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第38話 夏休みの楽しい家族計画。親が頑張れば子も頑張るもんだよ! その9
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なんとか水着も買えた。
あと適当にモールの中をみんなでぶらぶらと歩きながら、ウインドショッピング。
小腹がすいたからクレープも食べちゃう私達。で、この期に及んで尚子さんと友香ねぇさんは「ええっとなんかものすごいねぇ――、クリームの量! 私達は珈琲で十分だよ」と実際太るのを気にして食べないでいるのがバレバレ。でもなんだろう友香ねぇさんの熱い視線に負けて「一口食べてみる?」と誘うと。
「え、いいのぉ?」と誘いに乗る。
本当はさ、こういうの私よりもだだだ大好きなんだよねぇ――。
あむっと、クレープを口にほおばると「ん――――、おいちぃ!!」と顔をにまぁーとさせる。
「もう友香ったら、相変わらずね。やせ我慢しないで、あんたも食べればよかったじゃない」
「ええ、でもぉ―ねぇ―」
「何そのかまととぶりは? ああ、もしかして沙奈枝ちゃんに対抗心?」
「別にぃ―そんなわけじゃないんだけどぉ」
「ふぅ―ん、そうなんだ。でもさぁ、最近沙奈枝ちゃんあなたにほんと似てきたわよねぇ。まるで姉妹みたい」
「そうなのよ。ほんとにもう、男の趣味まで似ちゃうんなんてねぇ。ああ、でも、そんなもんなのかなぁ―」
「ま、あの子たちがちょっと特別なだけじゃないの? それに私達もちょっと特別なだけ」
「あははは、ちょっとねぇ―、ちょっとだよねぇ―」
「そうそうちょっとよ、ちょっと」
て、なんかものすごく都合のいいこと言っている二人の会話を耳にしながら、ふと思った。
これからこの二人も自分の夫とは違う人の子を宿すんだ。その気持ちっていうかさ、どう思っているんだろうかと。そうして欲しいという思いがあるのに、なぜかそうであってはいけないような気持にもなる。でも、私自身がもし、そう言うことになったら、どう思うのか。
今考えただけじゃ、答えは見つからなさそうだ。
なんか複雑な思いがよぎる。
でも、私はパパの子が欲しいのは変わりはない。
ああ、何か神様の意思に私たちは反して、重大な罪を犯そうとしているような気になる。
もう、なんでそんなこと考えちゃったんだろうね。
やめやめ、そんな後ろめいた考えをするのは。前進あるのみ――――だよ。
それから私たちは現地解散。
家に近づくにつれ、また友香ねぇさんの表情が憂鬱そうになる。
「ねぇ、そんなに大変だったらやめたら? 家庭教師」
「う、うん。やっぱ難しいよねぇ。これで、結果が出なければなんか私から授業受けた生徒さんたち可哀そうだよね」
「そ、そこまでは言っていないんだけど、友香ねぇさんが大変そうだからだよ」
「はぁ―」とため息をする友香ねぇさん。そして、家のすぐ近くまで来ると、入り口のあたりでじっ――――っと家の玄関を見つめる子がいた。
夏服制服を着た。女子高生くらいの……って、あ、あの人!
そうだ、駅で私をなんか見つめていた女子高生。
な、なんで? もしかしてストーカー?
私なんかしたっけ? ストーカーされるようなこと……したのかなぁ――。
そぉ――っとその子に近づいて。
「あのぉ―、うちに何か御用ですか? と声をかけた。
ビクっ!
と背すじを伸ばして、驚いたように私の方を見つめる女子高生。
「あの、あの……わ、私……」
「あれぇ―、もしかして、加奈子ちゃん?」
へっ? 加奈子ちゃんって?
一瞬にして幼いころの記憶がよみがえる。
あと適当にモールの中をみんなでぶらぶらと歩きながら、ウインドショッピング。
小腹がすいたからクレープも食べちゃう私達。で、この期に及んで尚子さんと友香ねぇさんは「ええっとなんかものすごいねぇ――、クリームの量! 私達は珈琲で十分だよ」と実際太るのを気にして食べないでいるのがバレバレ。でもなんだろう友香ねぇさんの熱い視線に負けて「一口食べてみる?」と誘うと。
「え、いいのぉ?」と誘いに乗る。
本当はさ、こういうの私よりもだだだ大好きなんだよねぇ――。
あむっと、クレープを口にほおばると「ん――――、おいちぃ!!」と顔をにまぁーとさせる。
「もう友香ったら、相変わらずね。やせ我慢しないで、あんたも食べればよかったじゃない」
「ええ、でもぉ―ねぇ―」
「何そのかまととぶりは? ああ、もしかして沙奈枝ちゃんに対抗心?」
「別にぃ―そんなわけじゃないんだけどぉ」
「ふぅ―ん、そうなんだ。でもさぁ、最近沙奈枝ちゃんあなたにほんと似てきたわよねぇ。まるで姉妹みたい」
「そうなのよ。ほんとにもう、男の趣味まで似ちゃうんなんてねぇ。ああ、でも、そんなもんなのかなぁ―」
「ま、あの子たちがちょっと特別なだけじゃないの? それに私達もちょっと特別なだけ」
「あははは、ちょっとねぇ―、ちょっとだよねぇ―」
「そうそうちょっとよ、ちょっと」
て、なんかものすごく都合のいいこと言っている二人の会話を耳にしながら、ふと思った。
これからこの二人も自分の夫とは違う人の子を宿すんだ。その気持ちっていうかさ、どう思っているんだろうかと。そうして欲しいという思いがあるのに、なぜかそうであってはいけないような気持にもなる。でも、私自身がもし、そう言うことになったら、どう思うのか。
今考えただけじゃ、答えは見つからなさそうだ。
なんか複雑な思いがよぎる。
でも、私はパパの子が欲しいのは変わりはない。
ああ、何か神様の意思に私たちは反して、重大な罪を犯そうとしているような気になる。
もう、なんでそんなこと考えちゃったんだろうね。
やめやめ、そんな後ろめいた考えをするのは。前進あるのみ――――だよ。
それから私たちは現地解散。
家に近づくにつれ、また友香ねぇさんの表情が憂鬱そうになる。
「ねぇ、そんなに大変だったらやめたら? 家庭教師」
「う、うん。やっぱ難しいよねぇ。これで、結果が出なければなんか私から授業受けた生徒さんたち可哀そうだよね」
「そ、そこまでは言っていないんだけど、友香ねぇさんが大変そうだからだよ」
「はぁ―」とため息をする友香ねぇさん。そして、家のすぐ近くまで来ると、入り口のあたりでじっ――――っと家の玄関を見つめる子がいた。
夏服制服を着た。女子高生くらいの……って、あ、あの人!
そうだ、駅で私をなんか見つめていた女子高生。
な、なんで? もしかしてストーカー?
私なんかしたっけ? ストーカーされるようなこと……したのかなぁ――。
そぉ――っとその子に近づいて。
「あのぉ―、うちに何か御用ですか? と声をかけた。
ビクっ!
と背すじを伸ばして、驚いたように私の方を見つめる女子高生。
「あの、あの……わ、私……」
「あれぇ―、もしかして、加奈子ちゃん?」
へっ? 加奈子ちゃんって?
一瞬にして幼いころの記憶がよみがえる。
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