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破壊と再生
兆し
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私が生み出した小さな芽は少しずつだけど泉の猛毒を吸収していく。
後で悪影響が出るかも知れないと心配して、《効果合成》で《耐性》を付与した。
少しでもこの子が丈夫に育つように。
それから、うっかりしていたけど突然変異で獲得した能力を使うには付与力を消費するみたいだ。
水を出すのにも1使っていたみたいだから当然と言えば当然か。
効果の一覧を見易いように並べ直しておいた。
成分複製 [10]
進化 [100]
超回復 [100]
耐性 [50]
拡散 [100]
気候変動 [1000]
気化 [50]
逆転 [300]
植物生成 [5]
効果合成 [500]
汚染吸収 [200]
移動範囲拡大には消費付与力がなかった。
タダで使えるということかしら。
『ねぇ、お母さん。』
「なあに?」
小さな若芽の前にしゃがんで聞き返す。
この子は私の事をお母さんと呼んでくれる。私もこの子に答えてあげられるお母さんであろうと思う。
『僕に名前をちょうだい。』
「そうね。どんなのがいい?」
『お母さんが付けてくれるなら何でもいいよ!』
「分かったわ。いい名前を考えましょうね。」
この子には元気に大きく育ってほしい。
いつかこの世界が緑に溢れ、風にたなびく光景が見られる事を願って、名前をつけよう。
「あなたは颯太よ。」
『ソータ?』
「ええ。この世界を一緒に作っていきましょうね。」
『うん!ありがとうお母さん!』
颯太は順調に泉とそのまわりの土の放射能を吸収していった。
月日は流れていく。
でも今度は寂しくなかった。
颯太が一緒にいてくれるから。
颯太には色々な話をした。私が元いた世界の事、神様の事、シグルーンの事。私の力の事。
私が話す事を楽しそうに、興味深そうに聞いてくれていた。
颯太は私の背丈位の高さまで育っていた。私の姿はそんなに変わっていない。少しだけ背が伸びたかな?
『お母さん、この世界を直すには僕の力じゃ足らないよ。』
心配そうに颯太が言ってくる。
この子には人の姿が無いから表情から感情を読み取る事はできない。その分、口調で分かりやすく感情を表現してくれていた。
本当、賢い子ね。
「そうね。でも無理しなくていいのよ。時間はいっぱいあるから、ゆっくりやっていきましょう。」
『そうだね!でも、やれる事は増やした方が絶対いいよ!突然変異で能力を増やしてみようよ。』
確かに颯太の言う通りだ。
付与力はあれからほとんど使っていないし、貯まり続けている。
何が出るか……?
出てきたのは《効果固定化》だった。
『泉に他の能力を固定付与できるんじゃない?スゴいよお母さん!』
「それなら本当に凄いわね。試してみましょう。」
《効果固定化》の消費付与力は固定化する能力の消費付与力の1000倍らしい。
あと《成分複製》、《気候変動》、《気化》、《逆転》、《効果合成》、《移動範囲拡大》は固定化できないみたい。
『付与力に余裕があるなら《汚染除去》と《超回復》と《進化》と《耐性》は固定化しちゃおうよ。僕は泉から栄養を貰ってるからきっとスゴい効果が出ると思うよ!』
「そうね。やってみましょう。」
《汚染除去》は効果が薄いけど、固定化しておけばいずれは猛毒も無くなるだろう。これでこの世界の回復の兆しが見えてきたかもしれない。
颯太は頭の回転が早い。私が考えるよりずっと早くに良い事を思い付く。
子供や孫達を思い出すわ。
「《植物生成》はどうかしら?」
『んー……まだやめておいた方がいいかも。周りの毒がもう少し無くなってからの方が確実かな。』
「分かったわ。」
地道にやり続ければいつかはきっとこの世界を回復できる。僅かだけど自信が出てきた。
颯太ないればどれだけ時間が掛かっても成し遂げられると思えるようになった。
