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第三章 悪魔の儀式
第53話 フィオナとロイン
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それからラーナミルは、トルメイに残りのメンバーをアダマスカルまで連れて行くよう指示した。
トルメイは指示を受けると、早々にこの場に残るメンバー以外の者を招集した。呼ばれたクリスたち一同はフィオナやクレアたちに後を頼み、トルメイの後に続いて来た道を戻った。
クリスたちが橋を渡ったところで、早速フィオナがウェントゥスに手を触れた。たちまちウェントゥスから黒い煙がもくもくと立ち昇った。そして山全体が振動を始めた。
壁に沿ってらせんを描いて続く足場の細い道を急ぎ足で上がっていると、先頭を行くトルメイが突然立ち止まった。後に続いていたクリスは、トルメイの背中に激突してしまった。
『あ、すみません』とクリスが謝ったが、トルメイは前を向いたまま黙って立ちすくんでいた。
どうしたのかと、トルメイの肩越しにクリスも前方を覗き見た。すると、上から黒マントの大男たちが下りてくるのが目に入った。しかもその数、二人や三人どころではない。その十倍はいる。
『ひ、引き返しましょう!』
トルメイの掛け声に、クリスたちは足場の悪い細い道を慌てて駆け戻った。
橋を渡ったときには、フィオナがすでにウェントゥスの中へと吸い込まれた後だった。同時に揺れも強くなり、頭上に現れたドラゴンが雄叫びを上げた。三つの頭を持つ、黒く大きなドラゴンだった。
ステージに駆け戻ったクリスたち一行に驚いたラーナミルは、闇の勢力の男たちの存在に気づいて顔をしかめた。
数十人の大男たちが壁際の道の上にぐるっと円を描くように立ち、ステージを見下ろしている。ドラゴンは構わずに口から光線を放って攻撃してきた。
「ラパグール・オプストゥルーシオ」
咄嗟にラーナミルが杖を仰いだ。
するとドーム状にバリアが張られ、ドラゴンの放った光線が跳ね返った。そしてそれが、闇の勢力が立つ壁めがけて飛んでいった。
そこにいた大男が飛び上がってそれをよけると、ドーンという大きな音と共に岩肌にぽっかりと穴が開いた。
飛び上がった男は、ステージに着地した。そして一番近くにいたトルメイに掴みかかった。すかさず、パオリーナが男の顎を蹴り上げた。
それを皮切りに、次々と男たちがステージ上に降りて攻撃を仕掛けてきた。ステージの上は、一瞬にして戦場と化した。
「紗奈ちゃん、ベベをお願い!」
クリスは紗奈にベベを預けた。
「ぼくのそばから離れないで」
紗奈はベベをぎゅっと抱きしめうなずいた。優里もかばうように紗奈を背にしてクリスの真横に立った。そして向かってくる男を風で吹き飛ばした。
クリスも組み合わせた手に全神経を集中させた。幸い、水には困らない。
「アクアボンバーダ!」
杖を向けてきた男に向かって、クリスが両手を広げた。
クリスの両手から放たれた水の砲撃が男を襲った。真正面からもろにその砲撃を食らった男は、吹っ飛んで壁に激突しそのままお堀へ落下した。
ラーナミルは、ドラゴンの攻撃に対する防御に徹していた。そしてロインが宙に舞ってドラゴンに反撃した。
それ以外の者は、皆黒マントの男たちとの死闘を繰り広げていた。山は揺れ、崩れた石が戦場へと降り注いだ。
********************************************************
『フィオナ』
名前を呼ばれて、フィオナは振り返った。するとそこには、フィオナが幼い頃に亡くなったはずの両親が立っていた。
『あれ、おとうさん、おかあさん・・・?』
両親はそばへ来てフィオナを抱きしめた。懐かしい匂いがした。この感触、夢なんかじゃない。フィオナの目から涙が溢れ出した。
『おとうさん、おかあさん生きていたの?』
両親は地表世界の人々を導くため、地表世界で活動していた連絡役だった。ところが、ある日地底人の存在を恐れるとある国のトップに捉えられ、殺されてしまったと聞かされていた。
『フィオナ、ごめんね』と母親がフィオナの肩に手を置き、涙ながらに謝った。
