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夢の終わりなんて、俺は嫌いだ。
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……目の前が、夕焼けのような明るい光に包まれる。俺はその道と思われるものを、一直線に進んでいた。あぁ、これがあの世への道か。本当に死んでしまったんだな、俺は。
「あれ……?」
道を歩いていると、昨日ヤジロウと虹を見た場所へたどり着く。あの世への道は突然どこかに行ってしまったが、最後に感動した景色をもう一度見ることができた。空は綺麗なオレンジ色で、夕日が後ろから俺を照らしている。映る影は二つ、俺と────
「ヤジロウ……?」
「悪いな、俺はここだ」
ニカッと笑う、少年の笑顔。間違いない、ヤジロウだ。俺の隣には、間違いなくずっと探していたヤジロウがいる。
「……ってことは、ヤジロウも死んでしまったのか……」
俺はヤジロウを助けるために走っていたはずなのに、気づけばお互いにお陀仏だ。悲しい気がしたが、俺はそんなことはないなと、首を横に振る。
「……いいや、運命を変えられたことにこそ価値がある。未来を見てしまったなら、やっぱり変えたくなるのが人間だな」
俺はそう言って笑顔になっていた。顔の筋肉が、やけに緩む。心の底から、満足して笑えている気がする。そうだ、だからこそ、俺の人生に悔いはない。今まで失い続けていたんだ、自分を失ってでも何かを守れるなら、それだけで幸せだ。
だが……一方ヤジロウは白けた顔をしている。何が面白くないのか、俺にはわからない。
「全く……これが兄ちゃんの子孫か。あの時の俺を瓜二つすぎて、なんだか運命感じるわー、白けるわー」
「兄ちゃん……?」
彼の言うことに、一瞬頭が追い付かなくなる。だが、ヤジロウは話を続けた。
「最初に言っとくけどさ、俺ってもう何百年も前に死んでるのよ」
「……は? 待て待て、ならその恰好は何だよ。死んでいるなら、消えるとかその……」
言葉がうまく思いつかないが、脳裏に浮かんだのはあの美奈子のことだ。死んだ人間を現世に引き戻す……実体を持つことはできるが、長時間いることは叶わなかった。
……ではそれをやったのが当の本人だったとすれば、まさか……
「おい……お前だったのか。俺の思いをたどって、美奈子をこっちに呼び戻したのは!」
「そうそう、そういうこと。この町で祀られた神様……みたいなもんだからこそできるんだぜ。だが、赤の他人の場合はほんの数分、血縁なら半日……俺そのものなら3日」
なら3日間だけ俺と遊ぼうと言ったのには、納得がいく。だが、それ以上に……目の前にいる彼が、もうすでに死んでいたことに、ショックを隠せない。
「なら……お前と3日より先には、最初から行けなかったんだな」
「そうだな、なんだか悪いな。俺を助けるために、命を捨てる覚悟で来たってのに」
「あぁ、本当……拍子抜けだよ」
暗い顔をするヤジロウを見て、俺は思わず大声で笑ってしまった。ヤジロウは怒っているのか、白目をむいて俺を睨んでくる、それでもなんだか、こみ上げる楽しさに……俺は笑いが止まらなかった。
「なんだよ、何がおかしいんだよお前。死んじまったんだぜ?」
「……はははっ……はぁ、いいんだよ、これで友達と同じ場所だ。ヤジロウとはいつでも遊べるし、あの世には母さんだって、美奈子だっている」
死んだって、俺は友達のいる世界に行くだけだ。この町に来る前は、行きたがってた世界じゃないか。
「あー! ダメだダメ、お前はこっちに来ちゃいけねぇよ」
「なんでだよ、俺死んだんだろ?」
「違う違う、このまま俺と一緒にいるってことは、この町に永遠に縛り付けられるってことだ。俺みたいに、英雄として祀られ、あの世に行くことなんて叶わない。死んだ人に会うこともできないし、生きている人を見送ることしかできないんだ」
────お前がここにとどまり続けることは、永遠の地獄を意味しているんだぞ。
だが、今の俺に、凍る背筋はもうなかった。それでも俺は、笑顔でい続ける。
「それも、世界の見方としては悪くないかもな。美奈子には悪いけど……でも、父さんたちを見守っていけるんだろ? 助けた人たちのその後を、見ることができるんだろ?」
「……全く、光輝。それって、英雄になったばかりの俺を思い出して、すげぇ嫌なんだけど。本当にそっくりだな、自分の子孫じゃないけど似るもんだ────運命と血筋に選ばれた、新時代の英雄は」
真剣なヤジロウの顔に、俺の顔からも笑顔が消える。永遠の時をこの地で過ごすという重みを、彼は知っている。それは、つまらなく、面白みのない、上に大変なことだと……正常な精神ではいられないことを、俺は理解してしまう。走馬灯のような一瞬だったが、見えた未来がそう告げていた。
「……過去だけじゃなく、ずっと先の未来まで見え始めたか。やっぱり、お前はこの町の英雄として選ばれつつある。そんな苦しみ、俺以外には必要ないんだ。完全になり切る前に、俺がそれを断ち切ってやるよ」
すると、ヤジロウの体が温かい光に包まれる。それはどこか太陽のようで、神のような神々しささえ感じた……
「ヤジロウ、何を……?」
「お前を肉体に戻す。神に与えられた、すべての力を使って……いいや、足りない。俺の未来視、過去視を使って……」
「生き返るのか……俺は」
「あぁ、死ってもんは、簡単に覆るもんじゃねぇ。ましてや、運命によって決められた、英雄になるための死なんてなおさらだ。だからこそ、俺の魂すべてを……燃やしきる!!!」
────燃やしきる? すべての力? それって……!
