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武界

2話、初の軍事訓練

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「ふぁぁぁー」大きな欠伸とともに美香音が目を覚ます。下に降りると大和はぐっすりと寝ている「あと1時間もある…」美香音は時計を見ながら部屋を出る「あら?美香音さん随分早い起床ね」廊下を歩いていると後ろから声をかけられる「金剛さん!おはようございます!すいません…あまりにも早く起きすぎてしまいました」美香音が頭を下げる「まぁー遅れるよりは早い方が良いわね」金剛が笑うとそのまま歩いていった。

美香音はそのまま外に出ると海の音が聞こえてくる「良い音ー」美香音は目を瞑りながら聞き入っている「美香音、こんな所にいたのね」後ろから声が聞こえた「うわぁ!大和さん、おはようございます。よく分かりましたね」美香音が驚きついつい裏声が出てしまう「探索は得意なのよ」大和がそんなことを言うと脇腹に手を当てる「もうそろそろ起床時間よ着替えましょう」2人はまた部屋に戻っていった。

「皆さんおはようございます!」大きな港に皆を集め前に金剛と他にも何人か並んでいた「今からさっそく訓練に入ります!」金剛が叫ぶとそのまま光り輝き大きな戦艦になる「それではみなさんもお願いします」金剛が叫ぶと周りの人達も戦艦になり上空には無数の戦艦が飛んでいる「私達は?」美香音は大和に聞くと光り輝きどこか戦艦の中に降りる「真美さん!」美香音が叫ぶ「美香音の面倒は見るわ」真美が笑っている。

「今回の訓練は…スネークバスター討伐です!」金剛が叫ぶ「それぞれ5班に別れて行動します。まず1班は吹雪チーム、吹雪さん、真美さん、美香音さん、大和さん、深雪さん、白雪さん、白雲さん、磯波さんで後ろをお願いします」「はい!」全員が返事をすると戦艦が後ろを向き走り出す「2班のチームは、若宮さん、加賀さん、出雲さん、赤城さん、天城さん、飛龍さん、千代田さんでお願いします場所はここから真っ直ぐ約50KMです」「了解!」戦艦達はバラバラに飛んで行った。

「真美さーん見えましたか?」美香音が目を凝らす「まだ見えないですね」吹雪が言う「おかしいですねもうそろそろのはずですが」白雪が言うと大和が顔を上げる「皆!止まって!」叫ぶと周りの戦艦が空中で急停止する「キャッ!」真美と美香音が前のめりになる「来るぞ!」シャーッと音が聞こえ地中から無数のスネークバスターが飛び出してくる。

見ると1000はくだらない量だ「こちら吹雪!スネークバスターと接触しました」吹雪が連絡をとっている「皆さん!戦闘準備!」「はい!」周りが主砲をスネークバスターに向けるとスネークバスターの口から光が見えた「撃てー!」吹雪が叫ぶ同時に周りから砲撃が開始されるスネークバスターも動きながら避けている。

無論当たれば大爆発しそのまま雲となっていく「陣形を変えます!私と白雪、深雪さんが前衛!後衛は白雲さん磯波さんでお願いします!」吹雪が言うと前に出ていく「了解しました!」周りもそれに続いて攻撃しながら陣形を変えていく「魚雷発射!」周りから魚雷が発射されスネークバスターに命中し大爆発する「…吹雪さん!量が多すぎます!…」後ろから声が聞こえる「白雲さん後ろ行きました!」「仕方ない任せて!」吹雪が叫ぶと白雲が力強い返事をしている「残り500体切りました!」相手からのレーザー攻撃を上手く避けながら戦艦達も攻撃している「撃ち続けて!なるべく減らすのよ!」吹雪と白雪の一言でさらに砲撃や乱射の音そして魚雷の音が増している。

ガン!と音がなり船全体が揺れる「何事!?」「どうやらスネークバスターのレーザーが当たったようね」大和が見上げる「吹雪!もうすぐで、後ろから敵が来る砲撃準備!」「了解!」後ろの大砲が動く「今よ!」大和の一言で後ろのスネークバスターが爆発する「さすが大和さんです!」吹雪が言うと大和が腕を組み「私の未来予知は世界一よ」と頷いた。

「残り10体です!」別の声が聞こえた「磯波さん了解です!皆さん!行きましょう!」と吹雪が汽笛を鳴らす「了解!」周りの戦艦が同時に2回汽笛を鳴らし残りのスネークバスターに向かって砲撃を開始した「最後の一体逃げていくわ!」美香音が目の前で逃げていく一体を見る「逃がさないわよ!」深雪が叫ぶと全艦の一斉砲撃が前を走っているスネークバスターに降り注いだ。