『本当は、わたしたち死んでなんかいないの。地上でもてなされ、素晴らしい人生を送っているわ。あまりに素晴らしくて、帰りたくなくなってしまったの。でも、もちろんあなたのことは片時も忘れたことはないわ。だから準備ができた今、こうして迎えに来たのよ』
『そうなの・・・?でも、わたしおかあさんたちの人生、マルガモルで見たよ?』
両親が亡くなったと聞かされ、フィオナを育ててくれた保護者たちの閲覧許可が下りてからマルガモルでふたりの人生を体験していた。どちらも思い出したくないほど、壮絶な最期を迎えていた。
『それは書き換えられた情報なのよ。それが条件だったの。地底世界を去って地上に永住するためのね』
そう話す母親の隣で、父親は優しい笑顔を浮かべていた。
『地上は、地底世界よりもずっと素敵なところよ。だから、フィオナもわたしたちと一緒に地上に住みましょう?』
そう言って、母親がフィオナの手を引いた。
『あ、でもわたし・・・今、闇の勢力から地球を守るために戦ってるの。おとうさん、おかあさんわたし選ばれし者だったんだよ?』
フィオナが得意気に話すと、両親は微笑みを浮かべたまま首を振った。
『フィオナ、それはね。嘘なのよ。でっち上げられた作り話なの。地球に分離を促すためのね』
『え、どういうこと?』
『つまりね、地球が闇の勢力に乗っ取られてしまうなんてことはないのよ。地球のすべての存在が手を取り合って、共にアセンドしていくのよ。もしあなたが選ばれし者で、クリスタルエレメントを集めて闇の勢力を追放するなんていうのであれば、そんなことを謳っている存在こそが闇の勢力よ』
『そうなんだ・・・』
たしかに、言われてみればそうかもしれない。そもそもすべての存在に優劣はなく、皆愛と光の存在だ。そう学校で教わってきた。
それなのに、いつしか闇は駆逐しなければいけないという思いに囚われてしまっていた。選ばれし者と呼ばれ、おごっていたのかもしれない。
フィオナが両親を見上げると、両親は輝く笑顔でフィオナを見つめ返した。
差し伸べる父親の手も握り、両親に手を引かれて光へと向かった。
「フィオナ!」
振り返ると、ロインが立っていた。自分よりも身長の低い、ドラゴン族の男の子だ。
両親がいなくなってすぐのことだった。保護者のひとりが保管していたドラゴンの卵が、フィオナの手によって孵化したのだ。
そしてそれ以降、ロインはフィオナの守護ドラゴンとなった。目の前に立つロインは、なぜか傷だらけだった。
「フィオナ、行っちゃダメだ!」
真剣な表情でロインが必死に訴えた。
フィオナは両親を見上げた。母親が『騙されちゃだめよ』と言って、首を振った。
『お願い。わたしたちはあなたと一緒に暮らせる日が来ることを待ち望んでいたの。一緒に来てくれるでしょう?』
目を潤ませ、母親は嘆願した。
「フィオナ、ダメだよ。お願いだから行かないで。幻覚を見さられているだけだから。おとうさんとおかあさんはもういないんだ。でも・・・ぼくがいる。この先もぼくがずっとそばにいて、ぼくが君を守るから。だから一緒に戻ろう!」
ロインの目から涙が溢れていた。
フィオナはまた両親の顔を見上げた。すると、両親の顔が徐々に崩れ始めた。顔の皮がずり落ち、目玉がこぼれ落ちた。
『フィオナ、はやく行きましょう』
とても強い力で両親に手を引かれた。
「やめて・・・離して!」
フィオナは両親の手を強引に振り払った。そして、ロインに駆け寄り抱きついた。
********************************************************
ウェントゥスから飛び出したフィオナの元に、ロインが駆け寄った。
ステージの上には、何人もの人造人間が倒れていた。
そして、三つの頭を持つ超竜“ギラミルマン”の頭部はひとつだけになっていた。
そのドラゴンに向かって、フィオナとロインはミラコルンをはめた拳を突き上げた。
「オンドーヴァルナーシム!」
ふたりのミラコルンから放たれた巨大な光の龍が、ギラミルマンに向かって行った。
その光の龍に飲み込まれ、ギラミルマンは塵となって消滅した。
山は今にも崩れ落ちそうだった。トルメイが『早く撤収しましょう!』と、まくし立てた。
