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勇者
森の生活
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私達は三日間を泉で過ごす事にした。
「ここは落ち着くなあ」
「本当に良い所です」
「もうここに住んでしまいたいくらいだね」
泉の畔に座ってのんびりしているセロとミラとリン。
芽依とマイは颯太と食材を探しに森へと出かけている。
私も泉の畔にいるが、代わる代わるやってくる各種族の長達と話をしていた。
すぐ側にはエレが居るが、彼女なりに護衛をしているつもりなのだろう。
この森で護衛は必要ないのにね。
ライブラは私と長達との会話を少し離れた所で聞いていた。言語の設定とやらをやっているのだろう。彼女はどれくらいの言語を習得出来るのだろうか?
長達は私が留守の間に起こった事を事細かく説明してくれた。
ゴブリン達とコボルト達は協力して農業を始めたらしい。
リザードマン達は魚の養殖を、ダークエルフとエルフは綿花を栽培し始めたそうだ。将来的には衣類を作成したいとの事。
他にもトロールは果樹園を作ろうとしていたり、ノールは畜産が出来ないか研究をしていたりと、皆増える住民の衣食を何とかしようと取り組んでいた。
そういう事なら泉の水が役に立つのではないだろうか?
あれだけ効くのだから効果はあるはずだ。試しに作物に少量振り掛けて生育を比べてもらう事にした。
これらは彼らが全て自分達で立てた計画ではないだろう。颯太が助言して協議を重ねた結果だそうだ。
息子が優秀でとても助かるわ。
それから東の魔族の国ディアブレルの王が私に会いたいと言ってきているらしい。
彼らはブランハザーンから国を奪い私達と全面戦争をした者の末裔だが、それも随分昔の事だ。
会ってやれなくもないが、私の里帰り中に会う事はできるだろうか?
打診を受けたのは東の端に住んでいるゴブリン達だ。言語が違うのだがディアブレル側が何とかしたらしい。
どうしても話をしたい事がある様だ。
私はオオトリを呼んでディアブレルに手紙を届けてもらった。内容は三日以内なら泉にいるので会う事は可能である事。
一応相手は国王なのできちんとした文章にしておいた。
夕方、オオトリが返事を持って戻って来た。
かなり丁寧に書かれているが、内容は『明日伺う』との事だった。
ディアブレルといえばかなり離れている筈だが、明日中に来られるという事は移動手段があるのだろう。
ディアブレルから何かがやって来たら知らせてくれる様オオトリに頼んでおいた。
夕食は芽依達が獲ってきた兎肉を使ったスープとパン、色とりどりの果物。
シンプルなものだがとても美味しい。
颯太は料理の腕を上げたわね。
「颯太お兄ちゃんって何でも出来るよね」
「何でもは出来ないよ」
芽依はニコニコしながらスープとパンを食べて言う。
実際颯太が苦手なものを見た事がないく大体の事は人並み以上にこなしている。
そういえば芽依、少し背が伸びたわね。
私と身長が同じくらいだったはずなのに目線が少し上になっている。
芽依の成長は嬉しいのだけど、私は何故背が伸びないのかしら。
食事といえばライブラも普通に食事をとるそうだ。機械といっても構造は人間と変わらないので食物からの栄養摂取でエネルギーを確保するそうだ。
尤も水と太陽光があれば連続稼働は可能らしいが。
「吸収効率の問題です」
「わっ……普通に喋った!」
驚くリン。
「言語設定がほぼ完了しましたのでこちらの言語を標準に設定します」
「これで話が出来るのですね。改めまして、ミラです。よろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願い致します」
コミュニケーションが取れる様になって良かったわ。
「ライブラは言語の調整をしながら颯太からここの暮らしを教わって」
「畏まりました」
「颯太はライブラに現代の様子や常識を教えてあげられるかしら?」
「任せてよ」
颯太は快く引き受けてくれた。
食事も終わり少し話してから眠る事にする。
かなり大所帯になってきた。
そろそろ来客用の建物も建てるべきだろうか。
「ここは落ち着くなあ」
「本当に良い所です」
「もうここに住んでしまいたいくらいだね」
泉の畔に座ってのんびりしているセロとミラとリン。
芽依とマイは颯太と食材を探しに森へと出かけている。
私も泉の畔にいるが、代わる代わるやってくる各種族の長達と話をしていた。
すぐ側にはエレが居るが、彼女なりに護衛をしているつもりなのだろう。
この森で護衛は必要ないのにね。
ライブラは私と長達との会話を少し離れた所で聞いていた。言語の設定とやらをやっているのだろう。彼女はどれくらいの言語を習得出来るのだろうか?
