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第一章 別世界

43話 早紀の特訓 (ウリエル編)

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「今日から早紀には私達と実技の訓練をする」ウリエルが剣を持つ「実技…ですか?」ウリエルが頷く「お主にはワシらの力を使わずとも強くなって貰いたいからの」ミカエルが笑う「それで早紀剣はあるか?」ウリエルが聞く「えっと…」

(そういえばあの時)

早紀が剣を取り出す「ほう!その剣は刹那と奈落じゃな!流石はお主じゃとんでもない物持っとるのぅ」ミカエルが驚いている「そんなに凄いの?」早紀が首を曲げる「はい、その2振りは扱いが難しく持った者は1日経たずに死んでしまうという程の魔力を使う剣なのです」ラファエルが呟く「だが…早紀はどうやらその剣に好かれているようだな…」早紀が2つの剣を見ると喜んでいるかのように軽く光った。

「じゃが剣に慣れないと戦闘はできん…お主二刀流使いじゃな…ウリエルが指導せい」ミカエルがウリエルの顔を見る「初めからそのつもりだミカエル」ウリエルも2つの剣を抜く「まず構えだが…これはまぁ早紀がやりたいようにすればいい」ウリエルが早紀の顔を見る「はい!」「そして大事な事は剣に身を任せ自分自身が剣になるのだ」早紀にはよく分からなかった。

「まぁつまりじゃの武器全般に言えるのじゃが…武器と言ってもただの道具では無い、ちゃんと心が通じあってこそちゃんと使えるものじゃ。通じ合えば自分が剣になったかのような感覚が得られるぞい」ミカエルが笑っている「おいミカエル私がすると言っておるだろう」ウリエルがミカエルの方を見る「すまんのぅ軽く説明だけじゃ続けてよいぞ」ミカエルが後ろに下がった。

(武器の心…身を任せる)

早紀は腰を落とし構える「行くぞ!」ウリエルが飛んでくる「やぁ!」キン!と一撃をはじき返す「思った以上にあやつやりよるようじゃなラファエル」ミカエルがウリエルのところまで歩いてくる「えぇ…ですがウリエルさんはまだ能力を使ってませんし…これは見ものですね」ラファエルが見ている。

(見える!止めれる!けど…)

早紀はウリエルの猛攻を必死に止めている「止めているだけでは貫通攻撃には対処出来ないぞ!」ウリエルの剣が光り早紀の剣にあたる。

ガキーン!と音がして2人が止まる「!!?」早紀のお腹には白い何かが刺さり早紀が吹き飛んだ「本性表しましたねウリエルさん」ラファエルが目を凝らす「でもウリエルが能力を使うなんて珍しいの」ミカエルが座っている「そのくらい早紀さんが強いのでしょう」ラファエルも頷き2人は前を見る。

(何今の…止めたのに…)

早紀がゆっくりと起き上がる「衝撃波だ」早紀が初めウリエルになった時に衝撃波を飛ばして森を切り裂いた事があったことを思い出す「衝撃波は剣で切れるが剣どうしが密着しているとすり抜け衝撃波だけが飛んでいくのだ」

(つまりあの光ったあの時私が剣で受け止めたから剣をつたい私の体に衝撃波が届いた…)

「なるほど…」「戦場はこんなものでは無いぞどんなスキルが来るか分からないから臨機応変に対応しなくてはならないまだまだ行くぞ!」「はい!」2人はまた剣を交えあった。

(どうする…相手も二刀流…衝撃波だけがどうしても私に届いてくる…そうか!跳ね返したら良いのか…でも衝撃波の軌道を剣が交じりあっている瞬時に跳ね返す?無理か…出来るなら…吸収して放出だけど…そうか!)

早紀が前を見る「行くぞ!」ウリエルの剣が光り飛んでいく「はぁ!」ガキーン!と右手の剣で受け止めた瞬間に「やぁ!」左の剣でウリエルに攻撃をする「無難に攻撃するか…」ウリエルが受け止める「今だ!」受け止めた時左の剣が光りそのままウリエルが吹き飛んでいった。

「なんじゃ今のは!?」ミカエルが慌てて立ち上がる「衝撃波ですね…恐らく奈落でウリエルさんの衝撃波を吸収し刹那で放出したのだと思います」「それじゃとまるで…」ミカエルがラファエルを見る「はい、あの2つの剣は【二刀一太刀にとういったち】です」ラファエルが頷いた。

「衝撃波が跳ね返されたか…」ウリエルが立ち上がる「はぁ…はぁ…」早紀は息を上げている「だが高速な剣は対処出来ないだろ!」ウリエルが猛スピードで早紀に迫る「くっ!」激しい猛攻に早紀が押されていく。

「あ~あウリエルのやつ本気モードに入ったのぅ…ウリエルは【神剣】を操るんじゃまぁ本当の能力はちと違うがなそのスキルに気が付かなければあやつは負けるのぅ」ミカエルが呟いた。

(早い……けどこれなら!)