ヴァルターがウェントゥスを回収し、一行は転移装置へ向かって坂道を駆けのぼった。そのとき、クリスはズーンと頭の重くなる急激な眠気に襲われた。そしてそのまま意識を失った。
トルメイは指示を受けると、早々にこの場に残るメンバー以外の者を招集した。呼ばれたクリスたち一同はフィオナやクレアたちに後を頼み、トルメイの後に続いて来た道を戻った。
クリスたちが橋を渡ったところで、早速フィオナがウェントゥスに手を触れた。たちまちウェントゥスから黒い煙がもくもくと立ち昇った。そして山全体が振動を始めた。
壁に沿ってらせんを描いて続く足場の細い道を急ぎ足で上がっていると、先頭を行くトルメイが突然立ち止まった。後に続いていたクリスは、トルメイの背中に激突してしまった。
『あ、すみません』とクリスが謝ったが、トルメイは前を向いたまま黙って立ちすくんでいた。
どうしたのかと、トルメイの肩越しにクリスも前方を覗き見た。すると、上から黒マントの大男たちが下りてくるのが目に入った。しかもその数、二人や三人どころではない。その十倍はいる。
『ひ、引き返しましょう!』
トルメイの掛け声に、クリスたちは足場の悪い細い道を慌てて駆け戻った。
橋を渡ったときには、フィオナがすでにウェントゥスの中へと吸い込まれた後だった。同時に揺れも強くなり、頭上に現れたドラゴンが雄叫びを上げた。三つの頭を持つ、黒く大きなドラゴンだった。
ステージに駆け戻ったクリスたち一行に驚いたラーナミルは、闇の勢力の男たちの存在に気づいて顔をしかめた。
数十人の大男たちが壁際の道の上にぐるっと円を描くように立ち、ステージを見下ろしている。ドラゴンは構わずに口から光線を放って攻撃してきた。
「ラパグール・オプストゥルーシオ」
咄嗟にラーナミルが杖を仰いだ。
するとドーム状にバリアが張られ、ドラゴンの放った光線が跳ね返った。そしてそれが、闇の勢力が立つ壁めがけて飛んでいった。
そこにいた大男が飛び上がってそれをよけると、ドーンという大きな音と共に岩肌にぽっかりと穴が開いた。
飛び上がった男は、ステージに着地した。そして一番近くにいたトルメイに掴みかかった。すかさず、パオリーナが男の顎を蹴り上げた。
それを皮切りに、次々と男たちがステージ上に降りて攻撃を仕掛けてきた。ステージの上は、一瞬にして戦場と化した。
「紗奈ちゃん、ベベをお願い!」
クリスは紗奈にベベを預けた。
「ぼくのそばから離れないで」
紗奈はベベをぎゅっと抱きしめうなずいた。優里もかばうように紗奈を背にしてクリスの真横に立った。そして向かってくる男を風で吹き飛ばした。
クリスも組み合わせた手に全神経を集中させた。幸い、水には困らない。
「アクアボンバーダ!」
杖を向けてきた男に向かって、クリスが両手を広げた。
クリスの両手から放たれた水の砲撃が男を襲った。真正面からもろにその砲撃を食らった男は、吹っ飛んで壁に激突しそのままお堀へ落下した。
ラーナミルは、ドラゴンの攻撃に対する防御に徹していた。そしてロインが宙に舞ってドラゴンに反撃した。
それ以外の者は、皆黒マントの男たちとの死闘を繰り広げていた。山は揺れ、崩れた石が戦場へと降り注いだ。
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『フィオナ』
名前を呼ばれて、フィオナは振り返った。するとそこには、フィオナが幼い頃に亡くなったはずの両親が立っていた。
『あれ、おとうさん、おかあさん・・・?』
両親はそばへ来てフィオナを抱きしめた。懐かしい匂いがした。この感触、夢なんかじゃない。フィオナの目から涙が溢れ出した。
『おとうさん、おかあさん生きていたの?』
両親は地表世界の人々を導くため、地表世界で活動していた連絡役だった。ところが、ある日地底人の存在を恐れるとある国のトップに捉えられ、殺されてしまったと聞かされていた。
『フィオナ、ごめんね』と母親がフィオナの肩に手を置き、涙ながらに謝った。
『本当は、わたしたち死んでなんかいないの。地上でもてなされ、素晴らしい人生を送っているわ。あまりに素晴らしくて、帰りたくなくなってしまったの。でも、もちろんあなたのことは片時も忘れたことはないわ。だから準備ができた今、こうして迎えに来たのよ』
