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第17話 3家族サークル その1
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その話は降って湧いたようにして出てきた。
「はぁ~、海行きたいねぇ」
「はいィ? 何よいきなり沙奈枝、そんなこと言って」
「いやぁ何ねぇ、この前さぁ、パパとモールに出かけた時になんか気になるていうか、よさげな水着見つけちゃってさぁ」
「パパに買ってもらったの?」
「あははは、美奈子、よくわかるねぇ」
「なんとなく」
「あああ、もしかして沙奈枝のパパさん、それ沙奈枝に着させてプレイしようなんて……」
「ちょっと待て朋絵! おニューの水着でそんなことはしないぞぉ! スク水だったらいいけど」
「スク水だったら? そっちの方がなんかエロイわぁ。そう言うのもやってんだ朋絵んとこは」
「えへへへへ」照れ笑いする朋絵。顔がちょっと赤い。
私がきょとんとしてると。
そのすきに朋絵がひょいと私のお弁当箱から卵焼きをつまんで口に「あむっ!」とほおばった。
「ああああ、この甘い卵焼きとっても美味しい。さすが沙奈枝のお母さんが作る卵焼きはいつの絶品ですなぁ」
「ああ朋絵、私の卵焼きぃ―。最後のお楽しみに取っておいたのにぃ」
「ごちそうさまでした」
「もう――――!!」ちょっとぷんとした顔をすると
「はい、アーんして」美奈子が自分のお弁当箱から、卵焼きをつまんで私の方に差し出した。
「あむっ」と、その卵焼きを口にする。
「美味しいい!! 美味しいよう美奈子」
「はいはい、それはようございました。私が作った卵焼きですけど、お口に合ったみたいで」
「へぇ、美奈子が作ったんだこの卵焼き。上手!」
「そうかなぁ。普通だと思うんだけど。でも料理は好きだから。……お父さんに食べてもらえると思うとうれしくて沢山作っやうのが困り者だね。この前もお母さんから、今日は何の日? なんて言われちゃった」
はぁ、美奈子はほんとお父さんラブだよねぇ。
まぁこの前の朋絵のお父さんとのことは聞いたけど、それ以来なんか前よりラブ度上がってんじゃないの?
「でさぁ、海いきたいぁ―いって言うけどさぁ。私達のお小遣いで行ける?」
「ひぇ―、現実をたたきつけないでよ美奈子。無理無理。いけるわけないじゃん」
「だったらまた稼ぐ? ”あれで”」
「あれって、あれでしょ。う―――――ん」と、考えてみたものの、”あれ”って援助交際のことで、ちょっと怖い目にあってたし、それにもう、知らないおじさんに媚び売るのはなんか嫌だなぁ。
「私はやんない!」美奈子はきっぱりと断った。
「そっかぁ。そうだよねぇ」
「う――――――ん」
「あのねぇ沙奈枝、あんたやる気もないんでしょ。それなのに悩んでいるふりしないの!」
「あれぇ、やっぱりばれてたかぁ」
「もうバレバレよ。やっぱ”あれ”はやめておこう」
こうんこくんと3人ともうなずいて、意思統合。
「でも私達ってお金稼ぐことも出来ないのがつらいよねぇ。ああ、これがさぁ、高校生くらいだったらバイトでもして、お金貯められるんだけどなぁ」
無理だよねぇ。中学生を雇ってくれるとこなんてないからねぇ。
現実直視! 厳しいねぇ。
それと私たちの計画にはまだ課題が残っている。
私のお母さんと朋絵のお父さん。朋絵のお父さんと美奈子のお父さん。この二つのカップルは成立しているんだけど、うちのお父さんと、美奈子のお母さんがまだくっついていないんだなこれが。
美奈子のお母さんも話によると、今まで付き合っていたセフレさんとは別れたみたいなんだけど、お互いにまだフリーであることは好都合。
なんとかこの状態のうちに、くっ付けないと!
ここさえ、完璧にくっついちゃえば、3家族サークルは完成するんだよねぇ。
でもなんかすごいこと考えるよ美奈子は。
その美奈子のお母さん。うちのおお父さんのとの接点がほとんどないっていうのが問題。
まぁ家族ぐるみでなんかこう一緒になることなんて、小学校の時の運動会とか、あと中学になってからは学校祭くらいだもんね。
私達部活もやっていないから、部活での交流もないしさ。
うちのお母さんと朋絵のお母さんはどうやってお父さんたちと関係を持つようになったんだろう。
これはお母さんから聞くしかないか。
ちょっと気が引ける気もするけど、あ、もしかして朋絵ならなんか聞いているかも?
「あのさ、朋絵」
「ん、何?」デザートで用意していたヨーグルトをスプーンで口に入れて、パクリと開いて口の中を見せた。
おいおい、それはかなり誤解を招くぞ! 学校じゃやばいぞこら朋絵!
ごっくん!とのどを鳴らして飲み込むと。
「えへへへ。」笑いながら
「どうしたのよ?」
「あのさ、朋絵のお母さんと美奈子のお父さんてどうやって関係持つようになったのか聞いている?」
「ああ、そのことね。聞いてるよ」
と、朋絵が言ったとき、私のスマホからメッセージの着信音が鳴った。
お母さんからだった。開いてみると……。
「やったぁ! 懸賞当たちゃったぁ!」
へっ? 懸賞?
