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第57話〈ホールブラザーズ―タカヒロ〉

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【ノエル視点】

 ゼツ君と二人で黒い球体へ飛び込むと中は何も無い薄暗い空間だった。そして天蓋てんがい付きのベッドがぽつんと置かれている。

 皆で話し合った後、ゼツ君と私はクリト君に呼ばれた。そして彼から手短に説明を受けた。
 理由はわからないけど、ゼツ君は私とエッチをすると強くなるらしい。ゼツ君も肯定していたからそうなのだろう。
 それで、アエロリットさんがベッドを用意しておくようクリト君に指示を出した。

 ベット、使ってくれってクリト君に言われたけど……。あんなに恐ろしいモンスターを見た後だから、体が震えてとても今すぐエッチなんてできない。どうしよう……。

「ノエル、始めよう」

「うん。……ごめん、私あんなに恐ろしいモンスターを見たからまだ恐くて……」


【ゼツ視点】

 インテリジェンスが高い者は相手の大まかなレベルが分かる。それと同じ要領で、モンスターのおおよその戦力を感じ取ることができる。
 あのオリハルコンゴーレムは禍々しい強力な力を持っていた。ノエルもそれを感じ取ったのだう。
 彼女はこの前まで、戦いなんて知らない無加護の女の子だった。怯えるのは当然だ。

「ノエル……」

 ノエルを抱きしめると彼女の体は縮こまっていて固い。こんな状態だといくら体を重ねても濡れないし痛いだけだ。とてもやれる雰囲気じゃない。

「だ、大丈夫……、ゼツ君、やって……、早く戻らないと皆が……」

「ノエル! 僕は絶対に君を守る。どんなに強い敵が現れても絶対に君を守り抜いてみせる。だから――、僕を信じろ!」

「ゼツ君……、うん、信じてるよ。ゼツ君……」

「んっ……ちゅっ、ちゅっ…んん…んんんっ」

 ノエルの体は次第に熱く柔らかくなり――、彼女は脱力した体を僕に預ける。
 僕はそんなノエルをベッドに押し倒した。

 僕達は何度も唇を重ね、舌を絡める。
 そうしながらノエルの服を一枚ずつ脱がせていく。それと一緒に僕も服を脱ぐ。

 温泉で清めたノエルの髪や体からは甘い香りがする。白くてきめ細かいしっとりした肌が、ダンジョンの熱気のせいで汗で濡れてる。触れれば触れるほど彼女の口から甘い吐息が漏れる。
 攻めているのは僕だけじゃない。ノエルも僕の体を積極的に求めてくる。

 僕達はお互いの体に触れ合い時間を掛けて気分を盛り上げた。

「ゼツちゅくん……しゅき……だいしゅき」

 ノエルの妖精のような幻想的で美しい整った顔は、だらしなく崩れ卑猥にとろけきっている。

「ノエル、僕も好きだよ」

 僕達はモンスターや仲間のことをすっかり忘れて、お互いを激しく求め合っていた!





 合体が終わると物凄い経験値が流れ込んできた。
 いきまくって息も絶え絶え、気絶寸前ノエルをベッドに残し、僕は起き上がるとステータス光を顕現させた。

■■■■■■■■■■■■■■
【MR無責任種付おじさん】
Lv 812
⑤HP 8100190
⑤MP 8100190
⑤ストロングス 8100190
⑤アジリティ 8100190
⑤インテリジェンス 8100190
〈アクティブスキル〉
感度操作17倍、ガンシャ、種付操作、フェロモンLv8、モーニングコーヒー、散種、わからせ、皮かぶり、Gスポット、ガンシャ―ライフル、透明化、癒しの種エリクサー、ガンシャ―ガトリング砲、種分身ホールブラザーズ―タカヒロ
〈パッシブスキル〉
ゼツリンLv80、種強化Lv80、無責任、感覚共有
■■■■■■■■■■■■■■

 凄い……、レベルが500以上も上がってる。それにこのスキル……、そうか、そう言うことか……。

 一度も使ったことがないスキルだが頭の中に概要が流れ込んできて、用途を理解できる。

 クリトは言っていた。何よりもまず先にこのスキルを発動させろと――。

 僕はベッドの中で気怠そうにしているノエルに声を掛けた。

「ノエル、新しいスキルを使うね」

「うん」


 僕は叫ぶ!

「アクティブスキル〈種分身ホールブラザーズ―タカヒロ〉ッッ!!」

 すると僕の体から種が飛び出し、床に落ちた。種は目に見えない程小さいが、僕はその存在を感じることができる。

 種はブクブクと泡のように膨れ上がり、それは徐々に人の形に変化していった。

 そして全裸の男が現れた。小太りで毛深い中年男。彼は片膝を付き禿散らかした頭で僕に平伏す。

「あっしはタカヒロ!只今、馳せ参じやした」

 僕の中にタカヒロの記憶が流れ込んでくる。いや、タカヒロだけじゃない。

 5000年前、【MR無責任種付おじさん】の加護を授かった男の記憶。

 彼の名はソロモン。【LR魔神】入魔いりま雫と恋に落ち、二人の娘アエロリットを愛した――。

 そうか……、全てわかった。

 人に加護がある理由、モンスターが生まれる理由、この世界ができた理由、そして――、
 【MR無責任種付おじさん】が存在する意味を。

「時間がない。タカヒロ、すぐに出るぞ」

「ははッ!」

「ノエルも動けるか?また僕がおぶって行ってもいいよ」

「ふふっ、懐かしいね。うん、大丈夫!自分で歩ける。それよりゼツ君、この人は?」

「タカヒロは僕の一部だよ。僕の分身であり、自我を持った一人の男でもる。僕とタカヒロの記憶や体験は共有されるから、一心同体と表現する方が正しいかもな」

「つまり、仲間ってことよね?」

「うん、そうだね。よし、じゃあノエル急ごう!今の僕ならヤツを――、オリハルコンゴーレムを倒せる!」

 それにこの状況は不味い。

 早くオリハルコンゴーレムを倒して、アエロリットを助けに行かなければ――。






◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【以前のステータス】

■■■■■■■■■■■■■■
【MR無責任種付おじさん】
Lv 102
⑤HP 4426
⑤MP 4426
⑤ストロングス 4426
⑤アジリティ 4426
⑤インテリジェンス 4426
〈アクティブスキル〉
感度操作3倍、ガンシャ、種付操作、フェロモンLv1、モーニングコーヒー
〈パッシブスキル〉
ゼツリンLv10、種強化Lv10、無責任
■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■
【MR無責任種付おじさん】
Lv 201
⑤HP 16047
⑤MP 16047
⑤ストロングス 16047
⑤アジリティ 16047
⑤インテリジェンス 16047
〈アクティブスキル〉
感度操作5倍、ガンシャ、種付操作、フェロモンLv2、モーニングコーヒー、散種、わからせ、皮かぶり
〈パッシブスキル〉
ゼツリンLv20、種強化Lv20、無責任
■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■
【MR無責任種付おじさん】
Lv 296
⑤HP 45231
⑤MP 45231
⑤ストロングス 45231
⑤アジリティ 45231
⑤インテリジェンス 45231
〈アクティブスキル〉
感度操作6倍、ガンシャ、種付操作、フェロモンLv2、モーニングコーヒー、散種、わからせ、皮かぶり、Gスポット、ガンシャ―ライフル
〈パッシブスキル〉
ゼツリンLv29、種強化Lv29、無責任
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