長達は私が留守の間に起こった事を事細かく説明してくれた。
ゴブリン達とコボルト達は協力して農業を始めたらしい。
リザードマン達は魚の養殖を、ダークエルフとエルフは綿花を栽培し始めたそうだ。将来的には衣類を作成したいとの事。
他にもトロールは果樹園を作ろうとしていたり、ノールは畜産が出来ないか研究をしていたりと、皆増える住民の衣食を何とかしようと取り組んでいた。
そういう事なら泉の水が役に立つのではないだろうか?
あれだけ効くのだから効果はあるはずだ。試しに作物に少量振り掛けて生育を比べてもらう事にした。
これらは彼らが全て自分達で立てた計画ではないだろう。颯太が助言して協議を重ねた結果だそうだ。
息子が優秀でとても助かるわ。
それから東の魔族の国ディアブレルの王が私に会いたいと言ってきているらしい。
彼らはブランハザーンから国を奪い私達と全面戦争をした者の末裔だが、それも随分昔の事だ。
会ってやれなくもないが、私の里帰り中に会う事はできるだろうか?
打診を受けたのは東の端に住んでいるゴブリン達だ。言語が違うのだがディアブレル側が何とかしたらしい。
どうしても話をしたい事がある様だ。
私はオオトリを呼んでディアブレルに手紙を届けてもらった。内容は三日以内なら泉にいるので会う事は可能である事。
一応相手は国王なのできちんとした文章にしておいた。
夕方、オオトリが返事を持って戻って来た。
かなり丁寧に書かれているが、内容は『明日伺う』との事だった。
ディアブレルといえばかなり離れている筈だが、明日中に来られるという事は移動手段があるのだろう。
ディアブレルから何かがやって来たら知らせてくれる様オオトリに頼んでおいた。
夕食は芽依達が獲ってきた兎肉を使ったスープとパン、色とりどりの果物。
シンプルなものだがとても美味しい。
颯太は料理の腕を上げたわね。
「颯太お兄ちゃんって何でも出来るよね」
「何でもは出来ないよ」
芽依はニコニコしながらスープとパンを食べて言う。
実際颯太が苦手なものを見た事がないく大体の事は人並み以上にこなしている。
そういえば芽依、少し背が伸びたわね。
私と身長が同じくらいだったはずなのに目線が少し上になっている。
芽依の成長は嬉しいのだけど、私は何故背が伸びないのかしら。
食事といえばライブラも普通に食事をとるそうだ。機械といっても構造は人間と変わらないので食物からの栄養摂取でエネルギーを確保するそうだ。
尤も水と太陽光があれば連続稼働は可能らしいが。
「吸収効率の問題です」
「わっ……普通に喋った!」
驚くリン。
「言語設定がほぼ完了しましたのでこちらの言語を標準に設定します」
「これで話が出来るのですね。改めまして、ミラです。よろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願い致します」
コミュニケーションが取れる様になって良かったわ。
「ライブラは言語の調整をしながら颯太からここの暮らしを教わって」
「畏まりました」
「颯太はライブラに現代の様子や常識を教えてあげられるかしら?」
「任せてよ」
颯太は快く引き受けてくれた。
食事も終わり少し話してから眠る事にする。
かなり大所帯になってきた。
そろそろ来客用の建物も建てるべきだろうか。
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