「やったわね!」真美が手を上げる「陣形はめちゃくちゃになったわね」大和が歩いてくる「とりあえず私達は帰りましょう!」吹雪が横に傾きながら旋回すると周りも同時に旋回し「十字陣形!」吹雪が叫ぶと吹雪を戦闘に十字陣形になりながら飛んで行った。

一方その頃第2班は

「そろそろ目的地です!」叫び声がする「じゃあここで少し偵察隊を向かわせますね」軽空母艦の若宮が2~3機出撃させた「見つけました!ここから約…5㎞先です!」若宮が叫ぶ「5㎞か…」赤城が呟く「とりあえず行くわよ!」加賀が10機の戦闘機を飛ばす「全員行くわよ!」「了解です!」加賀の一言で皆も10機の戦闘機を飛ばす、前には爆発と光がチラついている。

すると3機の偵察隊が若宮の所に降りるとそのまま雲となり消えていった「偵察からの情報です!敵スネークバスター約500体だそうです!」若宮が叫ぶ「ならもっと戦闘機を飛ばそう」加賀がまだ飛ばしている「一応倒せてはいるようね」今まで黙っていた千代田が呟く「ここでこの数か…」飛龍がなにやら呟いている。

「まだまだ戦闘がありそうですね…」千代田が話しながら眺めていたら戦闘機が戻ってきた「敵の全滅を確認しました!」加賀が叫ぶ「やりましたね!」天城が叫ぶと皆は帰っていく「私達空母は基本見るだけね…」天城がつぶやく「そんなことは無いよ」加賀が訂正する「飛ばしたら見るだけ…確かにそうだけど飛ばせない時とかもあるわ、特に天候とか撃ち漏らしとかには要注意よ」「加賀さん!了解です!」全員が叫ぶとそのまま飛んで戻っていくも加賀が後ろで止まった。

「加賀さん?」周りも同時に止まる「何か…嫌な予感がするわ…」加賀がそのまま人の姿になるとそのまま後ろを振り返る「ちょっと加賀さん!?訓練中は危ないから人の姿はダメですよ!」飛龍が隣で叫んでいる。

しかし加賀は目を細めながら奥を見ている「加賀さんが警戒するなんて余程のことなんでしょうね…」天城が呟く「とりあえず報告が先よ、仕方ないからこのまま行きましょう」千代田が言うと周りも大きく頷きそのまま飛んで行った。

「1班!スネークバスター討伐完了しました!」吹雪が手を上げる「よければ数を報告してくれるか?」金剛がメモを出す「それが…スネークバスター1000体です」吹雪が言うと金剛がメモを辞め顔を上げる「それは本当か?」驚いた様子だ「魔界族も本格的に動き始めたのか…」呟きながらメモを取っていると上空から何人か飛んできた。

「2班到着しました!申し訳ありません!訓練中ですが人の姿になりました!」加賀が膝を着く「報告します!2班!スネークバスター500体そして先にはなにやらお城のようなものが…」加賀がそこまで言うと金剛がメモを落とす「そこまで準備していたか…君達!近々戦闘があるかもしれん…充分注意するように!絶対に魔界族を天聖樹には近付けさせないで!」金剛が言うと全員が大きく返事をした「とりあえず今回の訓練はこれで終了です、明日から約1週間は休憩期間です。皆さんお疲れ様でした」奥から長門が歩いて来ると頭を下げた。

「そういえば大和さん」美香音が部屋の椅子に座りながら振り返ると前にはお茶を飲みながら休憩している大和の姿が「大和さんってどうして戦艦にならないんですか?私が力不足だからですか?」美香音が首を曲げながら聞く「……」大和は黙ってお茶を飲んでいる「私が戦艦を封印したのはある事件のせいよ」大和がゆっくりと口を開く…そう、それは約100年前に遡る。

「大和さん!」吹雪と金剛が人の姿で空を飛んでいる「調子はどう?」大和が追いかける「今のところは順調よ!」金剛がVサインを送る「武蔵と信濃も何してるんだか…」大和が周りを見渡す「一緒じゃなかったのね」吹雪が呟く「全く比叡さんも無茶だよなぁ私達3人だけって」金剛が頭に手を乗せる「まぁ見張りですからね」吹雪が呟くと前の奥から白い光が見えた。