「待てよヤジロウ、それって「完全に消える」ってことじゃないか?」
「さぁね、やったことないから、どうだか。だがどうせ、はるか昔の死者なんだ……消えたとしても、あるべき場所へ帰るだけだよ」
「……嫌だよ、そんなの嫌に決まってるだろ! 友達に、もう永遠に会えないのかよ……そんなの、また失うことと一緒だ。俺はそんなの大嫌いだ、もう失うのなんてこりごりだ、だからやめてくれ……」
────大切な人を失うなんて、もううんざりなんだよ!!
心の底から叫ぶ。だが太陽のような光は、さらに輝きを増している。それは……俺が生きるという希望の光であると同時に、友達を失う絶望の光だった。
「光輝、お前との3日間は、今までで一番楽しかった。正直、お前とは会いたくなかったんだよ。お前が死ぬ未来は見えてたんだ。でも……こんな楽しい3日間だったなんて、そんな未来は見えなかったんだ。だからこそ、余計に楽しかった。余計に愛着がわくとも」
「……俺だって、お前と一緒にいるのは楽しかったよ! お前にいろいろ教えてもらった。ヤジロウがいてくれなかったら、俺は過去を受け入れることなんてできなかったんだ。だから……消えないでくれよ。また会えるって約束してくれよ!」
この3日間が、俺の頭の中で駆け巡る。それは唐突で、嫌いで、嫌で────でも、初めてで、楽しくて、救われた。
ヤジロウが俺の人生を変えてくれたんだ。誰かの命を救おうという勇気に繋がった。だから、ヤジロウとの出会いには、大きな意味があったんだ。
「お前は今、俺と出会ったことに最大の意味を見出したなぁ? ならば、俺が言えることは一つ。それを生きて繋ぐんだ。お前のその勇気を────優しさという才能を、未来につなげるんだ!」
「────優しさが、才能────?」
光はさらに強くなり、周りの景色は光の中に消えていく。ヤジロウがどんどん遠くに離れていくような気がした。繋ぎとめたくて、俺は手を伸ばす。すると、人の手のような温かさが、俺の手を握り返した。
「ヤジロウ……!」
「ここに、目標は達成ってことよ────お前の心は救われた。お前はこれから、たくさんの世界を見ていく。そうだな、そこに美奈子ちゃんだけじゃなく、俺も連れてってくれよ……!」
「……当たり前だ。お前が見ることが叶わなかったこの町の外を、俺の目を通して見せてやる。だから────」
「消えるな、行くな? さぁね、どうだか。あぁ、じゃあ……最後に聞かせてくれ」
温かさが、次第に遠のいていく。オレンジ色の世界が、次第に色を失っていく。夢のような3日間の終わりだ、ヤジロウから俺は勝手に引き離されていく。
「なぁ、光輝。俺はちゃんと英雄だったか?」
次第に暗くなっていく世界。遠のいていく、その光に向かって、俺は声を振り絞って叫ぶ。信じたくはない、嫌だ、嫌いだとも。でも、これがヤジロウとの別れだ。でも俺は彼を信じ続ける。だって彼は、消えるなんて一言も言っていないんだから!