「海山どちらでも楽しめる。天然温泉旅館無料クーポン券。ゲット!」
おっ! こ、これは……。
「はぁ~、海行きたいねぇ」
「はいィ? 何よいきなり沙奈枝、そんなこと言って」
「いやぁ何ねぇ、この前さぁ、パパとモールに出かけた時になんか気になるていうか、よさげな水着見つけちゃってさぁ」
「パパに買ってもらったの?」
「あははは、美奈子、よくわかるねぇ」
「なんとなく」
「あああ、もしかして沙奈枝のパパさん、それ沙奈枝に着させてプレイしようなんて……」
「ちょっと待て朋絵! おニューの水着でそんなことはしないぞぉ! スク水だったらいいけど」
「スク水だったら? そっちの方がなんかエロイわぁ。そう言うのもやってんだ朋絵んとこは」
「えへへへへ」照れ笑いする朋絵。顔がちょっと赤い。
私がきょとんとしてると。
そのすきに朋絵がひょいと私のお弁当箱から卵焼きをつまんで口に「あむっ!」とほおばった。
「ああああ、この甘い卵焼きとっても美味しい。さすが沙奈枝のお母さんが作る卵焼きはいつの絶品ですなぁ」
「ああ朋絵、私の卵焼きぃ―。最後のお楽しみに取っておいたのにぃ」
「ごちそうさまでした」
「もう――――!!」ちょっとぷんとした顔をすると
「はい、アーんして」美奈子が自分のお弁当箱から、卵焼きをつまんで私の方に差し出した。
「あむっ」と、その卵焼きを口にする。
「美味しいい!! 美味しいよう美奈子」
「はいはい、それはようございました。私が作った卵焼きですけど、お口に合ったみたいで」
「へぇ、美奈子が作ったんだこの卵焼き。上手!」
「そうかなぁ。普通だと思うんだけど。でも料理は好きだから。……お父さんに食べてもらえると思うとうれしくて沢山作っやうのが困り者だね。この前もお母さんから、今日は何の日? なんて言われちゃった」
はぁ、美奈子はほんとお父さんラブだよねぇ。
まぁこの前の朋絵のお父さんとのことは聞いたけど、それ以来なんか前よりラブ度上がってんじゃないの?
「でさぁ、海いきたいぁ―いって言うけどさぁ。私達のお小遣いで行ける?」
「ひぇ―、現実をたたきつけないでよ美奈子。無理無理。いけるわけないじゃん」
「だったらまた稼ぐ? ”あれで”」
「あれって、あれでしょ。う―――――ん」と、考えてみたものの、”あれ”って援助交際のことで、ちょっと怖い目にあってたし、それにもう、知らないおじさんに媚び売るのはなんか嫌だなぁ。
「私はやんない!」美奈子はきっぱりと断った。
「そっかぁ。そうだよねぇ」
「う――――――ん」
「あのねぇ沙奈枝、あんたやる気もないんでしょ。それなのに悩んでいるふりしないの!」
「あれぇ、やっぱりばれてたかぁ」
「もうバレバレよ。やっぱ”あれ”はやめておこう」
こうんこくんと3人ともうなずいて、意思統合。
「でも私達ってお金稼ぐことも出来ないのがつらいよねぇ。ああ、これがさぁ、高校生くらいだったらバイトでもして、お金貯められるんだけどなぁ」
無理だよねぇ。中学生を雇ってくれるとこなんてないからねぇ。
現実直視! 厳しいねぇ。
それと私たちの計画にはまだ課題が残っている。
私のお母さんと朋絵のお父さん。朋絵のお父さんと美奈子のお父さん。この二つのカップルは成立しているんだけど、うちのお父さんと、美奈子のお母さんがまだくっついていないんだなこれが。
美奈子のお母さんも話によると、今まで付き合っていたセフレさんとは別れたみたいなんだけど、お互いにまだフリーであることは好都合。
なんとかこの状態のうちに、くっ付けないと!
ここさえ、完璧にくっついちゃえば、3家族サークルは完成するんだよねぇ。
でもなんかすごいこと考えるよ美奈子は。
その美奈子のお母さん。うちのおお父さんのとの接点がほとんどないっていうのが問題。
まぁ家族ぐるみでなんかこう一緒になることなんて、小学校の時の運動会とか、あと中学になってからは学校祭くらいだもんね。
私達部活もやっていないから、部活での交流もないしさ。
うちのお母さんと朋絵のお母さんはどうやってお父さんたちと関係を持つようになったんだろう。
これはお母さんから聞くしかないか。
ちょっと気が引ける気もするけど、あ、もしかして朋絵ならなんか聞いているかも?
「あのさ、朋絵」
「ん、何?」デザートで用意していたヨーグルトをスプーンで口に入れて、パクリと開いて口の中を見せた。
おいおい、それはかなり誤解を招くぞ! 学校じゃやばいぞこら朋絵!
ごっくん!とのどを鳴らして飲み込むと。
「えへへへ。」笑いながら
「どうしたのよ?」
「あのさ、朋絵のお母さんと美奈子のお父さんてどうやって関係持つようになったのか聞いている?」
「ああ、そのことね。聞いてるよ」
と、朋絵が言ったとき、私のスマホからメッセージの着信音が鳴った。
お母さんからだった。開いてみると……。
「やったぁ! 懸賞当たちゃったぁ!」
へっ? 懸賞?
「海山どちらでも楽しめる。天然温泉旅館無料クーポン券。ゲット!」
おっ! こ、これは……。
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