るらしい。珍しくてつい買っちまったんだ」
「ここに挟んで剣を折るのかな?ロイドおじさんの剣とか受けたら短剣の方が折れそうだよ」
「ソイツにも魔法が掛けてあるらしい。かなり丈夫で盾の代わりに使うんだと」
「へー……」
芽依は短剣を左手に持って軽く振ってみる。
「こっちも軽いね。ミスリル製?」
「そうだ」
「二本とも貰っていいの?」
「ああ。俺には向かないからな」
「ありがとう!」
芽依は気に入ったみたい。これからはその二本を使うのかしら。
「少し練習してみる」
そう言って右手に長剣、左手に短剣を持って素振りを始める。
「ロイド、あの剣高かったのじゃない?」
「そこそこは、ですよ。弟子にお祝いの一つもやってない事に気付いて、今度会う時に渡そうと買っておいたんです」
芽依の為に買ったと言わないのはロイドらしいわね。
「そうだったの。気を遣ってくれてありがとう」
「いえいえ。しかし少し見ない間に大人っぽくなりましたな。男が寄って来ますよ」
「身体ばかり大きくなって中身はまだ子供なのよ。恋愛には興味無さそうだけど、母親としては心配だわ」
芽依は鋭い動きで素振りを続けている。
「ロイドには何かお礼をしなくちゃね」
「いやいや、前にいただいた水で充分ですよ」
「もう無くなったのじゃない?」
「少しずつ使わせてもらってるんで、まだまだあります」
「次に会うのがいつになるか分からないし補充しておくわ」
あとでここの皆に水をあげておきましょう。
夜には幼児学校の教師のルシアーナと初等魔法科の教師のクラウス、武術科講師のブライドン、ウェークとセシリアの双子兄妹も来てくれて会食をする。
「ハルさんお久し振りです」
「はい。お久し振りです」
セシリア、クラウスとは学校の話を聞いたり私達の冒険者としての仕事を話して盛り上がった。
芽依もルシアーナとブライドンと楽しそうに話をしていた。
「メイちゃん……なんだよね?」
「うん!そうだよ」
ウェークは容姿の変化に戸惑っていた。
「どうしたの?」
「いや、その……凄く美人になったから……」
「ありがとう!ウェークも少し背が伸びたよね」
芽依はいつもの調子で話をするけどウェークの方は緊張しているのかしら。
女性として意識してしまっているのね。
「言った通りでしょう?あれだけ美人ならああなります」
笑いながら話しかけてくるロイド。
「ロイドは芽依の事は気にならないわよね」
「あと三年もしたら声を掛けてしまうかも知れませんね」
「その時にあなたが芽依に見合う男性なら応援するわ」
「じょ、冗談ですよ……!」
あら、冗談なの。
「そろそろ小剣じゃなくて長剣でもいいんじゃないか?」
「うーん、この間合いに慣れちゃってるからなぁ」
小剣二刀流なのは手数を増やしたいからだと以前聞いた事がある。長剣は重くて扱えないとも。今なら長剣二刀流でもいけるかも知れないが、芽依はリーチが変わる事で立ち回りが変わる事を気にしている様だ。
「何も二本とも長剣にする必要はないんだぜ。なんだったら片方は短剣でもいい。そうだ、コイツをやろう」
そう言って指輪を翳すと目の前に鞘に収まった長剣と短剣が現れた。
ロイドも《ストレージ》の指輪を持っているのね。
長剣と短剣を受け取る芽依。鞘に入っているが長剣はやたらと細く、短剣は太く見える。
「メイなら上手く扱えるかも知れない。抜いてみろ」
芽依は長剣をゆっくりと抜いてみる。
普通の長剣の半分程の幅の青白い刀身を持つ剣だ。
「キレイ……スゴく軽いけど折れないの?」
「ミスリル製の刀身を魔法で強化しているらしいから問題ない。俺には軽すぎて合わなかったがな」
短剣も抜いて見る芽依。
鍔の部分が大きくなっており、刀身の片方が櫛の様にギザギザになっている変わった作りだ。
「そのギザギザした所で剣を折るらしい。珍しくてつい買っちまったんだ」
「ここに挟んで剣を折るのかな?ロイドおじさんの剣とか受けたら短剣の方が折れそうだよ」
「ソイツにも魔法が掛けてあるらしい。かなり丈夫で盾の代わりに使うんだと」
「へー……」
芽依は短剣を左手に持って軽く振ってみる。
「こっちも軽いね。ミスリル製?」
「そうだ」
「二本とも貰っていいの?」
「ああ。俺には向かないからな」
「ありがとう!」
芽依は気に入ったみたい。これからはその二本を使うのかしら。
「少し練習してみる」
そう言って右手に長剣、左手に短剣を持って素振りを始める。
「ロイド、あの剣高かったのじゃない?」
「そこそこは、ですよ。弟子にお祝いの一つもやってない事に気付いて、今度会う時に渡そうと買っておいたんです」
芽依の為に買ったと言わないのはロイドらしいわね。
「そうだったの。気を遣ってくれてありがとう」
「いえいえ。しかし少し見ない間に大人っぽくなりましたな。男が寄って来ますよ」
「身体ばかり大きくなって中身はまだ子供なのよ。恋愛には興味無さそうだけど、母親としては心配だわ」
芽依は鋭い動きで素振りを続けている。
「ロイドには何かお礼をしなくちゃね」
「いやいや、前にいただいた水で充分ですよ」
「もう無くなったのじゃない?」
「少しずつ使わせてもらってるんで、まだまだあります」
「次に会うのがいつになるか分からないし補充しておくわ」
あとでここの皆に水をあげておきましょう。
夜には幼児学校の教師のルシアーナと初等魔法科の教師のクラウス、武術科講師のブライドン、ウェークとセシリアの双子兄妹も来てくれて会食をする。
「ハルさんお久し振りです」
「はい。お久し振りです」
セシリア、クラウスとは学校の話を聞いたり私達の冒険者としての仕事を話して盛り上がった。
芽依もルシアーナとブライドンと楽しそうに話をしていた。
「メイちゃん……なんだよね?」
「うん!そうだよ」
ウェークは容姿の変化に戸惑っていた。
「どうしたの?」
「いや、その……凄く美人になったから……」
「ありがとう!ウェークも少し背が伸びたよね」
芽依はいつもの調子で話をするけどウェークの方は緊張しているのかしら。
女性として意識してしまっているのね。
「言った通りでしょう?あれだけ美人ならああなります」
笑いながら話しかけてくるロイド。
「ロイドは芽依の事は気にならないわよね」
「あと三年もしたら声を掛けてしまうかも知れませんね」
「その時にあなたが芽依に見合う男性なら応援するわ」
「じょ、冗談ですよ……!」
あら、冗談なの。
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