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勇者
達成報告
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ギルドに戻ってブランに終了の報告をする。その際にフランシスのパーティに出会ったこともセロが報告していた。
「フランシス王子か……何か言われたか?」
「今度冒険者ギルドに仕事を依頼すると言っていました」
「討伐の手伝いだな。一緒に戻ってきたのなら明日にでも依頼が出されるだろう」
「殿下はよく依頼をされるのですか?」
「人手がいる時はな」
答えるブランは何故か不機嫌そうだ。
「フランシス殿下の事をどう思われているの?」
「誰にでも優しく丁寧、冒険者の中でも人気がある。俺は嫌いだな」
ホールの只中でハッキリとものを言えてしまうのはブランの性格故だろうが、彼の口にする評価の中に嫌う要素がない。
「気持ち悪いんだよ。人間らしくないっつーか……ハルはそう思わねえのか?」
「そうですね。気持ち悪くはありませんが好きにはなれません」
そうハッキリ言うと周りの皆が驚いていた。
「なんで?優しいし礼儀正しい良い人だよ?前のエリオット殿下とは大違いなのに」
芽依の言葉に一同が頷く。
やはり皆は何も気付いていない様だ。
「何かあったな?」
「ええ。みんなにも説明したいけど、ここでは話しにくい事だから場所を変えませんか?」
「分かった。俺の部屋に行くぞ」
ギルドマスターの部屋に行ってブラストベアの傷について話をする。
「そんなまさか……」
「信じられません……」
絶句するリンとミラ。
「ユルゲンも異常に気付いていたわ。彼は愛想よくしているけど、実際は何らかの意図でブラストベアを私達にけしかけていた。今後も関わり合うなら注意が必要よ」
その日は報酬を受け取ってホテルに帰る事に。
私達が戻るとホールにはエリオットが待っていた。
「ハルさん!」
「殿下、何故ここに?」
「フランシスに会ったと聞いて」
心配そうな顔で私を見ているエリオット。彼もフランシスの本質を理解しているのだろう、それで心配して様子を見に来てくれたのか。
「フランシス殿下は良い方ですね。とても紳士的でお優しい方です」
「それは……」
エリオットはフランシスのやり口を知っているのだろう。
しかし本当の事を言うか躊躇っていた。
それは私に失望させたくないからか、フランシスに遠慮しているのか。
「殿下、安心して下さいフランシス殿下の事はよく理解しているつもりです」
エリオットが私達を心配してきてくれた事には変わりはない。
今のエリオットは不器用だが一途な様だ。
「弟の事ですが、充分に気を付けてください。私のせいでハルさん達に何か仕掛けてくるかも知れません……」
「ええ、分かっています。知らせに来てくださってありがとうございました」
尚も心配そうにしているエリオット。
何だか子犬みたいね。
「殿下、こう見えても私はずっと長生きで、その人の本質を見抜く事ができるのです。先程は少し意地悪を言いました。ごめんなさい」
フランシスの事をよく言ってエリオットを試す様な事をしてしまった。彼は本心から私達の身を案じてくれているのを知って自分の行いを恥じた。
「いえ……分かっているなら良いのです。それと、今日ここに来たのはお願いがあって良いたのです」
「何でしょう?」
「父と、国王陛下と会っていただけないでしょうか?」
「それはどういった理由でしょうか?」
まさか結婚の話じゃないでしょうね?
「今後の事について……ああ!私とハルさんの事ではありません!その事もいずれ……ではなくて!大討伐の件をお聞きしたいそうです」
そのことなら騎士団が帰還してから話す事になるだろうが、他の派閥への対応を決める為に事前に知っておきたいのだろう。
「分かりました。明日の午前中でも宜しいですか?」
「ええ!陛下には伝えておきます。明日の朝迎えに参りますね!」
エリオットは嬉しそうに帰っていく。
一国の王子を伝言役に使ってしまっているけど良いのかしら。
「フランシス王子か……何か言われたか?」
「今度冒険者ギルドに仕事を依頼すると言っていました」
「討伐の手伝いだな。一緒に戻ってきたのなら明日にでも依頼が出されるだろう」
「殿下はよく依頼をされるのですか?」
「人手がいる時はな」
答えるブランは何故か不機嫌そうだ。
「フランシス殿下の事をどう思われているの?」
「誰にでも優しく丁寧、冒険者の中でも人気がある。俺は嫌いだな」
ホールの只中でハッキリとものを言えてしまうのはブランの性格故だろうが、彼の口にする評価の中に嫌う要素がない。
「気持ち悪いんだよ。人間らしくないっつーか……ハルはそう思わねえのか?」
「そうですね。気持ち悪くはありませんが好きにはなれません」
そうハッキリ言うと周りの皆が驚いていた。
「なんで?優しいし礼儀正しい良い人だよ?前のエリオット殿下とは大違いなのに」
芽依の言葉に一同が頷く。
やはり皆は何も気付いていない様だ。
「何かあったな?」
「ええ。みんなにも説明したいけど、ここでは話しにくい事だから場所を変えませんか?」
「分かった。俺の部屋に行くぞ」
ギルドマスターの部屋に行ってブラストベアの傷について話をする。
「そんなまさか……」
「信じられません……」
絶句するリンとミラ。
「ユルゲンも異常に気付いていたわ。彼は愛想よくしているけど、実際は何らかの意図でブラストベアを私達にけしかけていた。今後も関わり合うなら注意が必要よ」
その日は報酬を受け取ってホテルに帰る事に。
私達が戻るとホールにはエリオットが待っていた。
「ハルさん!」
「殿下、何故ここに?」
「フランシスに会ったと聞いて」
心配そうな顔で私を見ているエリオット。彼もフランシスの本質を理解しているのだろう、それで心配して様子を見に来てくれたのか。
「フランシス殿下は良い方ですね。とても紳士的でお優しい方です」
「それは……」
エリオットはフランシスのやり口を知っているのだろう。
しかし本当の事を言うか躊躇っていた。
それは私に失望させたくないからか、フランシスに遠慮しているのか。
「殿下、安心して下さいフランシス殿下の事はよく理解しているつもりです」
エリオットが私達を心配してきてくれた事には変わりはない。
今のエリオットは不器用だが一途な様だ。
「弟の事ですが、充分に気を付けてください。私のせいでハルさん達に何か仕掛けてくるかも知れません……」
「ええ、分かっています。知らせに来てくださってありがとうございました」
尚も心配そうにしているエリオット。
何だか子犬みたいね。
「殿下、こう見えても私はずっと長生きで、その人の本質を見抜く事ができるのです。先程は少し意地悪を言いました。ごめんなさい」
フランシスの事をよく言ってエリオットを試す様な事をしてしまった。彼は本心から私達の身を案じてくれているのを知って自分の行いを恥じた。
「いえ……分かっているなら良いのです。それと、今日ここに来たのはお願いがあって良いたのです」
「何でしょう?」
「父と、国王陛下と会っていただけないでしょうか?」
「それはどういった理由でしょうか?」
まさか結婚の話じゃないでしょうね?
「今後の事について……ああ!私とハルさんの事ではありません!その事もいずれ……ではなくて!大討伐の件をお聞きしたいそうです」
そのことなら騎士団が帰還してから話す事になるだろうが、他の派閥への対応を決める為に事前に知っておきたいのだろう。
「分かりました。明日の午前中でも宜しいですか?」
「ええ!陛下には伝えておきます。明日の朝迎えに参りますね!」
エリオットは嬉しそうに帰っていく。
一国の王子を伝言役に使ってしまっているけど良いのかしら。
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