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スリウス王国 王宮パーティー

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 ナギサ・エトワールがグレアハム・キャットに周りが引くような起こされ方をしていると、
 女王が現れた。

(キャスタ星群第8惑星スリウス王国第27代女王:女 キャストン・クリトリヌ)
   皆の者、今日は余のパーティーによく来てくれた。
   楽しんでいくがいい。

(ナギサ・エトワール)
   余?ってことは女王様?

(キャスタ星群第8惑星ギルドマスター:女 タナ・ミュラー)
   あゝ、スリウス王国第27代女王、キャストン,クリトリヌ様だ。

(ナギサ・エトワール)
   へぇ~。

(キャスタ星群第8惑星ギルドマスター:女 タナ・ミュラー)
   挨拶に行ってくる。

(ナギサ・エトワール)
   じゃあ、ボクは料理を堪能しとくね。

(ギルマスメリッサ専属ユニット キャス・リストリン)
   マスター、料理をお持ちました。

(ナギサ・エトワール)
   わお!気が効くね、ありがとう。


 そう言って受け取ろうとすると、ガシッと腕を掴まれた。

(ナギサ・エトワール)
   何?

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   何かあってはいけません、毒味が必要です。
   周りを見てください、皆、毒味をさせています。


 周りを見ると、連れてきたユニット体に毒味をさせていた。

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   では失礼します。


 そういうと、グレアハム・キャットは口に入れた。
 口、あったのね。
 たしかにロボット的な開き方だけど。
 しばらくして、どうみても咀嚼したようにしか見えない物体が、
 口と思われる場所から出てきた。

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   大丈夫です、マスター。
   では、どうぞ。


 ナギサは思わず周りを見渡す。
 たしかにユニット体が毒味をしているが……
 指から伸びた、針のようなものを食べ物に刺して確認しているだけだった。

(ナギサ・エトワール)
   毒味の仕方が違うと思うが?

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   いえ、この方が確実です。
   召し上がってください。

(ナギサ・エトワール)
   食えるか!

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   何故です。
   安全は保証します。
   肉の旨みが肉汁とともに溢れでてきて、
   肉自体は溶けるように柔らかいですよ。
   ソースの酸味がより奥深い味わいを出しています。

(ナギサ・エトワール)
   食レポは頼んでないぞ!

(ギルマスメリッサ専属ユニット リス・マイヤー)
   マスター、勿体ないです。
   召し上がってください。


 そう言うとリス・マイヤーは、ナギサ・エトワールの鼻を摘んだ。

(ナギサ・エトワール)
   ふがっ!

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   どうぞ、召し上がれ。


 そう言うと、食べやすく変形した手で、ナギサの口に押し込んだ。

(ナギサ・エトワール)
   うぷっ……

(ギルマスメリッサ専属ユニット キャス・リストリン)
   ここで吐けば騒ぎになります。
   飲み込んでください。

 
 そう言うと、キャス・リストリンはナギサ・エトワールの口を手で押さえた。

(ナギサ・エトワール)
   うぐっ(涙目)

(ギルマスメリッサ専属ユニット リス・マイヤー)
   すみません。
   鼻を離すのを忘れてました。
   次はコレです。


 今度はリス・マイヤーが用意した、謎の物体を見せられる。

(ギルマスメリッサ専属ユニット リス・マイヤー)
   これは、この近郊で採れた新鮮なきのこで出来たソースに、
   スリウス産の最高級の白身魚をフライにした絶品です。
   油の乗った白身魚をフライにし、旨みを閉じ込めたうえ、
   濃厚なきのこ入りデミグラスソースで味付けした一品です。
   カリッとした食感とふわふわな白身をご堪能ください。

(ナギサ・エトワール)
   いや、もうそれ、うぐぐぐぐっ……


 両頬を掴まれ、口が閉じれなくなったナギサの口に、
 リス・マイヤーが押し込む。
 間髪入れず、グレアハム・キャットがナギサ・エトワールの口を塞ぐ。

(メインユニット体 グレアハム・キャット)
   飲み込んでください。
   騒ぎになってはいけません、ナギサ・エトワール。

(ナギサ・エトワール)
   うぐっ……(ごっくん)


 ユニット体の能面の向こう側にニヤついた表情が見えるのはボクだけか?

(キャスタ星群第8惑星ギルドマスター:女 タナ・ミュラー)
   遊ばれてるなぁ~、ナギサ(爆笑)

(ナギサ・エトワール)
   笑ってないで、止めてくれ(半泣)


 戻ってきたタナ・ミュラーは遠目に見ていたため、爆笑していた。

(招待客:男)
   あのユニット体、エゲツないな(汗)

(招待客:女)
   もう完全にマスターをおもちゃにしてるわ(汗)


 その後、"普通の"毒味が行われ、料理を堪能できたナギサ・エトワールだった。

 
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