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第一章 過去世の記憶
第19話 レストラン”コルタニア”
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建物の内部は、外から見るよりも広く感じられた。天井が異常なほど高い。
大理石の床に、クリスタル製の丸いテーブルや椅子がゆったりとした間隔をとって並べられている。
1階だけでも相当な席数があるが、その半数近く埋まっていた。中央には調理場があり、その上は吹き抜けになっていた。
天から差し込む光とそれを反射する大理石やクリスタルによって、外と変わらず建物の中は明るかった。
円形に仕切られた調理場では5,6人の男女が作業をしていた。その調理場の前のカウンターで料理を注文する仕組みになっていた。
ファロスはエランドラに従ってカウンターへ向かったが、途中でお金を持っていないことに気づいた。
そんなファロスの思いを読み取ったのか、エランドラが振り返って『大丈夫よ』といった。
『ここでは、お金は必要ないのよ。さあ、好きなものを頼んで』
カウンターの上に立てられた薄いクリスタルの板を示して、エランドラが言った。
四角いそのクリスタル盤は、左半分が空白になっていて、右半分には光を発する文字が何列にもなって並んで書かれていた。
その文字は料理名を表しているのだろうが、見たこともない文字のためにどれが一体どんな料理なのかファロスには見当もつかなかった。
『こうやって、触れてみればわかるわ』
エランドラがそう言ってクリスタル盤のひとつの文字に触れた。すると、左半面に容器に入った緑色のスープが現れた。
ファロスは思わず身を乗り出して、クリスタル盤の裏側を覗き込んだ。ところが、そこには何もなかった。もう一度表面を見ると、やはり緑色のスープが映し出されている。
それはとても立体的で、スープからは湯気も立っていた。
ファロスは試しにクリスタル盤の文字をでたらめに触れた。すると、左面には次々に色んな料理や飲み物が出現した。
そうして次から次へと料理を出現させていると、厨房にいた大柄な男性が二人の元へとやってきた。
『お決まりになりましたぁー?』
見た目からは想像もつかない、甲高い声で男性が聞いた。
岩のようにいかつい顔には、満面の笑みを浮かべている。
何も決められずに困った様子でファロスがエランドラを見ると、『わたしが選んであげるわ』と言って、クリスタル盤を指差しながらエランドラが料理を注文し始めた。
『ケタボルロッソシャロルローネのペンペールチェネモ△★#◆♪@・・・・』
まるで呪文を唱えるように、エランドラは次々と注文をした。
注文を終えると、二人は調理場の裏側へ回り込んだ。
調理場の裏には、ガラスでできた煙突のような円柱形の柱が天井に向かって伸びていた。
建物内には、同じような柱があちこちにあった。調理場裏の柱の前にエランドラが立つと壁にぽっかりと穴が開き、柱への入り口が現れた。
どうやらその柱で階を移動するらしい。
エランドラに続いて、ファロスも柱の中へと足を踏み入れた。
柱の床もガラス張りで透き通っていて、その下は湖とつながっているのか透き通る水の中を泳ぐ魚が見えた。
床が上昇するにつれて、床下の水かさも上昇した。それと合わせて数匹の魚が一緒になって上がってきた。
3階へ到着し二人が柱から降りると、窓際の席に座った少女が手を振った。
大理石の床に、クリスタル製の丸いテーブルや椅子がゆったりとした間隔をとって並べられている。
1階だけでも相当な席数があるが、その半数近く埋まっていた。中央には調理場があり、その上は吹き抜けになっていた。
天から差し込む光とそれを反射する大理石やクリスタルによって、外と変わらず建物の中は明るかった。
円形に仕切られた調理場では5,6人の男女が作業をしていた。その調理場の前のカウンターで料理を注文する仕組みになっていた。
ファロスはエランドラに従ってカウンターへ向かったが、途中でお金を持っていないことに気づいた。
そんなファロスの思いを読み取ったのか、エランドラが振り返って『大丈夫よ』といった。
『ここでは、お金は必要ないのよ。さあ、好きなものを頼んで』
カウンターの上に立てられた薄いクリスタルの板を示して、エランドラが言った。
四角いそのクリスタル盤は、左半分が空白になっていて、右半分には光を発する文字が何列にもなって並んで書かれていた。
その文字は料理名を表しているのだろうが、見たこともない文字のためにどれが一体どんな料理なのかファロスには見当もつかなかった。
『こうやって、触れてみればわかるわ』
エランドラがそう言ってクリスタル盤のひとつの文字に触れた。すると、左半面に容器に入った緑色のスープが現れた。
ファロスは思わず身を乗り出して、クリスタル盤の裏側を覗き込んだ。ところが、そこには何もなかった。もう一度表面を見ると、やはり緑色のスープが映し出されている。
それはとても立体的で、スープからは湯気も立っていた。
ファロスは試しにクリスタル盤の文字をでたらめに触れた。すると、左面には次々に色んな料理や飲み物が出現した。
そうして次から次へと料理を出現させていると、厨房にいた大柄な男性が二人の元へとやってきた。
『お決まりになりましたぁー?』
見た目からは想像もつかない、甲高い声で男性が聞いた。
岩のようにいかつい顔には、満面の笑みを浮かべている。
何も決められずに困った様子でファロスがエランドラを見ると、『わたしが選んであげるわ』と言って、クリスタル盤を指差しながらエランドラが料理を注文し始めた。
『ケタボルロッソシャロルローネのペンペールチェネモ△★#◆♪@・・・・』
まるで呪文を唱えるように、エランドラは次々と注文をした。
注文を終えると、二人は調理場の裏側へ回り込んだ。
調理場の裏には、ガラスでできた煙突のような円柱形の柱が天井に向かって伸びていた。
建物内には、同じような柱があちこちにあった。調理場裏の柱の前にエランドラが立つと壁にぽっかりと穴が開き、柱への入り口が現れた。
どうやらその柱で階を移動するらしい。
エランドラに続いて、ファロスも柱の中へと足を踏み入れた。
柱の床もガラス張りで透き通っていて、その下は湖とつながっているのか透き通る水の中を泳ぐ魚が見えた。
床が上昇するにつれて、床下の水かさも上昇した。それと合わせて数匹の魚が一緒になって上がってきた。
3階へ到着し二人が柱から降りると、窓際の席に座った少女が手を振った。
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