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一つ夢が増えたの
しおりを挟む「こんにちは上坂さん」
「あ、なのちゃ~んこんにちわっ」
上坂さんは近所のグラウンドに行くと、いつもランニングをしている高校生なの。走ることが好きで、高校では陸上部に入っているの。
「今日はどうしたの?」
「今日はお菓子を沢山食べたから運動しないきゃっておもったの」
「そうなんだっじゃあ準備体操からしよっか、怪我したら危ないからね」
「わかったの」
運動をする前に準備運動をすることが大事って上坂さんはよく言っているの。ずっと上坂さんとランニングをしているけど、いつも準備運動をしているおかげで怪我をしたことがないの。上坂さんはすごい人なの。
「いっちにーさんしごーろくしちはち…よしこんくらいで良いかな」
「体もだいぶあったまってきたの」
「じゃあ走ろっか!疲れたらいつもみたいにベンチで休んでいていいからね」
そう言って走り始めた。グランドを2周するまでは着いていけてるけど、そこでいつも諦めちゃうの。だから、今日は3周を目指したいの。
「上坂さん、わたし今日は頑張って3周走るの」
「おっやる気だねぇ~。じゃあなのちゃんがそう言うなら、私も今日はいつもより頑張らなきゃねっ」
結局頑張ったけどいつも通り2周で終わってしまった。上坂さんはまだグラウンドを最初よりも早いペースで走り続けている。多分、これで10周目なの。
「いや~なのちゃんお疲れさま、今日も頑張ったね!」
「…今日も3周走れなかったの」
「でも始めた頃に比べたらどんどん早くなってきてるし、距離も走れるようになってきてるよ?」
「でも、私は上坂さんみたいになりたいの」
上坂さんはかっこいいの。ずっと早いペースでグラウンドを走り続けて、私よりも沢山走っているはずなのに疲れてなさそうなの。
「大丈夫だよ、なのちゃんもいつか私みたいになれるから」
「いつになったらなれるの?」
「それはね、私と同じくらいの年齢になったらかな?」
上坂さんみたいになれる気がしないの。きっと私が高校生になっても、上坂さんみたいにはなれないの…。
「あ、いまなのちゃん私みたいになれないかもって思ったでしょ~」
「…ちょっとだけ思ったの」
「最初っからそうやって諦めてたら何者にもなれないよ。だから、諦めずにチャレンジしていくことが大事なの」
…確かにそうなのかもしれないの。言いたいことは分かるけど、きっと上坂さんは最初っからすごかったから今もすごいの。
「…私もね子供の頃は走るのがクラスで一番遅かったんだよ」
「嘘なの…」
「嘘じゃないよ~。それでね、なのちゃんぐらいの歳の頃足の早い近所の人と特訓したの。そうしたら、どんどん足が速くなって走ることが好きになってったんだよ。まぁ、何が言いたいかっていうと、最初っからすごい人なんて居ないんだよ」
上坂さんはすごい人だし、嘘をつかない人なの。だから、言っていることは本当だと思うの。…私も何者にでもなれるのかな?
「…私頑張るね上坂さん。いーっぱい努力して練習して上坂さんみたいになるの」
「そうそう、そんな感じでいけば大抵のことは何とかなるからっ。でも、私みたいになるんじゃなくて、私を軽々超えて行ってほしいな」
「わかったの、私は上坂さんを軽々飛び越えていくの」
またひとつ夢が増えたの。いろいろな事に挑戦していって、好きになって、私はみんなと幸せになるの。
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