「避けてください!」吹雪が叫ぶと3人が離れる「どうした!?」大和が前を見る「敵襲です!しかもかなり大きい…」金剛が足を止める「なんだあれは…城か?」大和達の前には巨大な城が浮いてきた「皆さん!」声が聞こえる「長門!これはどういう事だ?」大和が耳に手を当て聞く「はい…どうやら私達の作戦がバレてしまっていたようで…攻撃部隊をすぐそちらに回します!3人も今すぐ戦闘準備に移ってください!」と言って通信が切れた「仕方ない…やるしかないのね」大和が手を広げた。

「吹雪!おい!吹雪しっかりしろ!」大和が泣きながら血を流し倒れている吹雪を見る「哀れだなぁ、最強の戦艦…味方に当たるとはなぁ」敵が立っている「くっ…」大和が目を閉じると微かに吹雪の手が動く「私なら…大丈夫です…」吹雪がゆっくりと顔を上げる「吹雪!それ以上動かないで!」大和が吹雪の血の出ている脇腹を見ながら言う「終わりだ!」敵が剣を振り下ろすと寸前で敵が吹き飛んだ「待たせたね!」上空には一つの戦艦が飛んでいる「長門さん!お願いです!吹雪が!吹雪が!」大和が長門に向かって叫ぶと2人は白い光に包まれる「このままワープします!」長門が言うとそのまま消えてしまった「ちっ…逃げやがったか、おい帰るぞ!」「はっ!マスティマ様!」魔界族もそのまま去っていった。

長門はそのまま基地に入ると吹雪を地面に降ろす「これは緊急ね!救護班!」奥から何人の人達が走ってくる「急いで治療を!」長門が言う「あの!」大和が下を向きながら叫ぶ「大丈夫です、吹雪さんには偽造記憶を埋め込みます、ですが…本人の意思だと…もしかしたらまた記憶が戻るかもしれません」長門が大和の顔を見る「本当はあなたの事を許さないべきなのでしょうね…」長門が歩いていった。

「そこから」大和が美香音の方を向く「吹雪には相手の攻撃で負傷したという風に記憶を改造してもらったのよ。だから私はもう二度と戦艦になんてならない…そう決めたの」大和が顔を上げる「そこから吹雪さんをなるべく避けるようにしたの…」大和の言葉に美香音が下を向く「そんな事しなくても吹雪さんなら許してくれると思いますよ」美香音が呟く「下手したら私が吹雪を…」大和の目から涙が溢れている。

「吹雪とは親友だった…ずっと仲良く遊んだり戦ったり…」

「ねー!大和!」小さい頃の吹雪が笑いながら大和を見る「吹雪どうしたのー?」大和も笑顔で返す「私達!これからも親友でいようねー!」吹雪が手を繋ぎながら踊る「もちろん!」2人は笑いながら走っていった。 

「私の親友を私の手で大怪我させたのよ…」大和がずっと泣いている「ならどうして私を?」美香音が大和の手を握る「あなたが昔の吹雪そっくりだったからよ…」大和が呟いた「え?えぇぇ!?」美香音が目を丸くする。

コンコンッ…ドアのノックの音がする「はーい!」美香音がドアを開けると吹雪と真美が立っていた「やほー美香音!」真美が手を上げる「2人とも今日はどうしたの?」美香音が聞く「いやそれが最近スネークバスターが多い理由なんだけど…この写真見てくれる?」美香音は驚いたそうそこには空を飛んでいる城の姿が…「これは約100年前に怒った大戦争の時の画像でこれが」真美がもう一枚の写真を見せる「2班が送ってきてくれた画像よ」「え?」美香音が驚くような顔をする。

そう今日撮った写真は山に埋もれてあまり見えないが微かに立っている旗が100年前と同じ旗なのだ「つまりこれは…」美香音が顔を上げる「100年前の城と全く同じだと思います」吹雪が大和を見ながら微かに悲しいような目で言う「私達はとりあえずこれだけね言いに来たの」真美が笑いながら手を上げると廊下を歩いていった「それと美香音さん」吹雪が手招きをすると耳元で囁いた「なんだってぇ…!?」「大和さんには内緒ね」人差し指を口に当て吹雪が立ち去った。

「美香音なんだってー?」機嫌を取り戻したのか大和が歩いてくる「それがこの写真なんですけど…」美香音が2枚の写真を机の上に置く大和は驚きを隠せないようだが「間違いない…100年前と全く同じ城だわ…まさか…」大和が呟くと美香音が大きく頷いた「そのまさか、かもしれませんよ…」美香音は少し考える、さっきの吹雪の言葉…「大和さんには内緒にしていることがあるの…」この意味ってなんだろう…美香音は頭を曲げながら考えた。
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