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③女装男子のホースは放水で一皮むけちゃう特殊機能つき

そぉれ☆

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 気づけば薄暗がりの洞窟内で、目の前には瀕死の子供がいた。

「グルヴヴッヴ……近寄るなアッ!」

 どういう状況おおお??!!
 マジあの女神やることなすこと最悪ぅぅ!!

 体の小さな子供が、体よりも大きな布切れに包まって、僕に威嚇してくる。
 洞窟内は水辺が近いのか湿り気を帯びて水の匂いもするけれど、それ以上に子供が流す血錆の臭いが鼻を衝く。
 大怪我をしているって一目で理解できるよ。それなのに、一生懸命に唸り声で威嚇して、犬歯剥き出しだ。
 妙に犬歯でかいなとか、額や側頭部に尖った物体が生えているなとか、気づいたけれど今はどうでもいい。直ぐに手当てしないと……!

「近づかないよ~。怖くないよ~。ちょっと冷たいかもだけど、我慢してね~」

 僕は極力やさしめの声をかけながら、放水した。シャワワワワ~~
 ホースから溢れ出した水は拡散、散水、子供の全身に降り注ぐ。
 先ずは傷口を水で洗い流して綺麗にしないとね。

「ヴヴヴヴ、グルル、グル、ぐるるるる」

 心なしか唸り声に刺々しさが無くなっていくなあ。
 そぉれ、綺麗になってしまえ~~。

 ――――て、子供の傷が消えていくんですけどおお?!

 ポン ≪聖者は竜王の子ホセ・バラカルト・グルムタスを癒した≫
 ポン ≪聖者は竜族王子お誕生日の正装を手に入れた≫
 スッポンポーン ≪聖者は竜の宝玉 【絶白】 を手に入れた≫

 ああああもおおおおおお女神ぃそういうとこだよ女神ぃぃ!!

 とうとう地面へと突っ伏してしまった僕。
 何かに負けた気がするんだ。何にも負けていないけれども。

 でもね、展開が目まぐるし過ぎるんだ。
 朝早くから登校して花壇に水をやり、異世界へ飛んで、人攫いに尻鷲掴みにされ、走って逃げて女神の声を聞いて、洞窟に飛ばされ子供を癒した。今ここ。

 疲れた……。

 ステータスにあった体力:Eは伊達じゃないよね。おそらくSが最高で、Eが最低ランク。
 これまでも体力テストは最低評価だったから、わかる。僕は体力が人並み以下だ。たとえ(+)されたって、元が貧弱なら目立って高ステータスになることもない。

「おい、お前、大丈夫か? 私を癒してくれたのはお前だろう? もしかして、その術は体力を奪うのか?」

 地面に伏せて、めそめそしていたら子供が近くに来ていた。
 心配げにしている気配もするので、起き上がる。

「えーと、大丈夫だから。それより君――――」

 う、う、うわ、うわあ綺麗な子だなあ……。

 キラキラ光る白金色の髪、黄金に輝く瞳は大きく睫毛バッサバサ。肌なんか白く透き通るような絹肌だね。きっとふわふわのもちもちに違いない。白皙の美少年ってこういうの言うの? ファンデーション要らないの羨ましい。

 真っ裸だけどね。

 うん、ごめんねこれホースの力だよね。
 ホースアドバンテージ:脱一張羅

 ポーン ≪どんなものでも一皮むけるの!≫

 女神の能天気な解説が癪に障った。
 むけたやつ(服)どこに行くんだよ。手に入れたって何度も聞こえるけど、僕は持ってないよ。

 ポン ≪補助空間ストレージを開放したげるの! そぉれ☆≫

 それええ?! それなのおお?!!
 なんとストレージがブラジャーだった件。
 なんでブラジャーまでしているかって? 僕は完璧な女装主義者だからね。下だって、きちんとおパンティーさ。
 と、それはどうでもよくてね。僕の胸に冷たい感触が走ったと思ったら同時に重みを感じて、思わず膝をついてしまった。

