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紅の瞳
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「お嬢様、お目覚めの時間ですよ」
優しい声に呼びかけられてリリアは気が付いた。カーテンが開かれ、暖かな日差しが頬を撫でる。
徐々に意識がはっきりしてきたところでリリアは目を開けた。だが、その目に映った人物に気が付いた途端、勢いよく飛び上がって布団を手繰り寄せた。
「シエル!?」
「よっ、お目覚めだな。これで二度寝の心配は無しっと」
シエルと呼ばれた青年はニッと歯を見せて笑う。
「どうしてマリーじゃないの!?っていうか、さっきの声は……」
「ああ、俺の声真似。似てたか?」
リリアは頭を抱えたくなった。さっき聞こえた声は、どう考えてもリリアの専属侍女のマリーの声だったからだ。
「うそでしょ……」
「信じてないなー?マリーは今日から一週間休みだっただろ?リリアが時間になっても起きなかった時だけ俺たちが部屋に入る許可をもらってたの忘れたのか?」
「そう言えば……そうだった気がする……」
「だろ?エドガー様が下でお待ちだから、早く準備して来いよ。飯が冷めちまうぞ」
そう言ってシエルは部屋を出て行こうとしたが、ふと何かに気が付いて足を止めた。振り返ると、リリアの方をじっと見つめる。
「な……なに……?」
無言の空気に耐えきれなくなり、リリアは先に口を開いた。
「その目、どうしたんだ?」
「目……?」
全く思いもよらなかった問いに首をひねる。
「なんか、赤くなってる。どうもないのか?」
「うん……。どうなってるか分からないけど、後から見てみる」
「うん。じゃ、俺は外に出てるから何かあれば呼べよ」
屋敷の一階ダイニングでは、先にリリアの父エドガーが席について新聞に目を通していた。
「やはり、リリアはマリーがいないと起きれなかったようだな」
エドガーは口元を緩ませながら、傍に仕える青年に声をかける。
「そのようですね。先ほどシエルが声をかけに言っておりましたが」
「今日は休みだからな。少しくらいの寝坊は大目に見ることにしよう。ノエル、そろそろ朝食の準備を始めてくれるか?」
「かしこまりました」
そう言って顔を上げたその青年は、シエルと瓜二つの顔をしていた。
シエルとノエルは双子で、幼いころよりリリアと兄妹のように育てられた。すっかり成長した今は、屋敷の使用人として仕えているのだった。
「ここ数日は神託の話題で持ち切りだな」
ため息をついて新聞を閉じたエドガーに、ノエルは支度をしながら口を開く。
「『この地に集まりし七人に勇者の手によって災厄は滅びん』でしたっけ?」
「まだ続きがある。『神より選ばれし女神が勇者に力を与えん。女神の真紅の瞳が正しき者を導くだろう』。このお告げが出てからというもの、王都では赤い瞳を持つ女性を集めて適正試験を行っているらしい」
「へぇ……。ずいぶんと王室は暇なのですね」
「まぁ、そう言ってやるな。神託に頼りたくなるくらいに、今の国政が最悪だということだろう。それに不安を覚えている民衆も、女神と勇者が明らかになれば今の生活が変わるかもしれないという希望を抱いているのだろう」
そんな話をしていたところで、入り口のドアがノックされた。
「入りなさい」
ゆっくりとドアが開いて、着替えを終えたリリアが入ってくる。
「お父様、おはようございます。遅くなってしまい申し訳ありません」
「おはよう。やはりマリーがいないとダメだったかな?…………リリア、その目はどうしたんだ?」
普段は穏やかなエドガーの声が低くなる。リリアも少し困ったような顔を見せる。
「その……起きたらこうなっていたみたいで……。私自身は何ともないんですけど、見た目が……」
リリアの瞳をじっと見ると、ノエルはエドガーの方を振り返る。
「エドガー様、これって……」
「あぁ……。信じたくはないが……。あぁ、なんてことだ」
エドガーは額に手を当てて目を閉じる。
「えっと……これは、何か良くないのでしょうか?」
