212 / 227
第四章 パラレルワールド
第43話 マザーシップ
しおりを挟む
『すごーい!あれが、かつて地表世界にいたという恐竜ね』
広大な草原を優雅に歩くブラキオサウルスの群れを指差して、クレアがはしゃいだ。エンダやベベも、興奮した様子で飛び回っている。
『ベベ!あんまり遠くへ行っちゃダメだよ!』とクリスが注意すれば、『もう。エンダも勝手にいなくなったりしないで』と優里がエンダを叱った。
草原には他にもトリケラトプスやステゴサウルスがいるし、空にはプテラノドンのような翼竜もいる。見渡す限り、あちこちに絶滅したはずの恐竜や動物がいた。
それだけではなく、ドラゴンやペガサス、ユニコーンやグリフォンなどの幻獣といわれる生物も共存している。
周囲には小高い山がそびえ、川も流れ、湖もある。一方、最新鋭の設備を備えた巨大な建物がそこかしこにあり、地下にはたくさんの人が生活する街がある。
そんなここは一体どこなのかというと、地球から3万光年ほど離れた宇宙空間に浮遊する銀河連邦のマザーシップの中だ。
まさか宇宙船の中にこんな風景が広がっているとは、クリスたちも信じられなかった。
さらに3次元的視点で見た場合、マザーシップの大きさはオーストラリアの面積を優に超えるということだった。
そんな超巨大なマザーシップに、クリスたち一行は闇の勢力との死闘の後、銀河連邦によって連れてこられた。
一行を迎えに来たのは、太陽系地球担当のアラミスという女性だった。マーティスが生前、常々コンタクトを取っていた人物だ。
闇の勢力との戦いを終え、クリスタルエレメントを回収して本拠地を後にした一行の元へ宇宙船に乗って登場した。
疲労困憊の一同は倒れ込むように宇宙船に乗り込み、マルゲリウムで休息を取った。
アラミスが一行をマザーシップへ招待した目的は、クリスタルエレメントを銀河連邦にて保管するためだった。
地球はあまりにも闇の勢力に魅入られてしまっていた。そのため、13人の神官が揃うまでクリスタルエレメントを特別に銀河連邦で保管していいという許可が宇宙連盟から下りたのだった。
本来であれば各惑星で起きた問題は、その惑星内で解決する必要がある。そのため惑星内の人間を通じて間接的な手助けはできたとしても、このような直接的な手出しはできないことになっている。
しかし地球を牛耳っていた闇の勢力を駆逐したことで、地球は自らの力で闇を葬り光へと進む選択をしたことが宇宙でも完全に認められた。
『当然、その立役者となったあなた方がいたからこそです』と、死力を尽くして戦ったクリスたち一行をアラミスは労った。
宇宙的な観点から見れば、地球人類の集合意識が光への道を選択したことによって采配されたメンバーだった。
そのため、銀河連邦もメンバーに信頼を置いていた。しかし、それでも地球の運命がクリスたちの手に掛かっていたことは紛れもない事実だった。
そして、見事その任務を遂行したメンバーをもてなしたいという銀河連邦の意向もあって、クリスたちはこうしてマザーシップへ呼ばれたのだった。
広大な草原を優雅に歩くブラキオサウルスの群れを指差して、クレアがはしゃいだ。エンダやベベも、興奮した様子で飛び回っている。
『ベベ!あんまり遠くへ行っちゃダメだよ!』とクリスが注意すれば、『もう。エンダも勝手にいなくなったりしないで』と優里がエンダを叱った。
草原には他にもトリケラトプスやステゴサウルスがいるし、空にはプテラノドンのような翼竜もいる。見渡す限り、あちこちに絶滅したはずの恐竜や動物がいた。
それだけではなく、ドラゴンやペガサス、ユニコーンやグリフォンなどの幻獣といわれる生物も共存している。
周囲には小高い山がそびえ、川も流れ、湖もある。一方、最新鋭の設備を備えた巨大な建物がそこかしこにあり、地下にはたくさんの人が生活する街がある。
そんなここは一体どこなのかというと、地球から3万光年ほど離れた宇宙空間に浮遊する銀河連邦のマザーシップの中だ。
まさか宇宙船の中にこんな風景が広がっているとは、クリスたちも信じられなかった。
さらに3次元的視点で見た場合、マザーシップの大きさはオーストラリアの面積を優に超えるということだった。
そんな超巨大なマザーシップに、クリスたち一行は闇の勢力との死闘の後、銀河連邦によって連れてこられた。
一行を迎えに来たのは、太陽系地球担当のアラミスという女性だった。マーティスが生前、常々コンタクトを取っていた人物だ。
闇の勢力との戦いを終え、クリスタルエレメントを回収して本拠地を後にした一行の元へ宇宙船に乗って登場した。
疲労困憊の一同は倒れ込むように宇宙船に乗り込み、マルゲリウムで休息を取った。
アラミスが一行をマザーシップへ招待した目的は、クリスタルエレメントを銀河連邦にて保管するためだった。
地球はあまりにも闇の勢力に魅入られてしまっていた。そのため、13人の神官が揃うまでクリスタルエレメントを特別に銀河連邦で保管していいという許可が宇宙連盟から下りたのだった。
本来であれば各惑星で起きた問題は、その惑星内で解決する必要がある。そのため惑星内の人間を通じて間接的な手助けはできたとしても、このような直接的な手出しはできないことになっている。
しかし地球を牛耳っていた闇の勢力を駆逐したことで、地球は自らの力で闇を葬り光へと進む選択をしたことが宇宙でも完全に認められた。
『当然、その立役者となったあなた方がいたからこそです』と、死力を尽くして戦ったクリスたち一行をアラミスは労った。
宇宙的な観点から見れば、地球人類の集合意識が光への道を選択したことによって采配されたメンバーだった。
そのため、銀河連邦もメンバーに信頼を置いていた。しかし、それでも地球の運命がクリスたちの手に掛かっていたことは紛れもない事実だった。
そして、見事その任務を遂行したメンバーをもてなしたいという銀河連邦の意向もあって、クリスたちはこうしてマザーシップへ呼ばれたのだった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~
笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。
鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。
自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。
傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。
炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
家族と移住した先で隠しキャラ拾いました
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「はい、ちゅーもーっく! 本日わたしは、とうとう王太子殿下から婚約破棄をされました! これがその証拠です!」
ヴィルヘルミーネ・フェルゼンシュタインは、そう言って家族に王太子から届いた手紙を見せた。
「「「やっぱりかー」」」
すぐさま合いの手を入れる家族は、前世から家族である。
日本で死んで、この世界――前世でヴィルヘルミーネがはまっていた乙女ゲームの世界に転生したのだ。
しかも、ヴィルヘルミーネは悪役令嬢、そして家族は当然悪役令嬢の家族として。
ゆえに、王太子から婚約破棄を突きつけられることもわかっていた。
前世の記憶を取り戻した一年前から準備に準備を重ね、婚約破棄後の身の振り方を決めていたヴィルヘルミーネたちは慌てず、こう宣言した。
「船に乗ってシュティリエ国へ逃亡するぞー!」「「「おー!」」」
前世も今も、実に能天気な家族たちは、こうして断罪される前にそそくさと海を挟んだ隣国シュティリエ国へ逃亡したのである。
そして、シュティリエ国へ逃亡し、新しい生活をはじめた矢先、ヴィルヘルミーネは庭先で真っ黒い兎を見つけて保護をする。
まさかこの兎が、乙女ゲームのラスボスであるとは気づかづに――
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる