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第15話 野営えいち

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 夜、野営場所で焚火に当たりながら今日の狩りついて語っている。

 隣りに座るノエルはステータス光を顕現させ二人でそれを覗く。

■■■■■■■■■■■■■■
HNレッサーデーモン
Lv 14
②HP 161
③MP 236
①ストロングス 86
①アジリティ 86
②インテリジェンス 161
アクティブスキル
闇魔法-即死Lv1
パッシブスキル
MP回復Lv1、暗視
■■■■■■■■■■■■■■
(※アクティブスキル、パッシブスキルは本人のみ閲覧可)

 ノエルのステータス光は彼女のレベルが上がる度に何度か一緒に見た。

「私のアクティブスキル〈闇魔法-即死Lv1〉はMPを100消費するみたいね。何度も撃てればいいんだけど……」

 このスキルは条件付きで、敵のHPが1パーセント未満になると発動可能になる。
 即死……文字通り無条件で敵の命を奪うことができる魔法だ。

「MP236だと同時に撃てるのは2回までか……。ブラックベアもそうだったけどC級以上のモンスターはナイフじゃとどめを刺すのに時間がかかるから、高ランクのモンスター限定で使った方が効率が良いな」

「うん。そうだね。……ゼツ君はずっと〈ガンシャ〉を撃ってたけどMPの心配はないの?」

「MPが多いから今のところ問題ないかな」

「あの武器って凄いよね。モンスターに向けると肉が弾け飛んで……、物凄い威力だけど、どうなってるの?」

「先端から種を飛ばす武器なんだよ。種が当たると敵にダメージが入る」

「種?」

「うん、アクティブスキル〈ガンシャ〉」

 僕の手に黒光りしたナスのような物〈ガンシャ〉が顕現した。僕はノエルにガンシャを見せる。

「ほら、先端が少し突起してて先っぽに小さな穴が空いてるだろう?そこから種を飛ばすんだ」

「ほんとだ、……種ってどんな見た目なんだろう?全然見えないよね」

「種はオタマジャクシみたいな形だよ。目に見えない程小さいから僕も見えている訳ではないのだけど、僕の加護が教えてくれるんだ」

 ノエルはガンシャの先端に顔を近付け、穴を覗き込む。

「ふーん、じゃあここから小さなオタマジャクシがピュッと出るのね。なんだか可愛いわ。ゼツ君、コレ、触ってみてもいい?」

「ああ、いいよ」

 ノエルは遠慮気味にガンシャに触れた。
 指先で砲身をなぞったりガンシャ先端を指全部でブニブニと摘んだりしている。

「硬くて、結構太いのね。黒光りしているから少しこわかったっけど、触ってみると不思議と安心する。私達を守ってくれる武器だからかな……レロッ」

 いきなりガンシャをペロッと舐めたノエルは微笑む。

「えへへへ、味はないね」

「はははっ、まぁさすがに味はないだろうな」

 隣に座るノエルは僕に寄り掛かった。僕の胸に後頭部を乗せて後ろ向きで上目遣いをして僕を見詰める。
 僕もそんなノエルを見詰めた。
 焚火に照らされたノエルの顔は微笑んでいる。

 彼女は華奢なのに胸がそこそこ大きいから上から見下ろすと、その胸がやたらと強調されて見える。

「全部、ゼツ君のおかげ。一人じゃ何もできなかったわ」

 まぁ〈加護の儀〉を授かれたのは、あのアエロリットって少女のおかげだけど……。

「ノエルが頑張ったからだよ」

「……ありがとう、ゼツ君。……私を連れ出してくれてありがとう」

 焚き火の炎で彼女のあどけない頬は熱を帯びている。僕を見詰める青い瞳がキラキラと輝いている。

「あっそうだ、ノエル」

「ん?」

「本番したいんだけどいいかな?」

「えっ!?急にっ!?…………や、やりたいの?」

「うん」

 実は一日中ずっとノエルとやることを考えていた。
 狩りで忙しかったけど、ノエルが視界に入る度に今夜彼女がやらせてくれるかどうか……、そんなことばかり気にしていた。

「……だめ」

 そっか、ダメか……。やっぱり金を払わないとやらせてくれないのだろうか?

 僕の手持ちは銀貨1枚にも満たない。
 ただ、今日の狩りでドロップした銀や金を換金すれば金貨3枚くらいになるはずだ。 できれば早くやりたかったけど、街まで我慢するか……。

「…………」

 僕が黙っていると。

「だってゼツ君、いつも中だし……私、妊娠しちゃうかもよ?」

 ノエルは先程の態勢のまま僕を見詰めている。
 その表情、不安なのか、期待しているのか……どっちなんだ?

「できたらできたで、いいんじゃないか?」

「いいの?」

「うん」

 僕のスキルで避妊しているから、ノエルが妊娠することはない。
 まぁ妊娠しても加護のせいで責任は取れないけど……。

「じゃ…………する。 えへへへへ。今からするの?」

「うん!できれば早くやりたい!」

「ぷっ、ふふっ……いいよ」

 背中と後頭部を僕の胸に乗せていたノエルはクルりと反転し僕の首に腕を回す。
 そして目を閉じ唇を差し出す。

「チュッ…チュッ……んっ、んんんっ」

 僕達は唇を重ね。舌を絡ませ合う。

「あのね……、昨日のスキルは使わないで欲しいんだけど……」

「気持ち良さそうだったけど?」

「ううぅ恥ずかしい……。今日はね……ゆっくり……やりたい気分だから」

「うん、わかった!」

 見つめ合うと、再び目を閉じ唇を重ねる。そのまま僕はノエルの服を脱がせていく。

 正直、僕はやれれば何でも良かった。
 ノエルとの本番は気持ちいいし満たされる。
 だが、そんなことよりも……。
 レベルを上げたい、加護を得たノエルとやればレベルが上がるかもしれない。
 僕はそんなことばかり考えていた。


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