二人の話について行けていないリリアが不安そうに口を開く。エドガーは少し悩んだ末、神託の内容について話して聞かせた。
合流したシエルとリリアは話を一通り聞いて不思議そうな顔をした。
「ご主人様はリリア様が女神に選ばれたことが良くないことだとおっしゃるんですね?」
シエルが確かめるように言うと、エドガーはそれにゆっくり頷いた。
「だが、それはまだ噂レベルの話だ。確証は無いが、不安要素は消しておくべきだろう。だから、私がより詳しく調べる間、リリアが女神だということを知られたくない。この屋敷内には、誰も外へ言いふらすような者はいないと思っているが、外部からの人の出入りもあるからな……。静養のためにという名目で、避暑地として使っている別宅へリリアと共に行って欲しい」
「わざわざそこまでしなくても……」
リリアは少し不満げに言うが、父の表情を見て途中で口を噤んだ。
「一緒にファンドも行かせることにしよう」
ファンドは、王都より派遣されたエドガー専属の騎士だった。
エドガーは王都から一番近い領地であるグルタミアの領主だった。彼は領民たちの暮らしを少しでも良く出来るようにと、多額の税を納めて王室に忠誠を示すことで、昨年にようやく近郊貴族としての称号を手にすることができた。
そして各家に一人付けられる騎士は、名目上は道中の護衛や王都での案内のためであるが、余計な動きをすることが無いように見張るものであると言うのが世間的な捉え方であった。
だから、貴族の人間からしたらこの騎士と言う存在は、目障りなだけで必要ないものだと感じられることがほとんどだった。
加えて、これは表立っては言われないが近郊の貴族に付くということは、その騎士の事実上の左遷を意味していた。だがそんな事情を全く感じさせないほどに、ファンドは真摯に務めを全うする誠実な騎士だった。
だからこそ、女神である可能性のある娘を隠遁させるという、国への反逆行為と捉えられてもおかしくない行動に騎士であるファンドも同行させることを提案したのだ。
「それでは、ご主人様が王都へ戻られる間の護衛はどうされるのですか?来週から王都での業務が入っていましたよね?」
「それを、シエルに頼みたいのだ」
その言葉にシエルは大きく目を見開くと、おずおずと口を開いた。
「えっと……お恥ずかしい話ですが、私はファンドから戦い方を少しは教わっていますが、彼に比べたらまだまだ足元にも及びません」
「心配するな。私だってある程度自分の身は守れる。今まではそうしてきたんだからな」
「……分かりました。最大限の準備をしてお供させていただきます」
こうして、エドガーが王都へ出向くまでに、シエルとノエルは諸々の準備に追われることになった。
真っ先にエドガーからファンドの所へ行くように告げられた二人は、彼が毎日訓練に励んでいる場所へと向かった。
「ファンドー!!」
シエルの声に、ファンドは素振りの手を止めて振り返る。
「おぉ、来たな!領主様から聞いたよ。今回はシエルがお供するんだな」
ファンドは二人よりも二歳年上の十九だったが、本人の強い希望でこうしてフランクな関係を築いていた。
「そうなんだ。それで、なんで俺たちはここに呼ばれたんだ?」
「あぁ、実は二人に魔法を覚えて貰おうと思ってな」
「「魔法!?」」
思いもよらなかったワードに、二人は目をキラキラと輝かせた。
「でも、王都では剣か魔法かどちらかしか使ったらいけないんじゃないの?」
「……どちらが得意かなんて、やってみないと分からないだろう?もしかしたら、少しの練習で一気に魔法の力が覚醒するかもしれない。だったら、そっちを練習した方が得策だと思わない?」
ファンドは心優しい青年だが、王都の話題が出ると一瞬声のトーンが下がることを二人は知っていた。だが、すぐにいつもの調子に戻るため、それ以上深く聞くことが出来ないでいた。
「それもそうだね。さっそく教えてよ!」
双子は互いに顔を見合わせると、満面の笑みでファンドに向き直った。やる気に満ちた二人を見て、ファンドもついつられて笑う。
