200 / 227
第四章 パラレルワールド
第31話 作戦会議
しおりを挟む
『仮にもしそうだとした場合、本拠地を置くとしたらクリスだったらどこだと思う?』
少しの沈黙が流れた後に、ハーディが尋ねた。物思いにふけっていたクリスは、ふと我に返ってハーディにピントを合わせた。
『その時代の、街のどこに置くかっていうことだよね?』
ハーディはうなずいた。
あの時代の街で本拠地となる建物といえば、やはり王の住む宮殿だろう。
その宮殿がある場所は、現在の街でいったらどの辺りだろうか?地図を見ながら、クリスは考えた。
宮殿は、中央広場よりもさらに北にあった。
クリスは彫像が立っていた位置から大体の予想をつけて、広場の場所を特定した。それから、ホロロムルスに表示された地図を目で追いかけながら宮殿の位置を予想した。そして、そこに現在地をセットしたところではっとした。
クリスが現在地をセットしたところに、教会が建っていたのだ。昨日クリスとベベが田川先生(だとベベが主張する女性)を追いかけていって、男に捕まりそうになった教会だ。
「ここは・・・」
地図にセットされた赤い点滅を見て、ハーディが声を漏らした。
『ということは、この教会にも地下遺跡へと通じる入り口があるのかもしれませんね』
地図に表示された教会を見つめたまま、マーティスが言った。
「でもそうなるとやっぱり、クリス君はあのとき田川先生におびき出されたっていうことになるのかな?」と言って、優里が首を傾げた。
「たぶんそうだよ。絶対クリスに気づいていて、クリスだったら追いかけてくると思ってわざと姿を見せたんだよ。田川先生のやりそうなこと」
口を尖らせて、憎らしそうに紗奈が言った。
「でも、それじゃあやっぱりぼくたちの存在は闇の勢力にもうとっくにばれているってことになるよね?」
クリスの問いに「そうだと思うけど?」と、紗奈が答えた。
『そうなると、闇の勢力はクリスタルエレメントをすり替えたことを、銀河連邦がすでに気づいてるって思っているんじゃないですか?』
マーティスに向き直ってクリスが尋ねた。聞かれたマーティスは、腕を組んだまま首をひねった。
『もし本当にクリスさんがおびき出されたということであれば、その可能性はありますね』
『そうなったら、早い段階で消滅の儀式をしようとするんじゃないですか?』
マーティスは、口元を押さえて黙り込んだ。それから『たしかに、その可能性はあります』と、ぽつりと言った。
『しかし、そのタガワという女性も、我々の存在に気づいたからといってわざわざ本拠地のある場所へおびき出すようなことをするでしょうか?下手したら、このように我々に本拠地の場所が気づかれることになりかねません』
腑に落ちない、という様子でマーティスは言った。
『それじゃあ、本拠地は違う場所にあるということですか?』
優里が尋ねると、マーティスは首を振った。
『いえ、それは分かりません。クリスさんの仮説を信じるとするなら、そこが本拠地である可能性も高いでしょう』
『クリスの話が信じられないっていうことですか?』
クリスをかばうように紗奈が抗議すると、マーティスは何度も首を振った。
『そういうわけではありません。いいですか?今話していることは、あくまですべてが仮説でしかありません。ダニエーレの属していた犯罪グループのボスが闇の勢力だということもそうですし、地下遺跡が、クリスさんが過去世で過ごした街であるということも仮説です。
そしてその場合、本拠地はどこに置くだろうかということもその仮説を前提としていますし、クリスさんがタガワという闇の勢力の人間におびき出されたということについても。すべてが仮説でしかないのです』
そこまでひと息に話すと、マーティスはソファに深く腰かけて肩で大きく息をした。
すると『でも』と、ハーディが口を挟んだ。
『仮説だとしても、ここまで偶然が重なるということは何か意味があると考えられないかな?もちろん、マーティスが信じたくない気持ちも分かるよ。やっぱり、こっちが優勢に進められていると思いたいからね。地球の運命が懸かっているわけだし。でもそんなときだからこそ、冷静になって直感とシンクロニシティに従って行動すべきだろう?』
ハーディの言葉に、マーティスは黙ったままかすかにうなずいた。