「あぁ、もちろん。最高の────夏休みヒーローだとも!」
────それが大きな過去と、俺が行く未来を分かつ、最後の言葉だった。次第に見えなくなっていく景色、重たくなっていく体。現実というものがすぐそばに迫っていた。
「あぁ……夢のような3日間の、終わりか」
「あれ……?」
道を歩いていると、昨日ヤジロウと虹を見た場所へたどり着く。あの世への道は突然どこかに行ってしまったが、最後に感動した景色をもう一度見ることができた。空は綺麗なオレンジ色で、夕日が後ろから俺を照らしている。映る影は二つ、俺と────
「ヤジロウ……?」
「悪いな、俺はここだ」
ニカッと笑う、少年の笑顔。間違いない、ヤジロウだ。俺の隣には、間違いなくずっと探していたヤジロウがいる。
「……ってことは、ヤジロウも死んでしまったのか……」
俺はヤジロウを助けるために走っていたはずなのに、気づけばお互いにお陀仏だ。悲しい気がしたが、俺はそんなことはないなと、首を横に振る。
「……いいや、運命を変えられたことにこそ価値がある。未来を見てしまったなら、やっぱり変えたくなるのが人間だな」
俺はそう言って笑顔になっていた。顔の筋肉が、やけに緩む。心の底から、満足して笑えている気がする。そうだ、だからこそ、俺の人生に悔いはない。今まで失い続けていたんだ、自分を失ってでも何かを守れるなら、それだけで幸せだ。
だが……一方ヤジロウは白けた顔をしている。何が面白くないのか、俺にはわからない。
「全く……これが兄ちゃんの子孫か。あの時の俺を瓜二つすぎて、なんだか運命感じるわー、白けるわー」
「兄ちゃん……?」
彼の言うことに、一瞬頭が追い付かなくなる。だが、ヤジロウは話を続けた。
「最初に言っとくけどさ、俺ってもう何百年も前に死んでるのよ」
「……は? 待て待て、ならその恰好は何だよ。死んでいるなら、消えるとかその……」
言葉がうまく思いつかないが、脳裏に浮かんだのはあの美奈子のことだ。死んだ人間を現世に引き戻す……実体を持つことはできるが、長時間いることは叶わなかった。
……ではそれをやったのが当の本人だったとすれば、まさか……
「おい……お前だったのか。俺の思いをたどって、美奈子をこっちに呼び戻したのは!」
「そうそう、そういうこと。この町で祀られた神様……みたいなもんだからこそできるんだぜ。だが、赤の他人の場合はほんの数分、血縁なら半日……俺そのものなら3日」
なら3日間だけ俺と遊ぼうと言ったのには、納得がいく。だが、それ以上に……目の前にいる彼が、もうすでに死んでいたことに、ショックを隠せない。
「なら……お前と3日より先には、最初から行けなかったんだな」
「そうだな、なんだか悪いな。俺を助けるために、命を捨てる覚悟で来たってのに」
「あぁ、本当……拍子抜けだよ」
暗い顔をするヤジロウを見て、俺は思わず大声で笑ってしまった。ヤジロウは怒っているのか、白目をむいて俺を睨んでくる、それでもなんだか、こみ上げる楽しさに……俺は笑いが止まらなかった。
「なんだよ、何がおかしいんだよお前。死んじまったんだぜ?」
「……はははっ……はぁ、いいんだよ、これで友達と同じ場所だ。ヤジロウとはいつでも遊べるし、あの世には母さんだって、美奈子だっている」
死んだって、俺は友達のいる世界に行くだけだ。この町に来る前は、行きたがってた世界じゃないか。
「あー! ダメだダメ、お前はこっちに来ちゃいけねぇよ」
「なんでだよ、俺死んだんだろ?」
「違う違う、このまま俺と一緒にいるってことは、この町に永遠に縛り付けられるってことだ。俺みたいに、英雄として祀られ、あの世に行くことなんて叶わない。死んだ人に会うこともできないし、生きている人を見送ることしかできないんだ」
────お前がここにとどまり続けることは、永遠の地獄を意味しているんだぞ。
だが、今の俺に、凍る背筋はもうなかった。それでも俺は、笑顔でい続ける。
「それも、世界の見方としては悪くないかもな。美奈子には悪いけど……でも、父さんたちを見守っていけるんだろ? 助けた人たちのその後を、見ることができるんだろ?」
「……全く、光輝。それって、英雄になったばかりの俺を思い出して、すげぇ嫌なんだけど。本当にそっくりだな、自分の子孫じゃないけど似るもんだ────運命と血筋に選ばれた、新時代の英雄は」
真剣なヤジロウの顔に、俺の顔からも笑顔が消える。永遠の時をこの地で過ごすという重みを、彼は知っている。それは、つまらなく、面白みのない、上に大変なことだと……正常な精神ではいられないことを、俺は理解してしまう。走馬灯のような一瞬だったが、見えた未来がそう告げていた。
「……過去だけじゃなく、ずっと先の未来まで見え始めたか。やっぱり、お前はこの町の英雄として選ばれつつある。そんな苦しみ、俺以外には必要ないんだ。完全になり切る前に、俺がそれを断ち切ってやるよ」
すると、ヤジロウの体が温かい光に包まれる。それはどこか太陽のようで、神のような神々しささえ感じた……
「ヤジロウ、何を……?」
「お前を肉体に戻す。神に与えられた、すべての力を使って……いいや、足りない。俺の未来視、過去視を使って……」
「生き返るのか……俺は」
「あぁ、死ってもんは、簡単に覆るもんじゃねぇ。ましてや、運命によって決められた、英雄になるための死なんてなおさらだ。だからこそ、俺の魂すべてを……燃やしきる!!!」
────燃やしきる? すべての力? それって……!
