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勇者
恒例行事
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頃合いになったので訓練場から出てリフィナの所へ行きセロの装備を受け取る。
「先程他の冒険者から大規模な魔物の討伐の仕事があると聞いたのですが」
「はい。今年は魔物の発生も多くないですので、ベテランには他の仕事に回ってもらい若手の育成に利用しようと思っています」
リフィナはギルドの方針を説明してくれた。
それなら私達にも仕事が回ってくる可能性があるわね。
「セロさん達のパーティは若手の、いえベテランを含めても戦闘力はかなり高いので、若手冒険者の処理しきれない魔物が現れたら対応してもらう立ち位置に入って貰いたいと思っています」
「もう依頼を受ける事になってるんですか?」
セロが大袈裟に驚きながら聞き返す。
「勿論参加されないなら他のパーティに役割をお任せしますよ」
「期間と報酬を聞かせてください」
やるかやらないかは条件次第よ。
「予定期間は三日後から七日間。食料等の物資は全てギルドから支給。報酬は一人当たり前金が一万エルズ、以降日当たり一万エルズ。終了時に五万エルズです。その他に魔物の討伐報酬が出ます」
確かに破格だ。例年よりも安全だろうと言われている今回は、楽して大金を得るチャンスなのだろう。
「魔物の種類は?」
「様々です。亜人系はゴブリン、オーク、コボルト。獣系ならフォレストウルフ、フォレストベア、ラージリザードくらいでしょうか」
厄介そうな魔物はいない様だ。
「受けていただけますか?」
リフィナに聞かれ全員の意思を確認すると、全員この仕事を受けたいと言うので、その場で引き受ける事に決めた。
「ありがとうございます。それではさっそく手続きをしてしまいましょう」
書類にサインをして前金を受け取る。
「まさか俺達がこの仕事を受けられるなんてな」
「ホントだね。ハルさん達のお陰かな?」
「そうですね。少し前の私達ではあり得ない事でした」
セロ達三人は前金の入った袋を見ながら話していた。
この街で冒険者をやっている者なら誰でも憧れる仕事なのだろう。
「お互い運が良かったのですよ」
私達は運良くマイの遺跡を発見した。だからセロは聖剣を持っているし、剣の関係で絡まれたり、私自身がトラブルの種になって高ランクの仕事をやる事になったりと、幸不幸関係なしに何一つ欠けても今の状況にはならなかったのではないだろうか。
だからこそ私達は運が良かったと言える。
「三日後の仕事開始まではのんびり過ごしましょう」
「そうだね。仕事の前に怪我をしたら元も子もないからね」
全員一致で三日間は静養する事に決めた。
☆★☆★☆★☆★
三日後。
私達は冒険者ギルドの用意した馬車に乗り迎撃地点の村へと向かっていた。
討伐の対象となるエリアはセイランの北東、ランド侯爵領にある森林地帯が対象で、王国騎士団が森林の東側から魔物の掃討を開始する。
私達は森林西部に点在する村に配置され、逃げて来た魔物を討伐する役割だ。
村はソリムド伯爵領との境界に程近く、街道程整備はされていないが道もある。
馬車に揺られて一日すれば村に到着するそうだ。
マイは初めての遠出にはしゃいでいて、エレも馬車に初めて乗って嬉しそうだった。
セイランからの冒険者は私達のパーティ以外に四パーティ選出されていた。
先日模擬戦を申し込んできたパーティもこの依頼に入る事が出来たらしく、出発の時に挨拶に来ていた。
その他だと、以前私が蹴散らしたパーティもいた。トーマスという糸目に眼鏡のギルド員が担当している連中だ。
彼らは私達を見かけても特に絡んでくる事はなく、むしろ避けている様だった。
済んだ事と水に流してくれていれば良いのだけど。
それからパーティではないがジェイドも参加していた。彼は私達のパーティに組み込まれている。