『たしかに、そのタガワという女性の行動は短絡的で何か裏があるように勘ぐってしまうよね。でも、アジトへ向かっていたところをたまたまベベが見つけただけで、単にクリスたちの尾行に気づいていなかっただけかもしれないしね。
それはさておき、偶然の一致から考えて闇の勢力の本拠地はその教会の地下にあると仮定してみよう。そして、闇の勢力が僕たちの存在に気づいているかどうかだけど、ここはすでに気づいているものと仮定して行動した方がいいと思う』
一同は、ハーディの言葉に賛同するようにうなずいた。
『そうした場合、ザルナバンは早い段階で消滅の儀式に取り掛かる可能性がある。そうなることを踏まえて、僕たちも早めに乗り込みクリスタルエレメントを奪い返す必要があるだろう』
皆の覚悟を確認するように、ハーディは一同を見回した。
『でも、儀式をしても失敗すると銀河連邦の人たちは言っているのでしょう?』
紗奈の質問に、マーティスが『はい』とうなずいた。
『それなら、もう儀式は行われた可能性もあるんじゃないですか?』
『いえ、それはないでしょう。たとえ失敗したとしても、儀式が行われれば銀河連邦にも感知はできます。そして、そのようなことが行われたという報告はまだ受けていません』
マーティスの話に、ハーディがうなずき返した。
『ザルナバンのアジトに一体どれほどの人間がいるのかは分からないけど、クリスタルエレメントを保管しているだろうし、それに神聖な儀式が行われる場所だからね。上層部の人間しか立ち入りはできないはずだ。
そして、それらの者には、権力はあっても大した能力はない。気をつけるべきなのは、その護衛の人間だろう。信頼のおける人間しかやはり立ち入らせないだろうから、人数は少ないと思う。でもきっと、一騎当千といった兵つわものぞろいだよ』
ハーディの話を聞いて、クリスは田川先生のことを思い出した。
たしかに、田川先生の能力は人並み外れている。一瞬にして闇の勢力の男たちをなぎ倒していたし、ラーナミルの攻撃もいとも簡単に跳ね返していた。
そして、田川先生を守護する闇のドラゴンのスタン。ユーゲンとその守護ドラゴン、ツェリンを一撃で殺してしまった。その実力は、計り知れない。
そんな強敵を相手に立ち回る必要があるのかと思うと、言いようもない不安に襲われた。そんなクリスの思いを感じ取ったのか、ハーディは『大丈夫だよ』と微笑んだ。
『クリスは自分が思っている以上にパワーを秘めている。サナもユリもね。何と言っても、銀河連邦が認めているくらいだからね。もっと自信を持った方がいい』
そう言って、ハーディは全員に笑いかけた。クリス同様、紗奈も心配そうな表情でうつむいていた。
しかし、優里だけは違った。口を真一文字に結んで、ハーディに力強くうなずき返していた。やる気満々といった様子だ。
『それに』と、ハーディは続けた。
『その前に、まだ戦いになると決まったわけじゃないからね。向こうもまだ気づいてなくて、案外簡単にクリスタルエレメントだけさっと奪い返せるかもしれないしね』
明るい口調でそう言って、ハーディはウィンクしてみせた。それによって、皆の緊張の糸が緩んだ。さすが若くても社長をしているだけのことはあると、クリスたち3人は感心した。
それから一行は、本拠地へ乗り込むにあたっての具体的な作戦を立てた。
本拠地があると考えられる教会にも、地下への入り口はきっとあるだろう。また、他にも地下遺跡への入り口はあるかもしれない。
しかし、すでに把握しているアパートの地下から向かうのが無難だった。
瞬間移動で地下遺跡まで移動してはどうかというクリスの提案については、瞬間移動は生命エネルギーを多く減退するからとハーディが却下した。
何があるか分からないから、できるだけ生命エネルギーは温存した方がいいとハーディは言った。
ホロロムルスは通じないから、全員一緒に行動する。そして本拠地付近に至ったら、ハーディが暗闇の兜をかぶって単独で乗り込む。
そして、中の状況を把握した上でその後の作戦を決める。もし警備が手薄ですぐに乗り込めそうであればそうするが、難しければ一度戻ってまた作戦を練り直す。
決行は、夜10時に決まった。急ではあるが、闇の勢力も早い段階で行動を起こしかねない。
時間を置けば置くほど、リスクが高まるという理由からだった。