「二人には今まで剣術を教えてきたけど、体格や経験が大きくものを言う。でも、魔法なら要領さえ掴めればすぐに使うことができる。これから出発までの一週間で魔力の弾が出せるようにするぞ」
「「うん!!」」
優しい声に呼びかけられてリリアは気が付いた。カーテンが開かれ、暖かな日差しが頬を撫でる。
徐々に意識がはっきりしてきたところでリリアは目を開けた。だが、その目に映った人物に気が付いた途端、勢いよく飛び上がって布団を手繰り寄せた。
「シエル!?」
「よっ、お目覚めだな。これで二度寝の心配は無しっと」
シエルと呼ばれた青年はニッと歯を見せて笑う。
「どうしてマリーじゃないの!?っていうか、さっきの声は……」
「ああ、俺の声真似。似てたか?」
リリアは頭を抱えたくなった。さっき聞こえた声は、どう考えてもリリアの専属侍女のマリーの声だったからだ。
「うそでしょ……」
「信じてないなー?マリーは今日から一週間休みだっただろ?リリアが時間になっても起きなかった時だけ俺たちが部屋に入る許可をもらってたの忘れたのか?」
「そう言えば……そうだった気がする……」
「だろ?エドガー様が下でお待ちだから、早く準備して来いよ。飯が冷めちまうぞ」
そう言ってシエルは部屋を出て行こうとしたが、ふと何かに気が付いて足を止めた。振り返ると、リリアの方をじっと見つめる。
「な……なに……?」
無言の空気に耐えきれなくなり、リリアは先に口を開いた。
「その目、どうしたんだ?」
「目……?」
全く思いもよらなかった問いに首をひねる。
「なんか、赤くなってる。どうもないのか?」
「うん……。どうなってるか分からないけど、後から見てみる」
「うん。じゃ、俺は外に出てるから何かあれば呼べよ」
屋敷の一階ダイニングでは、先にリリアの父エドガーが席について新聞に目を通していた。
「やはり、リリアはマリーがいないと起きれなかったようだな」
エドガーは口元を緩ませながら、傍に仕える青年に声をかける。
「そのようですね。先ほどシエルが声をかけに言っておりましたが」
「今日は休みだからな。少しくらいの寝坊は大目に見ることにしよう。ノエル、そろそろ朝食の準備を始めてくれるか?」
「かしこまりました」
そう言って顔を上げたその青年は、シエルと瓜二つの顔をしていた。
シエルとノエルは双子で、幼いころよりリリアと兄妹のように育てられた。すっかり成長した今は、屋敷の使用人として仕えているのだった。
「ここ数日は神託の話題で持ち切りだな」
ため息をついて新聞を閉じたエドガーに、ノエルは支度をしながら口を開く。
「『この地に集まりし七人に勇者の手によって災厄は滅びん』でしたっけ?」
「まだ続きがある。『神より選ばれし女神が勇者に力を与えん。女神の真紅の瞳が正しき者を導くだろう』。このお告げが出てからというもの、王都では赤い瞳を持つ女性を集めて適正試験を行っているらしい」
「へぇ……。ずいぶんと王室は暇なのですね」
「まぁ、そう言ってやるな。神託に頼りたくなるくらいに、今の国政が最悪だということだろう。それに不安を覚えている民衆も、女神と勇者が明らかになれば今の生活が変わるかもしれないという希望を抱いているのだろう」
そんな話をしていたところで、入り口のドアがノックされた。
「入りなさい」
ゆっくりとドアが開いて、着替えを終えたリリアが入ってくる。
「お父様、おはようございます。遅くなってしまい申し訳ありません」
「おはよう。やはりマリーがいないとダメだったかな?…………リリア、その目はどうしたんだ?」
普段は穏やかなエドガーの声が低くなる。リリアも少し困ったような顔を見せる。
「その……起きたらこうなっていたみたいで……。私自身は何ともないんですけど、見た目が……」
リリアの瞳をじっと見ると、ノエルはエドガーの方を振り返る。
「エドガー様、これって……」
「あぁ……。信じたくはないが……。あぁ、なんてことだ」
エドガーは額に手を当てて目を閉じる。
「えっと……これは、何か良くないのでしょうか?」
二人の話について行けていないリリアが不安そうに口を開く。エドガーは少し悩んだ末、神託の内容について話して聞かせた。
合流したシエルとリリアは話を一通り聞いて不思議そうな顔をした。