早紀は猛剣を全て受け切ったと思ったが…「きゃぁ!」早紀が吹き飛ばされる。

(今一体…何が起こったの?)

早紀には訳が分からない様子だった。

「やっぱりのぅ気付いてないか…」ミカエルが頭の後ろに手を回す「ウリエルさんの能力は【時間操作】あの猛攻の末に1太刀ずつ微かに時間を止め衝撃波だけを早紀の体に当てそのまま剣を戻し早紀の剣を受け止めた…」ラファエルがつぶやく「まぁ衝撃波を吸われるならば時間を止めてから衝撃波だけ準備しとくのは妥当じゃろうな。あやつは全ての斬撃を受け切ったと思っとるはずじゃ…さぁ厄介な相手じゃぞ」ミカエルが前を見る。

(なんで…いつの間にこんなに衝撃波が…)

早紀は考える「こっちから攻めれば関係ない!」と早紀が逆に猛攻していく「ほう…かなり早い太刀だ…だが」ウリエルが最後まで受けきる「えっ…キャッ!」早紀がまた吹き飛ばされた。

「うーん…まだ分かってないようじゃの」「いえ…」ミカエルの言葉にラファエルがミカエルの顔を見る「今たしかに半分の斬撃を早紀は消しました」「なんじゃって!?」ミカエルが早紀の方を見る。

(やっぱり何かがある…私が攻撃をしたり受けている間に…あまりに早すぎると言うか見えなかった…まるで時間を止めているような感覚…時間を止める…それだ!時間を止めているなら進ませればいい)

早紀が起き上がるとウリエルに突っ込む「甘いね」と周りが止まるような感覚があった「そっちこそ!」ガキーン!と奈落で受ける「なっ!」「やぁ!」パシーン!と音がなりウリエルが吹き飛んだ。

「なにぃ!?ワシにも見えなかったぞ!」ミカエルが2人の様子を見る「早紀さんのあれは…多分【時間進歩】ですね…止まっている時間を自分の周りだけ無理やり進めたのだと思います」「時間進歩?ワシは聞いた事ないぞ」ミカエルが呟く「はい…時間進歩と言うのはその名の通り時間を進める。つまりあの瞬間時間を止めていたウリエルさんだけど自分周りの時間を進めたからウリエルさんは実質時間が進んでいた。つまりウリエルさんの時間停止と同じ空間に居たということです」ラファエルが目を見開いている。

「よし早紀これで終わりだ」ウリエルが剣をしまう「はい!ありがとうございました!」早紀が頭を下げる「よくやったな!早紀」ガブリエルが奥から走ってくる「ガブリエルさん!どこに行ってたのですか?」ラファエルが首を傾げる「あーちょっとなぁ…天界から連絡があってまぁ大したことはないな!」ガブリエルが笑顔で言った。

早紀はおもむろに手を滑らせた。

〔ユニークスキル【真・RA強制解放】・【タイムブレイカー】〕

「なにこれ…」早紀が思わず呟いてしまう「早紀一体どうしたんだ?」ガブリエルが覗き込む「新しいユニークスキルが増えてて…【タイムブレイカー】」天使達は分からないような顔をする「そのままの意味じゃと【時間破壊】になるのぅ」「早紀、鑑定で調べてみてくれないか?」ウリエルが早紀の顔を見る「はい!」

(鑑定【タイムブレイカー】)

〔鑑定結果、【タイムブレイカー】はあらゆる時間攻撃を壊し無効化します〕

「だって」早紀が首を傾げる「なるほど…つまり私があの時時間を止めたのに動いてたのは」「自分だけ時間停止を壊して進んだんじゃないのか?まぁ壊すだけだと思うからおそらく自分の周りはずっと一定の時間を保っているのだろうね」ガブリエルが笑いながらウリエルの顔を見た。

別で特訓をしていた皆が集まる「今日の訓練はこれにて終ます!おつかれさまでした!」「お疲れ様でした!」皆が頭を下げると天界に戻って行った。
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