出発までは、各自カンターメルをおさらいしておくようハーディが指示した。地下遺跡はホロロムルスが機能しないため、カンターメルの参照ができないからだ。
幸い、3人も自分の属性に関するカンターメルはそれぞれアニムス養成校である程度覚えていた。それに細々とした魔法はハーディが使いこなせる。
そして治癒魔法はなぜか特性が大いに関係するらしく、紗奈にしか使えなかった。
そのため、クリスと優里は防御や攻撃に関してのカンターメルを重点的に覚えた。
午後5時を回った頃、今日の任務は深夜にまで及ぶかもしれないから夕飯まで昼寝をしておくといいと、ハーディが助言した。
そんなこと言っても緊張で眠れないと紗奈が愚痴をこぼすと、ハーディが一人ひとりに眠りの魔法をかけて回った。
そのおかげで、皆2時間ほどぐっすり眠れた。
起きてからシャワーを浴び、ピューネスを着込んでから食事をとった。
夕食には、ハーディが気を利かせて日本人の板前を呼んでくれた。そして寿司をはじめとした豪華な和食が振る舞われた。
しかし、緊張のためクリスも紗奈も箸が進まなかった。そんな中、刻一刻と出発の時間は迫ってきた。
少しの沈黙が流れた後に、ハーディが尋ねた。物思いにふけっていたクリスは、ふと我に返ってハーディにピントを合わせた。
『その時代の、街のどこに置くかっていうことだよね?』
ハーディはうなずいた。
あの時代の街で本拠地となる建物といえば、やはり王の住む宮殿だろう。
その宮殿がある場所は、現在の街でいったらどの辺りだろうか?地図を見ながら、クリスは考えた。
宮殿は、中央広場よりもさらに北にあった。
クリスは彫像が立っていた位置から大体の予想をつけて、広場の場所を特定した。それから、ホロロムルスに表示された地図を目で追いかけながら宮殿の位置を予想した。そして、そこに現在地をセットしたところではっとした。
クリスが現在地をセットしたところに、教会が建っていたのだ。昨日クリスとベベが田川先生(だとベベが主張する女性)を追いかけていって、男に捕まりそうになった教会だ。
「ここは・・・」
地図にセットされた赤い点滅を見て、ハーディが声を漏らした。
『ということは、この教会にも地下遺跡へと通じる入り口があるのかもしれませんね』
地図に表示された教会を見つめたまま、マーティスが言った。
「でもそうなるとやっぱり、クリス君はあのとき田川先生におびき出されたっていうことになるのかな?」と言って、優里が首を傾げた。
「たぶんそうだよ。絶対クリスに気づいていて、クリスだったら追いかけてくると思ってわざと姿を見せたんだよ。田川先生のやりそうなこと」
口を尖らせて、憎らしそうに紗奈が言った。
「でも、それじゃあやっぱりぼくたちの存在は闇の勢力にもうとっくにばれているってことになるよね?」
クリスの問いに「そうだと思うけど?」と、紗奈が答えた。
『そうなると、闇の勢力はクリスタルエレメントをすり替えたことを、銀河連邦がすでに気づいてるって思っているんじゃないですか?』
マーティスに向き直ってクリスが尋ねた。聞かれたマーティスは、腕を組んだまま首をひねった。
『もし本当にクリスさんがおびき出されたということであれば、その可能性はありますね』
『そうなったら、早い段階で消滅の儀式をしようとするんじゃないですか?』
マーティスは、口元を押さえて黙り込んだ。それから『たしかに、その可能性はあります』と、ぽつりと言った。
『しかし、そのタガワという女性も、我々の存在に気づいたからといってわざわざ本拠地のある場所へおびき出すようなことをするでしょうか?下手したら、このように我々に本拠地の場所が気づかれることになりかねません』
腑に落ちない、という様子でマーティスは言った。
『それじゃあ、本拠地は違う場所にあるということですか?』
優里が尋ねると、マーティスは首を振った。
『いえ、それは分かりません。クリスさんの仮説を信じるとするなら、そこが本拠地である可能性も高いでしょう』
『クリスの話が信じられないっていうことですか?』
クリスをかばうように紗奈が抗議すると、マーティスは何度も首を振った。
『そういうわけではありません。いいですか?今話していることは、あくまですべてが仮説でしかありません。ダニエーレの属していた犯罪グループのボスが闇の勢力だということもそうですし、地下遺跡が、クリスさんが過去世で過ごした街であるということも仮説です。