「私はもう一人じゃないわ、シグルーン。」
形見の爪を抱きしめながら微笑んだ。
後で悪影響が出るかも知れないと心配して、《効果合成》で《耐性》を付与した。
少しでもこの子が丈夫に育つように。
それから、うっかりしていたけど突然変異で獲得した能力を使うには付与力を消費するみたいだ。
水を出すのにも1使っていたみたいだから当然と言えば当然か。
効果の一覧を見易いように並べ直しておいた。
成分複製 [10]
進化 [100]
超回復 [100]
耐性 [50]
拡散 [100]
気候変動 [1000]
気化 [50]
逆転 [300]
植物生成 [5]
効果合成 [500]
汚染吸収 [200]
移動範囲拡大には消費付与力がなかった。
タダで使えるということかしら。
『ねぇ、お母さん。』
「なあに?」
小さな若芽の前にしゃがんで聞き返す。
この子は私の事をお母さんと呼んでくれる。私もこの子に答えてあげられるお母さんであろうと思う。
『僕に名前をちょうだい。』
「そうね。どんなのがいい?」
『お母さんが付けてくれるなら何でもいいよ!』
「分かったわ。いい名前を考えましょうね。」
この子には元気に大きく育ってほしい。
いつかこの世界が緑に溢れ、風にたなびく光景が見られる事を願って、名前をつけよう。
「あなたは颯太よ。」
『ソータ?』
「ええ。この世界を一緒に作っていきましょうね。」
『うん!ありがとうお母さん!』
颯太は順調に泉とそのまわりの土の放射能を吸収していった。
月日は流れていく。
でも今度は寂しくなかった。
颯太が一緒にいてくれるから。
颯太には色々な話をした。私が元いた世界の事、神様の事、シグルーンの事。私の力の事。
私が話す事を楽しそうに、興味深そうに聞いてくれていた。
颯太は私の背丈位の高さまで育っていた。私の姿はそんなに変わっていない。少しだけ背が伸びたかな?
『お母さん、この世界を直すには僕の力じゃ足らないよ。』
心配そうに颯太が言ってくる。
この子には人の姿が無いから表情から感情を読み取る事はできない。その分、口調で分かりやすく感情を表現してくれていた。
本当、賢い子ね。
「そうね。でも無理しなくていいのよ。時間はいっぱいあるから、ゆっくりやっていきましょう。」
『そうだね!でも、やれる事は増やした方が絶対いいよ!突然変異で能力を増やしてみようよ。』
確かに颯太の言う通りだ。
付与力はあれからほとんど使っていないし、貯まり続けている。
何が出るか……?
出てきたのは《効果固定化》だった。
『泉に他の能力を固定付与できるんじゃない?スゴいよお母さん!』
「それなら本当に凄いわね。試してみましょう。」
《効果固定化》の消費付与力は固定化する能力の消費付与力の1000倍らしい。
あと《成分複製》、《気候変動》、《気化》、《逆転》、《効果合成》、《移動範囲拡大》は固定化できないみたい。
『付与力に余裕があるなら《汚染除去》と《超回復》と《進化》と《耐性》は固定化しちゃおうよ。僕は泉から栄養を貰ってるからきっとスゴい効果が出ると思うよ!』
「そうね。やってみましょう。」
《汚染除去》は効果が薄いけど、固定化しておけばいずれは猛毒も無くなるだろう。これでこの世界の回復の兆しが見えてきたかもしれない。
颯太は頭の回転が早い。私が考えるよりずっと早くに良い事を思い付く。
子供や孫達を思い出すわ。
「《植物生成》はどうかしら?」
『んー……まだやめておいた方がいいかも。周りの毒がもう少し無くなってからの方が確実かな。』
「分かったわ。」
地道にやり続ければいつかはきっとこの世界を回復できる。僅かだけど自信が出てきた。
颯太ないればどれだけ時間が掛かっても成し遂げられると思えるようになった。
「私はもう一人じゃないわ、シグルーン。」
形見の爪を抱きしめながら微笑んだ。
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