上 下
27 / 29

暗雲立ち込める拓斗「私を変態とはいい度胸ねBy早雪那由」

しおりを挟む
『誰にもバレずに天竺へ』ミッション成功!!
次のミッションへ移行。探索し目当てのお経を購入する。

いざ、天竺へ潜入!!


何も知らない拓斗は意気揚々と天竺へ足を踏み入れた.......


――――――


にぃを追いかけたら『悪魔』の書物が売買されているであろう場所に到着。そこは昔コンビニだったような雰囲気のテナントで、窓の内側からカラーテープを貼り付け、外側には窓1つにつき1文字で「男」「の」「D」「V」「D」と書かれている。『悪女』と密会する、なんてことは無かった。まぁ、私の予想が当たってるみたい。

(作者)「なんでも『悪』って付ければいいってもんじゃn……」

うるさい!
作者(こんなやつ)なんかほっとこう。作者(こんなやつ)の作る世界は、作ったやつより私らキャラの方が偉いのよ!!
それよりも私の隣にいる、いつの間にか合流した息を荒げる寝間着姿の『変態』が1人いるんだけど.......

「那由ちゃんどうしたの?  」

興奮してる理由は容易に想像ついた。けど聞きたいのは別。

「……え?  …いや、その……拓ちゃんって私や玉響ちゃんにそういう本を隠されたり燃やされたりとかされちゃうのにまた買うんだって。……そもそも、買っても無駄だってなんで思わないんだろ。拓ちゃんは私を興奮させる天才だわ……」

吐息混じりな『変態』はちょっと的外れな事を言う。

「いや、《なんで興奮してるのか?  》って聞いてた意味もあったけど、もっと聞きたいのは《なんで拓斗が『悪魔』の書物を買いに行く話を私は言ってないのに気付いて私と合流出来たの?》って聞きたいんだけど」

私は話してもいないのに合流出来たのか不思議でしかたない。

「センサー」

『変態』はドヤ顔で答えた。思わず私はぽかんとしてしまった。
私と同じように、にぃが『悪魔』の書物を買いに行くことに気付けば、家が隣なんだし家を出る音にも気付ければ簡単な事か。
『変態』は、にぃみたいなダメなやつが好きみたいだから、多少はね?にぃ以外のダメ人間は惹かれないみたいだけど反応はするみたい。
まぁ?  私は?  にぃの事?  別に?  好きじゃないから?

(作者)「何?  その典型的なツンデレ」

うるさいって言わなかったっけ?次またそういう風な反応したらわかるよね?

(作者)(たぶんビンタされるんだと思うけど、女の子からビンタされるの嬉しいけど、流石に痛そうだから黙ってないと.......)

まぁ、にぃにここで『悪魔』の書物を買われるのは私にとって、メリットはある。隠したり燃やしたりした時のにぃの顔は、とても私を興奮させるモノがある。それは『変態』も同じなのだろう。そのメリットがなければ今より前に、にぃを止めに行くと思うし。

「那由ちゃん……しっかりしてよ。生徒会長でしょ?  よだれ垂れてるよ?  」

全く。『変態』も、にぃの事を言えないんじゃない?  いつもはしっかりしてると思うけど、にぃの事になるといつもこんな感じだし。

「はっ!!  」
ジュル
『変態』は急いで、口の端から溢れ出る欲望を拭いている。
そんなやり取りをしていると、お店の出入口が開いた。

「あざっさー、まーおあっせー」

店員あるあるのやる気ない声が聞こえた。たぶん「ありがとうございます。またお越しくださいませ」と言ってるんだろう。にぃがお腹を四角く膨らませお店を出てきた。そういう風にコソコソしている方が逆に怪しい事になんで気づかないんだ?

「あっ!  」

私は、にぃに気づき、声を漏らし、身を隠した。『変態』はそんな私の動きを見て察し、同じように身を隠した。

にぃはとても好みのものを見つけたのか、ニヤニヤしている。にぃは本当にだらしないんだから。

(うへへへへ……て、気持ち悪い事言ってそうな顔してるわね///)

とても興奮しながら『変態』は小声で話す。あ、ここにもだらしない人が。

(那由ちゃんもしてるよ?)

私はすかさずツッコミを入れた。だって一瞬、自分の事を言ってるのかと思ったから。


《あっ》

私と『変態』は、思わず声を漏らした。
なぜなら、にぃと同じような姿をした不審者がお店の前を通り掛かり、その不審者はちょうどお店から出てきたにぃと衝突したから。

出会い頭事故とはこの事だ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おっぱい編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート詰め合わせ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

処理中です...