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第一章 過去世の記憶
第21話 質問ばかりのクレア
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食事をしなくても済む生活が成り立つとすれば、飢餓で亡くなる人もいなくなるではないか。
ファロスがそんなことを考えていると、クレアが『ねぇねぇ』と袖を引っ張った。
『でもさぁ、地上ではみんなが食事をする必要があるのなら、きっと地上にはこのコルタニアみたいな食事をするところがいっぱいあるのでしょう?それに、料理人もいっぱい必要だよね』
「コルタニアとはこの店のことか?」
ファロスが店内を指差すと、クレアは『うん』とうなずいた。
「確かに街へ行けば多少はあるが、でも金もかかるし滅多に行くことはない。みんなそれぞれ家で作って食べる」
『えーっ!家で作るって、料理を自分たちで作るの?それじゃあ、ファロスも料理ができるの?』
「まぁ、そうだ。といっても、ここの料理のように大層なものは作れないがな。パンを焼いたり野菜を煮たりするだけだ」
『でも、そうしたら料理人はどうするの?みんなが家で料理をするのだったら、料理人の仕事がなくなっちゃうんじゃないの?』
「さあな。金を持っている者はそういった店に行くのだから、そういう連中を相手にしていれば特に仕事もなくならないんじゃないか?」
『ふーん・・・。ところで、カネって何?』
金すらも知らないのか。もしやこの世界には金すらもないのか?
そういえば、たしかにこの店では金を払っていなかった。
「お金は必要ない」と言っていたエランドラの言葉をファロスは思い出した。
『ねぇ、カネってなぁに?』
ファロスの袖を引っ張って、ねだるようにクレアが聞いた。
「いや、金とはあれだ。金貨や銀貨や銅貨のことだ」
『キンカヤギンカヤドウカって何?』
「いや、だから、このくらいの薄くて丸い金属でできたものだ」
ファロスはそう言って、親指と人差し指を合わせて丸い輪を形作ってクレアに示した。
『ふーん。それで、それを持っているとどうなるの?』
「いや、だから、それを持っていれば自分で料理をしなくともこういう店でも飯が食えるようになるし、欲しいものを大抵の物は手に入れられるようになる」
『へぇー。でもお店で食事をしたり、欲しいものを手に入れたりするのに、どうしてそんなものが必要なの?』
「それは、だって、そういう風に決まっているからだ」
『えー、なんで?』
「なんでといわれても、そう決められているからな」
『ねぇー、なんで?』
ファロスからは納得のいく回答を得られないと思ったのか、今度はエランドラに向かってクレアは尋ねた。
『地上ではね、物や役務など何かを受け取ったら、その見返りとして相手に何かを支払う必要があるのよ』
エランドラが話し始めると、クレアは身を乗り出して耳を傾けた。
ファロスがそんなことを考えていると、クレアが『ねぇねぇ』と袖を引っ張った。
『でもさぁ、地上ではみんなが食事をする必要があるのなら、きっと地上にはこのコルタニアみたいな食事をするところがいっぱいあるのでしょう?それに、料理人もいっぱい必要だよね』
「コルタニアとはこの店のことか?」
ファロスが店内を指差すと、クレアは『うん』とうなずいた。
「確かに街へ行けば多少はあるが、でも金もかかるし滅多に行くことはない。みんなそれぞれ家で作って食べる」
『えーっ!家で作るって、料理を自分たちで作るの?それじゃあ、ファロスも料理ができるの?』
「まぁ、そうだ。といっても、ここの料理のように大層なものは作れないがな。パンを焼いたり野菜を煮たりするだけだ」
『でも、そうしたら料理人はどうするの?みんなが家で料理をするのだったら、料理人の仕事がなくなっちゃうんじゃないの?』
「さあな。金を持っている者はそういった店に行くのだから、そういう連中を相手にしていれば特に仕事もなくならないんじゃないか?」
『ふーん・・・。ところで、カネって何?』
金すらも知らないのか。もしやこの世界には金すらもないのか?
そういえば、たしかにこの店では金を払っていなかった。
「お金は必要ない」と言っていたエランドラの言葉をファロスは思い出した。
『ねぇ、カネってなぁに?』
ファロスの袖を引っ張って、ねだるようにクレアが聞いた。
「いや、金とはあれだ。金貨や銀貨や銅貨のことだ」
『キンカヤギンカヤドウカって何?』
「いや、だから、このくらいの薄くて丸い金属でできたものだ」
ファロスはそう言って、親指と人差し指を合わせて丸い輪を形作ってクレアに示した。
『ふーん。それで、それを持っているとどうなるの?』
「いや、だから、それを持っていれば自分で料理をしなくともこういう店でも飯が食えるようになるし、欲しいものを大抵の物は手に入れられるようになる」
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『えー、なんで?』
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『ねぇー、なんで?』
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『地上ではね、物や役務など何かを受け取ったら、その見返りとして相手に何かを支払う必要があるのよ』
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