「ご主人様はリリア様が女神に選ばれたことが良くないことだとおっしゃるんですね?」
シエルが確かめるように言うと、エドガーはそれにゆっくり頷いた。
「だが、それはまだ噂レベルの話だ。確証は無いが、不安要素は消しておくべきだろう。だから、私がより詳しく調べる間、リリアが女神だということを知られたくない。この屋敷内には、誰も外へ言いふらすような者はいないと思っているが、外部からの人の出入りもあるからな……。静養のためにという名目で、避暑地として使っている別宅へリリアと共に行って欲しい」
「わざわざそこまでしなくても……」
リリアは少し不満げに言うが、父の表情を見て途中で口を噤んだ。
「一緒にファンドも行かせることにしよう」
ファンドは、王都より派遣されたエドガー専属の騎士だった。
エドガーは王都から一番近い領地であるグルタミアの領主だった。彼は領民たちの暮らしを少しでも良く出来るようにと、多額の税を納めて王室に忠誠を示すことで、昨年にようやく近郊貴族としての称号を手にすることができた。
そして各家に一人付けられる騎士は、名目上は道中の護衛や王都での案内のためであるが、余計な動きをすることが無いように見張るものであると言うのが世間的な捉え方であった。
だから、貴族の人間からしたらこの騎士と言う存在は、目障りなだけで必要ないものだと感じられることがほとんどだった。
加えて、これは表立っては言われないが近郊の貴族に付くということは、その騎士の事実上の左遷を意味していた。だがそんな事情を全く感じさせないほどに、ファンドは真摯に務めを全うする誠実な騎士だった。
だからこそ、女神である可能性のある娘を隠遁させるという、国への反逆行為と捉えられてもおかしくない行動に騎士であるファンドも同行させることを提案したのだ。
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「それを、シエルに頼みたいのだ」
その言葉にシエルは大きく目を見開くと、おずおずと口を開いた。
「えっと……お恥ずかしい話ですが、私はファンドから戦い方を少しは教わっていますが、彼に比べたらまだまだ足元にも及びません」
「心配するな。私だってある程度自分の身は守れる。今まではそうしてきたんだからな」
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真っ先にエドガーからファンドの所へ行くように告げられた二人は、彼が毎日訓練に励んでいる場所へと向かった。
「ファンドー!!」
シエルの声に、ファンドは素振りの手を止めて振り返る。
「おぉ、来たな!領主様から聞いたよ。今回はシエルがお供するんだな」
ファンドは二人よりも二歳年上の十九だったが、本人の強い希望でこうしてフランクな関係を築いていた。
「そうなんだ。それで、なんで俺たちはここに呼ばれたんだ?」
「あぁ、実は二人に魔法を覚えて貰おうと思ってな」
「「魔法!?」」
思いもよらなかったワードに、二人は目をキラキラと輝かせた。
「でも、王都では剣か魔法かどちらかしか使ったらいけないんじゃないの?」
「……どちらが得意かなんて、やってみないと分からないだろう?もしかしたら、少しの練習で一気に魔法の力が覚醒するかもしれない。だったら、そっちを練習した方が得策だと思わない?」
ファンドは心優しい青年だが、王都の話題が出ると一瞬声のトーンが下がることを二人は知っていた。だが、すぐにいつもの調子に戻るため、それ以上深く聞くことが出来ないでいた。
「それもそうだね。さっそく教えてよ!」
双子は互いに顔を見合わせると、満面の笑みでファンドに向き直った。やる気に満ちた二人を見て、ファンドもついつられて笑う。
「二人には今まで剣術を教えてきたけど、体格や経験が大きくものを言う。でも、魔法なら要領さえ掴めればすぐに使うことができる。これから出発までの一週間で魔力の弾が出せるようにするぞ」
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