「待てよヤジロウ、それって「完全に消える」ってことじゃないか?」
「さぁね、やったことないから、どうだか。だがどうせ、はるか昔の死者なんだ……消えたとしても、あるべき場所へ帰るだけだよ」
「……嫌だよ、そんなの嫌に決まってるだろ! 友達に、もう永遠に会えないのかよ……そんなの、また失うことと一緒だ。俺はそんなの大嫌いだ、もう失うのなんてこりごりだ、だからやめてくれ……」
────大切な人を失うなんて、もううんざりなんだよ!!
心の底から叫ぶ。だが太陽のような光は、さらに輝きを増している。それは……俺が生きるという希望の光であると同時に、友達を失う絶望の光だった。
「光輝、お前との3日間は、今までで一番楽しかった。正直、お前とは会いたくなかったんだよ。お前が死ぬ未来は見えてたんだ。でも……こんな楽しい3日間だったなんて、そんな未来は見えなかったんだ。だからこそ、余計に楽しかった。余計に愛着がわくとも」
「……俺だって、お前と一緒にいるのは楽しかったよ! お前にいろいろ教えてもらった。ヤジロウがいてくれなかったら、俺は過去を受け入れることなんてできなかったんだ。だから……消えないでくれよ。また会えるって約束してくれよ!」
この3日間が、俺の頭の中で駆け巡る。それは唐突で、嫌いで、嫌で────でも、初めてで、楽しくて、救われた。
ヤジロウが俺の人生を変えてくれたんだ。誰かの命を救おうという勇気に繋がった。だから、ヤジロウとの出会いには、大きな意味があったんだ。
「お前は今、俺と出会ったことに最大の意味を見出したなぁ? ならば、俺が言えることは一つ。それを生きて繋ぐんだ。お前のその勇気を────優しさという才能を、未来につなげるんだ!」
「────優しさが、才能────?」
光はさらに強くなり、周りの景色は光の中に消えていく。ヤジロウがどんどん遠くに離れていくような気がした。繋ぎとめたくて、俺は手を伸ばす。すると、人の手のような温かさが、俺の手を握り返した。
「ヤジロウ……!」
「ここに、目標は達成ってことよ────お前の心は救われた。お前はこれから、たくさんの世界を見ていく。そうだな、そこに美奈子ちゃんだけじゃなく、俺も連れてってくれよ……!」
「……当たり前だ。お前が見ることが叶わなかったこの町の外を、俺の目を通して見せてやる。だから────」
「消えるな、行くな? さぁね、どうだか。あぁ、じゃあ……最後に聞かせてくれ」
温かさが、次第に遠のいていく。オレンジ色の世界が、次第に色を失っていく。夢のような3日間の終わりだ、ヤジロウから俺は勝手に引き離されていく。
「なぁ、光輝。俺はちゃんと英雄だったか?」
次第に暗くなっていく世界。遠のいていく、その光に向かって、俺は声を振り絞って叫ぶ。信じたくはない、嫌だ、嫌いだとも。でも、これがヤジロウとの別れだ。でも俺は彼を信じ続ける。だって彼は、消えるなんて一言も言っていないんだから!
「あぁ、もちろん。最高の────夏休みヒーローだとも!」
────それが大きな過去と、俺が行く未来を分かつ、最後の言葉だった。次第に見えなくなっていく景色、重たくなっていく体。現実というものがすぐそばに迫っていた。
「あぁ……夢のような3日間の、終わりか」
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