「ひあん……!」

 変な声まで出ちゃったじゃないかああああ硬貨が、硬貨が、こぼれるっ。
 いきなり開放なんてするから、盗賊たちから巻き上げたっぽいお金が、ブラジャーから服の隙間を通って落ちてゆく。
 チャリン チャリーン チャリチャリーンと、景気の良い音が洞窟内に響くけど、これ小さいお金ばかりなんだよな。
 貨幣価値などもちろん知らない。でもさ、盗賊のマイポケットに入っていたものだ。山吹色の小判などがあるはずもなく、錆色をしたものが多いよ。

「なんと、お前の乳房からは小銭が出るのか?」
「そんな訳ないでしょう」

 子供のくせに乳房とか言うな。あ、いや、僕もおっぱいとかは普通に言っていたかもだけど、乳房はないだろ乳房って……。

「ホセくん、拾ってくれてありがとう」

 散らばった小銭を全部拾い集めてくれたホセくん、ええ子や。

「別にこれくらい良い。しかし、何故に私の名を知っている? お前に名乗った憶えはないぞ」
「あ、あーと……女神様に聞いて」

 しまった。女神とか言ってしまった。いやでも、どう言い訳したらいいか思いつかないし。
 知力:S(+)もあるのに思いつかないなんてこと、あるう?
 焦りで頭真っ白になってきたし、やっぱりどんな言い訳も思いつかない。

「成程、女神か。お告げを聞けるとは、お前は女神の神徒なのだな」

 あら、納得されてしまった。もしかして女神、きちんと仕事するタイプなのか? 少なくとも竜には認知されて慕われているっぽい。

「小銭は、そこに入れるのが良いか?」
「あ、うん、戻すよ――て、何で胸のボタン外しにかかるのかなホセくん?」
「乳房がよう見えんのでな。これだな、小銭入れは」
「ちょ、ちょっと、そこは――――」

 ブラジャーの中に手を突っ込んでくるホセくん。待って、君、銅貨を入れるふりして胸タッチしただろ。

「そこは違うよ」
「では、ここか?」
「――――ン」

 それ違う! もっと違う! 乳首だから、それ!

「つ、摘ままないで……っ」
「ほうほう、ここは、こうなっておるのだな」

 何がほうほうなんだ?! 最初は片手だけだったのに、今は両手で胸を撫で、胸の突起も摘まんでくる。
 こいつエロガキか? いやでも、こんなところで大怪我をしていた一人ぼっちの子供だ。母恋しいのかもしれない。

「触ってないで、入れて」
「むむっ?! 入れて良いのか?!」

 そんな驚きながら聞かなくてもいいじゃないか。早く拾った硬貨をブラジャー内ストレージに入れてよ。ここから出て来たってことは、仕舞うこともできるはずだから。
 できるよな、女神?

 ポーン ≪できますの。補助空間ストレージの容量や機能は、レベルが上がる毎に開放されますの≫

 それは某猫型ロボの四次元ポケット並に成長できるということかなあ。
 四次元ブラジャー、便利そうだ。

 しかしだなホセくん、君はいつまで僕の胸を揉んでいるのかね?
 揉むだけじゃなく指先で乳首クリクリ、凝視もしているけども。心なしか涎も垂れていないかホセくん?

「ん……、早く入れて。女神も、できるって……、言ってる、から……」

 ちょっと、あれだ。乳首を弄るの、巧いな君は……。
 このままじゃ変な気分になってしまう。早く入れてよと、ホセくんを急かす。

「わかった。同意だ。同意だからな。ここから拒否なんて、許さんからなっ!」

 そう叫んで真っ裸竜王子は、股間の逸物を取り出した。
 ……ん? そこスリットがあるんだ? え、大きくない? と、その前に、どうして逸物を出したのだろう。仕舞ってくれ。