『そうなの・・・?でも、わたしおかあさんたちの人生、マルガモルで見たよ?』
両親が亡くなったと聞かされ、フィオナを育ててくれた保護者たちの閲覧許可が下りてからマルガモルでふたりの人生を体験していた。どちらも思い出したくないほど、壮絶な最期を迎えていた。
『それは書き換えられた情報なのよ。それが条件だったの。地底世界を去って地上に永住するためのね』
そう話す母親の隣で、父親は優しい笑顔を浮かべていた。
『地上は、地底世界よりもずっと素敵なところよ。だから、フィオナもわたしたちと一緒に地上に住みましょう?』
そう言って、母親がフィオナの手を引いた。
『あ、でもわたし・・・今、闇の勢力から地球を守るために戦ってるの。おとうさん、おかあさんわたし選ばれし者だったんだよ?』
フィオナが得意気に話すと、両親は微笑みを浮かべたまま首を振った。
『フィオナ、それはね。嘘なのよ。でっち上げられた作り話なの。地球に分離を促すためのね』
『え、どういうこと?』
『つまりね、地球が闇の勢力に乗っ取られてしまうなんてことはないのよ。地球のすべての存在が手を取り合って、共にアセンドしていくのよ。もしあなたが選ばれし者で、クリスタルエレメントを集めて闇の勢力を追放するなんていうのであれば、そんなことを謳っている存在こそが闇の勢力よ』
『そうなんだ・・・』
たしかに、言われてみればそうかもしれない。そもそもすべての存在に優劣はなく、皆愛と光の存在だ。そう学校で教わってきた。
それなのに、いつしか闇は駆逐しなければいけないという思いに囚われてしまっていた。選ばれし者と呼ばれ、おごっていたのかもしれない。
フィオナが両親を見上げると、両親は輝く笑顔でフィオナを見つめ返した。
差し伸べる父親の手も握り、両親に手を引かれて光へと向かった。
「フィオナ!」
振り返ると、ロインが立っていた。自分よりも身長の低い、ドラゴン族の男の子だ。
両親がいなくなってすぐのことだった。保護者のひとりが保管していたドラゴンの卵が、フィオナの手によって孵化したのだ。
そしてそれ以降、ロインはフィオナの守護ドラゴンとなった。目の前に立つロインは、なぜか傷だらけだった。
「フィオナ、行っちゃダメだ!」
真剣な表情でロインが必死に訴えた。
フィオナは両親を見上げた。母親が『騙されちゃだめよ』と言って、首を振った。
『お願い。わたしたちはあなたと一緒に暮らせる日が来ることを待ち望んでいたの。一緒に来てくれるでしょう?』
目を潤ませ、母親は嘆願した。
「フィオナ、ダメだよ。お願いだから行かないで。幻覚を見さられているだけだから。おとうさんとおかあさんはもういないんだ。でも・・・ぼくがいる。この先もぼくがずっとそばにいて、ぼくが君を守るから。だから一緒に戻ろう!」
ロインの目から涙が溢れていた。
フィオナはまた両親の顔を見上げた。すると、両親の顔が徐々に崩れ始めた。顔の皮がずり落ち、目玉がこぼれ落ちた。
『フィオナ、はやく行きましょう』
とても強い力で両親に手を引かれた。
「やめて・・・離して!」
フィオナは両親の手を強引に振り払った。そして、ロインに駆け寄り抱きついた。
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ウェントゥスから飛び出したフィオナの元に、ロインが駆け寄った。
ステージの上には、何人もの人造人間が倒れていた。
そして、三つの頭を持つ超竜“ギラミルマン”の頭部はひとつだけになっていた。
そのドラゴンに向かって、フィオナとロインはミラコルンをはめた拳を突き上げた。
「オンドーヴァルナーシム!」
ふたりのミラコルンから放たれた巨大な光の龍が、ギラミルマンに向かって行った。
その光の龍に飲み込まれ、ギラミルマンは塵となって消滅した。
山は今にも崩れ落ちそうだった。トルメイが『早く撤収しましょう!』と、まくし立てた。
ヴァルターがウェントゥスを回収し、一行は転移装置へ向かって坂道を駆けのぼった。そのとき、クリスはズーンと頭の重くなる急激な眠気に襲われた。そしてそのまま意識を失った。
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