そしてその場合、本拠地はどこに置くだろうかということもその仮説を前提としていますし、クリスさんがタガワという闇の勢力の人間におびき出されたということについても。すべてが仮説でしかないのです』
そこまでひと息に話すと、マーティスはソファに深く腰かけて肩で大きく息をした。
すると『でも』と、ハーディが口を挟んだ。
『仮説だとしても、ここまで偶然が重なるということは何か意味があると考えられないかな?もちろん、マーティスが信じたくない気持ちも分かるよ。やっぱり、こっちが優勢に進められていると思いたいからね。地球の運命が懸かっているわけだし。でもそんなときだからこそ、冷静になって直感とシンクロニシティに従って行動すべきだろう?』
ハーディの言葉に、マーティスは黙ったままかすかにうなずいた。
『たしかに、そのタガワという女性の行動は短絡的で何か裏があるように勘ぐってしまうよね。でも、アジトへ向かっていたところをたまたまベベが見つけただけで、単にクリスたちの尾行に気づいていなかっただけかもしれないしね。
それはさておき、偶然の一致から考えて闇の勢力の本拠地はその教会の地下にあると仮定してみよう。そして、闇の勢力が僕たちの存在に気づいているかどうかだけど、ここはすでに気づいているものと仮定して行動した方がいいと思う』
一同は、ハーディの言葉に賛同するようにうなずいた。
『そうした場合、ザルナバンは早い段階で消滅の儀式に取り掛かる可能性がある。そうなることを踏まえて、僕たちも早めに乗り込みクリスタルエレメントを奪い返す必要があるだろう』
皆の覚悟を確認するように、ハーディは一同を見回した。
『でも、儀式をしても失敗すると銀河連邦の人たちは言っているのでしょう?』
紗奈の質問に、マーティスが『はい』とうなずいた。
『それなら、もう儀式は行われた可能性もあるんじゃないですか?』
『いえ、それはないでしょう。たとえ失敗したとしても、儀式が行われれば銀河連邦にも感知はできます。そして、そのようなことが行われたという報告はまだ受けていません』
マーティスの話に、ハーディがうなずき返した。
『ザルナバンのアジトに一体どれほどの人間がいるのかは分からないけど、クリスタルエレメントを保管しているだろうし、それに神聖な儀式が行われる場所だからね。上層部の人間しか立ち入りはできないはずだ。
そして、それらの者には、権力はあっても大した能力はない。気をつけるべきなのは、その護衛の人間だろう。信頼のおける人間しかやはり立ち入らせないだろうから、人数は少ないと思う。でもきっと、一騎当千といった兵つわものぞろいだよ』
ハーディの話を聞いて、クリスは田川先生のことを思い出した。
たしかに、田川先生の能力は人並み外れている。一瞬にして闇の勢力の男たちをなぎ倒していたし、ラーナミルの攻撃もいとも簡単に跳ね返していた。
そして、田川先生を守護する闇のドラゴンのスタン。ユーゲンとその守護ドラゴン、ツェリンを一撃で殺してしまった。その実力は、計り知れない。
そんな強敵を相手に立ち回る必要があるのかと思うと、言いようもない不安に襲われた。そんなクリスの思いを感じ取ったのか、ハーディは『大丈夫だよ』と微笑んだ。
『クリスは自分が思っている以上にパワーを秘めている。サナもユリもね。何と言っても、銀河連邦が認めているくらいだからね。もっと自信を持った方がいい』
そう言って、ハーディは全員に笑いかけた。クリス同様、紗奈も心配そうな表情でうつむいていた。
しかし、優里だけは違った。口を真一文字に結んで、ハーディに力強くうなずき返していた。やる気満々といった様子だ。
『それに』と、ハーディは続けた。
『その前に、まだ戦いになると決まったわけじゃないからね。向こうもまだ気づいてなくて、案外簡単にクリスタルエレメントだけさっと奪い返せるかもしれないしね』
明るい口調でそう言って、ハーディはウィンクしてみせた。それによって、皆の緊張の糸が緩んだ。さすが若くても社長をしているだけのことはあると、クリスたち3人は感心した。
それから一行は、本拠地へ乗り込むにあたっての具体的な作戦を立てた。
本拠地があると考えられる教会にも、地下への入り口はきっとあるだろう。また、他にも地下遺跡への入り口はあるかもしれない。