「ふふふ、凄いな……お前の傍に居るだけで、こんな風に大きく育ってしまったぞ」
「ええええ? 大きくない? 子供のくせに、え? どゆこと?」

「私は子供ではない。百歳の誕生日を迎えたばかりだ。成竜の儀式も済ませたのだぞ。帰り道に、ちょっと敵対種族に襲われて、魔力を使い果たしたせいで縮んでしまい、翼も失くしてしまったのだが……だが、お前が癒してくれた。感謝する。お前の名前は?」

「……っ、夏凪なつなぎ じゅん……潤って呼んで、ひゃ」
「ジュン……」

 大きいモノの先端が乳首を掠めた。そこ好きだな竜王子。
 というか、これはもう致す流れになっているわけだけども……。
 僕が入れてとか言ったから本気になったのだろう。僕が悪いな。うん、言葉のすれ違いってやつだ。
 だからって拒絶するのも傷つけちゃうと思うし、ここは僕の性別を明かすのが公平だと思う。
 乳首に擦りつけられる感触は気持ちいいけど、でも、ここは、心を鬼にして!

「ごめんねホセくん、僕はこんな格好してるけど、男なんだ」
「そうだな。ジュンは男だ」

 え。

「男だってバレてたの? じゃ、じゃあ、こういうこと、出来ないよね?」

「出来るぞ。成竜の儀の際、手ほどきは受けた。いつかつがう伴侶のために、相手が人間でも男でも大丈夫なように、交合の方法も学んでおる」

「それなら、きちんと伴侶を迎えた時にしか、こういうことしちゃ駄目だよ。僕は違うでしょ?」

 今は君、人恋しいだけだ。大怪我で、ここに蹲って、来る人は威嚇して牙を剥いていた。
 そんな君は、突然現れて傷を癒しただけの僕に母性愛を感じているだけだ。番だとか伴侶だとか、一生ものでしょ。そういう大事なものを、会って間もない僕に決めては駄目だ。

「違わない。ジュンは番だ。私の伴侶だ。私の宝玉を持っても無事だろう?」
「――――ふぁ?!」

 ポーン ≪聖者は竜の宝玉 【絶白】 を手に入れた≫

 うわああああ繰り返さないで女神ぃ! 知ってるよ! 確かに手に入れていたね宝玉を!

「竜の宝玉を番じゃない生き物が持てば、爆発四散する」
「マジで??!!!!!!」
「マジとは」
「本気かってこと」
「本気に決まっておる!」
「――――っ!」

 唇に突進された。チューーと吸い付く吸引力、しゅごい。

「ん、ンッ、んん――っ」

 舌、舌まで、キタ! ちょっと冷たいけど、でも、クチュクチュされちゃうと……腰が痺れちゃう……。

「ふぁ……ぁう、」
「ふっ、トロトロだ。一気に発情したな。人間は最初に接吻するのがいいと学んだのだ。それから蕩けた瞳で見つめてきたら、食べ頃だとも……」

 その通り。ホセくんのキスは気持ち良くて胸キュンで、経験ないのにお尻の孔が濡れて、既に待ち焦がれ態勢だよ。
 どういうこった?

 ポン ≪聖者はレベルアップした Lv.3≫
 ポン ≪聖者は竜の宝玉アドバンテージを開放した≫
 スッポンポーン ≪聖者は竜の宝玉アドバンテージ:番の性技、番の子宮を獲得した≫

 こういうこったよ!!!!

「いや、いや、僕こういうの初めてで」
「私も初めてだ。だが知識はつけた。お前のためにな! いざ!」

 ぴゃああああああぁぁぁぁ…………。

 ポーン ≪聖者はレベルアップした Lv.5≫
 ポン ≪聖者は職業アドバンテージ:聖庵結界を獲得した≫
 ポン ≪聖者は属性アドバンテージ:魅了の処女を失った≫
 スッポンポーン ≪聖者は属性アドバンテージ:魅惑の魔性を獲得した≫
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