彼の様な偵察の技能持ちがいるのはとてもありがたい。何よりも知らぬ相手ではないから心強く思う。
一日掛かりの移動を経て私達は村に到着した。
「先程他の冒険者から大規模な魔物の討伐の仕事があると聞いたのですが」
「はい。今年は魔物の発生も多くないですので、ベテランには他の仕事に回ってもらい若手の育成に利用しようと思っています」
リフィナはギルドの方針を説明してくれた。
それなら私達にも仕事が回ってくる可能性があるわね。
「セロさん達のパーティは若手の、いえベテランを含めても戦闘力はかなり高いので、若手冒険者の処理しきれない魔物が現れたら対応してもらう立ち位置に入って貰いたいと思っています」
「もう依頼を受ける事になってるんですか?」
セロが大袈裟に驚きながら聞き返す。
「勿論参加されないなら他のパーティに役割をお任せしますよ」
「期間と報酬を聞かせてください」
やるかやらないかは条件次第よ。
「予定期間は三日後から七日間。食料等の物資は全てギルドから支給。報酬は一人当たり前金が一万エルズ、以降日当たり一万エルズ。終了時に五万エルズです。その他に魔物の討伐報酬が出ます」
確かに破格だ。例年よりも安全だろうと言われている今回は、楽して大金を得るチャンスなのだろう。
「魔物の種類は?」
「様々です。亜人系はゴブリン、オーク、コボルト。獣系ならフォレストウルフ、フォレストベア、ラージリザードくらいでしょうか」
厄介そうな魔物はいない様だ。
「受けていただけますか?」
リフィナに聞かれ全員の意思を確認すると、全員この仕事を受けたいと言うので、その場で引き受ける事に決めた。
「ありがとうございます。それではさっそく手続きをしてしまいましょう」
書類にサインをして前金を受け取る。
「まさか俺達がこの仕事を受けられるなんてな」
「ホントだね。ハルさん達のお陰かな?」
「そうですね。少し前の私達ではあり得ない事でした」
セロ達三人は前金の入った袋を見ながら話していた。
この街で冒険者をやっている者なら誰でも憧れる仕事なのだろう。
「お互い運が良かったのですよ」
私達は運良くマイの遺跡を発見した。だからセロは聖剣を持っているし、剣の関係で絡まれたり、私自身がトラブルの種になって高ランクの仕事をやる事になったりと、幸不幸関係なしに何一つ欠けても今の状況にはならなかったのではないだろうか。
だからこそ私達は運が良かったと言える。
「三日後の仕事開始まではのんびり過ごしましょう」
「そうだね。仕事の前に怪我をしたら元も子もないからね」
全員一致で三日間は静養する事に決めた。
☆★☆★☆★☆★
三日後。
私達は冒険者ギルドの用意した馬車に乗り迎撃地点の村へと向かっていた。
討伐の対象となるエリアはセイランの北東、ランド侯爵領にある森林地帯が対象で、王国騎士団が森林の東側から魔物の掃討を開始する。
私達は森林西部に点在する村に配置され、逃げて来た魔物を討伐する役割だ。
村はソリムド伯爵領との境界に程近く、街道程整備はされていないが道もある。
馬車に揺られて一日すれば村に到着するそうだ。
マイは初めての遠出にはしゃいでいて、エレも馬車に初めて乗って嬉しそうだった。
セイランからの冒険者は私達のパーティ以外に四パーティ選出されていた。
先日模擬戦を申し込んできたパーティもこの依頼に入る事が出来たらしく、出発の時に挨拶に来ていた。
その他だと、以前私が蹴散らしたパーティもいた。トーマスという糸目に眼鏡のギルド員が担当している連中だ。
彼らは私達を見かけても特に絡んでくる事はなく、むしろ避けている様だった。
済んだ事と水に流してくれていれば良いのだけど。
それからパーティではないがジェイドも参加していた。彼は私達のパーティに組み込まれている。
彼の様な偵察の技能持ちがいるのはとてもありがたい。何よりも知らぬ相手ではないから心強く思う。
一日掛かりの移動を経て私達は村に到着した。
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