しかし、すでに把握しているアパートの地下から向かうのが無難だった。
瞬間移動で地下遺跡まで移動してはどうかというクリスの提案については、瞬間移動は生命エネルギーを多く減退するからとハーディが却下した。
何があるか分からないから、できるだけ生命エネルギーは温存した方がいいとハーディは言った。
ホロロムルスは通じないから、全員一緒に行動する。そして本拠地付近に至ったら、ハーディが暗闇の兜をかぶって単独で乗り込む。
そして、中の状況を把握した上でその後の作戦を決める。もし警備が手薄ですぐに乗り込めそうであればそうするが、難しければ一度戻ってまた作戦を練り直す。
決行は、夜10時に決まった。急ではあるが、闇の勢力も早い段階で行動を起こしかねない。
時間を置けば置くほど、リスクが高まるという理由からだった。
出発までは、各自カンターメルをおさらいしておくようハーディが指示した。地下遺跡はホロロムルスが機能しないため、カンターメルの参照ができないからだ。
幸い、3人も自分の属性に関するカンターメルはそれぞれアニムス養成校である程度覚えていた。それに細々とした魔法はハーディが使いこなせる。
そして治癒魔法はなぜか特性が大いに関係するらしく、紗奈にしか使えなかった。
そのため、クリスと優里は防御や攻撃に関してのカンターメルを重点的に覚えた。
午後5時を回った頃、今日の任務は深夜にまで及ぶかもしれないから夕飯まで昼寝をしておくといいと、ハーディが助言した。
そんなこと言っても緊張で眠れないと紗奈が愚痴をこぼすと、ハーディが一人ひとりに眠りの魔法をかけて回った。
そのおかげで、皆2時間ほどぐっすり眠れた。
起きてからシャワーを浴び、ピューネスを着込んでから食事をとった。
夕食には、ハーディが気を利かせて日本人の板前を呼んでくれた。そして寿司をはじめとした豪華な和食が振る舞われた。
しかし、緊張のためクリスも紗奈も箸が進まなかった。そんな中、刻一刻と出発の時間は迫ってきた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~
笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。
鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。
自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。
傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。
炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
家族と移住した先で隠しキャラ拾いました
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「はい、ちゅーもーっく! 本日わたしは、とうとう王太子殿下から婚約破棄をされました! これがその証拠です!」
ヴィルヘルミーネ・フェルゼンシュタインは、そう言って家族に王太子から届いた手紙を見せた。
「「「やっぱりかー」」」
すぐさま合いの手を入れる家族は、前世から家族である。
日本で死んで、この世界――前世でヴィルヘルミーネがはまっていた乙女ゲームの世界に転生したのだ。
しかも、ヴィルヘルミーネは悪役令嬢、そして家族は当然悪役令嬢の家族として。
ゆえに、王太子から婚約破棄を突きつけられることもわかっていた。
前世の記憶を取り戻した一年前から準備に準備を重ね、婚約破棄後の身の振り方を決めていたヴィルヘルミーネたちは慌てず、こう宣言した。
「船に乗ってシュティリエ国へ逃亡するぞー!」「「「おー!」」」
前世も今も、実に能天気な家族たちは、こうして断罪される前にそそくさと海を挟んだ隣国シュティリエ国へ逃亡したのである。
そして、シュティリエ国へ逃亡し、新しい生活をはじめた矢先、ヴィルヘルミーネは庭先で真っ黒い兎を見つけて保護をする。
まさかこの兎が、乙女ゲームのラスボスであるとは気づかづに――
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる